コールマン・ホーキンス 1943年

Coleman Hawkins 1943

1942年8月に始まるAFMの吹込みストが始まった。最も早く和解したのは、デッカとそのグループで、1943年9月に和解に至っている。コモドアのようなマイナー・レーベルがそれぞれいつ和解したのか、明確なデータが無いが、1943年末頃には和解に至っていた可能性がある。

<Date&Place> … 1943年12月4日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … コールマン・ホーキンス・ウィズ・レナード・フェザーズ・オール・スターズ(Coleman Hawkins with leonard Feather’s all stars)

Band leader & Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Trumpetクーティー・ウィリアムズCootie Williams
Clarinetエドモンド・ホールEdmond Hall
Pianoアート・ティタムArt Tatum
Guitarアル・ケイシーAl Casey
Bassオスカー・ぺティフォードOscar Pettiford
Drumsシドニー・カトレットSidney Catlett

レナード・フェザー氏は、ジャズ関連の記事に力を入れていた「エスクワイア」誌の顧問であり、同氏はこの頃からトップ・ジャズメンを国際批評家投票で選出する事業を始めていたという。そしてその結果1位に選ばれたメンバーを中心としてコモドアに吹き込まれたのがこのレコードであるという。

<Contents> … 「コールマン・ホーキンス&チュー・ベリー」(キング・レコード K23P-6614)

A面5.エスクワイア・バウンスEsquire bounce
A面6.モップ・モップMop mop
A面7.マイ・アイディアルMy ideal
A面8.エスクワイア・ブルースEsquire blues

A面5.「エスクワイア・バウンス」
この曲は「エスクワイア」誌に因んだフェザー氏のオリジナルという。華麗なテクニック満載のティタム、スインギーなケイシー、鋭いホール、豪放なホークと持ち味を生かしたソロの連発が楽しい。
A面6.「モップ・モップ」
ホーキンスのオリジナルのリフ・ナンバー。当時勃興しつつあったビ・バップを感じさせるナンバーとは、大和氏。ソロはティタム、ホークそしてクーティーと豪華極まりない。そしてさすがに各人素晴らしい演奏を聴かせてくれるのである。
A面7.「マイ・アイディアル」
スタンダード・ナンバーという。ゆったりとしたテンポでふくよかなホークのソロ、ティタムもここでは弾き過ぎずいい感じだ。2度目のホークのソロもいい感じだ。
A面8.「エスクワイア・ブルース」
フェザー氏によるブルース・コード・ナンバー。先ずはケイシー、ホール、クーティー、ティタム、ぺティフォード、ホークとカトレット以外全員でソロを回す。

次からの2セッションは、ボブ・シール氏が立ち上げたマイナー・レーベル"Signature records"への吹込みとなる。

<Date&Place> … 1943年12月8日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … コールマン・ホーキンス・セプテット(Coleman Hawkins Septet)

Band leader & Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Trumpetビル・コールマンBill Coleman
Clarinetアンディ・フィッツジェラルドAndy Fitzgerald
Pianoエリス・ラーキンEllis Larkins
Guitarアル・ケイシーAl Casey
Bassオスカー・ぺティフォードOscar Pettiford
Drumsシェリー・マンShelly Manne

<Contents> … "Coleman Hawkins and Lester Young/Classic Tenors"(Contact CM-3)

A面5.ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャンHow deep is the ocean
A面6.ヴ―トゥVoodte
B面5.ホウキンズ・バレル・ハウスHawkins' barrel house
B面6.スタンピーStumpy
セッションB録音風景
A面5.「ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン」
39年の大ヒット“Bodey&soul” と並ぶホークのバラード演奏の極致を示した稀に見る名演といわれている。その演奏形式は、ピアノのイントロに始まり最初の1コーラスはリズム隊だけをバックにアドリブし、2コーラス目に入るとホーン群のアンサンブルを付け加えることによって一層ホークのソロを浮かび上がらせ、最後はカデンツア的に幕を閉じるところに至るまですべて”Body&soul”に倣ったものだという。全篇ホークをフィーチャーしたバラード吹奏の傑作である。大和氏いわく「”Body&soul”に比べ、一段と豪快な音で終始吹いており、その流麗なキー・ワークとともに自信と貫禄にあふれた絶妙なバラード・プレイで、フル・トーンでバラード演奏を行っても決して繊細な美しさを失わない、実に見事としか言いようがない」と絶賛している。
A面6.「ヴ―トゥ」
ホークの自作。フィッツジェラルドとコールマンがほんの短いソロを取るほかは全篇ホークのソロをフューチャーした作品。ホークのソロは、男性的なビッグ・トーンの連続で、激しい怒涛の寄り身ともいうべき豪快なアタックで圧倒する。
B面5.「ホウキンズ・バレル・ハウス」
これもホークの作品。ペティフォードの力強いベースのイントロ、ラーキンスのブギー・ビートを使ったスインギーなソロで始まる。続いてアル・ケイシーの生ギターの歯切れの良いソロ、フィッツジェラルドのクラリネット、ビル・コールマンのトランペットと続き、ホークは同じフレイズを重ねながら盛り上げていき、ラストはニュー・オリンズ風のコレクティヴ・インプロヴィゼイション、そして再びベースの短いソロで終わる。
B面6.「スタンピー」
これもホークの作品。ラーキンスの味のあるソロで始まり、ホークは出だしからハイ・テンションをキープ、重量感のあるソロを展開する。再びラーキンスのソロを挟み、コールマンもセンシティヴで優雅なミュート・プレイを披露する。そしてさらにちょっとエキセントリックな出だしのホークのソロに戻り、そこからテーマに戻る。

<Date&Place> … 1943年12月23日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … コールマン・ホーキンス・カルテット(Coleman Hawkins Quartet)

Band leader & Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Pianoエディ・ヘイウッドEddie Heywood
Bassオスカー・ぺティフォードOscar Pettiford
Drumsシェリー・マンShelly Manne

<Contents> … "Coleman Hawkins and Lester Young/Classic Tenors"(Contact CM-3)

A面1.ザ・マン・アイ・ラヴThe man I love
A面2.スィート・ロレインSweet Lorraine
A面3.ゲット・ハッピーGet happy
A面4.クレイジー・リズムCrazy rhythm
A面1.「ザ・マン・アイ・ラヴ」
ガーシュイン作のスタンダード・ナンバーで、本来ラヴ・バラードとしてスロー・テンポで演奏されるのが常だったが、ホークの指示によりミディアム・ファースト・テンポで奏されることになったという。意表を突いたドラムによるスインギーなイントロに始まり、ヘイウッドが実に軽快に華麗に1コーラス半のソロを取る。その後を受けたペティフォードの半コーラスの鬼気迫るソロこそは入魂のプレイであり、息詰まるようなブレスの音とともにその雰囲気が見事に録音されており迫力満点である。ラストを受け持つホークの2コーラスに渡るソロも彼のベストに上げられるもので、1コーラス目は比較的ソフトなトーンで、シンプルで流麗なアドリブを取るが、2コーラス目に入ると強弱のビートを生かしながらグイグイと怒涛の如く迫ってくる。マンのブラッシュ・ワークも鮮やかで、見事である。
この名演が発表されるや、当時あちこちのクラブで同じようなテンポでこの曲が演奏されるようになったという。この演奏がいかに多くのミュージシャンを刺激したのかが分かる。ジャズ史上に残る名演であると思う。
A面2.「スィート・ロレイン」
心地よい洗練された味わいの中にも、一種独特の粘り濃さを感じさせるヘイウッドのソロに始まる。続くホークの2コーラスのソロは何気ないようなフレーズの中にも心がこもったフィーリングを感じさせる。バラード・プレイの手本と言われる。
A面3.「ゲット・ハッピー」
テナーとピアノのユニゾンでテーマが提示され、ヘイウッドのピアノ・ソロへと受け継がれる。ここでのヘイウッドは興に乗り唸り声を上げながら実に快適なプレイを行う。続くホークも相変わらず好調で、いささかの淀みも感じさせないスムーズなソロを取るが、2コーラス目に入るや奔放とも思える力強さを一段と強調し、幅と変化のあるトーンでグロールしながら吹きまくる。この演奏も同曲のアンソロジーとして他のテナー奏者に受け継がれた。
A面4.「クレイジー・リズム」
まずホークがアップ・テンポでテーマを吹き、続いてヘイウッドが軽やかに1コーラスソロを取る。続くペティフォードの1/2コーラスのソロが終わるのが待ちきれないかのようにベース・ソロの最後の1拍を食いながらホークはアドリブを開始する。そして2コーラスを、豪快に吹きまくる。この日のほかの3曲に比べ変化が乏しく強引さが目立つという意見もあったようだが、何よりもこの日のホークの覇気に満ちた迫力の漲ったプレイはやはり当時一頭地抜けた存在であったことを物語っている。

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