アンディ・カークについて、僕が勝手に師事する粟村政昭氏は、「その昔彼の率いるオーケストラは、カンサス・シティ在住のバンドでありながら、ベニー・モーテンに代表されるリフ中心のジャンプ・バンドには聴かれない洒落たアレンジの数々のアレンジを用い、力強さと野暮ったさで売ったカンサス・シティ・グループの中で一際異彩を放つ存在となっていた。
この功績は主としてピアニスト兼アレンジャーであったメリー・ルー・ウィリアムスの手に帰すべきものであったが、テナーを吹いていたディック・ウィルソンもまたこのバンドの重要なソロイストに一人であった。
カークは自己のバンドを”Clouds of joy”という変わった名で呼び、30年にはジャック・カップとの契約が出来てブランズウィックに十数曲の演奏を吹き込んだが、この頃のカークのバンドはどちらかというと、まだ泥臭い田舎育ちに印象を抜けきってはいなかった。カークのバンドが真にジャズ史に残る名演を残すようになったのは、6年後にデッカへ録音を行い始めてからのことで、(中略)常に寛ぎを忘れぬスマートなKCスタイルを創造した点でカーク楽団の功績は永久に讃えられてよい。」と高く評価しているが、今日日本のレコード・ショップなどでアンディ・カークのレコードを見かけることはほとんどないと言っていい。誠に残念なことである。
僕自身このHPを書いている時に、ミュージシャンのプロフィールを調べると、「アンディ・カークのバンドに在籍云々」という記載を見ることがあり、名前は知っていたがレコードは、今回紹介するオムニバス以外に持っていない。
またメリー・ルー・ウィリアムスも、粟村氏の名著『ジャズ・レコード・ブック』は183名のジャズマンを取り上げている中で唯一の女性器楽奏者である。その中で粟村師は次のように彼女を紹介する。
「ジャズ史上最高の女性器楽奏者と言われる彼女は、かつてアンディ・カークのバンドに提供した優れたアレンジの数々と”Lady who swings the band”と讃えられた簡潔でブルース・フィーリング溢れたピアノ・ソロによってスイング・イーラに忘れられない足跡を残した。
彼女はアール・ハインズから大きな影響を受けブギー並びにブルースの名手として名を成したが、時代の変遷と共に(中略)モンクやバド・パウエルの影響さえ巧みに消化して我々を驚かせた。(中略)また、ランスフォード、BG、ノーヴォ、エリントンといった有力バンドに提供した彼女のアレンジの素晴らしさについてもご存知の方は多いに違いない」と。そして彼女のアルバムというのも残念ながら、そうそうは見かけないのである。僕は今日紹介するものの他にはレコード片面分、CDも1枚しか持っていない。
僕は、これからも、レコード・ショップに行った際には彼らのレコード或いはCDを見かければ買って聴きたいと思っている。
| Band leader & Baritone sax | … | アンディ・カーク | Andy Kirk | ||||||
| Trumpet | … | ハリー・ロウソン | Harry Lawson | 、 | ポール・キング | Paul King | 、 | アール・トンプソン | Earl Thompson |
| Trombone | … | テッド・ドネリー | Ted Donnelly | ||||||
| Alto Sax | … | ジョン・ウィリアムス | John Williams | 、 | ジョン・ハリントン | John Harrington | |||
| Tenor sax | … | ディック・ウィルソン | Dick Wilson | ||||||
| Piano | … | メリー・ルー・ウィリアムス | Mary Lou Williams | ||||||
| Guitar | … | テッド・ロビンソン | Ted Robinson | ||||||
| Bass | … | ブッカー・コリンズ | Booker Collins | ||||||
| Drums | … | ベン・シグペン | Ben Thigpen |
| Band leader & Bass sax | … | アンディ・カーク | Andy Kirk | ||||||
| Trumpet | … | ハリー・ロウソン | Harry Lawson | 、 | ポール・キング | Paul King | 、 | アール・トンプソン | Earl Thompson |
| Trombone | … | テッド・ドネリー | Ted Donnelly | 、 | ヘンリー・ウエルズ | Henry Wells | |||
| Alto Sax | … | ジョン・ウィリアムス | John Williams | 、 | ジョン・ハリントン | John Harrington | |||
| Tenor sax | … | ディック・ウィルソン | Dick Wilson | ||||||
| Piano | … | メリー・ルー・ウィリアムス | Mary Lou Williams | ||||||
| Guitar | … | テッド・ロビンソン | Ted Robinson | ||||||
| Bass | … | ブッカー・コリンズ | Booker Collins | ||||||
| Drums | … | ベン・シグペン | Ben Thigpen | ||||||
| Vocal | … | ファー・テレル | Pha Terrell |
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Trombone … ヘンリー・ウエルズ ⇒ In
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"The best of Andy Kirk"(MCA2-4105)の1936年の収録曲は、ヴォーカル・ナンバーばかりでジャズ的に興味をそそられない。
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