バニー・ベリガン 1931年

Bunny Berigan 1931

若き日のバニー・ベリガン

スイング時代最高の白人トランぺッターと言われるバニー・ベリガン。粟村政昭氏はその著『ジャズ・レコード・ブック』でベリガンを次のように表現しています。「サッチモとビックスーという全く異なった二つの個性を巧みに融合させて特異なキャラクターを作り上げた。」
1931年ルイ・アームストロングはまさに脂の乗り切ったミュージシャン人生を送っていたが、一方のビックス・バイダーベックは、過度の飲酒が祟り、健康状態は最悪の状態に陥っていたがなんとか1931年2月一時ラジオNBC放送のミュージシャンとして雇われる。
ベリガンは、ウィスコンシン州出身でしばらくローカル・バンドでプレイしていたが、1930年春ハル・ケンプの楽団に加わり渡欧、イギリスなどを巡演し1930年後半に帰米する。帰米後はニュー・ヨークのスタジオ・ミュージシャンとして働き始め、1931年初頭CBSラジオ・ネットのミュージシャン・スタッフとして雇われた。両社ほぼ同時期にNBC、CBSというライヴァル・ラジオ局に雇われたことになる。
しかしまともにコルネットも吹けないほど健康状態が悪化していたビックスは直ぐにクビになる。一方のベリガンは、新進トランぺッターとして腕を買われ、様々なレコーディングに呼ばれるようになる。そしてベリガンはこの年の5月に結婚したばかりで前途洋々であったが、ビックスは無理を押してのカレッジでのダンス・パーティ出演が仇となり、この年の8月6日帰らぬ人となってしまう。享年28歳であった。このような状況で登場してきたベリガンは、ビックスに代わるトランペットの期待の星となっていくのである。
しかしベリガン自身もバンド運営などのストレスからか過度の飲酒癖に陥り、1942年33歳という若さでこの世を去っていくのであるが、それはまたのちの話である。
さてベリガンは、スタジオ・ミュージシャンとして色々なバンドのレコーディングに加わったようだが、その一つがこのベン・セルヴァンの吹込みだったようだ。因みに僕の持っているベリガンの最も古い録音である。ベリガンのキャリアを考えると彼としてもごく初期の録音であったことは間違いない。

[The young Benny Goodman]CDジャケット

<Date&Place> … 1931年6月18日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ベン・セルヴァン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Ben Selvin and his orchestra)

Band leaderベン・セルヴァンBen Selvink
Trumpetバニー・ベリガンBunny BeriganUnknown
Tromboneトミー・ドーシーTommy Dorsey
Clarinet & alto saxベニー・グッドマンBenny Goodman
Reedsハイミー・ウルフソンHymie WolfsonUnknown
Pianoアーヴィング・ブロドスキーIrving Brodsky
Vocalエディー・ウォルターズEddie Walters
GuitarBassXylophoneDrumsUnknown

<Contents> … “The young Benny Goodman”(CBC 1-088)

CD-YG22.アイム・キーピン・カンパニーI'm keepin’company

この曲も覚えやすいメロディーの楽しい曲である。ここで注目はスイング時代白人最高のトランぺッターと言われるバニー・ベリガンの登場である。この録音は彼のキャリアにおける最も早いレコーディングの一つと思われる。ベリガンはこの年の5月25日にダンサーのドナ・マッカーサーと結婚したばかりの新婚ホヤホヤだった。ヴォーカルの後の短いTpソロは多分ベリガンと思われる。

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