ビ・バップの旗手の一人ディジー・ガレスピーは、1943年史上初めての・バップ・コンボを結成するが、不幸なことにこのバンドは一度も吹込みのチャンスを得られないまま、分裂してしまう。一方、テナー・サックスの開拓者コールマン・ホーキンスは、1943年の末頃コモドア、シグネチュアといったマイナー・レーベルに次々と傑作を吹き込んでいた。しかしホークは、1944年ガレスピーのバンドのメンバー、ジョージ・ウォーリントンを除く全員を雇い入れ、バップに取り組んだ録音を行うのである。
| Vocal | … | ビリー・ホリディ | Billie Holiday |
| Trumpet | … | ロイ・エルドリッジ | Roy Eldridge |
| Trombone | … | ジャック・ティーガーデン | JackTeagarden |
| Clarinet | … | バーニー・ビガード | Barney Bigard |
| Tenor sax | … | コールマン・ホウキンス | Coleman Hawkins |
| Piano | … | アート・ティタム | Art Tatum |
| Guitar | … | アル・ケイシー | Al Casy |
| Bass | … | オスカー・ペティフォード | Oscar Pettiford |
| Drums | … | シドニー・カトレット | Sidney Catlett |
「オールスターズ」に恥じない豪華なメンバーである。僕にはアート・ティタムで、こういう顔見世的なものにも参加していたことが意外である。しかし何といっても大戦中にこのようなコンサートが企画され実施されたことに驚く。この3曲はビリーのヴォーカルがほとんどであり、多分この3曲だけが演奏されたわけではないと思うが、この3曲に限って言えば、これだけのメンバーは必要ないと思う。
| record1.B面4. | ドゥ・ナッシン・ティル・ユー・ヒア・フロム・ミー | Do nothin' till you hear from me |
| record1.B面5. | アイ・ラヴ・マイ・マン | I love my man |
| record1.B面6. | アイル・ゲット・バイ | I'll get by |
同日に「ライオネル・ハンプトンとVディスク・オール・スターズ」によるV-discの録音も行われた。どちらの録音が先に行われたか等は資料が無く不明である。上記メンバーにTpにサッチモ、Vibにライオネル・ハンプトンが加わり、ヴォーカルのビリーとClのビガードが抜けたことになっている。いずれにせよ超豪華メンバーである。
| Band leader & Vibraphone | … | ライオネル・ハンプトン | Lionel Hamton | |||
| Trumpet | … | ルイ・アームストロング | Louis Armstrong | 、 | ロイ・エルドリッジ | Roy Eldridge |
| Trombone | … | ジャック・ティーガーデン | Jack Teagarden | |||
| Tenor sax | … | コールマン・ホーキンス | Coleman Hawkins | |||
| Piano | … | アート・ティタム | Art Tatum | |||
| Guitar | … | アル・ケイシー | Al Casey | |||
| Bass | … | オスカー・ペティフォード | Oscar Pettiford | |||
| Drums | … | シドニー・カトレット | Sidney Catlett |
1944年11月末までAFMのストにより、正式な録音はかなり減りますが、戦地にいる兵士慰問用のレコード(V-disc)は、多数録音されました。ライオネル・ハンプトンの音楽は陽気で元気がよく、ダンスにもぴったりということでV-discにはうってつけだったのではないでしょうか?それにしてもメンバーがスゴイ、これぞオールスター・バンドといった陣容です。
演奏するのは、ライオネル・ハンプトン・バンドの十八番中の十八番、「フライング・ホーム」。イントロからハンプのVbがリードし、そのままソロに突入します。続いてTpソロ、これはサッチモです。続いてClとなりますが、ディスコグラフィーにはClの記載はありません。CDには、バーニー・ビガードとありますが。続いてホークのTs、続くTpソロはエルドリッジ、ビッグ・シドの短いソロがありリフが入って一旦終了したように聴こえますが、その後ドラムに移動したハンプとビッグ・シドのドラム合戦となり、最後はリフで大いに盛り上げて終了します。12分弱の長尺録音で、これぞV-discならではと言ったところでしょう。
| Band leader & Tenor saxVocal | … | コールマン・ホーキンス | Coleman Hawkins | ||||||
| trumpet | … | ディジー・ガレスピー | Dizzy Gillespie | 、 | ヴィクター・クールセン | Vic Coulsen | 、 | エディ・ヴァンダーヴィア | Eddie Vanderveer |
| Alto sax | … | レオ・パーカー | Leo Parker | 、 | レナード・ロウリー | Leonard Lowry | |||
| Tenor sax | … | レイ・エイブラムス | Ray Abrams | 、 | ドン・バイアス | Don Byas | |||
| Baritone & Tenor sax | … | バド・ジョンソン | Budd Johnson | ||||||
| Piano | … | クライド・ハート | Clyde Hart | ||||||
| Bass | … | オスカー・ペティフォード | Oscar Pettiford | ||||||
| Drums | … | マックス・ローチ | Max Roach |
ほとんど通常のビッグ・バンドの布陣だが、トロンボーン・セクションが無いことが珍しい。またレオ・パーカーはこの時期未だアルトを吹いていた。
| ウッデン・ユー | Woody'n you | 2月16日 |
| ブー・ディー・ダート | Bu-Dee=Daht | 2月16日 |
| イエスタディズ | Yesterdays | 2月16日 |
| ディスオーダー・アット・ザ・ボーダー | Disorder at the border | 2月22日 |
| フィーリング・ゼロ | Feeling zero | 2月22日 |
| レインボウ・ミスト | Rainbow mist | 2月22日 |
この録音は、ハーレムでレインボウ・ミュージック・ショップを経営していたフランク・ヴァラード氏が、ホークのかつてのヒット曲"Body and soul"の再演を狙って企画され、氏自ら立ち上げたアポロ・レーベルに吹き込まれた。