ベニー・カーター 1941年
Benny Carter 1941
ベニー・カーターの1941年の吹込みを取り上げよう。
<Date&Place> … 1941年1月21日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ベニー・カーター・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Carter and his orchestra)
前回1940年11月19日から大幅な移動がある。ベニー・カーターといえどもレギュラー・バンドの維持は難しかったのであろう。
<Contents> …「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ10/ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」(RA-58)
Record4 A面3.「ババルー」(Babalu)
このスイング時代に流行ったルンバの名曲であるという。ドラマチックなイントロからカーターがAsでラプソディックに吹いた後、スイング・テンポに代わりTp、Tsソロの後ブギー・ウギーのリズムに替わり、ホワイトのPソロとなる。実に変化に富んだアレンジで楽しませてくれる。
ベニー・カーターは、第3回目の「メトロノーム・オールスター・バンド」に選ばれて録音に参加する。実際はこの年の読者投票も相変わらず白人プレイヤーに票が集まり、ポール・ウィナーに輝いた黒人プレイヤーはチャーリー・クリスチャンだけだったという。しかし同誌の編集部で指導的役割を果たしていたジョージ・サイモンは、第2回(1940年2月7日コロンビアに録音)から、黒人プレイヤーも加える決心をし、上位に進出していたベニー・カーターとチャーリー・クリスチャンを起用した。そしてこの第3回では6人(クーティー・ウィリアムス、J.C.ヒギンバサム、ベニー・カーター、コールマン・ホーキンス、カウント・ベイシー、チャーリー・クリスチャン)を加えたのであった。いずれ劣らぬ名手揃いである。
なお録音された2曲ともベニー・グッドマンが指揮を執り、アレンジも当時BG楽団で使っていたもの、「ビューグル・コール・ラグ」はディーン・キンケイド、「ワン・オクロック・ジャンプ」はカウント・ベイシーのものを使用したという。
<Date&Place> … 1941年1月16日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … メトロノーム・オールスター・バンド(Metronome all-star band)
前年1940年からの移動
Trumpet … チャーリー・スピヴァク ⇒ クーティー・ウィリアムス
Trombone … ジャック・ティーガーデン、ジャック・ジェニー ⇒ J.C.ヒギンバサム、トミー・ドーシー
Tenor sax … エディ・ミラー、チャーリー・バーネット ⇒ コールマン・ホーキンス、テックス・ベネキー
Piano … ジェス・ステイシー ⇒ カウント・ベイシー
Bass … ボブ・ハガート ⇒ アーティー・バーンスタイン
Drums … ジーン・クルーパ ⇒ バディ・リッチ
<Contents> … 「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ第17巻/スイングからバップへ」(RCA RA96〜100)
| record2. A面4 | ビューグル・コール・ラグ | Bugle call rag |
| record2. A面5 | ワン・オクロック・ジャンプ | One O'clock jump |
「ビューグル・コール・ラグ」
快調なアップテンポで演奏は展開する。リズムの歯切れの良さ、アンサンブルの厚味、次々と繰り出されるアドリブの競演、まさにオール・スター・セッションの醍醐味である。ソロ・オーダーは、BG⇒ヒギンバサム⇒モンデロ⇒ベイシー⇒ホーク⇒ウィリアムス⇒ジェイムズ⇒エルマン。最後にTp3人を並べるところが面白い。
「ワン・オクロック・ジャンプ」
正にジャム・セッション向きのナンバー。リッチのDsのイントロで始まるが、ここから黒人6名が続けてソロを取る。ベイシー⇒クリスチャン⇒ヒギンバサム⇒ホーキンス⇒ウィリアムス⇒カーターときて、白人のジェイムズ、グッドマンのソロ、そしてアンサンブルで締め括る。ホーキンスがソロをリフしか吹いていないのが気にかかる。何か面白くないことでもあったのだろうか?
<Date&Place> … 1941年4月1日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ベニー・カーター・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Carter and his orchestra)
<Contents> …「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ10/ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」(RA-58)
| record4 A面4. | マイ・フェヴァリット・ブルース | My favorite blues |
| record4 A面5. | ララバイ・トゥ・ア・ドリーム | Lullaby to a dream |
「マイ・フェヴァリット・ブルース」
ベニー・カーターのオリジナル。カーターのミュートTpソロの後、ディッケンソン(Tb)、ホワイト(P)、パウエル(Ts)とソロが続く。スインギーな佳作である。
「ララバイ・トゥ・ア・ドリーム」
テンポを落としたメロウなナンバー。最初に出るメロディアスなTpソロはカーター、アンサンブルを挟んで続くホワイトのPソロもリリカルで美しい。そしてTs、Tpのソロに戻りエンディングを迎える。
<Date&Place> … 1941年6月26日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … アーティー・ショウ・アンド・ヒズ・オーケストラ (Artie Shaw and his orchestra)
Strings are
Violin … レオ・クルチェク(Leo Kruczek)、カート・ディーターレ(Kurt Dieterle)、マックス・シルヴァーマン(Max Silverman)、セルゲイ・コトラースキー(Sergei Kotlarsky)、ハリー・アーバント(Harry Urbant)、ルイ・エドリン(Louis Edlin)、リー・カーン(Lee Kahn)、デイヴ・ノーマン(Dave Norman)
Viola … バーナード・オッコ(Bernard Ocko)、ソル・ド・フランセッシュ(Sol D'Francetsch)
Cello … エイブ・ボロディン(Abe Borodin)、インシオン・シュミット(Incion Schmit)
<Contents> …「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ11/ザ・サウンド・オブ・スイング」(RCA RA-64)
| Record5 B面4. | コンフェッシン | I'm confessin’ |
| Record5 B面5. | ラヴ・ミー・ア・リトル・リトル | Love me a little little |
| Record5 B面6. | ドント・テイク・ユア・ラヴ・フロム・ミー | Don't take your love from me |
「コンフェッシン」
ルイ・アームストロングが得意としたスタンダード・ナンバー。テーマをショウが吹きアンサンブルの後、ヒギンバサム(Tb)とカーター(As)、アレン(Tp)がかけ合うようにソロで登場する。締め括りはショウとアンサンブル。
「ラヴ・ミー・ア・リトル・リトル」
ベニー・カーターがテーマを吹奏する。バックはストリングス中心のアンサンブルである。そしてリナ・ホーンのヴォーカルが登場する。そしてショウのソロと続く。
「ドント・テイク・ユア・ラヴ・フロム・ミー」
アレンがイントロを吹きゴージャスなアンサンブル、Gt、Clのソロ、アンサンブルと続きリナ・ホーンのヴォーカルとなる。
<Date&Place> … 1941年10月16日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ベニー・カーター・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Carter and his orchestra)
<Contents> …「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ10/ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」(RA-58)
| record4A面6. | サンディ | Sunday |
| record4A面7. | イル・ウィンド | Ill wind |
| record4A面8. | バック・ベイ・ブギ | Back bay boogie |
「サンディ」
テンポをミディアムに戻して、始めにカーターの流れるようなAsソロが素晴らしい。続くモートンのTb、短いPソロ、再びTb、そしてGtの短いソロが入る。
「イル・ウィンド」
少しテンポを落としたメロウなナンバーで、カーターのAsソロが美しい。続くホワイトのPソロもしっとりとした味わいを醸し出す。
「バック・ベイ・ブギ」
当時流行のブギーのリズムに乗ってカーターがエモーショナルに吹きまくるところが最大のハイライト。ルイスのGtソロも良く聴き応え十分である。
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