ブルース・ピープル 1938年
Blues People 1938
僕の持っている1938年のブルースの録音は3曲しかない。音源は一つ「MCAブルースの古典」ビクター(VIM-20〜22)だけである。
<Date & Place> … 1938年4月1日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ピーティー・ウィートストロウ・ウィズ・ロニー・ジョンソン(Peetie Wheatsraw with Lonnie Johnson)
| Vocal & Piano | … | ピーティー・ウィートストロウ | Peetie Wheatsraw |
| Guitar | … | ロニー・ジョンソン | Lonnie Johnson |
| Drums | … | 不明 | Unknown |
<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)
| Record2.A-7. | ホワット・モア・キャン・ア・マン・ドゥ? | What more can/a man do ? |
ピーティーは本名をウィリアム・バンチといい、30年代ブルース界のスターだったという。ギターのロニー・ジョンソンはしばらくぶりの登場である。自身名義のレコードもたくさんあり、デューク・エリントンやルイ・アームストロングとの共演で有名である。ここでも素晴らしいギター・ワークを聴かせている。解説の中村とうよう氏は、「いやらしいほどうまい」と言っている。全体として非常に完成度が高い作品である。
<Date & Place> … 1938年5月26日 ニューヨークにて録音
次の2つのレコーディングは、同一日で主役と何故かベーシストが異なっているで他は同じメンバーということは、Tp、Cl、P、Gt、Dsといったメンバーはスタジオに待機して、主役が交代して録音を行ったのだろう。ベースが交替したのは、次の仕事との時間的兼ね合いだったのかもしれない。
Tpのシェイヴァース、Gtのバン、Dsのスペンサーは、ジョニー・ドッズのレコーディングで登場したばかり、Clのベシエはルイ・アームストロングとも丁々発止のアドリブ合戦を行った大御所である。38年に一時音楽界を離れるので、その直前の貴重な録音である。彼は通常ソプラノ・サックスを用いていて、クラリネットを吹くのは珍しい。
<Personnel> … トリキシー・スミス(Trixie Smith)
<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)
| Record2.B-2. | マイ・ダディ・ロックス・ミー | My daddy rocks me |
歌手のトリキシー・スミスは、20年代に活躍した女性ブルース・シンガーで、ベッシー・スミス、メイミー・スミス同様クラシック・ブルースの草分けの一人。この録音は彼女の最晩年のもの。。元来クラシック・ブルースとは、女性シンガーがディキシー・バンドのバンドで歌うブルースのことだと中村氏は書く。主として劇場やクラブのショウの出し物として成立した形式だから、ヴォードヴィル・ブルースと呼ぶ方が適切であるという。
この曲も、歌詞の内容はかなり猥褻なもので、そういったところにヴォードヴィルらしさが感じられるという。
ただし演奏内容はヴォーカルも含めて素晴らしい。これだけのメンバーなのにソロがないのは惜しいが、歌に付けるベシエ、シェイヴァースのオブリガードは実に聴き応えのあるものだ。
<Personnel> … クート・グラント&キッド・ウィルソン(Coot Grant&Kid Wilson)
<Contents> … 「MCAブルースの古典」(Victor VIM-20〜22)
| Record3.A-7. | ブルー・マンデイ・オン・シュガー・ヒル | Blue Monday on sugar hill |
歌手のグラントことレオーラ・B・ウィルソンとキッドことウェズリー・ウィルソンは、バタービーンズ&スージーなどと同じような夫婦コンビのヴォードヴィル芸人。「シュガー・ヒル」とは当時ハーレムの中で高級とされていた地域である。
先ず女性のグラントがヴォーカルを取り、ベシエ、シェイヴァースのソロを挟んでキッドのヴォーカルとなる。このベシエとシェイヴァースのソロが良い。ただフィーリングはスイングのものなのが意外な感じがする。キッドのバックの合奏は一転してディキシー風になる。折衷期の作品なのだろうが、内容は素晴らしい。
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