ブルース・ピープル 1936年

Blues People 1936

僕の持っているロバート・ジョンソン以外のブルース音源を日付順に聴いていこう。 「MCAブルースの古典」レコード・ボックス

<Date & Place> … 1936年2月4日 シカゴにて録音

<Personnel> … レッド・ネルソン(Red Nelson)

Vocalレッド・ネルソンRed Nelson
Pianoクリップル・クラレンス・ロフトンCripple Clarence Lofton

<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)

Record2.A-6.[クライング・マザー・ブルース(Crying mother blues)]
解説に拠るとレッド・ネルソンことネルソン・ウィルボーンは自身もピアノを弾けたらしいが、レコーディングは他のピアニストに伴奏を依頼していたという。ピアノを弾いているロフトンは、ジャズの方でも知られるピアニストというが、拙HPには今までのところ登場していない。ブギー・ウギー調のノリの良いナンバーである。
「MCAブルースの古典」2枚目B面

<Date & Place> … 1936年5月12日 シカゴにて録音

<Personnel> … ジョージア・ホワイト (Georgia White)

Vocalジョージア・ホワイトGeorgia White
Pianoリチャード・M・ジョーンズRichard M Jones
Guitar多分アイキー・ロビンソン
Bassジョン・リンジー
アイキー・ロビンソンはフレッチャー・ヘンダーソンとの録音歴もあるが、ゴスペルからロックン・ロールへの懸け橋的なプレイヤーなので可能性大。ベースがジョン・リンジーとなっていて英語表記がないが、「ジョン・リンゼイ(John Lindsay)ではないかと思う。

<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)

Record2.B-4.[ピッグミート・ブルース(Pigmeat blues)]
女性シンガーの登場である。ジョージアはジョージア州の出身で、この名前は本名だという。20年代は中堅的な歌手だったが30年代後半にはデッカに大量の録音を行ったというが、日本にはほとんど紹介されたことがないという。歌い方は実に堂々としている。
「MCAブルースの古典」1枚目B面

<Date & Place> … 1936年6月3日 シカゴにて録音

<Personnel> … ジェシー・ジェイムス(Jesse James)

Piano & Vocalジェシー・ジェイムスJesse James

<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)

Record1.B-4.[スイート・パチューニ(Sweet Patuni)]
中村とうよう氏のこの録音に関する解説がすごい。まずこの「ジェシー・ジェイムス」この謎の人というにふさわしいという。ある日この男が囚人服姿で、看守に付き添われてやって来て、録音させてくれといったという。いくら看守付きといっても囚人をレコード会社のスタジオに連れてくるというのもあり得ないが、それで録音させるというのもありえないと思う。そして実際に録音室に入ると上がってしまい、4曲を録音するのがやっとだったという。そして録音が終わると看守に連れられて刑務所に戻って行ったという。どういう経歴の持ち主で、名前も本当に前世紀の大強盗と同じかも分からないという。
しかし残された録音は、上がっていたとは思えない堂々としたしたもので、太い声そして力強いピアノも魅力的だ。なお、録音された4曲中2曲だけがSP盤で発売されたという。なおタイトルの”Patuni”は、ペチュニア(Patunia)のことだという。ナス科で和名は「ツクバネアサガオ」、形状から女性の秘所を表す隠語であるという。

ヴィクトリア・スピヴェイ

<Date & Place> … 1936年7月7日 シカゴにて録音

<Personnel> … ヴィクトリア・スピヴェイ (Victoria Spivey)

Vocalヴィクトリア・スピヴェイVictoria Spivey
Trumpet多分ランドルフ・スコット
Saxチック・ゴードンレオン・ワシントン
Pianoドロシー・スコット多分スゥイートピ−ズ・スピヴェイ
Bass不明
Drumsバド・ワシントン

<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)

Record2.B-6.[ブラック・スネイク・スイング(Black snake swing)]
スピヴェイは以前にも拙HPに登場したことがある。その時は売り出し中のルイ・アームストロングをバックに従えての録音であった。
この曲は彼女の大ヒット・デビュー曲の再演で、妹のスゥイートピ−ズ・スピヴェイがドロシー・スコットとピアノを連弾しているようだという。またここでの”Black snake”ももちろん卑猥な隠語だという。ミュートをかけて唸るTpが意味深である。イントロのアンサンブルは覚えやすくヒットしたことがよく分かる。
「MCAブルースの古典」2枚目A面

<Date & Place> … 1936年7月9日 シカゴにて録音

<Personnel> … ココモ・アーノルド(Kokomo Arnold)

Guitar & Vocalココモ・アーノルドKokomo Arnold
Pianoピーティー・ウィートストロウ

<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)

Record2.A-4.[シェイク・ザット・シング(Sake that thing)]
アーノルドはジョージア州の出身で、シカゴに移り30年代にデッカに数多くのレコードを吹き込んだという。後年エルヴィス・プレスリーも録音した「ミルク・カウ・ブルース」はこの人の作だという。ダンス・テンポのノリのいいブルースで、”thing”とは勿論男性のアレのことで、歌詞はこういう卑猥なものが多い。中村とうよう氏は、こういう明るく楽しいものもあり、だからこそブルースは黒人の現実生活を忠実に映し出したものといえるのであると述べている。
「MCAジャズ・ジャイヴ・ジャンプ」レコード・ジャケット

<Date & Place> … 1936年10月2日 シカゴにて録音

<Personnel> … ザ・ハーレム・ハムファッツ(The harlem hamfats)

Trumpetハーブ・モランドHerb Morand
Clarinetオーデル・ランドOdell Rand
Pianoホレス・マルカムHorace Malcom
Vocal & Guitarジョー・マッコイJoe McCoy
Mandlinチャーリー・マッコイCharlie McCoy
Bassジョン・リンゼイJohn Lindsay
Drumsフレッド・フリンorパーリス・ウィリアムズ

<Contents> … 「ブラック・ミュージックの伝統」(MCA-3519〜20)

record1 A-4.[サザン・ブルース(Southern blues)]
「ザ・ハーレム・ハムファッツ」というバンドはこのレコードで初めて知ったが、解説の中村とうよう氏によれば、20年代の古いシカゴ・スタイルと30年代後半のハーレム・スタイル、さらには南部のカントリー・ブルースの味を混ぜ合わせた大変ユニークなグループで、30年代後半に80曲以上もデッカとヴォカリオンに吹き込んでいる大変に人気があったという。実に立派なブルース・ジャズである。Tp、Gtのソロも聴き応えのある見事なものだ。中心人物はTpのハーブ・モランドとVo&Gtのジョー・マッコイであったとのことだが、「ハーブ・モランド・セプテット」などとせずに「ザ・ハーレム・ハムファッツ」というバンド名で活動したところがジャズのグループとしては珍しい。

「RCAブルースの古典」CD・ボックス

<Date & Place> … 1935年10月16日 ニュー・オリンズ録音

<Personnel> … リトル・ブラザー・モンゴメリー (Little brother Montgomery)

Piano & Vocalリトル・ブラザー・モンゴメリーLittle brother Montgomery

<Contents> … 「RCAブルースの古典」(BMG BVCP-8733)

CD2-12.[ヴィックスバーグ・ブルース・パート1(Vicksburg blues part1)]
この録音は興味深い。シカゴの録音は、ブギ・ウギ調が多かったがモンゴメリーはルイジアナ出身でニュー・オリンズ・ピアノとも縁の深いバレルハウス・ピアニストの代表的な存在だという。ゆったりとした中にも力強さが伝わってくる力作である。

「MCAブルースの古典」2枚目A面

<Date & Place> … 1935年11月12日 シカゴにて録音

<Personnel> … ジョニー・テンプル (Jonnie Temple)

Guitar? & Vocalジョニー・テンプルJonnie Temple
Pianoジョシュア・アルシーマー

<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)

Record2.A-5.[ルイーズ・ルイーズ・ブルース(Louise Louise blues)]
デッカには、ミシシッピ出身のブルース・マンの録音は少ないが、このテンプルは珍しくミシシッピの出身だという。ミシシッピのジャクソンに生まれ、シカゴで活動した人だという。独特の哀愁を帯びた声が魅力的である。いかにもブルースらしいブルースである。

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