チュー・ベリー 1938年
Chu Berry 1938
<Date&Place> … 1938年1月10日 ニュー・ヨークにて録音
<Personnel> … ミルドレッド・ベイリー・アンド・ハー・オーケストラ(Mildred Bailey and her Orchestra)
<Contents> … "Mildred Bailey/Her greatest performances"(Columbia JC3L-22)&"Chu Berry 1937・40"(Everybody's 1002)
Record2 A-6.&A-4. | サンクス・フォー・ザ・メモリー | Thanks for the memory |
Record2 A-8. | フロム・ザ・ランド・オブ・ザ・スカイ・ブルー・ウォーター | From the land of the sky blue water |
A-5. | 恋人よ、我に帰れ | Lover come back to me |
Record2 A-6.&A-4.「サンクス・フォー・ザ・メモリー」
これは大好きな曲。ヴォーカルの後チュー・ベリーのTsソロが入る。実にソフトなふくよかな音色のソロである。
Record2 A-8.「フロム・ザ・ランド・オブ・ザ・スカイ・ブルー・ウォーター」
ヴォーカル後のテディ・ウィルソンのソロはやはり端正でいかにも彼らしい。ミルドレッドのヴォーカルは、どの部分化は言い難いが、何となくジャズ・ヴォーカルという感じがするなぁ。
A-5.「恋人よ、我に帰れ」
ヴォーカルの後先ずはダミコのClソロ、続いてチューのソフトなソロが出る。
<Date&Place> … 1938年1月26日 録音
<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)
<Contents> … "Cab Calloway/Penguine swing"(Archives of jazz 3801082)
Garvin
CD-3. | ラッスル・オブ・スイング | Rustle of swing |
CD-4. | スリー・スイングス・アンド・アウト | Three swings and out |
CD-3.「ラッスル・オブ・スイング」
何となくハッピー・ムード漂うミディアム・テンポの曲で、アンサンブルの後Tp、チュー、Tbと短いソロが続く。やはりチューのソロを聴くナンバーであろう。
CD-4.「スリー・スイングス・アンド・アウト」
いかにもスイング時代という感じの曲。Tpの後チューのソロは落ち着いたクールな感じで、アンサンブルとの掛け合いでもいい味を出している。
<Date&Place> … 1938年2月10日 録音
<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)
前録音1月26日と変更なし。
<Contents> … "Cab Calloway/Penguine swing"(Archives of jazz 3801082)
CD-1. | ペンギン・スイング | Penguin swing |
「ペンギン・スイング」は、キャブのヴォーカル入り。どこかで聴いたことのあるメロディーではあるが思い出せない。古いアメリカのアニメの曲に似ている気がするのだが…。中間に出るチューのソロが聴き応えがある。
次の録音は3月23日となる。音源は2曲、それぞれ別のレコードに収録されており、レコーディング・データが若干異なる。
<Date&Place> … 1938年3月23日 ニュー・ヨークにて録音
<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)
前録音2月10日からの変更は、
Trumpet … シャド・コリンズ ⇒ ドク・チータム(Doc Cheatham)
Clarinet & Alto sax … ガルヴィン・ブッシェル ⇒ チャウンシー・ホウトン(Chauncey Haughton)
Guitar … ダニー・バーカー ⇒ モーリス・ホワイト(Morris White)
であるが、"Cab 〜 Ella & Chick"はシャド・コリンズのままとしている。
レコード"Chu Berry/Chu"とCDの「チュー・ベリー/チュー」の記載は同じ。こちらが正規盤なので、こちらを<正>としよう。
<Contents> … "Chu Berry/Chu"(Epic EE 22007)&「チュー・ベリー/チュー」(SICP 4013)&"Cab 〜 Ella & Chick"(Bandstand records 7125)
B-1. | アット・ザ・クランベイク・カーニヴァル | At the clambake carnival | "Chu" |
A-4. | アジュール | Azure | "Cab 〜 Ella & Chick" |
B-1.「アット・ザ・クランベイク・カーニヴァル」
チューのテナー・ソロでスタートする。続いてTb、ヴァイブラフォン、Clと短いソロが続き、リフ主体のアンサンブルとなって終わる。CDにもレコードにもヴァイブラフォン奏者のクレジットがないが誰が叩いているのであろうか?
A-4.「アジュール」
エリントンの作。キャブのヴォーカル入り。ヴォーカル後のアンサンブルが見事である。ただ他には余り聴き処はない。
<Date&Place> … 1938年11月10日 ニュー・ヨークにて録音録音
<Personnel> … チュー・ベリーと彼のリトル・ジャズ・アンサンブル(Chu Berry and his little jazz ensemble)
ちょっと変わったバンド名だが、「リトル・ジャズ」というのはロイ・エルドリッジのあだ名だそうで、ロイの参加を喜んだチューがセッション名として付けたのであろうという。
<Contents> … 「コールマン・ホーキンス&チュー・ベリー」(K23P-6614)
B面1. | シッティン・イン | Sittin' in |
B面2. | スターダスト | Stardust |
B面3. | 身も心も | Body and soul |
B面4. | 西46丁目52番地 | Forty six west fifty two |
B面1.「シッティン・イン」
タイトルの「シッティン・イン」は、ミュージシャンがジャム・セッションを楽しむことを言うスラングで、チューとロイとの会話で始まるところなどそういった雰囲気を出しているのだろう。曲はアップ・テンポで、ハートのイントロからロイ、チュー、ハート、再度チュー、カトレット、ロイとチューの絡みとなる。やはりロイとチューのプレイが素晴らしい。
B面2.「スターダスト」
ご存知ホーギー・カーマイケル作のスタンダードの名曲。ゆったりとしたテンポで、チューは風格さえ感じさせるような素晴らしい吹奏を示す。続いてロイとハートが半コーラスずつソロを分け合い、再びチュー、それにロイが絡む。素晴らしい出来栄えである。テナーによる同曲のベスト5に入る名演であろう。
B面3.「身も心も」
これもスタンダードの名曲で、ホーキンスが史上名高い名演を残すのはこの後。チューはここでも風格ある素晴らしいソロを示す。続くロイはテンポを倍に取って再び短いチューのソロに戻す。
B面4.「西46丁目52番地」
タイトルはニューヨークのジャズ街「スイング・ストリート」の中心地の住所だという。チューのオリジナル。ここではドライヴ感溢れるチューのプレイが堪能できる。
<Date&Place> … 1938年8月30日 ニュー・ヨークにて録音
<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)
"Chu"では前録音3月23日と変更なし。
"Cab 〜 Ella & Chick"では、
Drums … ルロイ・マキシー ⇒ コジ―・コールCozy Cole
<Contents> … "Chu Berry/Chu"(Epic EE 22007),「チュー・ベリー/チュー」(SICP 4013)&"Cab 〜 Ella & Chick"(Bandstand records 7125)
B-2. | ジャイヴ | Jive(Page"1" of the hepster's dictionary) | "Chu" |
A-5. | シャウト・シャウト・シャウト | Shout,shout,shout | "Cab 〜 Ella & Chick" |
B-2.「ジャイヴ」
キャブのヴォーカル・ナンバー。ヴォーカルの後にTsのソロが入りアンサンブルとなる。このチューのTsソロが聴きものなのであろう。
A-5.「シャウト・シャウト・シャウト」
ヴォーカル無し。Ts、Cl、Tpの短いソロはあるもののほとんどはアンサンブルで進行する。これもこれといって聴きどこはなく、前「アジュール」と共になぜ選曲されたのか疑問に思う。
<Date & Place> … 1938年11月28日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … テディ・ウィルソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Teddy Wilson and his orchestra)
<Contents> … 「ビリー・ホリディ 第4集」(CBS SOPH 67〜68)
Record1 B-1. | あなたが欲しい | You're so desirable |
Record1 B-2. | あなたについて離れない | You're gonna see a lot of me |
Record1 B-3. | ハロー・マイ・ダーリン | Hello , my darling |
Record1 B-4. | 月影の夢 | Let's dream in the moonlight |
この11月に、ビリーはアーティー・ショウの楽団を退団した。そしてこのテディのバンドの方は、これだけ優れたメンバーを集めながら、テディは他のメンバーに余りソロを取らせていない。そういえばテディ以外のメンバーのソロは短くなってきているような気がする。ここではサックスを中心としたアンサンブルをバックにテディのピアノを浮き上がらせている。こうなるとオールスター・メンバーを揃えたブランズウィック・セッションは、意義が薄れてきたといえよう。こうした傾向は40年代に大きな人気を博するエディ・ヘイウッドのバンドなどにも影響を与えているといえよう。
Record1 B-1.「あなたが欲しい」
テディのソロは派手なグリッサンドを多用した華麗なものになってきた、そしてビリーはセクシーにねっとりと歌うとは巨泉氏。しかしテディのソロは音数を絞った実にモダンな素晴らしいものに思える。この頃のビリーは人気的にも絶頂で、「白いくちなし」の花を髪にかざして歌う美しいビリーの姿に多くの聴衆は酔ったという。
Record1 B-2.「あなたについて離れない」
この曲は先ず『貴方の想い出(Memories of you)』に実によく似ている。ここでテーマを吹くのはボビー・ハケットで、ハリー・ジェイムズのような派手さはないが、滋味に富んだ落ち着いた音色が好ましい。ビリーの歌唱もかなり抑えた表現で良い。
Record1 B-3.「ハロー・マイ・ダーリン」
ここでのビリーも抑制の効いたかなり押さえた表現で、そこが僕にも嫌味なく聴こえる所以であろう。
Record1 B-4.「月影の夢」
サックス中心のアンサンブルで始まる。トラミーのTb、テディのPとソロが入り、ビリーのレイジーなヴォーカルとなる。続く短いTsソロはチュー・ベリー。
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