ディジー・ガレスピー 1939年

Dizzy Gillespie 1939

ビ・バップの重要な立役者の一人ディジー・ガレスピー、僕が持っているレコードは1937年5月のテディ・ヒルのオーケストラで初吹込みを行って以来のものとなる。

<Date&Place> … 1939年9月11日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ライオネル・ハンプトンと彼のオーケストラ(Lionel Hampton and his orchestra)

Band leader , Vibraphone & Vocalライオネル・ハンプトンLionel Hamton
Trumpetディジー・ガレスピーDizzy Gillespie
Alto saxベニー・カーターBenny Carter
Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkinsチュー・ベリーChu Berryベン・ウエブスターBen Webster
Pianoクライド・ハートClyde Hart
Guitarチャーリー・クリスチャンCharlie Christian
Bassミルト・ヒントンMilt Hinton
Drumsコージー・コールCozy Cole

ともかく大変なメンバーである。当時最高のテナー・サックス奏者と思われていたホーキンス、チュー、ウエブスターの3巨頭が顔を揃え、アルトにはこれまたジャズ・グレイト、ベニー・カーターが入る。まず、ホーキンスは1934年にフレッチャー・ヘンダーソン楽団を辞め、ヨーロッパへ渡る。そしてこの年帰国するのであるが、いつ帰国したのだろうか?帰国して最初に吹き込んだのが超有名なあの”Body and soul”(1939年10月11日吹込み)という記載がある(岩浪洋三氏 ”Coleman Hawkins”BVCJ-37155CD解説)。しかしどう考えてもこちらの録音の方が時期が早い。ホークの帰米後初録音に当たるはずである。
そしてビ・バップの立役者の一人ディズがTpに座るが、この時はキャブ・キャロウェイ楽団でチューと同僚だったと解説にはある。1939年7月17日のキャロウェイの録音には参加していないので、その解説通りとすれば、キャロウェイのバンドに参加したのはその後で、この録音前ということであろう。
さらにギターのクリスチャン、彼もビ・バップの草創期の伝説化したギタリストである。野口氏はなぜか書いていないが、「チャーリー・クリスチャン/メモリアル・アルバム」に記載されているディスコグラフィーではこれが初吹込みに当たる貴重な録音である。ともかく聴きどころ満載のセッションである。

<Contents> … 「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ第16巻 ライオネル・ハンプトン/オール・スター・セッション」(RCA RA-90〜95)

Record4.A-4ホエン・ライツ・アー・ロウWhen lights are low
Record4.A-5ワン・スイート・レター・フロム・ユーOne sweet letter from you
Record4.A-6ホット・マレッツHot mallets
Record4.A-7アーリー・セッション・ホップEarly session hop
Record4.A-4「ホエン・ライツ・アー・ロウ」
ベニー・カーター作の有名曲。アレンジもカーター。最初のコーラスはアンサンブルとVbで、カーターのアルトが入り、そのままハンプトンのVbがフル・コーラスのソロを取る。続いてテナー・ソロとなるが、音色の似ている3巨匠がいるので分かりにくいが、これはホーキンスだという。サビはハートのPで、Vbを絡ませた合奏で締め括る。
Record4.A-5「ワン・スイート・レター・フロム・ユー」
1927年にハリー・ウォーレンが作曲した曲でこの1939年にリヴァイヴァル・ヒットしていたという。まずピアノのイントロから最初のテナーは、これもホーキンス。続いて短いハンプのVibソロを挟みハンプのヴォーカルとなる。このヴォーカル・バックでクリスチャンのコード・ワークが聴ける。ラストはVbと合奏となる。
Record4.A-6「ホット・マレッツ」
ここでディズが登場する。曲はハンプのオリジナル。ファースト・コーラスのディズは、ロイ・エルドリッジの影響が明らかだが、1939年とは思えないようだモダンなソロである。サビはカーターのAsで次はTsとなるのだが、この奏者については説が分かれているが、野口氏はチュー・ベリーだとしている。チューの権威、油井正一氏の見立て(?)だという。テナーの後はハンプトン(Vb)とリフ・アンサンブルとなる。
Record4.A-7「アーリー・セッション・ホップ」
ホット・ダンス・ナンバーで、このTs奏者が物議を醸しているという。ヴィンテージ・シリーズのLP「ボディ・アンド・ソウル」ではホーキンスとしているが、これはウエブスターだという。そしてこの見立ても油井氏で野口氏も賛成だと書いてある。しかしヴィンテージ・シリーズのLP「ボディ・アンド・ソウル」解説でホーキンスと書いているのは油井氏である。どうも話に整合性がない。しっかりして欲しい。ウエブスターだとすれば、これで確かにこれでTs3巨匠そろい踏みとなる。速いテンポでアンサンブルからTs、Vb、Asとソロが続く。

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