エラ・フィッツジェラルド 1936年

Ella Fitzgerald 1936

チック・ウエッブとエラ・フィッツジェラルド

この年チック・ウエッブのレコーディングで重要なのは、何といってもジャズ史上最高の女性歌手の一人、エラ・フィッツジェラルドが活動を本格化させたことであろう。1934年11月21日アポロ・シアターのアマチュア・ナイツで優勝し、ウエッブのバンドに雇われる。ディスコグラフィーによると、1935年に4面分の録音を行うが、僕の持っているチックのレコードには収録されていない。そしてこの年1936年には約20面分のチックのバンドで歌う彼女の歌が録音されるのである。
彼女の入団が原因となったかどうかは分からないが、この年チックのレコードは、は格段に多くなる。というか僕の持っているレコードが増えただけなのだが、僕などにも入手できるように増えたのでやはり全般的に増えたのだろう。ともかく僕の持っているチックのレコードを順番に聴いていこう。
[Chick Webb/BronzevilleStomp]レコード・ジャケット さて、僕の持っているウエッブの1936年の録音は2月からのものになるのだが、これが興味深い。Jazz Archivesから出ている"Chick Webb/Bronzeville stomp"(以下Bronzeと略)というLPには、全17曲収録されているのだが、この内12曲が2月の録音であるが、日付は不明となっている。これに対してJazz anthologyから出ている"Chick Webb and his Orchestra/featuring Ella Fitzgerald 1936"(以下"1936"と略)にも12曲が収録され、収録日が記載されている。どちらにも12曲ずつ収められているが、どちらも同じ曲なのである。しかし演奏内容は異なるのである。
全般的に"1936"はラジオ放送のエア・チェックのような気がするが、"Bronze"はスタジオ録音ぽい。しかしディスコグラフィーでは2月にレコーディングは行っていないので、双方共ラジオ放送が音源なのだろう。"そして面白いのは、時期が近いこともあってかアレンジはほぼ同じなのである。その他録音データを比べると、
パーソネルはベースを除いて同じである。"Bronze"では、ベースを<ビル・トーマス>としているのに対して、"1936"では記載がない。
曲名…"Bronze"では「ユー・ヒット・ザ・ストップ」(You hit the stop)、"1936"では「ユー・ヒット・ザ・スポット」(You hit the spot)だが双方同じ曲である。
曲名…"Bronze"では「イフ・ドリームス・カム・トゥルー」(If dreams come true)、"1936"では「ホエン・ドリームス・カム・トゥルー」(When dreams come true)だが双方同じ曲である。
といった相違がある。
ということなので、双方まとめて記載していこう。

[Chick Webb and 1936]レコード・ジャケット

<Date&Place> … 1936年2月 ニューヨークにて録音

<Personnel> … チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

Band leader & Drumsチック・ウェッブChick Webb
trumpetマリオ・バウザMario Bauzaボビー・スタークBobby Starkタフト・ジョーダンTaft Jordan
Tromboneサンディ・ウィリアムスSandy Williamsクロード・ジョーンズClaude Jones
Clarinet & Alto saxピート・クラークPete Clark
Alto saxエドガー・サンプソンEdger Sampson
Tenor saxテディ・マクレーTeddy McRaeウェイマン・カーヴァ―Wayman Carver
Pianoジョー・スティールJoe Steele
Guitarジョン・トルーハートJohn Trueheart
Bassビル・トーマスBill Thomas
Vocalエラ・フィッツジェラルドElla Fitzgerald
[Chick Webb/BronzevilleStomp]A面

<Contents> … "Chick Webb/Bronzeville stomp"(Jazz archives JA-33)

A面
B面
3.ビッグ・ジョン・スペシャルBig John special1.ダークタウン・ストラッターズボールDarktown strutters ball
4.ユー・ヒット・ザ・ストップYou hit the stop2.キーピン・アウト・オブ・ミスチーフ・ナウKeepin' out of mischief now
5.サヴォイでストンプStompin' at the Savoy3.ニット・ウィット・セレナーデNit wit serenade
6.その手はないよDon't be that way4.キング・ポーター・ストンプKing porter stomp
7.シャインShine5.イフ・ドリームス・カム・トゥルーIf dreams come true
8.ゴー・ハーレムGo harlem6.リズム・アンド・ロマンスRhythm and romance

<Contents> … "Chick Webb and his Orchestra/featuring Ella Fitzgerald 1936"(Jazz anthology JA 5199)

[Chick Webb and 1936]A面
A面
B面
1.サヴォイでストンプStompin’ at the Savoy2月8,9日1.ビッグ・ジョンズ・スペシャルBig John’s special2月8,9日
2.その手はないよDon't be that way2月8,9日2.ユー・ヒット・ザ・スポットYou hit the spot2月19,20日
3.ニット・ウィット・セレナーデNit Wit Serenade2月8,9日3.リズム・アンド・ロマンスRhythm and romance2月19,20日
4.キング・ポーター・ストンプKing porter stomp2月8,9日4.キーピン・アウト・オブ・ミスチーフ・ナウKeepin’ out of mischief now2月8,9日
5.シャインShine2月19,20日5.ゴー・ハーレムGo harlem2月8,9日
6.ダークタウン・ストラッターズボールDark town strutter’sball2月19,20日6.ホエン・ドリームス・カム・トゥルーWhen dreams come true2月19,20日
[Chick Webb/BronzevilleStomp]B面 [ビッグ・ジョンズ・スペシャル]
アンサンブルの後Tp、Clソロ、アンサンブルそしてPソロ、アンサンブルそしてPソロ、アンサンブルそしてTpソロ、アンサンブルと続く。アンサンブルが見事な演奏。
[ユー・ヒット・ザ・ストップ]
"1936"ではタイトルがちょっと違う。アンサンブルの後エラの歌が入る。
[サヴォイでストンプ]
「その手はないよ」同様どちらも楽団に在籍していたエドガー・サンプソンの作で当時大ヒットしてスタンダードとなった作品。"1936"では、ショウの初めのような短いイントロがある。ソロはTp、Ts、Tb、Tp、Cl、Tp、Asなど実に短いソロとアンサンブルが交錯する。
[その手はないよ]
これもエドガー・サンプソンの作で当時大ヒットしてスタンダードとなった作品。1934年に一度録音している。ソロはClからAs、Cl、Tb、Tp実に短いソロとアンサンブルが交錯する。特に粟村政昭氏曰く「消えいらんばかりのつつましさでリズムセクション全体の中に埋没している」チックとしては珍しく短いがドラム・ソロを取っている。これが意外(?)に激しいソロで少し驚く。どちらもBG盤がヒットしたがやはり34年の録音も含めてウェッブ盤の方が威勢が良くて僕は好みである。
[シャイン]
アンサンブルの後、Tsソロ再びアンサンブルの後エラの歌が入る。古いナンバーである。エラは声こそは若いが実に達者な歌いっぷりである。
[ゴー・ハーレム]
アンサンブルの後Ts、Cl、Tbの短いソロは入るが、ほとんどアンサンブルのナンバー。
“Chick Webb and 1936”レコードB面ラベル [ダークタウン・ストラッターズボール]
古いナンバーで、1917年にO.D.J.B.(オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド)の初録音で取り上げていた曲。エラの歌入り。これが実にうまいのである。しかしエラの歌の後唐突に曲は終わる。
[キーピン・アウト・オブ・ミスチーフ・ナウ]
アンサンブルの後Cl、アンサンブルに戻りミュートTp、Ts、Pソロと続き、Clのリードするアンサンブルに戻る。
[ニット・ウィット・セレナーデ]
アンサンブルの後、Ts、ミュートTpの短いソロが入るが、リフを生かしたアンサンブル中心のナンバー。
[キング・ポーター・ストンプ]
ジェリー・ロール・モートン作。これもBGも録音しているナンバーである。アップ・テンポの演奏で、ソロはTsそしてTp、Ts、Tb、Cl、Tp、Tsと短いソロが入れ替わり登場する。
[イフ・ドリームス・カム・トゥルー]
"1936"ではタイトルがちょっと違う。アンサンブルの後Ts、ミュートTp、Pの後エラではなくチャールズ・リントン(Charles Linton)のヴォーカルが入る。リントンは当時ウェッブ楽団の専属歌手だったという。声の質から白人ではないかと思われる。
[リズム・アンド・ロマンス]
アンサンブルの後エラの歌が入る。

テディ・ウィルソンのブランズウィック2度目のセッションは3月に行われたが、ここでヴォーカルはビリーではなく、エラ・フィッツジェラルドが起用された。

「ザ・テディ・ウィルソン」レコード・ジャケット

<Date & Place> … 1936年3月17日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … テディ・ウィルソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Teddy Wilson and his orchestra)

Band leader & pianoテディ・ウィルソンTeddy Wilson
Trumpetフランキー・ニュートンFrankie Newton
Tromboneベニー・モートンBenny Morton
Clarinet & Alto saxジェリー・ブレイクJerry Blake
Guitarジョン・トルーハートJohn Truheart
Bassスタン・フィールズStan Fields
Drumsコージー・コールCozy Cole
Vocalエラ・フィッツジェラルドElla Fitzgerald

<Contents> … 「ザ・テディ・ウィルソン」(CBS SONY SONP 50332)

record1 A-7.クリストファー・コロンバスChristopher Columbus
record1 A-8.オール・マイ・ライフAll my life

2度目の録音は3月に行われた。ディスコグラフィーによれば、録音は全4曲、その内1曲は破棄され、1曲は未収録で2曲が収録されている。ここで注目は、「オール・マイ・ライフ」を歌うエラ・フィッツジェラルドである。チック・ウェッブ楽団の専属として1935年にレコード・デビューしているが本格的な吹込み活動はこの年からであり、この年は2月にチックの楽団で吹込み行っている。このエラをどのようにしてブランズウィック・セッションに連れてきたのだろうか?連れてきたのはジョン・ハモンド氏と思われるが、ミルドレッドにビリー、そしてエラとハモンド氏の見る目は確かである。
後にベニー・グッドマンが親しかったチックからエラを借りて録音を行い大問題となったくらいだからこの録音が揉めなかったはずはないと思うのだが、「ザ・テディ・ウィルソン」の解説書氏は全く触れていない。
record1 A-7.[クリストファー・コロンバス]
これまでBG、ヘンダーソン楽団も録音しているチュー・ベリー作の当時の人気曲で、迫力あるリズム・セクションに乗って、モートン(Tb)、ウィルソン(P)、マクレー(Ts)が力強いソロを展開する。
record1 A-8.[オール・マイ・ライフ]
Tb、Tpの短いイントロの後に展開するウィルソンのソロがリリカルで正に本領発揮。エラのヴォーカルも若々しく、素直で伸びやかであり素晴らしい。 ヘレン・ウォードの歌ったBGヴァージョン(4月24日録音なので順序は後、バックはBGトリオ)と比べるのも面白い。
”Cab - Ella & Chick”レコード・ジャケット

<Date&Place> … 1936年4月7日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

前録音2月からの変更点
Trombone … クロード・ジョーンズ ⇒ ナット・ストーリー Nat Story
Alto sax … エドガー・サンプソン ⇒ ルイ・ジョーダン Louis Jordan
Piano … ジョー・スティール ⇒ トミー・フルフォード Tommy Fullford
Bass … 記載なし ⇒ ビヴァリー・ピア Beverly Peer

<Contents> … "Cab - Ella & Chick"(Bandstand records 7125)

B-3.[ホエン・アイ・ゲット・ロウ・アイ・ゲット・ハイ(When I get low , I get high)]
録音順でいえば、僕の持っているレコードでは左のレコードに1曲だけ収録されている「ホエン・アイ・ゲット・ロウ・アイ・ゲット・ハイ」という曲で、収録日は1936年4月7日とある。
因みにこのレコードはA面にキャブ・キャロウェイの1937年から1939年にかけての録音を収録し、B面にはエラの歌入りのチックの楽団の1936年から1940年にかけての演奏を収録している。但しややこしいのは、ジャケットにはB面1曲目と記載があるが、レコードのラベルには3曲目とあることである。初めて聴く曲なので迷ったが、歌詞に"When I get low , I get high"という一節があるので、ラベルが正しいと判断した。
アンサンブルとエラのヴォーカルが中心の曲で、エラの声は若いが歌のうまさは特筆ものである。

次の録音は6月2日、この日の音源はいくつかのレコードに分かれて収録されているので、それを以下のようにまとめてみた。少々分かりにくいかもしれないがご容赦を!

チック・ウェッブ「伝説」レコード・ジャケット

<Date&Place> … 1936年6月2日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

Band leader & Drumsチック・ウェッブChick Webb
trumpetマリオ・バウザMario Bauzaボビー・スタークBobby Starkタフト・ジョーダンTaft Jordan
Tromboneサンディ・ウィリアムスSandy Williamsナット・ストーリーNat Story
Clarinet & Alto saxピート・クラークPete Clark
Alto saxエドガー・サンプソンEdger Sampson
Tenor saxテディ・マクレーTeddy McRaeウェイマン・カーヴァ―Wayman Carver
Pianoジョー・スティールJoe Steele
Guitarジョン・トルーハートJohn Trueheart
Bassデル・トーマスDell Thomas
Vocalエラ・フィッツジェラルドElla Fitzgerald

パーソネルは、僕の持つ4曲の音源を収録した2種のレコード(「伝説」と"Princess of the savoy")は同じだが、もう1種類のレコードとディスコグラフィーではそれぞれ若干異なる。上記は「伝説」と"Princess of the savoy"に記載されているパーソネルである。もちろん同日の録音でメンバーが変わったこともあり得るが、このチック・ウェッブの場合あまり考えられない。ともかく相違点を上げると

“Cab ‐ Ella & Chick”
Alto saxは、エドガー・サンプソンではなく、ルイ・ジョーダン
Pianoは、ジョー・スティールではなく、トミー・フルフォード
Bassは、デル・トーマスではなく、ビヴァリー・ピア

ディスコグラフィー
Tromboneは、ナット・ストーリーではなくクロウド・ジョーンズ
Tenor saxにテディ・マクレーは加わっておらず、ウェイマン・カーヴァー一人。
Pianoは、ジョー・スティールではなく、ドン・カークパトリック
もちろんこのパーソネルの違いも僕には判断することができないので、相違点を挙げるにとどめたい。

”Princess of Savoy”レコード・ジャケット

<Contents> … 「チック・ウェッブ/伝説」(SDL 10344)&"Cab ‐ Ella & Chick"(Bandstand records 7125)&"Chick Webb with Ella Fitzgerald/Princess of the savoy(MCA-1348)

曲名原題レコード個所レコード個所
シング・ミー・ア・スイング・ソングSing me a swing song"Cab‐Ella & Chick"B面2."Princess of the savoy"A面1.
ラヴ・ユーアー・ジャスト・ア・ラフLove , you’re just a laugh"Princess of the savoy"A面2.
ゴー・ハーレムGo harlem「チック・ウェッブ/伝説」B面6.
ア・リトル・ビット・レイター・オンA little bit later on「チック・ウェッブ/伝説」B面7.

2月の再録「ゴー・ハーレム」を除き全てエラのヴォーカル入りである。すなわち「ゴー・ハーレム」はエラのディスコグラフィーには載っていない。繰り返しだが、まだ18歳のエラの歌唱が、声も若く表現もストレートで、しかもメチャうまい。
[シング・ミー・ア・スイング・ソング]
短いアンサンブルの後エラのヴォーカルとなる。間奏もアンサンブルで完全にエラのナンバーである。
[ラヴ・ユーアー・ジャスト・ア・ラフ]
こちらもアンサンブルの後、エラのヴォーカルなる。短いTsのフィル、ソロはあるもののエラのナンバーである。
[ゴー・ハーレム]
この曲は2月の録音でもインストのみでヴォーカルは入っていなかった。ミディアム・アップのスインギーなナンバーで、マクレーのTs、クラークのCl、ウィリアムスのTbの短いがソロが散りばめられている。
[ア・リトル・ビット・レイター・オン]
こちらはエラのヴォーカル入り。エラのヴォーカルは軽快でスムーズだ。間奏にはジョーダンのTp、ウィリアムスのTbソロが聴ける。エラのヴォーカルナンバーだが、ソロイストも充実しているので、彼らのソロも聴きたいところだ。

”Cab - Ella & Chick”レコードB面

さて、次の僕の持っている録音は、10月29日でこれも2枚のレコードに3曲が収められている。

<Date&Place> … 1936年10月29日 ニューヨークにて録音

<Personnel >…チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

Band leader & Drumsチック・ウェッブChick Webb
trumpetマリオ・バウザMario Bauzaボビー・スタークBobby Starkタフト・ジョーダンTaft Jordan
Tromboneサンディ・ウィリアムスSandy Williamsナット・ストーリーNat Story
Clarinet & Alto saxピート・クラークPete Clark
Alto saxルイ・ジョーダンLouis Jordan
Tenor saxテディ・マクレーTeddy McRaeウェイマン・カーヴァ―Wayman Carver
Pianoトミー・フルフォードTommy Fullford
Guitarジョン・トルーハートJohn Trueheart
Bassビヴァリー・ピアBiverly Peer
Vocalエラ・フィッツジェラルドElla Fitzgerald

パーソネル表記は、2枚とも同じだが、ディスコグラフィーの記載は若干異なる。異なる点は2つ。
Tromboneは、ナット・ストーリーではなくクロウド・ジョーンズ
Tenor saxにテディ・マクレーは加わっておらず、ウェイマン・カーヴァー一人である。

<Contents> … "Cab ‐ Ella & Chick"(Bandstand records 7125)&"Chick Webb with Ella Fitzgerald/Princess of the savoy(MCA-1348)

曲名原題レコード個所
ユール・ハヴ・トゥ・スイング・イットYou'll have to swing it"Cab‐Ella & Chick"B面7.
アイ・ガット・ザ・スプリング・フィーヴァー・ブルースI got the spring fever blues"Princess of the savoy"A面3.
ヴォ―ト・フォー・ミスター・リズムVote for Mr. rhythm"Princess of the savoy"A面4.
[ユール・ハヴ・トゥ・スイング・イット]
レコード・ジャケットでは3曲目だが、ラベルでは7曲目となっている。歌詞的に7曲目が正解だと思う。これまでと違い少しテンポをゆっくり取っている。エラのヴォーカル中心だが、間奏で短いTS、Pソロが入る。
[アイ・ガット・ザ・スプリング・フィーヴァー・ブルース]
短いアンサンブルの後エラのヴォーカルとなる。間奏もアンサンブルで完全にエラのナンバーである。エラはストレートな歌唱で若々しさを感じる。
[ヴォ―ト・フォー・ミスター・リズム]
こちらも短いアンサンブルの後エラのヴォーカルとなる。間奏でチックの短いフィルが聴けるがその他のソロはない。

<Date&Place> … 1936年11月5日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetジギー・エルマンZiggy Elmanクリス・グリフィンChris Griffinリューベン・“ゼケ”ザーキーReuben“Zeke”Zarchey
Tromboneレッド・バラードRed Ballardマレイ・マッキーチャーンMurray McEachern
Alto saxハイミー・シャーツァーHymie Shertzerビル・ドペゥBill DePew
Tenor saxアート・ロリーニArt Rolliniヴィド・ムッソVido Musso
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Guitarアラン・リュースAllan Reuss
Bassハリー・グッドマンHarry Goodman
Drumsジーン・クルーパGene Krupa

<Contents> …「コンプリート・ベニー・グッドマン」(BMG BVCJ-7030)

CD5-2.グッドナイト・マイ・ラヴGoodnight my love
CD5-3.テイク・アナザー・ゲスOh , yes , take another guess
CD5-4.ディデュ・ミーン・イットDid Ja mean it (hope you did-‘cause so did !

このボックス・セットは本篇がCD12枚で4枚ずつ1ケースに入っている。この11月5日は一挙に7曲も吹き込まれたため、4曲目以降は次のケースのCD5枚目に移る。この日は歌手のヘレン・ウォードが休暇で留守だったと野口氏は穏便に書くが、モート・グッド氏は離婚手続きのため休暇を取っていたと書いている。
CD4-19.[誰かが私を愛してる]
ジョージ・ガーシュイン作フレッチャー・ヘンダーソン編曲のスタンダード・ナンバー。アンサンブルが中心でソロはBG、Ts、Tp
CD4-20.[テイント・ノー・ユース]
歌手がいないため何と代役をBG自身が務めBG自身が歌っている。これは極めて珍しい。野口氏は美声とは言えないが、ダミ声のヴォーカルはジャズ・ヴォーカルとしてはなかなかイケると評している。オリジナルのSP盤のラベルには「遺憾ながらベニー・グッドマンが歌っています」という記載があったという。
CD4-21.[ビューグル・コール・ラグ]
8月21日に一度吹き込んでいるが、それは当時は発売されず録音し直しになっていたための再録音。アップ・テンポのスイング・ナンバーとなっている。
CD5-1.[ジャム・セッション]
ジミー・マンディ作・編曲のナンバーで、ミディアム・アップ・テンポのスインギーなナンバー。ソロはTs、Tp、BGと続く。
以下の3曲は、BGが親しかったチック・ウェッブ楽団の専属歌手だったエラ・フィッツジェラルドを借りてきてフューチャーした吹込み。レーベルには明記しなかったがレコードが出た途端エラの専属レコード会社デッカから猛抗議が来て、引っ込めざるを得なくなったというちょっとした事件となった。しかし少し出回ったSP盤はコレクターズ・アイテムとなっていた。しかしLP時代に入り、問題も時効となりLPには収録されたというナンバー。野口は、当時18歳のエラの歌のうまさに脱帽させられると書いている。
後に大歌手となるエラのごく初期の歌唱としても貴重である。 CD5-2.[グッドナイト・マイ・ラヴ]
ミディアム・テンポのナンバーで、エラのヴォーカルは後半に出る。実に若々しい声である。
CD5-3.[テイク・アナザー・ゲス]
こちらもミディアム・テンポで、アンサンブルからBGのソロからエラのヴォーカルとなる。ヴォーカルの後もBGのソロからアンサンブルに移る。
CD5-4.[ディデュ・ミーン・イット]
こちらもミディアム・テンポでアンサンブルからヴォーカル、Ts
”Ella swings the band”レコード・ジャケット

<Date&Place> … 1936年11月18日 ニューヨークにて録音

<Personnel > … エラ・フィッツジェラルド・アンド・ハー・サヴォイ・エイト(Ella fitzgerald and her Savoy Eight)

Vocalエラ・フィッツジェラルドElla fitzgerald
trumpetタフト・ジョーダンTaft Jordan
Tromboneサンディ・ウィリアムスSandy tdWilliams
Clarinet & Alto saxピート・クラークPete Clark
Tenor saxテディ・マクレーTeddy McRae
Pianoトミー・フルフォードTommy Fullford
Guitarジョン・トルーハートJohn Trueheart
Bassビヴァリー・ピアBiverly Peer
Drumsチック・ウェッブChick Webb

パーソネルは、レコード、ディスコグラフィーとも同じ。

<Contents> … "Chick Webb/Ella swings the band"(MCA-1327)

A面1.オルガン・グラインダー・スイングOrgan grinder's swing
A面2.シャインShine
A面3.マイ・ラスト・アフェアーMy last affair

この録音のバンド名が「エラ・フィッツジェラルド・アンド・ハー・サヴォイ・エイト」となっている。完全にエラの唄を中心に据えたコンボ・バックである。
A-1.[オルガン・グラインダー・スイング]
ジミー・ランスフォードでおなじみのナンバー。少し前10月7日にBGも録音しているが、そちらはヴォーカル無しである。そしてここでは軽快な、後は看板となるスキャットを披露している。間奏でTbソロ、ヴォーカルにはCl、Tpのオブリガードが付くのが珍しい。
A-2.[シャイン]
古いナンバーで、ウエッブはオーケストラで2月に録音している。ヴォーカル前に短いP、Clソロが聴ける。ここでもミュートTpがオブリガードを付け、間奏ではマクレーのTsが聴ける。そういえばこれまでエラのヴォーカルにオブリガードはほとんどついていなかった。それがジャズらしさを感じさせなかった要因であろう。
A-3.[マイ・ラスト・アフェアー]
少しゆったりとしたナンバー。ここでは間奏にジョーダンのオープンTpソロが聴ける。

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