クーティ・ウィリアムス 1937年
Cootie Williams 1937
クーティー・ウィリアムスは1929年デューク・エリントンの楽団に入団以来その主力メンバーとして重要な役割を担ってきた。デュークの楽団での活躍ぶりについては、デュークの項で取り上げるとしてここでは、クーティー名義の録音について取り上げよう。
デュークの楽団が、そのメンバー名義の録音を始めるのは1936年のことで、36年には、レックス・スチュアート、バーニー・ビガード名義の録音が行われる。そしてこの1937年にはクーティー・ウィリアムス、バーニー・ビガード(2回)、ジョニー・ホッジス名義の録音が行われる。
<Date & Place> … 1937年3月8日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … クーティー・ウィリアムス・アンド・ヒズ・ラグ・カッターズ(Cootie Williams and his rug cutters)
Historyのデータには記載がないが、Ellingtoniaには”Cootie Williams and his rug cutters”の名義で録音されたことになっている。
また上記パーソネルは、Historyの記載であるが(クーティー名義のレコードも同じ)、Ellingtoniaではオットー・ハードウィックも参加したことになっている。
一目瞭然エリントン楽団からのピック・アップ・メンバーである。
<Contents> … "The Duke"(History 204140 302〜204159 302)&"Cootie Williams and his rug cutters 1934/40"(TAX m-8011)&「ザ・デュークス・メン」(Epic EICP 602)
| CD18-3&CD-13 | アイ・キャント・ビリーヴ・ザット・ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ミー | I can't believe that you’re in love with me |
| CD18-4、record A-1. | ダウンタウン・アップロアー | Downtown uproar |
| CD18-5. | ディガ・ディガ・ドゥ | Diga Diga do |
| CD18-6&CD-14. | ブルー・リヴリー | Blue Reverie |
| CD18-7、record B-8. | ウィスパーリング・タイガー | Whispering tiger(Tiger rag) |
この日の録音は、"The Duke"(History)には全曲が、"Cootie Williams and his rug cutters 1934/40"のレコードには2曲(「ダウンタウン・アップロアー」、「タイガー・ラグ」)、右のCD「ザ・デュークス・メン」には2曲(「アイ・キャント・ビリーヴ・ザット・ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ミー」、「ブルー・リヴリー」)収録されている。
CD18-3.[アイ・キャント・ビリーヴ・ザット・ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ミー]
メロウなナンバーで、カーネイがテーマをリードして吹く。クーティーは、最初はオープンで、そしてミュートをかけ、さらにエンディングはミュートを外して吹いている。短いがエリントンのソロもありホッジスのソプラノ・サックスによるソロも珍しい。
CD18-4.[ダウンタウン・アップロアー]
クーティーはイントロから演奏をリードする。ここでもホッジスはソプラノを吹いている。短いがエリントンのソロ、そしてエンディング近くに高音を連発して存在感を示す。
CD18-5.[ディガ・ディガ・ドゥ]
エリントンの他にも数多くのプレイヤーが取り上げていた作品。かなりデフォルメした演奏。メロディーをクーティーはお得意のミュート・プレイを披露する。ここでもホッジスはソプラノでソロを取る。クーティーは後半はオープンでソロを取る。
CD18-6.[ブルー・リヴリー]
メランコリックなナンバーで、クーティーのミュート・プレイ、ホッジスのソプラノ、エリントン、カーネイのソロがたっぷりと聴ける。
CD18-7.[ウィスパーリング・タイガー]
O.D.J.B.のニック・ラロッカの作ったことになっているナンバーで、ビックス・バイダーベックなどTp奏者が好んで演奏したらしい。ここではミュートをかけてプレイしているので”Whispering”(ささやき)と洒落たのだろう。ここではホッジスはアルト・サックスでソロを取っている。ヘイズ・アルヴィスのソロも珍しい。
次のクーティー名義の録音は問題である。何が問題かというと大将のエリントンが加わっていないのである。
<Date & Place> … 1937年3月25日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ザ・ゴッサム・ストンパーズ(The gotham stompers)
このセッションの全曲も"The Duke"(History)に収録されている。この40枚のCDシリーズでデュークが加わっていないのは、このセッションのみである。
面子を見るとエリントン楽団が一番多く、サンディー・ウィリアムス、トミー・フルフォード、チック・ウエッブはチック・ウェッブ楽団からそしてギターのバーナード・アディソンはフレッチャー・ヘンダーソンの楽団からの参加である。なぜこのような録音が行われ、そしてエリントンの作品集に入れられているのかがよく分からない。僕は偶々左のクーティーのレコードを持っていたから分かったが、もしこのレコードを持っていなければ何かの間違いではないかと思うだろうと思う。
<Contents> … "The Duke"(History 204140 302〜204159 302)&"Cootie Williams and his rug cutters 1934/40"(TAX m-8011)
| CD18-8、record A-2. | マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ | My honey’s lovin’arms |
| CD18-9. | ディド・エニワン・エヴァー・テル・ユー | Did anyone ever tell you ? |
| CD18-10. | アラバミー・ホーム | Alabamy home |
| CD18-11、record B-3. | ホエア・アー・ユー? | Where are you ? |
レコード"Cootie Williams and his rug cutters 1934/40"に収録されているナンバーは2曲、”ディド・エニワン・エヴァー・テル・ユー”と”ホエア・アー・ユー?”である。そういった意味でもHistory盤は貴重な資料だが、もう少し詳しい説明は欲しいところだ。
そしてEllingtoniaには、もちろんこの録音の記載は無い。エリントンのディスコグラフィーに載らないのは当然ではある。
アレンジはチック・ウエッブ楽団のテナー奏者でアレンジも担当しているウェイマン・カーヴァ―。そんなこともあってかエリントン臭はあまり感じられない。それはグロウル・ミュートを余り使っていないことからも感じられる。
CD18-8.[マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ]
アンダーソンのヴォーカル入り。アンダーソンのエリントンを離れてのレコードも珍しい。まずサンディー・ウィリアムスがソロを取るが、エリントンの楽団なら当然グロウルだろうなぁなどと思いながら聴く。ホッジス⇒クーティー⇒カーネイ⇒ビガードという黄金のソロ・リレーだ。
CD18-9.[ディド・エニワン・エヴァー・テル・ユー]
アンダーソンのヴォーカル入り。これは当時のヒット曲の感じがする。ヴォーカル後のクーティーはオープンでソロを取る。続いてホッジス、フルフォードと続き、アンサンブルへ。
CD18-10.[アラバミー・ホーム]
後日エリントンも録音している、エリントン作のナンバー。ヴォーカルの入らないインスト・ナンバーである。アンサンブルの後エリントン楽団ではほとんど聴かれないギター・ソロ(アディソン)があり、クーティーは得意のグロウル・ミュートを披露する。その後ホッジス⇒ビガード⇒カーネイとソロが続き、アンサンブルに移り終わる。
CD18-11.[ホエア・アー・ユー?]
アンダーソンのヴォーカル入り。これも当時のヒット曲の感じがする。終わり近くでウェッブの短いソロが聴ける。
<Date&Place> … 1937年4月14日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ライオネル・ハンプトンと彼のオーケストラ(Lionel Hampton and his orchestra)
初吹込みから2か月後の2回目の吹込みは、俄然豪華なメンバーとなる。これはある程度1回目のレコードが売れヴィクターが手応えを掴んだということなのだろう。
エリントン楽団から3名、BG楽団から2名、ヘンダーソン楽団からラッキー・ミリンダーに移り直後自楽団を率いるジョン・カービー、これもヘンダーソン楽団にいたコージー・コール、そしてシカゴ・スタイルの中心人物メズ・メズロウというメンバーで、白黒混成九重奏団である。しかし何故かメズロウにはソロ・スペースが与えられていない。
<Contents> … 「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ第16巻 ライオネル・ハンプトン/オール・スター・セッション」(RCA RA-90〜95)
| record1-A面5 | バズィン・ラウンド・ウィズ・ザ・ビー | Buzzin' round with the bee |
| record1-A面6 | ウォー・ベイブ | Whoa babe |
| record1-A面7 | ストンポロジー | Stompology |
record1 A-5.[バズィン・ラウンド・ウィズ・ザ・ビー]
蜂がブンブンという感じのヴァイブ・イントロからそのままハンプトンがリードする合奏、続いてステイシーとホッジスの絡み、クーティーのグロウル・スタイルのTpの間に短いハンプトンのヴォーカルを挟み、再びホッジス、ブラウン、ハンプトンとホットなソロをリレーして合奏に戻している。野口久光氏は、RCAのハンプトンの最初の快作と評している。
record1 A-6.[ウォー・ベイブ]
ラリー・クリントンがリフを素に書いたミディアム・ナンバー。合奏コーラスのサビはステイシー、次いでハンプトンのヴォーカル、そしてホッジスとブラウンがコーラスを分け合い、ヴァイブを絡ませたアンサンブルで締め括っている。
record1 A-7.[ストンポロジー]
ハンプトンのオリジナル。これも32小節形式。ホッジス、ブラウン、クーティーというエリントニアンが取る1コーラスずつのソロが聴きものだが、その後のハンプのソロも負けてはいない。最後は合奏リフで盛り上げるバックにハンプトンのソロで盛り上げて締め括る。
<Date & Place> … History,Ellingtonia … 1937年10月26日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … クーティー・ウィリアムス・アンド・ヒズ・ラグ・カッターズ(Cootie Williams and his rug cutters)
<Contents> … "The Duke"(History 204140 302〜204159 302)&"Cootie Williams and his rug cutters 1934/40"(TAX m-8011)
| CD20-5、record A-3. | ジュビレスタ | Jubilesta |
| CD20-6. | ウォッチン | Watchin' |
| CD20-7. | ピジョンズ・アンド・ペッパーズ | Pigeons and peppers |
| CD20-8. | 捧ぐるは愛のみ | I can't give you anything but love |
CD20-5.[ジュビレスタ]
再録もの。ビガード、ティゾル、クーティーのソロがフューチャーされる。
CD20-6.[ウォッチン]
ミルズとネモ(Nemo)の共作。ジェリー・クルーガーのヴォーカルが入るポップス・チューンである。
CD20-7.[ピジョンズ・アンド・ペッパーズ]
エリントンの作。タイトルを直訳すれば「鳩と胡椒」ということになるが、多分これはスラングで、「のろまと怒りっぽい人」ということか?何となくユーモラスなナンバーではある。
CD20-8.[捧ぐるは愛のみ]
当時のヒット曲。こういう曲にヴォーカルを入れないところがエリントンなのであろう。
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