1923年フレッチャー・ヘンダーソンの楽団に入団してそのキャリアをスタートさせたドン・レッドマンは、マッキニーズ・コットン・ピッカーズを経て、ジャズの世界にビッグ・バンド・アレンジメントの礎を築き、1931年ついに独立し自分の楽団を率いることになる。これにはフレッチャー・ヘンダーソンの実弟ホレス・ヘンダーソンの協力があったという。
粟村政昭氏はその著『ジャズ・レコード・ブック』において、「レッドマンの野心に満ちたバンドにも、折からの不況の波は当然押し寄せ、路標的名作”Chant of the weed”に示された妖しいまでのレッドマンの才気は、次第次第に商業主義との結びつきの中に浪費されていった」と述べている。ただこの年は結成間もない時期であり、「浪費される」以前であったろう。
| Alto sax , Vocal , Bandleader & Conductor | … | ドン・レッドマン | Don Redman | ||||||
| Trumpet | … | レナード・ディヴィス | Leonard Davis | 、 | ビル・コールマン | Bill Coleman | 、 | ヘンリー・レッド・アレン | Henry "Red" Allen |
| Trombone | … | クロード・ジョーンズ | Claude Jones | 、 | フレッド・ロビンソン | Fred Robinson | 、 | ベニー・モートン | Benny Morton |
| Clarinet & Alto sax | … | エドワード・インジ | Edward Inge | 、 | ルパート・コール | Rupert Cole | |||
| Tenor sax | … | ロバート・キャロル | Robert Carroll | ||||||
| Piano | … | ホレス・ヘンダーソン | Horace Henderson | ||||||
| Banjo & Guitar | … | タルコット・リーヴス | Talcott Reeves | ||||||
| Tuba & String bass | … | ボブ・イサグイアー(?) | Bob Ysaguirre | ||||||
| Drums | … | マンジー・ジョンソン | Manzie Johnson | ||||||
| Vocal | … | ロイス・デぺ | Lois Deppe |
| CD-1. | トラブル、ホワイ・ピック・オン・ミー? | Trouble , why pick on me ? |
| CD-2. | シェイキン・ザ・アフリカン | Shakin’the African |
| CD-3. | チャント・オブ・ザ・ウィード | Chant of the weed |
CD-1.[トラブル、ホワイ・ピック・オン・ミー?]
レッドマンの作。ヴォーカル入りのナンバーである。ヴォーカルの後見事なアンサンブルを挟みながらトランペット、テナー・サックスがソロを取る。しかし聴き処は千変万化するアンサンブルであろう。
CD-2.[シェイキン・ザ・アフリカン]
レッドマンの歌とも語りともつかないヴォーカルに導かれるように曲は進行する。やはりアンサンブルが中心でトランペット、テナー・サックス、クラリネット、トロンボーンの短いソロが散りばめられる。
CD-3.[チャント・オブ・ザ・ウィード]
レッドマン自身の作。レッドマンのマイルストーン的作品としてつとに有名。この曲は3枚組のLP「MCAジャズの歴史」にも収録されている。その解説を担当しているのは野口久光氏で、次のように述べている。「1931年に結成したレッドマン自身のレギュラー・ビッグ・バンドがいかに素晴らしいものであったかは、レッドマンのオリジナルで自身が編曲したこの1曲で明らかである。(中略)アレンジ、サウンドはエリントンのジャングル・スタイルから影響を受けていて、エリントンの演奏かなと思わせる瞬間もあるが、すべての楽器の特性、音色をフルに活用したアレンジ、ハーモニックなカラー、常識を破ったアンサンブルとソロの配置のうまさなど1931年という時点で驚くほど前向きで新鮮なのである。レッドマン(As)、インジ(Cl)、ヘンダーソン(P)のソロも光っている。」
現在のところ僕はそこまでこの演奏の素晴らしさを実感できていない。聞き込みが足りないのであろう。
Trumpet … ビル・コールマン ⇒ ラングストン・カール Langston Curl
井貝月24日と同じ
| CD-4. | シェイキン・ザ・アフリカン | Shakin’the African |
| CD-5. | アイ・ハード | I heard |
CD-4.[シェイキン・ザ・アフリカン]
前回録音の再演である。前録音同様レッドマンの歌とも語りともつかないヴォーカルに導かれるように曲は進行する。ソロの順序も同じであるが、各ソロがこなれてきたのか前回よりも全般に良いような気がする。
CD-5.[アイ・ハード]
レッドマンの作。これもレッドマンの語り入り。短いソロは挿入されるがやはりアンサンブル中心のナンバーである。途中語りは2人の会話になるが、レッドマンともう一人はホレス・ヘンダーソンだそうである。
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