デューク・エリントン 1930年

Duke Ellington 1930

デューク・エリントン楽団 1930年

1930年は、世界大恐慌の影響が深刻化しジャズのレコーディングは激減すると言われるが、エリントンの録音を見る限り全くその兆候は見られない。驚くほどの録音数である。
またメンバー移動の少ないエリントン楽団なので最初に基本形を示し、移動があれば記載していこう。但しバンド名は都度まちまちである。
柴田浩一氏『デューク・エリントン』には、この年ニュー・ヨークのフルトン劇場でモーリス・シュバリエと共演したとあるが、右は『自伝』に掲載されたこの年ニュー・ヨークのフルトン劇場に出演した時のエリントン楽団。シェバリエの姿は写っていないようである。
そしてシュバリエとの共演の後ハリウッドに向かい、2度目の映画、『チェック・アンド・ダブル・チェック(Check and double check)』(77分)への出演を果たす。しかし第1作1929年の”Black and tan”では、エリントンは主役を張っていましたが、ここでは白人上流階級のパーティーで演奏する約2分間の出演である。しかしこの映画では楽曲を提供し、演奏するという音楽担当的な意味合いが強かったようだ。

<基本形Personnel>

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetアーサー・ウェッツェルArthur Whetselクーティ・ウィリアムスCootie Williamsフレディ・ジェンキンスFreddie Jenkins
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nantonファン・ティゾールJuan Tizol
Clarinet , Soprano , Alto & saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet , Alto & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Banjoフレッド・ガイFred Guy
String Bassウェルマン・ブラウドWellman Braud
Drumsソニー・グリアSonny Greer
History盤CD 40枚組の7枚目

<Date & Place> … Ellingtonia…1930年1月29日ニューヨークにて録音(Plaza recording)、History…1930年1月20日ニューヨークにて録音

<Personnel> … ザ・テン・ブラック・ベリーズ (The ten black berries)

基本形+Vocal … アーヴィング・ミルズ Irving Mills
因みにこれは1929年12月10日と同じメンバー。

<Contents>

CD7-18.セント・ジェイムス病院St.James infirmary
CD7-19.君微笑めばWhen you’re smilling
CD7-20.レント・パーティー・ブルースRent party blues
CD8-1.ジャングル・ブルースJungle blues

Historyでは、CD7-19〜CD8-1までは1930年1月20日の録音と記載しているのに対して、Ellingtoniaでは1930年1月29日の録音と記載している。全く同一曲を演奏した別セッションがあるとは思えないので、どちらかの誤りと思われるが、いつものように僕には決め手がないので、双方を記載する。
またいろいろなバンド名を使うエリントン・バンドだが、この「ザ・テン・ブラック・ベリーズ」という名称は初めて登場する。アーヴィング・ミルズのバンドという意味合いであろう。
「セント・ジェイムス病院」
以前このHP にも登場した。最も有名なのは、1928年録音のルイ・アームストロングのものであろう。この原曲作者は不明であるが、作詞作曲としてジョー・プリムローズ(Joe Primrose)が登録を行っているという。このジョー・プリムローズはアーヴィング・ミルズの変名である。ブライアン・プリーストリーの『ジャズ・レコード全歴史』によれば、目端の利く白人の音楽関連者は、作者がはっきりしない伝統的な曲を片っ端から自分の名前で登録していったという。即ちこの曲が録音されればされるほど、売れれば売れるほど作者となったミルズに印税が入ったことになる。さてご当人の歌唱は、
[君微笑めば]
この曲もルイのレコードがあり僕も好きなナンバーだ。前曲と共にサッチモのヒット曲を取り上げているが、正直言ってこの時期のサッチモに勝る仕上がりを期待することは酷であろう。
[レント・パーティー・ブルース]
どこかで聞いたことのあるような気がするが思い出せない。とても明るい雰囲気を持った曲である。ミルズのヴォーカルは入っていない。
[ジャングル・ブルース]
いかにもジャングルを連想させるようなサウンドで始まり、一部咆哮のようなミュートTpも聴かれるが、全体としてはテーマのメロディも含めゆったりとした感じの演奏である。各ソロ・スペースも大きく取ってあり聴き応えがある。

History盤CD 40枚組の7枚目

<Date & Place> … Ellingtonia…1930年2月21日ニューヨークにて録音(Brunswick)、History…1930年3月20日ニューヨークにて録音

<Personnel> … ザ・ジャングル・バンド (The Jungle band)

1929年12月10日、前回と同じメンバー。

<Contents>…

CD8-2.アドミレイションAdmiration
CD8-3.マオリMaori (A samoan dance
CD8-4.君微笑めばWhen you’re smilling

CD7-19〜CD8-1までの4曲について9日間の録音日の違いだったが、ここでは約1か月間異なる。全く同一メンバーで同一曲を演奏した別セッションがあり、双方とも見逃したとは思えなので、同一セッションなのであろう。どちらが誤ったのか或いは双方誤りなのかこれも僕には決め手がないので、双方を記載する。
前回録音とはサウンドがだいぶ異なる。ベ−スもビンビン響いてくる。
[アドミレイション][マオリ]
ちょっと変わった曲調である。ちょっとだけエキゾチックな感じというかラテンのような感じもする。
[君微笑めば]
約1か月前にも吹き込んでいるが、同じメンバーなのに全く異なる出来映えである。こちらの方がグッと明るい。ミルズのヴォーカルも大分こなれた感じがする。冒頭のTpのリードはホエッツェルではないかと思う。中間部のTpはクーティーと思うがどうであろう。各自のソロもいいしエリントン・バンドのこの曲のベスト・トラックだと思う。

History盤CD 40枚組の8枚目

<Date & Place> … Ellingtonia…1930年3月 ニューヨークにて録音(Durium)、History…1930年3月30日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ハーレム・ホット・チョコレイツ (Harlem hot chocolates)

1929年12月10日以降同じメンバー。

<Contents>…

CD8-5.シング、ユー・ジナーズSing , you sinners
CD8-6.セント・ジェイムス病院St.James infirmary

Ellingtoniaでは3月いつかとしているのに対して、Historyは3月30日と特定している。
[セント・ジェイムス病院]
前回1月の採録。こちらもCD8-4.同様大分こなれた感じがする。バックのTpによるオブリガードも素晴らしい。ソロも先ずTbが低音部で取り、As、Tpと続くが感傷に流されることなく、淡々としかしそれが却って劇的な感じを創り出している。これも同楽団同曲のベスト・トラックであろう。

Ellingtoniaでは、この後3月20日に3曲ほどBrunswickに吹込みが行われたことになっているが、それはHistoryには収録されていない。

<Date & Place> … Ellingtonia、Historia … 1930年4月3日ニューヨークにて録音(Columbia)

アーヴィング・ミルズ

<Personnel> … ミルズ・テン・ブラック・ベリーズ (Mills ten black berries)

1929年12月10日以降同じメンバー。

<Contents>

CD8-7.ザ・ムーチThe mooche
CD8-8.ラガマフィン・ロメオRagamuffin Romeo
CD8-9.イースト・セント・ルイス・トゥードル・オーEast St. Louis toodle-O

1930年度の録音で初めてEllingtonia、History記載の録音データが合致した。「ザ・テン・ブラック・ベリーズ」にミルズが付いてミルズ(写真右)のだということを強調している。
[ザ・ムーチ]
28年以来何度か録音しているがこの演奏はクオリティが高いと思う。
[ラガマフィン・ロメオ]
この曲は初めて聴くような気がする。サックス陣の柔らかなアンサンブルが特徴的だ。
[イースト・セント・ルイス・トゥードル・オー]
1928年以来久しぶりの録音である。以前に比べてかなりモダンなアレンジメントが施されている。

デューク・エリントン 1930年

<Date & Place> … Ellingtonia、Historia … 1930年4月11日ニューヨークにて録音

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・コットン・クラブ・オーケストラ (Duke Ellington and his Cotton club orchestra)

Trumpet … フレディー・ジェンキンス(Freddy Jenkins)⇒out
Vocal … アーヴィング・ミルズ Irving Mills ⇒ フランク・マーヴィン(Frank Marvin)
以外前回4月3日と同じメンバー。

<Contents>

CD8-10.ダブル・チェック・ストンプDouble check stomp
CD8-11.マイ・ギャル・イズ・グッド・フォー・ナッシング・バット・ラヴMy gal is good for nothing but love
CD8-12.アイ・ウォズ・メイド・トゥ・ラヴ・ユーI was made to love you

右の写真は『自伝』に、「1930年 ハリウッドにて」とコメントがついている。映画『チェック・アンド・ダブル・チェック』にはこのようなシーンはない。デュークが若い女の子に追いかけられている。そのような人気であったのだろうか?
[CD8-10.ダブル・チェック・ストンプ]
ウエルマン・ブラウドのベース・ソロが聴ける。続くホッジスのAsソロも素晴らしいし、Tpソロも見事で聴き応え十分。
[CD8-11.マイ・ギャル・イズ・グッド・フォー・ナッシング・バット・ラヴ][CD8-12.アイ・ウォズ・メイド・トゥ・ラヴ・ユー]
フランク・マーヴィンなるヴォーカリストのヴォーカルが入る。この2曲はヒット狙いの曲だと思われる。

コーネル・スメルサー

<Date & Place> … Ellingtonia、History…1930年4月22日ニューヨークにて録音(Brunswick)

<Personnel> … ザ・ジャングル・バンド (The Jungle band)

Trumpet … フレディー・ジェンキンス(Freddy Jenkins)⇒ back
Accordion … “ジョー”・コーネル・スメルサー “Joe” Cornell Smelser ⇒ In
Vocal … フランク・マーヴィン(Frank Marvin)⇒ ディック・ロバートソン Dick Robertson
以外前回4月11日と同じメンバー。

<Contents>

CD8-13.ダブル・チェック・ストンプDouble check stomp
CD8-14.アコーディオン・ジョーAccordion Joe
CD8-15.コットン・クラブ・ストンプCotton club stomp

ヴォーカルがマーヴィンからディック・ロバートソンに変わる。ブライアン・プリーストリー著『ジャズ・レコード全歴史』によれば、この時期アコーディオンが流行し、バンドに加える楽団が多かったというが、それはベニー・モーテン楽団がモーテンの甥っ子、バスター・モーテンを入れてレコーディングを行っているが、その影響であろうか?さすがにデュークはその音色を活かし、違和感ないアンサンブルの構築を行っている。スメルサーはハンガリー出身のピアニストだが、アメリカに移住してからアコーディオンに取り組んだようだ。
CD8-13.[ダブル・チェック・ストンプ]
4月11日の再演。4月11日の録音はクオリティが高かったが、こちらは構成はほぼ同じでアコーディオンを入れて録音したかったのだろう。
CD8-14.[アコーディオン・ジョー]
タイトルの[アコーディオン・ジョー]とは、スメルサーのことでスメルサーのオリジナル。まさにスメルサーをフューチャーした作品。
CD8-15.[コットン・クラブ・ストンプ]
エリントンとミルズの共作。テンポの速い曲で中間のTpのオープンでのソロが見事。

<Date & Place> … Ellingtonia、History…1930年6月4日ニューヨークにて録音(RCA Victor)

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・コットン・クラブ・オーケストラ (Duke Ellington and his Cotton club orchestra)

基本形

デューク・エリントン楽団 1930年

<Contents>

CD8-16.スィート・ドリームス・オブ・ラヴSweet dreams of love
CD8-17.ジャングル・ナイツ・イン・ハーレムJungle nights in Harlem
CD8-18.スイート・ジャズ・オマインSweet jazz O'mine
CD8-19.シャウトエム、アント・ティリーShout‘em aunt Tillie

久しぶりにヴォーカルなしのナンバーが4曲並ぶ。僕はこの時点までのエリントン・バンドでは、ヴォーカルが入らない方が好きだ。
CD8-16.スィート・ドリームス・オブ・ラヴは、タイトル通りのロマンティックなインスト・ナンバー。
CD8-19.シャウトエム、アント・ティリーは、どこかで聴いたことのあるメロディだが、思い出せない。2コーラス目とエンディングにおいて木管系3本か4本で吹奏されるアンサンブルが面白い効果を出している。デュークは多様なホーンを組み合わせて色々な音色を創り出すのが楽しくて仕方なかったのではないかと思う。

History盤CD 40枚組の5組目

<Date & Place> … Ellingtonia、History…1930年6月12日ニューヨークにて録音(Columbia)

<Personnel> … ミルズ・テン・ブラック・ベリーズ (Mills ten black berries)

基本形

<Contents>

CD8-20.スィート・ママSweet Mama
CD9-1.ホット・アンド・ボザードHot and bothered
CD9-2.ダブル・チェック・ストンプDouble check stomp
CD9-3.ブラック・アンド・タン・ファンタジーBlack and tan fantasy

CD8-20.スィート・ママはどこかで聴いたことがあるがすぐに思い出せない。どこかのんびりとしたほんわかとした曲調である。HistorynoCD解説では、この曲とCD9-1.ホット・アンド・ボザードにはヴォーカルにディック・ロバートソンが加わるとなっているが、どう聴いてもヴォーカルは聴こえない。
全体的にアレンジが変に回りくどくなく、この時期としてはソロ・スペースをたっぷりと取ってある。そして各ソロイストが実力があるものだからそれぞれに聴き応えのある出来映えとなるというまとめてみれば至極単純な理由で、聴いていて楽しい。これこそジャズというか音楽の王道ではないかとさえ思う。

さて、エリントンと彼の楽団はこの後西海岸に赴き映画への出演や同地でのレコーディングを行うことになる。大活躍時代である。

チェック・アンド・ダブル・チェック

Ellingtoniaによれば、1930年6月以降のどの時点かは分からないが、エリントンとその楽団は、2度目の映画出演のためにハリウッドを訪れる。その映画のサウンドトラックがロスアンゼルスでの初レコーディングのようだが、その録音はHistoryのCDセットには含まれていない。ただこの映像は以前紹介したDVD「デューク・エリントン楽団 1929〜1943」に収録されている。と言ってもエリントン楽団が登場する一部を抜粋したものだ。この時期のメンバーは、前期のほぼベスト・メンバーに近いものではないだろうか?そんな彼らが実際に演奏している(演奏しているふりだけかもしれないが)様子を見ることができるのはまことに興味深いものがある。ガンサー・シュラー氏は、この時期ハリウッドで行われた録音に耳を澄ませると、この度はバンドに活気を与えるという効果をもたらしたという印象を受けると述べている。なお、映画自体はYoutubeで簡単に見ることができる。

<Date & Place> … Ellingtonia、History…1930年8月20日、26日 ロス・アンゼルスにて録音(RCA-Victor)

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington and his orchestra)

Chimesチャーリー・バネットCharlie Barnet
Chorus(CD9-8)ザ・リズム・ボーイズThe rhythm boys(Bing Crosby,Al Rinker,Harry Barris)

<Contents>

CD9-4.リング・デム・ベルズRing dem bells8月20日
CD9-5.オールド・マン・ブルースOld man blues8月20日
CD9-6.リング・デム・ベルズRing dem bells8月26日
CD9-7.オールド・マン・ブルースOld man blues8月26日
CD9-8.スリー・リトル・ワーズThree little words8月26日
デューク・エリントンのDVD

ロスアンゼルスのハリウッドに入ったエリントン楽団は映画出演及び8月初旬に音楽を録音を行った。Ellingtoniaによれば、映画で使われた曲は、”Three little words”、”Old man blues”、”Ring dem bells”、”Nobody knows but the Lord”、”East St.Louis toodle-O”、”Am I blue ?”、”The perfct song”の6曲である。
『自伝』におけるエリントン自身のコメントによると、「当時人気者だった、ラジオのアモス&アンディのチームをフューチャーした映画だった。その映画の主題歌はハリー・ルビーとバート・カルマーの作った『スリー・リトル・ワーズ』だったが、『リング・デム・ベルズ』という私の器楽曲もまた非常に流行った。その曲はほかのバンドによっても演奏され、しばらくの間は非常にリクエストの多い曲目であった」と。実際1930年のポップス・ヒットチャートを見ると「スリー・リトル・ワーズ」は第6位に、「リング・デム・ベルズ」は第29位にランクされている。
そしてその後8月20日と26日にヴィクターのスタジオに入った。
8月20日には上記CD9-4.「リング・デム・ベルズ」とCD9-5.「オールド・マン・ブルース」と「スリー・リトル・ワーズ」の3曲が録音された。その内「スリー・リトル・ワーズ」は、<エマニュエル・ホール・クァルテット>というコーラス・グループのヴァージョンとジミー・ミラーという歌手のヴァージョンの2種類が録音されたがHistoryのCDには収録されていない。収録はされていないが、パーソネルは記載されている。聴いていてヴォーカルが入っていないので一瞬「?」となってしまう。
それから6日後の8月26日には、同じ3曲が録音された。それがCD9-6〜8である。こちらの「スリー・リトル・ワーズ」は、ビング・クロスビーが在団していた<ザ・リズム・ボーイズ>のヴォーカルが入っており、こちらのナンバーはCDに収録されている。
CD9-4と6の「リング・デム・ベルズ」は、どちらもクーティー・ウィリアムスによるサッチモ張りのスキャット・ヴォーカル入りで、ホッジスのアルトが絡んでいる。ガンサー・シュラー氏は、このクーティーとホッジスのやり取りの後、「伴奏としていくつかの素晴らしい「転がるような」サックスの音型のつけられたクーティーのソロが登場する。これらの音型は、流麗でありながら、抑制の効いた興奮を込めてさく裂し、クーティーの突き刺すような素早いソロと完璧な対照を形成し、これを補完する。29年の”Hot feet”の場合と同じように、最後のコーラスは5声部のブラスのコード音を強調するのだが、この響きの隙間に疾走するサックスのアンサンブル奏を聴き取ることができる。これらのブラスの音型は、曲の前半部においてチャイムで奏されたリフの音型の延長である」と述べている。ただ最後のコーラスはブラスのアンサンブルを縫って疾走するのはサックスのアンサンブルではなく、ClやAsのソロだと思うのだが。
因みにこのチャイムは後にバンド・リーダーとなる「白いエリントン」と呼ばれるチャーリー・バーネットの手によるものである。しかしこの時期ルイ・アームストロングもロスに行っており、これも後にバンド・リーダーとなるレス・ハイトとレコーディングを行っていた。エリントンとルイはロズの街で偶然会ったりしなかったのだろうか?クーティーのスキャットは、自分たちより少しばかり前にロスの入ったルイを意識したものかもしれない。

「オールド・マン・ブルース」詳細解説
「オールド・マン・ブルース」譜例18

同じく2回録音された「オールド・マン・ブルース」について、シュラー氏は、1928〜31年半ばにかけて、エリントンによる最良のレコードは、「ムード・インディゴ」を別にすれば、この「オールド・マン・ブルース」であると述べて詳細に解説している。以下紹介しよう。
この曲がそれまでの多くの録音に欠けていた気迫と興奮を込めて演奏されたことは明らかである。音楽面でいえば、このレコードはエリントンにとって比類のない啓示であった。作曲―ヘッド・アレンジであれ、実際にかかれた譜面であれーが、彼のグループのソロイストたちの才能を生かす枠組み、つまり彼らの演奏の出発点を形成する点で、効果的であることを教えてくれたからである。
「黒と褐色のファンタジー」のような初期の作品は、一人の特定の音楽家―この場合はババー・マイレイ―の個性が刻印されたものであって、すでに述べたように、ババーのソロの才能が、エリントンがあらかじめ用意した音楽的枠組みといささか齟齬をきたし、統一的な楽想の不在が感じられる。ジャズの統一的一部を形成する集団の均衡が一時的に攪乱されて、そのために構成の継ぎ目が露呈してしまった。ところがこの「オールド・マン・ブルース」では、演奏は構成員全体の真の総和であるとする集団の興奮と感情が再確立されて、作曲と即興の完璧な調和が達成された。
もちろんこの成果こそがジャズの発展に対するエリントンの最大の貢献だった。そしてフランシス・ニュートン(アメリカのジャズ評論家)がその著「ニュー・ステイツマン」において見事に要約したように、「生き生きとした、変わりやすい、即興的な民族音楽をその自発性を剥奪することなしに作品化するという信じがたく困難な課題を解決した」のである。
「オールド・マン・ブルース」の形式(譜例18参照)は、ほとんど革命的なところはないが、形式と音楽の内容との関係の解決の模範的な回答であった。つまりこの作品は、総体としては、組織され、あらかじめ指定された形式のもたらす諸要素を満足させながらも、音楽家に対して、ジャズに固有な自由を保証する手法を発見していた。再びフランシス・ニュートンの論文から引用すれば、エリントンは、「演奏者によって創造されると同時に作曲家によっても十分に形成された」音楽を作り上げたのだ。
「オールド・マン・ブルース」では、音楽家たちは、このように一見対立する諸要素によって拘束されているようには見えない。実際のところ、彼らはおそらく大きな単位の形式については無自覚であって、したがってまたこれに妨害されなかった。彼らにとっては、これもまた単なるコーラスの一つであって、良くもなるし、まずくもなる、どうでもよくなるものでもあるのだろう。
幾つかのソロは大変優れているが、ビガードは、彼自身の「タイガー・ラグ」での常套句にまたもやあまりに頼りすぎて一番乗りが悪い。カーネイとナントンは確かに絶好調である。カーネイは珍しくも少しはしゃいでいる様子であるし、ナントンは三つの別な対照的なソロで登場する。「オールド・マン・ブルース」は、録音の調性がたまたま良好な個所がいくつもあって、例えば、第1コーラスのブリッジでは、ナントンのTbがビガードの低音域のClの装飾的楽句と、双方のパートが一人の人間によって演奏されたかのように、完璧に一体化し、融合している。
「オールド・マン・ブルース」譜例19

カーネイの背後でのエリントンの優れたP伴奏、ブラウドの4ビートのウォーキング・ベースも特筆に値する。和声的にも、この曲には少々独創的なところがある。最終コーラスの前の4小節のブレイクで、3本のTpと1本のTpがシンコペイションで反復されるコードを奏するが(譜例19)、これは29年の”Hot feet”の末尾のコードと類似するもので、またもや音階の半音6度をルート音とする。
この和音は、今日では常識であるが、この曲が録音された時点のジャズの世界では、斬新だった。この和音を使用した初期の事例は、シュラー氏の知る限り、アルフォンス・トレントの1930年の”I found a new baby”の最終コーラスに登場するものだという。付言すれば、この偉大な南部のバンドの革新的な書法と高度な演奏技術は、トレントの歩みとエリントンの歩みが交錯したかどうか、そしてまた何らかの影響関係が発生したかどうかという疑問を提起するという。アルフォンス・トレントの楽団は南部で最も優良なバンドだったともいわれているが、今の日本ではほとんどレコードは出ていないと思われる。僕も未聴である。
CD9-11.「スリー・リトル・ワーズ」に加わっているザ・リズム・ボーイズは、以前1928年ビックス・バイダーベックが加わっていたポール・ホワイトマン楽団で歌っていた。その時はニューヨークにおける録音だったが、この時にはロス・アンゼルスに戻っていたのだろうか?

<Date & Place> … Ellingtonia、History…1930年10月2日 ニューヨークにて録音(RCA-Victor)

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington and his orchestra)

Vocal…ザ・リズム・ボーイズ The rhythm boys(Bing Crosby,Al Rinker,Harry Barris)⇒ ディック・ロバートソン Dick Robertson

ディック・ロバートソン

<Contents>

CD9-9.ヒッティン・ザ・ボトルHittin’ the bottle
CD9-10.ザット・リンディ・ホップThat Lindy hop
CD9-11.ユア・ラッキー・トゥ・ミーYou’re lucky to me
CD9-12.メモリーズ・オブ・ユーMemories of you

エリントン楽団は、ロスのハリウッドでの映画出演及び録音を終え、ニューヨークに戻って来る。いつ戻ったのか正確なところは分からないが、戻るや否や再び精力的な活動を開始するのである。先ずは、10月2日ヴィクターに4面分の録音を行った。全曲ディック・ロバートソン(写真右)のヴォーカルが入る。どの曲も先ずアンサンブルが見事である。
CD9-9.[ヒッティン・ザ・ボトル]
カーネイのBsソロ、ビガードのTpセクションの伴奏を受けたカデンツァなど聴き処が多い。
CD9-10.[ザット・リンディ・ホップ]
ホッジスのAsソロ、御大エリントンのソロと主役が変わって聴き処を作っている。
CD9-11.[ユア・ラッキー・トゥ・ミー]
ソフトなナンバーで、Tp、Tbのソロが入る。
CD9-12.[メモリーズ・オブ・ユー]
以前も登場したスタンダード・ナンバー。直近では、ルイ・アームストロングの録音があったなぁと思っていたら、ルイの録音は1930年10月16日で、ルイの方が後だった。当時ヒットしていた曲なのだろう。「あなたの思い出」というメローなタイトルだが、終止力強いアンサンブルが聴かれる。この録音でもバンドは好調のように思える。

History盤CD 40枚組の9枚目

<Date & Place> … Ellingtonia、History…1930年10月14日ニューヨークにて録音(RCA-Victor)

<Personnel> … ザ・ハーレム・フットウォーマーズ (The harlem footwarmers)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetアーサー・ホェッツェルArthur Whetsel
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nanton
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Banjoフレッド・ガイFred Guy
String Bassウェルマン・ブラウドWellman Braud
Drumsソニー・グリアSonny Greer

約10日後には、ピックアップ・メンバー・セプテットにより2面分の録音が行われた。

<Contents>

CD9-13.ビッグ・ハウス・ブルースBig house blues
CD9-14.ロッキー・マウンテン・ブルースRocky mountain blues

CD9-13.[ビッグ・ハウス・ブルース]は、Tpのホェッツェルをフューチャーしたナンバーで、彼のプレイをはっきり聴けるのはこれまであまりなかったような気がする。CD9-14.[ロッキー・マウンテン・ブルース]で、ビガードのClソロと絡み合うような伴奏のブラウドのベース、間を効かせたエリントン、Tpのソロなど聴き処が多い。Ellingtoniaでは、同日”Mood indigo”も録音したように書いてあるが、HistoryのCDセットには収録されていないが、10月30日録音となっている”Mood indigo”がそれかもしれない。

History CDボックス

<Date & Place> … Ellingtonia、History … 1930年10月17日 ニューヨークにて録音(RCA-Victor)

<Personnel>…ザ・ジャングル・バンド (The Jungle band)

基本形+Vocal … ディック・ロバートソン Dick Robertson

<Contents>

CD9-15.ラニン・ワイルドRunnin’ wild
CD9-16.ドリーム・ブルース(ムード・インディゴ)Dreamy blues(Mood indigo)

前録音から3日後の録音。今回はフル・メンバーによる演奏。
CD9-15.[ラニン・ワイルド]
弾むような元気のよい曲。ブラウドのベースがよく唸っている。さすがヴィクター、録音が良い。アンサンブルの響きが少し変わっているような感じがする。
デューク・エリントン自伝

ムード・インディゴ
夢見るような魅力的なメロディーで、僕の大好きな曲。この後エリントンは何度も録音しているがこれが初演である。また多数のジャズマンにカヴァーされた重要曲でもある。デューク自身は『自伝』でこの曲のエピソードを次のように記している。
「1930年も深まり秋となって、(中略)私はすでに3曲を作り、母が夕食を作るのを待っている間に4曲目に取り掛かった。『ムード・インディゴ』のスコアは15分で書いた。私たちはその曲をレコーディングした。そしてその夜コットン・クラブでまさに放送が始まろうという時、アナウンサーのテッド・ハジングが『デューク、今夜は何を演るんだい?』と訊くから、その新曲を告げた。それで私たちは11人のバンドから6人を選んで演奏し、ラジオに流したのである。次の日その新曲について大騒ぎした郵便物がたくさん来たので、アーヴィング・ミルズはそれに詞をつけ、しかも40年たった今でも私が夕食時に作った作品に印税が入ってくるのである。」
さらに柴田浩一市は、この曲にはエリントン自身の次のような解説がついているといいます。
「ある少年と少女の物語です。誰かが少年に言います。あの娘はお前の恋人だから、彼女の前でドギマギと慌てても決して男らしさは無くしてはいけない。と話して聞かせます。少年は彼女が家の前の階段に座っている前を通るたびに、きちんと帽子をかぶりなおして見せます。ある日、少女の母親が家に入りなさいと命じます。少女は窓の外を眺めて心は藍色になるのです。」
分かるようなよくわからないような解説ですが、ともかくテーマを奏する3管が素晴らしいといいます。録音が10月後半だったことからヒットするのは翌年で1931年度のポップス・ヒット・チャートでは第3位にランクされている。
シュラー氏は、「オールド・マン・ブルース」を、「ムード・インディゴ」に匹敵する最良の録音とし詳述していますが、その「ムード・インディゴ」の解説については、半音6度への特有な進行を含む独特な和声進行について触れるのみでそれ以上の解説はない。不思議なことだ。

<Date & Place> … Ellingtonia、History … 1930年10月27日 ニューヨークにて録音(Brunswick)

ベニー・ペイン

<Personnel> … ザ・ジャングル・バンド (The Jungle band)

Ellingtonia - Vocal … Dick Robertson + ベニー・ペイン Bennie Payne
History - Vocal … Irving Mills + ベニー・ペイン Bennie Payne

<Contents>

CD9-17.ホーム・アゲイン・ブルースHome again blues
CD9-18.ワン・ワン・ブルースWang wang blues

2曲ともヴォーカル入りで、Ellingtoniaでは、ヴォーカルがディック・ロバートソンとベニー・ペインとなっているのに対して、Historyではアーヴィング・ミルズとベニー・ペインとなっている。声を聞く限りアーヴィング・ミルズではないように思える。CD9-18.「ワン・ワン・ブルース」は直近では、1929年録音のフレッチャー・ヘンダーソンのものを取り上げた。この曲は当時人気があったということで、エリントン達もヒットにあやかろうとしたのであろう。

<Date & Place> … Ellingtonia、History … 1930年10月30日 ニューヨークにて録音(Okeh)

<Personnel> … ザ・ハーレム・ミュージック・マスターズ (The harlem music masters)&ザ・ハーレム・フットウォーマーズ(The harlem footwamers)

バンド名「ザ・ハーレム・ミュージック・マスターズ」は初めて登場する名称だが、面子は基本形。ヴォーカルにアーヴィング・ミルズが参加している。

クーティー・ウィリアムス

<Contents>

CD9-19.リング・デム・ベルズRing dem bells
CD9-20.スリー・リトル・ワーズThree little words
CD10-1.オールド・マン・ブルースOld man blues
CD10-2.スィート・チャリオットSweet Chariot
CD10-3.ムード・インディゴMood indigo

CD9-19〜CD10-1の3曲はロスアンゼルスで2度録音しているが、ニューヨークに戻っては初めてとなる。この辺りからEllingtoniaとHistoryの記載がだいぶ変わってくる。
上記データはHistoryのもので、EllingtoniaではCD9-19と20はザ・ハーレム・ミュージック・マスターズ (The harlem music masters)名義で、CD10-1と2はザ・ハーレム・フットウォーマーズ(The harlem footwamers)名義となっている。そして”Mood indigo”は10月30日には録音されておらず、この曲が録音されるのは11月8日の次セッションとなっている(ただし”Unissued”)。いずれにせよ僕には決め手がないので、奏法記述する。
CD9-19.[リング・デム・ベルズ]は前回録音と同様クーティー・ウィリアムス(写真右)が取っている。あのサッチモ張りのスキャットは白人のミルズには無理なのであろう。
CD9-20.[スリー・リトル・ワーズ]は、リズム・ボーイズのコーラスものだったが、ここではミルズがソロで取っている。
CD10-1.[オールド・マン・ブルース]は、ロスアンゼルス録音と比べて聴くと面白い。こちらの方が全体的には曲が整理されて整ってきた感じがする。
CD10-2.[スィート・チャリオット]は初登場で、ヴォーカルを取るのはクーティー。クレジットによると、ゴスペルのトラディショナル・ナンバーで”Swing low , sweet chariot”という曲とは別曲でエリントンの作という。ヴォーカルを含めクーティーをフューチャーしたナンバー。

History盤CD 40枚組の10枚目

10月30日の次のレコーディングが11月8日ということについては、Ellingtonia、Historyとも同じであり、パーソネルも同じであるが、収録曲がまるで違う。

<Date & Place> … 1930年11月8日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・コットン・クラブ・オーケストラ (Duke Ellington and his cotton club orchestra)

基本形

シド・ギャリー

<Contents>…Ellingtonia

ムード・インディゴMood indigo
ナイン・リトル・マイルスNine little miles
アイム・ソー・イン・ラヴ・ウィズ・ユーI'm so in love with you

<Contents>…Historia

CD10-4.アイ・キャント・リアライズ・ユー・ラヴ・ミーI can't realise you love me
CD10-5.アイム・ソー・イン・ラヴ・ウィズ・ユーI'm so in love with you
CD10-6.ロッキン・イン・リズムRockin’in rhythm

このようにEllingtoniaとHistoryでは、「アイム・ソー・イン・ラヴ・ウィズ・ユー」以外レコーディングデータが全く異なるが、音源があるのはHistoryなので、これに即して聴いていこう。
CD10-4.[アイ・キャント・リアライズ・ユー・ラヴ・ミー]は、初めて聴くナンバーだと思う。シド・ギャリー(Sid Carry)という人物のヴォーカル入りである。右の写真は戦争犯罪人プーチンではなく、シド・ギャリー。ヴォーカルの後のソロ・スペースがTp、Asの本当に短いソロが交互に立ち現れる。
CD10-5.[アイム・ソー・イン・ラヴ・ウィズ・ユー]も初めて聴くナンバーと思う。この曲はEllingtonia、Historyにも記載されているナンバー。ただEllingtoniaには、歌っているのはドラムのソニー・グリアとある。
CD10--6.[ロッキン・イン・リズム]も問題で、この曲はエリントン楽団の代表曲だと思うのだが、この曲はEllingtoniaでは、1930年の別レコーディング・リストにも載っていない。どちらが正しいのだろうか。

次のレコーディングは11月21日であることとヴォーカルを除いたパーソネルはEllingtoniaとHistoryとも同じ。しかしここでも曲及び曲数が異なる。

<Date & Place> … 1930年11月21日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・コットン・クラブ・オーケストラ (Duke Ellington and his cotton club orchestra)

スミス・バリュー

基本形

<Contents>…Ellingtonia

ホワット・グッド・アム・アイ・ウィズアウト・ユーWhat good am I without you
ブルー・アゲインBlue again
ホエン・ア・ブラック・マンズ・ブルーWhen a black man’s blue

<Contents>…Historia

<
CD10-7.ナイン・リトル・マイルス・フロム・テン−テン‐テネシーNine little miles from Ten-Ten-Tnnessee
CD10-8.アイム・ソー・イン・ラヴ・ウィズ・ユーI'm so in love with you

ヴォーカルについて、Ellingtoniaはディック・ロバートソンとソニー・グリアとしているのに対してHistoryはスミス・バリュー(Smith Ballew 写真右)なる人物としている。
CD10-7.[ナイン・リトル・マイルス・フロム・テン−テン‐テネシー]は言葉遊びのようなコミカル・ソングである。
CD10-5.[アイム・ソー・イン・ラヴ・ウィズ・ユー]は約2週間前の再録。特に前録音から変わったところはないようだ。

Ellingtoniaでは、11月21日の次のレコーディングは12月10日で、この年のエリントンのレコーディングは終わるのであるが、Historyでは、11月26日にニューヨークで3曲ほどレコーディングを行ったことになっている。

History盤CD 40枚組の5組目

<Date & Place> … History…1930年11月26日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … バンド名不明

基本形

<Contents>

CD10-9.ホワット・グッド・アム・アイ・ウィズアウト・ユーWhat good am I without you
CD10-10.ブルー・アゲインBlue again
CD10-11.ホエン・ア・ブラック・マンズ・ブルーWhen a black man's blue

これはEllingtoniaでは11月21日に行われたレコーディングと同じ曲名である。もちろん僕にはどちらが正しいのか判断することは出来ないので、とりあえずHistoryではという但し書き付きで挙げておこう。
CD10-9.[ホワット・グッド・アム・アイ・ウィズアウト・ユー]
オリジナルではない。ヴォーカルをフューチャーしたスロウでメロウなポップス・ナンバー。声質がシド・ギャリーとは異なるような気がする。
CD10-10.[ブルー・アゲイン]
これもオリジナルではない。ミディアム・テンポのヴォーカル・ナンバーで、プロフィールから考えるとこのバリトン・ヴォイスはシド・ギャリーではないかと思う。
>CD10-11.[ホエン・ア・ブラック・マンズ・ブルー]
これもオリジナルではなく、このセッションはエリントンのセッションというよりも白人歌手のバックを務めたものという気がする。

そしてこの年最後のレコーディングは、12月10日に行われるが、データについてはEllingtonia、Historyとも一致している。

History盤CD 40枚組の10枚目

<Date & Place> … Ellingtonia、History … 1930年12月10日 ニューヨークにて録音(RCA-Victor)

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・コットン・クラブ・オーケストラ (Duke Ellington and his cotton club orchestra)

基本形
Vocal … Irving Mills + ベニー・ペイン Bennie Payne

<Contents>

CD10-12.ホワット・グッド・アム・アイ・ウィズ・ユー?What good am I without you ?
CD10-13.ホエン・ア・ブラック・マンズ・ブルーWhen a black man's blue
CD10-14.ムード・インディゴMood indigo

CD10-12.[ホワット・グッド・アム・アイ・ウィズ・ユー?]
11月26日のセッションでも取り上げた曲。データから見ると歌手を変えたような気がするがこれはどういう意図によるものだろうか?
CD10-13.[ホエン・ア・ブラック・マンズ・ブルー]
これも11月26日のセッションでも取り上げた曲。ベニー・ペインのヴォーカルをフューチャー曲だと思う。これも歌伴もの。
CD10-14.[ムード・インディゴ]
これも再録物で3回目の録音となる。

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