アニタ・オディ 1941年

Anita O'day 1941

アニタ・オディは、僕が一番好きなジャズ・シンガー。彼女は1939年1月19歳の時、マックス・ミラーのコンボに加わり、シカゴの“オフ・ビート・クラブ”に出演しデビューした。その後ニューヨークに進出、約1年間52丁目のクラブ“スリー・デューセズ”にマックス・ミラーのトリオと出演している所をジーン・クルーパに見初められて引き抜かれ、41年3月にジーン・クルーパのバンドに迎えられた。そしてクルーパのバンドで、3月12日に初レコーディングが行われる。
僕はアニタのファンなので、どうしてもアニタ中心に見てしまうが、本来はジーン・クルーパの率いるビッグ・バンドが中心で、そこに加わった新人歌手がアニタ・オディだったと見るべきだろう。
アニタは後にスタン・ケントンの楽団に移りますが、このレコードは、アニタの初吹込みを含むクルーパ時代の録音を集めた貴重な日本編集盤で、アニタ・ファン必携のレコードだ。
右の写真はレコード・ジャケットのものだが、1年後の1942年シカゴのホテル・シャーマンに出演した時のものである。アニタは若干22歳、とても可愛らしく初々しい。

音源は2種ある。
Record …「アニタ・オディ・シングス・ウィズ・ジーン・クルーパ(Anita O'Day sings with Gene Krupa)」(CBS 20AP 1439)と CD … "Let me off uptown"(Columbia CK 65625)である。以下略してRecord、CDと表記する。

<Date&Place> … 1941年3月12,19日、4月11日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ジーン・クルーパと彼のオーケストラ(Gene Krupa and his Orchestra)

Band leader & Drumsジーン・クルーパGene Krupa
Trumpetグラハム・ヤングGraham Youngトーグ・ホーテンTorg Haltenショーティ・シェロックShorty Sherockノーマン・マーフィーNorman Murphy
Tromboneベイブ・ワグナーBabe Wagnerジェイ・ケリハーJay Kelliherパット・ヴァーガダモPat Virgadamo
Alto Saxマスキー・ルッフォMascagni Ruffoクリント・ニーグリーClint Neagley
Tenor Saxサム・ムジカ―Sam Musikerウォルター・ベイツWalter Bates
Pianoボブ・キチスBob Kitsis
Guitarレイ・ビオンディRay Biondi
Bassビディ・バスティアンBiddy Bastien
Vocalアニタ・オディAnita O'Day

CDでは録音日を「3月12日、19日そして4月11日」と表記されているが、3回に分けて録音されたということなのだろうか?
RecordとCDではTpセクションのみ若干データが異なる。CDでは上記にロイ・エルドリッジが加わり、5人としている。

<Contents> … 「アニタ・オディ・シングス・ウィズ・ジーン・クルーパ(CBS 20AP 1439)&"Let me off uptown"(Columbia CK 65625)

A面1.&CD-4.我が心のジョージアGeorgia on my mind3月12日
CD-8.ジャスト・ア・リトル・ビット・サウス・オブ・ノース・キャロライナJust a little bit south of North Carolina3月19日
CD-12.スロウ・ダウンSlow down3月19日
A面2.アイ・テイク・トゥ・ユーI take to you4月11日
A面1.&CD-4.「我が心のジョージア」
繰り返しになるが、アニタ・オディの初レコーディング・ナンバー。この日は他に”Alreet”と”Fool am I”の3曲がレコーディングされたというが、このアルバムに収録されているのは、ホーギー・カーマイケル作の本作だけ。解説の粟村政昭氏は、アニタにしてはいささかストレートすぎて物足りないがこれは年齢のせいであろうと述べているが、まさにその通りだと感じる。全体的にはいかにもこの時代のビッグ・バンドものという感じの気持ちのいいスインギーな演奏である。
CD-8.「ジャスト・ア・リトル・ビット・サウス・オブ・ノース・キャロライナ」
Gtのイントロからアンサンブルとなり、アニタのヴォーカルとなる。速めのミディアム・テンポでアニタのヴォーカルは実にスムースで軽やかだ。
CD-12.「スロウ・ダウン」
ミュートTpによるイントロからアンサンブルになり、すぐにアニタのヴォーカルとなる。アップ・テンポで始まるがアニタが「スロウ・ダウン」と歌うとテンポが落ち、そのままのテンポでエンディングまで行く。途中Tsソロが入る。
A面2.「アイ・テイク・トゥ・ユー」
初レコーディングから1か月後の録音。ミディアム・アップ・テンポのスインギーなナンバーで、アニタもリズムに乗って軽快に歌っている。アニタの声が可愛らしい。

<Date&Place> … 1941年5月8日、6月5日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ジーン・クルーパと彼のオーケストラ(Gene Krupa and his Orchestra)

前回4月11日からの移動
Trumpet … ショーティ・シェロック ⇒ ロイ・エルドリッジ(Roy Eldridge)
Trombone … パット・ヴァーガダモ ⇒ ジョン・グラッシ(John Grassi)

<Contents> … 「アニタ・オディ・シングス・ウィズ・ジーン・クルーパ(CBS 20AP 1439)&"Let me off uptown"(Columbia CK 65625)

A面3.&CD-18.レット・ミー・オフ・アップタウンLet me off uptown5月8日
CD-10.グリーン・アイズGreen eyes5月8日
A面4.&CD-11.キック・イットKick it6月5日
A面3.「レット・ミー・オフ・アップタウン」
まずバンドとしては、スイング時代最高の黒人トランぺッターと言われるロイ・エルドリッジが加わって、バンドは強力なソロイストを得たことになる。この曲はアニタとロイの掛け合いが聴きものであり、当時大ヒットしたという。ヴォーカル後のTpソロもエルドリッジでさすがに堂々たる吹きっぷりである。
CD-10.「グリーン・アイズ」
ラテンのリズムでハワード・デュラニー(Howard Dulany)という男性歌手のヴォーカル後のエルドリッジのソロ、クルーパとのデュオが聴きもの。そしてその後にアニタのヴォーカルが入る。
A面4.&CD-11.「キック・イット」
前作のヒットに気をよくしたのかここではアニタとバンド・メンバーのヴォーカル掛け合いが聴かれる。ヴォーカルの間のエルドリッジのTp、そして御大クルーパのソロと聞き処が多い。

<Date&Place> … 1941年8月18日、8月20日 シカゴにて録音

<Personnel> … ジーン・クルーパと彼のオーケストラ(Gene Krupa and his Orchestra)

前回6月5日からの移動
Alto Sax … クリント・ニーグリー ⇒ サム・リッスンガート(Sam Listengart)ジミー・ミグリオレ(Jimmy Migliore)
Piano … ボブ・キチス ⇒ ミルトン・ラスキン(Milton Raskin)
Bass … ビディ・バスタイン ⇒ エド・ミヘリッチ(Ed Mihelich)
CDではジミー・ミグリオレはTsと表記されている。

<Contents> … 「アニタ・オディ・シングス・ウィズ・ジーン・クルーパ(CBS 20AP 1439)&"Let me off uptown"(Columbia CK 65625)

A面5.&CD-3.ストップ・ザ・レッド・ライツ・オンStop , the red lights on8月18日
A面6.ジ・ウォールズ・キープ・トーキングThe walls keep taking8月20日
CD-13.ウォッチ・ザ・バーディーWatch the birdie8月20日
A面5.&CD-3.「ストップ・ザ・レッド・ライツ・オン」
「止まれ!赤信号が付いてるぞ」というタイトルであろう。ここでもロイの名前を呼んで、それに応えたりとユーモラスな展開が聴かれる。楽しいナンバーだ。
A面6.「ジ・ウォールズ・キープ・トーキング」
これまでの曲に比べると少しテンポを落としたナンバー。ここでの聴きものはやはりヴォーカル後のエルドリッジのソロであろう。
CD-13.「ウォッチ・ザ・バーディー」
いかにもスイング時代のビッグ・バンドというアンサンブルで元気よくスタートする。アニタのヴォーカルのヴォーカルの後大将クルーパのソロからTs、Tpソロからアンサンブルに戻る。

<Date&Place> … 1941年11月25日、12月29日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ジーン・クルーパと彼のオーケストラ(Gene Krupa and his Orchestra)

前回8月20日からの移動
Trumpet … トーグ・ホーテン ⇒ アル・ベック(Al Beck)

<Contents> … 「アニタ・オディ・シングス・ウィズ・ジーン・クルーパ(CBS 20AP 1439)&"Let me off uptown"(Columbia CK 65625)

A面7.&CD-2.ひばりSkylark11月25日
A面8.&CD-15.ボレロ・アット・ザ・サヴォイBolero at the Savoy11月25日
B面1.&CD-5.サンクス・フォー・ザ・ブギー・ライドThanks for the boogie ride11月25日
B面2.パス・ザ・バウンスPass the bounce12月29日
A面7.ひばり」
これもホーギー・カーマイケルの作。出だしのTpソロが朗々として素晴らしい。そしてアニタのヴォーカル。若々しい声でストレートに歌うアニタもいいなぁと思う。
A面8.&CD-15.「ボレロ・アット・ザ・サヴォイ」
CDでは、10月25日録音となっているが、Web上でのデータなどから11月25日で間違いないと思う。「シング・シング・シング」を思わせるようなクルーパのドラミングで始まる。間奏もクルーパ、そしてエルドリッジのTpが冴える。アニタはこういうアップ・テンポの曲もそつなくこなしている。
B面1.&CD-5.「サンクス・フォー・ザ・ブギー・ライド」
当時流行っていたブギーのリズムを取り入れている。アニタはまずソロで歌い、短いエルドリッジとのやり取りがあり、エルドリッジのTpソロ、再びアニタとなり、アンサンブルで終わる。
B面2.「パス・ザ・バウンス」
ミディアム・テンポのスインギーなナンバー。ヴォーカルの後Ts、Pの短いソロの後、エルドリッジのソロ、アンサンブルが入り再びアニタ。本当に若いなぁ。

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