アルバータ・ハンター/「アムトラック・ブルース」

Alberta Hunter“Amtrak blues”

「アルバータ・ハンター/アムトラック・ブルース」レコード・ジャケット

このレコードを購入し、家で聴いてとにかく驚いた。何としわがれた声だろうか!?これがあのアルバータ・ハンターか!?
しかし考えれば当たり前である。僕が持っていた唯一の彼女の録音は、デューク・エリントンを伴奏者に従えた1924年の録音、これがエリントンのファースト・レコーディングであった。そしてハンターは29歳若々しい声をしていた。一方こちらは復帰しての実質上の第1作で彼女は85歳になっているのである。85歳でこれだけ歌えるとは…。こちらに驚くべきであろう。
さらにドク・チータム75歳、ヴィック・ディッケンソン74歳この2人の健在ぶりにも驚いた。

<Date & Place> … 1980年 多分ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … アルバータ・ハンター(Alberta Hunter)

Vocalアルバータ・ハンターAlberta Hunter
Trumpetドク・チータムDoc Cheathum
Tromboneヴィック・ディッケンソンVic Dickenson
Clarinet & Tenor saxノリス・ターネイNorris Turney
Flute & Tenor saxフランク・ウエスFrank Wess
Pianoジェラルド・クックGerald Cook
Guitarビリー・バトラーBilly Butler
Brassアーロン・ベルAaron Bell
Drumsジャッキー・ウィリアムズJackie Williams

<Contents> … 「アルバータ・ハンター/アムトラック・ブルース」(CBS 25AP 1914)

A面
B面
1ダークタウン・ストラッターズ・ボールThe darktown strutters’ball1アムトラック・ブルースAmtrak blues
2冷たい世間Nobody knows you when you're down and out2古風な恋Oldfashoned love
3アイム・ハヴィング・ア・グッド・タイムI'm having a good time3スイート・ジョージア・ブラウンSweet Georgia Brown
4オールウェイズAlways4良い男は少ないものA good man is hard to find
5マイ・ハンディ・マン・エイント・ハンディ・ノー・モアMy handy man ain't handy no more5アイヴ・ガット・ア・マインド・トゥ・ランブルI've got a mind to rumble

A-1ダークタウン・ストラッターズ・ボール
実に古いナンバー。1917年O.D.J.B.が史上初めて行ったジャズ録音のうちの1曲。歌詞があるとは知らなかった。この歌詞は元々あったものなのだろうか?”Jelly Roll blues”と歌う部分があり、ドキッとさせられる。
ハンターはミディアム・テンポで1コーラス歌い、倍テンポに変換3コーラスをスインギーに歌う。ターネィ(Cl)、チータムの1コーラス・ソロの後また3コーラスを陽気に歌いコーダに入る。リズムも小粋にスイングし、ヴォーカルを際立たせる。85歳のオバァサンを労わってはいない。通常歌手に対するバッキングである。
A-2冷たい世間
1923年ジミー・コックスの作。1929年べシー・スミスが歌ってベスト・セラーになっているという。日本でも憂歌団が「ドツボ節」のタイトルで歌っていた。
A-3アイム・ハヴィング・ア・グッド・タイム
ハンターのオリジナル。訳すれば「あたしゃ楽しんでいるんだよ、あたしゃ明日死ぬかもしれないんだからね」という歌詞は笑っていいのかどうなのか…。小気味よいスイング・ナンバー。
A-4オールウェイズ
アーヴィング・バーリンが1926年に書いた。ディッケンソンとチータムのソロが小気味よい。
A-5マイ・ハンディ・マン・エイント・ハンディ・ノー・モア
1928年アンディ・ラザフという人が書きエセル・ウォーターズでヒットした曲だという。
B-1アムトラック・ブルース
アルバム・タイトルになっている曲でハンター自身の作のブルース。ソロではギターのバトラーのギターがフューチャーされる。チータムのオブリガードもさすがの風格を感じさせる。。
B-2古風な恋
ジェイムズ・P・ジョンソンが1923年に書いた曲。同年のミュージカル「ラニン・ワイルド」で使われたスタンダード・ナンバー。
B-3スイート・ジョージア・ブラウン
1925年に作られたスタンダード・ナンバーで、アニタ・オディの名唱などが知られる。
B-4良い男は少ないもの
エディー・グリーンが1918年に書いたナンバー。ベッシー・スミスが1927年にレコーディングしているが、その後ソフィー・タッカーが歌ってヒットした。
B-5アイヴ・ガット・ア・マインド・トゥ・ランブル
これもハンターが作ったブルースで、1961年に一度録音しているという。
全体としてヴェテランがバックに配され、「伝説の歌手のカムバック」的な大仰なところがなく小気味よいスインギーなアルバムに仕上げているところはとても趣味の良さを感じる。

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