ベイシーの在団するベニー・モーテン楽団のこの年の録音は2曲しか見当たらない。しかもベイシーのソロはなく、また特段面白い演奏でもない。
Band leader & arranger | … | ベニー・モーテン | Bennie Moten | ||||||
Trumpet | … | エド・ルイス | Ed Lewis | 、 | ブッカー・ワシントン | Booker Washington | 、 | ”ホット・リップス”・ペイジ | ”Hot lips”Page |
Trombone | … | タモン・ヘイズ | Thamon Hayes | ||||||
V-Tb、Gt & arrange | … | エディー・ダーハム | Eddie Durham | ||||||
Saxes & Clarinet | … | ハーラン・レナード | Harlan Leonard | 、 | ウッディ・ウォルダー | Woody Walder | 、 | ジャック・ワシントン | Jack Washington |
Piano | … | カウント・ベイシー | Count Basie | ||||||
Accordion | … | バスター・モーテン | Buster Moten | ||||||
Banjo | … | ルロイ・ベリー | Leroy Berry | ||||||
Tuba | … | ヴァ―ノン・ペイジ | Vernon Page | ||||||
Drums | … | ウィリー・マックワシントン | Willie McWashington | ||||||
Vocal | … | ジミー・ラッシング | Jimmy Rushing |
record9-A面9、B-7. | ヤー・ガット・ラヴ | Ya got love |
record9-A面10、B-7. | アイ・ワナ・ビー・アラウンド・マイ・ベイビー・オール・ザ・タイム | I wanna be around my baby all the time |
ベニー・モーテンの1931年の吹込みは非常に少なく、ディスコグラフィーを見ても2曲しか見当たらない。その2曲が「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ第9巻/ザ・ビッグ・バンド・エラ第1集」(RA-52)と“Bennie Moten K.C. Orch. 1929-31/Harry Dial quartet 1946”(IAJRC 7)に入っている2曲である。
[ヤー・ガット・ラヴ]
ラッシングのヴィーかル・ナンバー。バラードというよりは語りのような唱法である。ソロはテナー・サックスのみである。
[アイ・ワナ・ビー・アラウンド・マイ・ベイビー・オール・ザ・タイム]
瀬川氏は、「テーマを吹くサックスの合奏が、ガイ・ロンバード楽団のようなヴィブラートをかけ甘さを強調しているのが美しい」としている。なるほどガイ・ロンバード的とはそういうことかと参考になる。
この2曲は僕には特段面白いものとは思えなかった。もしかするとそれは時代背景=不況の時代強烈なスイングというものは好まれず、ということは録音されず、まろやかな演奏が求められたということなのかもしれない。