ベニー・カーター 1931年
Benny Carter 1931
カーターは前年からフレッチャー・ヘンダーソンの楽団加わっているが、1931年2月の録音を最後に退団したようである。しかもその2月の録音では全く活躍ぶりが伝わってこない。ヘンダーソンの楽団は1931年に入ると録音という面ではこれまでの低迷ぶりを吹き払うように一気に復活を遂げる。ということはカーターとヘンダーソンの復活は無関係ということになる。
<Date & Place> … 1931年2月5日或いは5月2日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his orchestra)
<Contents> … ”A study in frustration”(Essential・JAZZ・Classics EJC55511)
| CD2-17. | スイート・アンド・ホット | Sweet and hot |
| CD2-18. | マイ・ギャル・サル | My gal Sal |
録音日についてCDの記載では1931年5月2日となっているが、Web版では1931年2月5日となっている。今回も僕には判断する材料がないが、このCDボックスは他はすべて年代順に収録してあるのだが、ここだけ順番が変わるのである。先に5月2日録音のCD2-17、18があり続いて3月19日録音のCD2-19〜22が収録されている。そこでもしCDの記載5月2日が2月5日の記載ミスとすれば全て録音順ということになる。
どちらも明るい曲調で軽快な演奏である。
CD2-17「スイート・アンド・ホット」
ヴォーカル入りだがこれはTbのジミー・ハリソンによるものだという。なかなかうまいものだ。たぶんヴォーカル前のTbソロもハリソンであろう。ヴォーカル後のホークのソロも短いながら聴き処となっている。ここでのホークのソロは後年の「うねるような、たゆたうような」スタイルの萌芽が見られる。
CD2-18「マイ・ギャル・サル」
アンサンブルの後先ずはTpソロが入るが、なかなか良い。再びアンサンブルの後Tb、Tpのソロが入り、アンサンブルの後ホークのTsソロとなる。ソロは短いがそれぞれの持ち味を発揮している。
残念なことにカーターの活躍は全く見られない。
<Date&Place> … 1931年3月31日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)
<Contents> … 「チック・ウェッブ/伝説」(SDL 10344)
| A面3曲目 | ヒービー・ジービーズ | Heebie Jeebies |
| A面4曲目 | ソフト・アンド・スイート | Soft and sweet | |
チック・ウェッブの楽団に加わっての録音。カーターはA-3はもちろん、もしかするとA-4のアレンジも担当しているのではないかという。どちらの曲においてもアンサンブルが見事で効果的である。これがカーター・アレンジというものか、素晴らしいと実感できる。ただしカーター自身はソロを吹いていないところも奥ゆかしい。アンサンブルをキレキレにリードするアルト・サックスがカーターなのであろう。
A-3.[ヒービー・ジービーズ]は、1926年に録音したルイ・アームストロングが史上初めてスキャット・ヴォーカルを披露したことで有名な曲である。ここではベニー・カーターが編曲を担当し、ルイ・ベイコンのTp、エルマー・ウィリアムスのTs、カークパトリックのP、名人ジミー・ハリソンのソロなどが配されている。アンサンブルが見事でヴァイブラフォンらしき音も聞こえる。後半のTpではないかと思われるロング・トーンがすごい。
A-4.[ソフト・アンド・スイート]はエドガー・サンプソン作のその名の通りスイートでソフトなバラード、と言ってもテンポはそれほど遅くない。この録音当時サンプソンはバンドに参加しておらず、編曲はベニー・カーターではないかと言われているという。こちらもアンサンブルが見事で、ハリソン(Tb)、ウィリアムス(Ts)、ベイコン(Tp)のソロが入る。
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