デクスター・ゴードン 1944年
Dexter Gordon 1944
1944年のデクスター・ゴードンの録音を取り上げよう。この年デックスは、フレッチャー・ヘンダーソン、ルイ・アームストロングという2大リジェンドと共演を果たし、12月には史上初のバップ・ビッグ・バンドと言われるビリー・エクスタインのレコーディングに参加し、歴史に残る史上初のテナー・バトルをジーン・アモンズとの間で競演するのである。持っているとしか言いようがない。
<Date & Place> … 1944年4月24日、5月1日 ロスアンゼルスにて録音
<Personnel> … フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his orchestra)
<Contents> … "Dexter Gordon/Kind of Gordon"(House of jazz 220156)
| CD5-10. | アイ・ガット・リズム | I got rhythm | 4月24日 |
| CD5-11. | キープ・エム・スインギング | Keep 'em swinging | 4月24日 |
| CD5-12. | サヴォイでストンプ | Stompin' at the Savoy | 4月24日 |
| CD5-13. | ビューグル・ブルース | Bugle blues | 4月24日 |
| CD5-14. | ジープ・リズム | Jeep rhythm | 4月24日 |
| CD5-15. | クラップ・ハンズ・ヒア・カムズ・チャーリー | Clap hands here comes Charlie | 5月1日 |
超久しぶりのフレッチャー・ヘンダーソンの登場である。まだまだ健在だったことがともかく嬉しい。
CD5-10.「アイ・ガット・リズム」
ガーシュイン作のスタンダード・ナンバー。ピアノのイントロの後TpソロからTsソロとなる。このソロはデックスなのであろう。CDボックスはデックスがソロを取っているナンバーを選んでいるような気がする。アンサンブルが入り再びTsソロ、これもデックスなのであろうか。
CD5-11.「キープ・エム・スインギング」
アンサンブルからTpソロとなる。高音が出切っておらず二流の感じがする。短いTbの後Tsソロ。余裕を感じさせるソロでソロの中では一番良い。
CD5-12.「サヴォイでストンプ」
ベニー・グッドマンらの名前が作者に並ぶスタンダード・ナンバー。アンサンブルの後ミュートTpソロ、前曲よりはまともな感じがする。続いて二人の奏者によるTsソロ、どちらがデックスかがよく分からない。バトルという感じではない。
CD5-13.「ビューグル・ブルース」
アンサンブルの後最初にTsソロが出る。アンサンブルが入り、短いPソロ、アンサンブルの後短いTpソロが入り、アンサンブルに戻りエンディングに向かう。ちょっと複雑な構成でヘンダーソンの筆が冴える。、
CD5-14.「ジープ・リズム」
アンサンブルの短いTbソロの後、Tpソロ、Tsソロと続く。緊張感を醸し出すアンサンブルの後短いPソロが入り、アンサンブルからエンディングに向かう。
CD5-15.「クラップ・ハンズ・ヒア・カムズ・チャーリー」
スイング時代によく演奏されたスタンダード・ナンバー。アンサンブルの後Ts、続いてTp、Tbとソロが続く。アンサンブルの後再びTsソロからアンサンブルに戻り、エンディングに向かう。
このセッションでは他にも演目があるが、全てTsソロのある曲が選ばれている。それが全てデックス、つまりデックス故に選ばれたとしたら、かなり評価され、ソロを取らせてもらっていたことになる。
<Date & Place> … 1944年5月19、20日〜9月21日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ルイ・アームストロング・アンド・ヒズ・オーケストラ(Louis Armstrong and his orchestra)
<Contents> … "Dexter Gordon/Kind of Gordon"(House of jazz 220156)
| CD6-1. | 浮気はやめた | Ain't misbehavin' | 5月19or20日、6月7日、9月12日 |
| CD6-2. | キーピン・オン・ジャンピン | Keepin' on jumpin' | 5月19or20日、10月5日 |
| CD6-3. | キング・ポーター・ストンプ | King porter stomp | 6月7日、9月12日 |
| CD6-4. | サヴォイでストンプ | Stompin' at the Savoy | 8月 |
| CD6-5. | パーディド | Perdido | 9月12or21日 |
CDボックスには、年とバンド名しか記載していない。ディスコグラフィーを見ると1944年5月19日〜9月21日の間に何度かセッションがあり、同一曲を複数回演っている。どの日の演奏が収録されているか分からないので、曲が演奏された日を記載した。
CD6-1.「浮気はやめた」
ファッツ・ウォーラー作のスタンダード・ナンバー。Tpのリードするアンサンブルの後はまずサッチモのヴォーカル。このリードTpもサッチモなのだろう。ヴォーカルの後Tsソロ掛け合いとなる。最初に出るのがヴェテランのマクレェであろう。続くTpソロはサッチモか?久しぶりに聴くサッチモのヴォーカルとTp。
CD6-2.「キーピン・オン・ジャンピン」
これはサッチモ作のスインギーなジャンプ・ナンバー。最初のソロはTp、続いてTs、これも二人が分け合って吹いているようだ。いずれも合奏のバッキングが演奏を盛り上げる。そしてアンサンブルをバックにTpが吹き上げるところで突然終わる。
CD6-3.「キング・ポーター・ストンプ」
ジェリー・ロール・モートン作のスタンダード。TpのリードするアンサンブルからそのままTpソロとなり、Tsソロ、Tbソロ、再びTpソロ。最後はTpが盛り上げるアンサンブルでエンディングに向かう。
CD6-4.「サヴォイでストンプ」
先ほどのフレッチャー・ヘンダーソンも演奏していたナンバー。アンサンブルの後Ts、続いてTpとソロが続く。雑音が入って聴きづらい。最後はアンサンブルをバックにTpが吹き上げて終わる。
CD6-5.「パーディド」
ファン・ティゾール作のエリントン・ナンバー。アンサンブルがテーマを奏し、サッチモのTpソロ、Tsソロとなる。このソロは素晴らしい。この曲はバップ時代よく取り上げられているので、バッパー達と比べて聴くのは面白いと思う。
<Date & Place> … 1944年12月5日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ビリー・エクスタイン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Billy Eckstine & his Orchestra)
<Contents> … "Billy Eckstine"(Ember FA 2010)&"Dexter Gordon/Kind of Gordon"(House of jazz 220156)
| A面1. | CD6-8. | ブローイング・ザ・ブルース・アウェイ | Blowing the blues away |
| A面2. | CD6-6. | イフ・ザッツ・ザ・ウェイ・ユー・フィール | If that's the way you feel |
| A面3. | CD6-7. | アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー | I want to talk about you |
| A面4. | CD6-10. | ザ・リアル・シング・ハップンド・トゥ・ミー | The real thing happened to me |
| A面5. | アイル・ウェイト・アンド・プレイ | I'll wait and pray |
| B面3. | CD6-9. | オーパス・エックス | Opus X |
基本的には、ミスターBことビリー・エクスタインのヴォーカルが主であるが、アンサンブルがこれまでのビッグ・バンドと違い新しい感じがする。それもそのはず、新進のアレンジャー、タッド・ダメロンが担当している。
A面1.「ブローイング・ザ・ブルース・アウェイ」
史上初のアモンズとゴードンによるTsバトルが収録された超有名ナンバー。アンサンブルで出て、Pソロ、アンサンブルの後ミスターBのヴォーカルとなる。アンサンブルをはみながら有名なTsバトルが展開される。これはさすがに聴き応えがある。そして最後はディズの高音連発のTpで締めくくる。実に聴き応えがある。ブレイキーのドラムもアクセントの入れ方などほとんどモダン・ジャズと変わりないように感じる。
A面2.「イフ・ザッツ・ザ・ウェイ・ユー・フィール」
これもアンサンブルで始まり、ミスターBのヴォーカルとなる。いかにも当代一の持て男のバリトン・ヴォイスが魅力的といったところかな。
A面3.「アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー」
これもアンサンブルで始まり、ミスターBのヴォーカルとなる。インストのソロはなし。
A面4.「ザ・リアル・シング・ハップンド・トゥ・ミー」
これもアンサンブルで始まり、ミスターBのヴォーカルとなる。インストのソロはなし。
A面5.「アイル・ウェイト・アンド・プレイ」
これもアンサンブルとヴォーカルのナンバーだが、ここで初めて女性ヴォーカルが登場する。サラ・ヴォーンである。まだ若干20歳になったばかりでこれが初吹込みである。堂々とした歌いっぷりで、将来大物歌手となる片鱗を感じさせる。
B面3.「オーパス・エックス」
アップ・テンポのスインギーな曲。アンサンブルから短いTp(ディズであろう)を挟み、Asソロが入る。これはジャクソンと思われる。ジャクソンは、バード崇拝者第1号と言われ、その実力はバードも認めていたと言われる。続いて短いTpを挟んでアンサンブルとなるインスト・ナンバー。
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