キャブ・キャロウェイ 1931年

Cab Calloway 1931

<Date&Place> … 1931年3月3日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)

Band leader & Vocalキャブ・キャロウェイCab Calloway
TrumpetR.Q.ディッカーソンR.Q. Dickersonラマー・ライトLammar Wrightリューベン・リーヴスReuben Reeves
Tromboneデ・プリースト・ホィーラーDe Priest Wheelerハリー・ホワイトHarry White
Clarinet & Alto Saxウィリアム・ブルーWilliam Blue
Alto Saxアンドリュー・ブラウンAndrew Brown
Tenor Saxウォルター・トーマスWalter “Fut” Thomas
Pianoアーレス・プリンスEarres Prince
Banjoチャーリー・スタンプスCharley Stamps
Tubaジミー・スミスJimmy Smith
Drumsルロイ・マキシーLeroy Maxey

上記は”Ace of hearts”レコード記載のパーソネル。”Classic jazz archive”とでは2人ほど異なる箇所がある。
1.Clarinet & Alto sax … ウィリアム・ブルーではなくアーヴィル・ハリス(Arville Harris)
2.Banjo … チャーリー・スタンプスではなくモーリス・ホワイト(Morris White)
僕には決め手がないのでこのままにしておく。なお1931年6月まではメンバーの移動はなし。

<Contents> … "Cab Calloway/The king of Hi-de-ho"(Ace of hearts AH-106)&"Cab Calloway/The Hi-dee-ho man"(Classic jazz archive 221997-306)

CD1-9.ディキシー・ヴァガボンドDixie vagabond1931年3月3日録音
CD1-10.ソー・スイートSo sweet1931年3月3日録音
A-4、CD1-11.ミニー・ザ・ムーチャーMinnie the moocher1931年3月3日録音
CD1-12.ドゥイン・ルンバDoin' Rhumba1931年3月3日録音

CD1-9.[ディキシー・ヴァガボンド]はメロウなナンバーで、ミュートTpリードする合奏で始まる。短いTsソロの後キャブのヴォーカル、そしてバンジョー・ソロ(ギターっぽいが)からエンディング至る。
CD1-10.[ソー・スイート]こちらもメロウな曲。短い合奏によるイントロの後キャブのヴォーカル、Tpリードの合奏、Tsソロ、再び合奏から再びキャブの歌で終わる。
A-4、CD1-11.[ミニー・ザ・ムーチャー]
彼の名を全米中に一躍有名にした大ヒット作「ミニー・ザ・ムーチャー」が生まれるのである。何せこの曲は1931年度年間ヒット・チャートの1位に輝いている。
この録音では、リード・ヴォーカルのキャブが「ハイデ・ハイデ・ホー」と歌いかけるとバンドのメンバーが同じく「ハイデ・ハイデ・ホー」と応答する。黒人音楽独特の<コール・アンド・レスポンス>である。そこには呼びかけられたら答えなければならないという暗黙の掟があるようで、キャブはさらに「イニヒーニヒー」などと意味不明なことを歌いかけるとバンドも笑いながら同じく「イニヒーニヒー」と返すのである。もちろんこれはクラブで演奏する時には、キャブの呼びかけに対して客が答えるという演出になっており、キャブがいろいろな言葉で歌いかけ客席が笑いながら、場合によっては恥ずかしがりながら答えるという仕組みである。そしてこのような客席を巻き込むような演出はアメリカでは大受けだったことは容易に想像できる。このヒットによってキャブは「ザ・ハイ・デ・ホー・マン(The hi-de-ho man)」と呼ばれるようになる。そして厳しいアメリカのショウ・ビジネスを永く生き抜いていくのである。
このような歌い手=客席の<コール・アンド・レスポンス>の少し下っての例は、レイ・チャールズの「ホワッド・アイ・セイ(What'd I say)」などが挙げられる。この演出は、現代でもアメリカのショウ・ビジネスの常套手段で、ロックのコンサートなどでも行わている演出の基本中の基本である。
CD1-11.[ドゥイン・ルンバ]
タイトルと違ってルンバではないが変わったリズムである。合奏の後Tpソロが入りキャブのヴォーカル、合奏と続く。最後にルンバのリズムが顔を出す。

<Date&Place> … 1931年3月9日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)

TrumpetR.Q.ディッカーソンR.Q. Dickersonラマー・ライトLammar Wrightリューベン・リーヴスReuben Reeves
Tromboneデ・プリースト・ホィーラーDe Priest Wheelerハリー・ホワイトHarry White
Clarinet & Alto Saxアーヴィル・ハリスArville Harris
Alto Saxアンドリュー・ブラウンAndrew Brown
Tenor Saxウォルター・トーマスWalter “Fut” Thomas
Piano & Vocalベニー・ペインBennie Payne
Banjoモーリス・ホワイトMorris White
Tubaジミー・スミスJimmy Smith
Drumsルロイ・マキシーLeroy Maxey

CD2枚組”Classic jazz archive”記載のパーソネル。レコードAce of hearts盤には収録されていなので、CDに従う。
ピアノ兼ヴォーカルのベニー・ペインだが、以前登場した時の綴りは<Paine>であった。このCD表記では<Payne>となっている。双方ググってみると同一人物が出てくるのである。<Paine>でも<Payne>でも良いということであろうか?

<Contents> … "Cab Calloway/The Hi-dee-ho man"(Classic jazz archive 221997-306)

CD1-13.ファウェル・ブルースFarewell blues
CD1-14.アイム・クレイジー・バウト・マイ・ベイビーI'm crazy 'bout my baby

ピアノ兼ヴォーカルでベニー・ペインが加わっているので、もしかするとヴォーカルはペインかもしれない。
CD1-13.[ファウェル・ブルース]合奏の後キャブのスキャットと思われる短いヴォーカル、Cl、ミュートTp、Tsソロ、合奏となって終わる。歌が少ないナンバー。
CD1-14.[アイム・クレイジー・バウト・マイ・ベイビー]は、Tpのリードする合奏の後短いTp、Tsソロが入り、キャブのヴォーカル、さらに短いソロが続きエンディングに向かう。

<Date&Place> … 1931年5月、6月 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)

Piano … ベニー・ペイン ⇒ アーレス・プリンス(Earres Prince)に戻る。

<Contents> … "Cab Calloway/The Hi-dee-ho man"(Classic jazz archive 221997-306)

CD1-15.クレオール・ラヴ・ソングCreole love song1931年5月6日録音
CD1-16.ザ・レヴィー・ロウ・ダウンThe levee low-down1931年5月6日録音
CD1-17.ブルース・イン・マイ・ハートBlues in my heart1931年5月6日録音
A-5、CD1-18.ブラック・リズムBlack rhythm1931年6月11日録音
A-6、CD1-19.シックス・オア・セヴン・タイムスSix or seven times1931年6月11日録音
CD1-20.マイ・ハニィズ・ラヴィン・アームズMy honey's lovin' arms1931年6月17日録音
CD1-21.ザ・ナイトメアThe nightmare1931年6月17日録音

CD1-15.[クレオール・ラヴ・ソング]ご存じエリントン・ナンバーである。有名なテーマの後Cl、Tpがソロを取り、再び合奏となる。その後キャブがヴォーカルを取るがここはおふざけは無しである。
CD1-16.[ザ・レヴィー・ロウ・ダウン]合奏の後テンションの高いキャブのヴォーカルが飛び出してくる。合奏の後ミュートTp、Tbのソロが入り、Ts、Clなどの短いソロが入る。
CD1-17.[ブルース・イン・マイ・ハート]合奏の後キャブのヴォーカルとなる。短いClがあるのみで合奏中心の曲。
A-5、CD1-18.[ブラック・リズム]この曲と次の「シックス・オア・セヴン・タイムス」はAce of Hearts盤では、1931年8月録音となっているが、CDでは6月11日録音と記載されている。
ブルースであるが、Bメロも存在する。伴奏はアンサンブル中心で構造は千変万化するが、基調は「C調」(死語?)である。
A-6、CD1-19.[シックス・オア・セヴン・タイムス]「6回か7回」という変わったタイトル。ファッツ・ウォーラーとアーヴィング・ミルズの共作で1929年ザ・チョコレート・デンディーズによって初吹込みが行われた曲。デューク・エリントンも1929年10月に吹き込んでいる。アルト・サックス(アンドリュー・ブラウンか?)がジョニー・ホッジス張りの音色とソロを聴かせる。
CD1-20.[マイ・ハニィズ・ラヴィン・アームズ]合奏からキャブのヴォーカル、合奏を挟んでミュートTp、Clソロが入り合奏に戻る。
CD1-21.[ザ・ナイトメア]「悪夢」というタイトル。ミュートTpのリードする合奏イントロからヴォーカル、合奏バリトンらしきサックス・ソロが入る。合奏に変化を付けている。

<Date&Place> … 1931年7月〜11月 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)

Trumpet … R.Q.ディッカーソン ⇒ エドウィン・スワイジー(Edwin Swayzee)
Piano … アーレス・プリンス ⇒ ベニー・ペイン(Bennie Paine)に戻る。

<Contents> … "Cab Calloway/The Hi-dee-ho man"(Classic jazz archive 221997-306)

CD2-1.イット・ルックス・ライク・スージーIt looks like Susie1931年7月9日録音
CD2-2.スイート・ジョージア・ブラウンSweet Georgia brown1931年7月9日録音
CD2-3.ベイズン・ストリート・ブルースBasin street blues1931年7月9日録音
B-1、CD2-4.ビューグル・コール・ラグBugle call rag1931年9月23日録音
B-2、CD2-5.ユー・ラスカル・ユーYou rascal you1931年9月23日録音
CD2-6.スターダスト1931年10月12日録音
CD2-7.ユー・キャント・ストップ・ミー・フロム・ラヴィン・ユー1931年10月12日録音
B-3、CD2-8.アゥ・ユー・ドッグAw you dog1931年10月12日録音
CD2-9.サムバディ・ストール・マイ・ギャルSomebody stole my gal1931年10月12日録音
CD2-10.エイント・ノー・ギャル・イン・ディス・タウンAin't no gal in this town1931年10月21日録音
B-4、CD2-11.絶体絶命Between the devil and the deep blue sea1931年10月21日録音
B-5、CD2-12.トリケレイションTrickeration1931年10月21日録音
B-6、CD2-13.キッキン・ザ・ゴング・アラウンドKickin’the gong around1931年10月21日録音
CD2-14.ダウン・ハーティド・ブルースDown-hearted blues1931年11月18日録音
CD2-15.コリーナ・コリーナCorinna Corinna1931年11月18日録音

CD2-1.[イット・ルックス・ライク・スージー]明るいポップス・ソング。間奏にTp、Clソロが入る。
CD2-2.[スイート・ジョージア・ブラウン]今でも歌われるスタンダード・ナンバー。速いテンポで歌われる。ソロはTp、Tb、As、Cl。
CD2-3.[ベイズン・ストリート・ブルース]これも超有名曲。この年ジャック・ティーガーデンの歌うチャールストン・チェイサーズ版が出ている。ソロはTpでエモーショナルによく歌っている。
B-1、CD2-4.[ビューグル・コール・ラグ]最初1922年にN.O.R.K.(ニュー・オリンズ・リズム・キングス)が”Bugle call blues”というタイトルで吹き込んだナンバーで、以前このHPでもレッド・ニコルスとファイヴ・ぺニーズの録音を紹介したことがある。
ここでのキャブはヴォーカルというよりは、語りというか演奏及び客席を煽るような喋りを聴かせる。
B-2、CD2-5.[ユー・ラスカル・ユー]ニュー・オリンズ由来の古いナンバー。同じ1931年ではルイ・アームストロングも4月に吹き込んでいる。やはりどことなくニュー・オリンズの香りがする作品である。ソロはClとTpでどちらも聴き応えがある。
CD2-6.[スターダスト]ご存じホーギー・カーマイケルの傑作。さすがにこのバラードの傑作はおふざけ無しでじっくりと歌い込んでいる。ソロはTp。
CD2-7.[ユー・キャント・ストップ・ミー・フロム・ラヴィン・ユー]短い合奏からヴォーカルとなる。ソロはTb、Tp。
B-3、CD2-8.[アゥ・ユー・ドッグ]”Aw you dog”はレコードの記載で、CDでは単に”You dog”となっている。キャロウェイのオリジナルのようだ。最後にルイとは全く異なる独特のスキャットというか叫びをキャブが披露する。
CD2-9.[サムバディ・ストール・マイ・ギャル]ピー・ウィー・ハントのヴァージョンが吉本新喜劇で使われているので有名なナンバー。ベニー・グッドマンなども取り上げているこの時代の人気曲。ここでは歌入りヴァージョンである。ソロはTp、Bs、Asが取っている。ソロの後はキャブのスキャットである。
CD2-10.[エイント・ノー・ギャル・イン・ディス・タウン]短い合奏のイントロからキャロウェイのヴォーカルへ。Tpがキャブに絡むがほとんどヴォーカルと言っていいナンバーである。
B-4、CD2-11.[絶体絶命]ハロルド・アーレン作曲のスタンダード・ナンバー。しかしこのキャブ・キャロウェイ盤が初のレコードという。しかも初演もキャブで1931年コットン・クラブのショウ「リズマニア(Rhythmania)」で初演されたという。ということはキャブかコットン・クラブ関係者がアーレンに作曲をそしてテッド・ケヒアー(Ted Koehier)に作詞を依頼したことになる。そしてこの後サッチモやベニー・グッドマン、カウント・ベイシーらに取り上げられ、スタンダードとなっていったのだろう。
流石にここではキャブは、おふざけは控えめで真面目な歌唱を披露する。スキャットもちゃんとしたものである。
B-5、CD2-12.[トリケレイション]キャブのヴォーカルは抑え気味でバンドのアンサンブルを聴かせる。バンド自体も一流なんだぞというアピールのような気がする。ソロはCl、Tsが取っている。
B-6、CD2-13.[キッキン・ザ・ゴング・アラウンド]A-4「ミニー・ザ・ムーチャー」と同様キャブのヴォーカルとバンドのコール・アンド・レスポンスがフューチャーされている。もう一つの「ミニー・ザ・ムーチャー」を狙った感じがする。
CD2-14.[ダウン・ハーティド・ブルース]かつてベッシー・スミスがデビュー曲として歌って大ヒットしたナンバーとは思えないほどアレンジしている。
CD2-15.[コリーナ・コリーナ]ブルース・ナンバーである。リズム・セクションをバックに歌ったりと色々変化を付けている。

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