レナード・バーンスタイン「ドヴォルザーク/交響曲第9番 新世界から」

Leonard Bernstein“Dvorak/Symphony No.9 From the new world”

「レナード・バーンスタイン/ドヴォルザーク/交響曲第9番 新世界から」CD・ジャケット

<Date & Place> … ?

<Personnel> … レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック

<Contents> … レナード・バーンスタイン「ドヴォルザーク/交響曲第9番 新世界から・メンデルスゾーン/交響曲第4番 イタリア」(CD…CBS 22DC 5592)

第1楽章アダージョ;アレグロ・モルトAdagio;Allegro molto
第2楽章ラルゴLargo
第3楽章スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェScherzo:Molto vivace
第4楽章アレグロ・コン・フォーコAllegro con fuoco

大分以前出張ばかりが多かった時分よくこの第2楽章「家路」のメロディーが頭に浮かび購入したCDです。アメリカの交響曲なのでアメリカの指揮者バーンスタインにしたのでした。
このCDにはメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」も収録されていますが、ここでは割愛させていただきます。

第1楽章
神保けい一郎氏は、『クラシック音楽鑑賞事典』(講談社学術文庫)で、「主題の展開の中にフルートとオーボエの奏する副主題が現れる。アメリカ・インディアンの音楽の片鱗はこの辺りからほの見える」とし、また「黒人の歌の『低くはずめ、わが乗る馬車』(黒人霊歌「Swing low , sweet chariot」のことと思われる)の旋律がフルートの独奏で導き出される」といいます。CD解説の坂清也氏は、「民謡風の第1主題とひなびた感じの副主題を中心に繰り広げられる」と書いています。僕自身は「インディアンの音楽の片鱗も分からなかったし、黒人霊歌(Swing low , sweet chariot)も気づきませんでした。ただ全体としてとっつきやすいメロディーで、交響曲の序奏としては良い曲ではないかと思っています。
第2楽章
「家路」として有名なナンバー。どこかの学校で下校時間にこの曲を流していたのを思い出します。このメロディーを聴けば帰りたくなりますよね。僕は何となくイギリス風というかスコットランド風のメロディーなのではないかと感じているのですが…。
第3楽章
神保氏は「悲哀と歓喜、この中間のような感情がある。旋律は明らかに悲哀だが、リズムは手の舞い足踏むところを知らない喜びにあふれている」と書いている。CD解説の坂氏は民族音楽風であると書いているが、確かにその雰囲気は感じられます。
第4楽章
勇壮な最終楽章。僕はこの壮麗で力強いところはベートーヴェンみたいだなぁと思った。これも有名なメロディー。

神保氏の言うように初演の当時から黒人霊歌や民族音楽の一部をそのままの形で引用しているのではないかという議論があったようです。しかしドヴォルザーク本人はこれを完全に否定し、「アメリカの精神で作曲しようとしただけだ」と述べているそうです。

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