このアルバムはどういう経緯で録音されたのであろうか?実に意外な組み合わせである。エドモンド・ホールは生粋のニューオリンズ生まれのクラリネット奏者でありながら、そのプレイはいわゆる「ニューオリンズ臭」が極めて希薄で、1927年ころにニューオリンズを出て各地を渡り歩き、ニューヨークに進出する。そこで様々な楽団でプレイをしていたが、なかなかリーダー作を作る機会には恵まれなかった。そんな彼に着目したのがブルーノート創始者アルフレッド・ライオン氏で、本吹込みがホールの初リーダー作となるのである。
またこの録音はこの年唯一のブルーノート・レーベルの録音でもある。母国ドイツがナチス下でヨーロッパ中を戦乱の渦に巻き込んでいる中、ライオン氏としてはあまり目立った行動は差し控えたのかもしれない。
| Clarinet | … | エドモンド・ホール | Edmond Hall |
| Guitar | … | チャーリー・クリスチャン | Charlie Christian |
| Celeste | … | ミード・ルクス・ルイス | Meade Lux Lewis |
| Bass | … | イスラエル・クロスビー | Israel Crosby |
吹込みの人選に当たっては、ライオン氏とホールで行ったのであろう。ホールとクリスチャンは一度共演歴がある。BGが坐骨神経痛の手術で休暇中の1940年10月エディ・ハワードというポピュラー歌手の伴奏を務めたビル・コールマンのバンドで顔を合わせている。ライオン氏とジョン・ハモンド氏は知人の間柄なので、ハモンド氏が間を取り持ったのかもしれない。ともかくエレキ・ギターで売ったクリスチャンがアンプなしのギターを弾いており、クリスチャンがアコースティック・ギターを弾いた録音はこれしか存在しないという。もしかするとホールの要望だったのかもしれない。
また意外なのは、ブギ・ウギ・ピアノで鳴らしたミード・ルクス・ルイスがチェレスタを弾いているとこである。粟村政昭氏などは「珍盤」と評し、瀬上保男氏は「ジャズ・レコード史上最もユニークな楽器編成の傑作」と評している。僕は全篇を通して「このチェレスタがなかったら傑作度が上がったろうに」と思ってしまう。どうしてもブルースとチェレスタの音の響きは合わないと思うのである。
| A面1.&CD3-1. | ジャミン・イン・フォア | Jammin' in four |
| A面2.&CD3-2. | エドモンド・ホール・ブルース | Edmond Hall blues |
| A面3.&CD3-3. | プロファンドリー・ブルー | Profoundly blue |
| A面4.&CD4-7. | プロファンドリー・ブルー | Profoundly blue |
| A面5.&CD3-4. | セレスチャル・エクスプレス | Celestial express |
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