キャブ・キャロウェイ 1938年

Cab Calloway 1938

今回取り上げる「キャブ・キャロウェイ」という人は、純然たるジャズ・マンなのかと問われたら、簡単には答えられないと思う。彼は、苦境に陥った「ザ・ミズーリアンズ」を率いて見事に立ち直らせ、バンド名を当初は「キャブ・キャロウェイとミズーリアンズ」と名乗り、デューク・エリントンが巡業に出る時の代役として、コットン・クラブに出演するようになり人気を得た。というところはジャズ・マンぽい。
彼はそもそもは正規の音楽教育を受けた歌手ではあるが、その芸風はお笑い寄りである。僕は彼を日本の芸人に例えれば、故「藤山寛美」だと思う。要は「藤山寛美」は「アホ」役をやらせたら右に出るものがいないが、それは彼自身が「アホ」ではないからできることである。「キャブ・キャロウェイ」は下卑た歌い方をすることがあるが、それはわざと笑いを取るため、楽しんでもらうためであり、彼自身に歌のテクニックがあるからできることである。アメリカではショウ・ビジネスとジャズは垣根の低い隣同士だということを身をもって感じさせるアーティストである。

<Date&Place> … 1938年1月26日 録音

<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)

 
Band leader & Vocalキャブ・キャロウェイCab Calloway
Trumpetシャド・コリンズShad Collinsアーヴィング・ランドルフIrving Randolphラマー・ライトLammar Wright
Tromboneクロウド・ジョーンズClaude Jonesケグ・ジョンソンKeg Johnsonデ・プリースト・ホィーラーDe Priest Wheeler
Clarinet & Alto Saxガルヴィン・ブッシェルGarvin Bushellアンドリュー・ブラウンAndrew Brown
Tenor Saxチュー・ベリーChu Berryウォルター・トーマスWalter “Fut” Thomas
Pianoベニー・ペインBennie Paine
Guitarダニー・バーカーDanny Barker
Tubaミルト・ヒントンMilt Hinton
Drumsルロイ・マキシーLeroy Maxey

<Contents> … "Cab Calloway/Penguine swing"(Archives of jazz 3801082)

Garvin
CD-3.ラッスル・オブ・スイングRustle of swing
CD-4.スリー・スイングス・アンド・アウトThree swings and out
CD-3.「ラッスル・オブ・スイング」
何となくハッピー・ムード漂うミディアム・テンポの曲で、アンサンブルの後Tp、チュー、Tbと短いソロが続く。やはりチューのソロを聴くナンバーであろう。
CD-4.「スリー・スイングス・アンド・アウト」
いかにもスイング時代という感じの曲。Tpの後チューのソロは落ち着いたクールな感じで、アンサンブルとの掛け合いでもいい味を出している。

<Date&Place> … 1938年2月10日 録音

<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)

前録音1月26日と変更なし。

<Contents> … "Cab Calloway/Penguine swing"(Archives of jazz 3801082)

CD-1.ペンギン・スイングPenguin swing

「ペンギン・スイング」は、キャブのヴォーカル入り。どこかで聴いたことのあるメロディーではあるが思い出せない。古いアメリカのアニメの曲に似ている気がするのだが…。中間に出るチューのソロが聴き応えがある。

次の録音は3月23日となる。音源は2曲、それぞれ別のレコードに収録されており、レコーディング・データが若干異なる。

<Date&Place> … 1938年3月23日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)

Band leader & Vocalキャブ・キャロウェイCab Calloway
Trumpetドク・チータムDoc Cheathamアーヴィング・ランドルフIrving Randolphラマー・ライトLammar Wright
Tromboneクロウド・ジョーンズClaude Jonesケグ・ジョンソンKeg Johnsonデ・プリースト・ホィーラーDe Priest Wheeler
Clarinet & Alto Saxチャウンシー・ホウトンChauncey Haughtonアンドリュー・ブラウンAndrew Brown
Tenor Saxチュー・ベリーChu Berryウォルター・トーマスWalter “Fut” Thomas
Pianoベニー・ペインBennie Paine
Guitarモーリス・ホワイトMorris White
Tubaミルト・ヒントンMilt Hinton
Drumsルロイ・マキシーLeroy Maxey

前録音2月10日からの変更は、
Trumpet … シャド・コリンズ ⇒ ドク・チータム(Doc Cheatham)
Clarinet & Alto sax … ガルヴィン・ブッシェル ⇒ チャウンシー・ホウトン(Chauncey Haughton)
Guitar … ダニー・バーカー ⇒ モーリス・ホワイト(Morris White)
であるが、"Cab 〜 Ella & Chick"はシャド・コリンズのままとしている。
レコード"Chu Berry/Chu"とCDの「チュー・ベリー/チュー」の記載は同じ。こちらが正規盤なので、こちらを<正>としよう。

<Contents> … "Chu Berry/Chu"(Epic EE 22007),「チュー・ベリー/チュー」(SICP 4013)&"Cab 〜 Ella & Chick"(Bandstand records 7125)

B-1.アット・ザ・クランベイク・カーニヴァルAt the clambake carnival"Chu"
A-4.アジュールAzure"Cab 〜 Ella & Chick"
B-1.「アット・ザ・クランベイク・カーニヴァル」
チューのテナー・ソロでスタートする。続いてTb、ヴァイブラフォン、Clと短いソロが続き、リフ主体のアンサンブルとなって終わる。CDにもレコードにもヴァイブラフォン奏者のクレジットがないが誰が叩いているのであろうか?
A-4.「アジュール」
エリントンの作。キャブのヴォーカル入り。ヴォーカル後のアンサンブルが見事である。ただ他には余り聴き処はない。

<Date&Place> … 1938年8月30日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and his orchestra)

"Chu"では前録音3月23日と変更なし。
"Cab 〜 Ella & Chick"では、
Drums … ルロイ・マキシー ⇒ コジ―・コールCozy Cole

<Contents> … "Chu Berry/Chu"(Epic EE 22007),「チュー・ベリー/チュー」(SICP 4013)&"Cab 〜 Ella & Chick"(Bandstand records 7125)

B-2.ジャイヴJive(Page"1" of the hepster's dictionary)"Chu"
A-5.シャウト・シャウト・シャウトShout,shout,shout"Cab 〜 Ella & Chick"
B-2.「ジャイヴ」
キャブのヴォーカル・ナンバー。ヴォーカルの後にTsのソロが入りアンサンブルとなる。このチューのTsソロが聴きものなのであろう。
A-5.「シャウト・シャウト・シャウト」
ヴォーカル無し。Ts、Cl、Tpの短いソロはあるもののほとんどはアンサンブルで進行する。これもこれといって聴きどこはなく、前「アジュール」と共になぜ選曲されたのか疑問に思う。

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