フレチャー・ヘンダーソン 1937年

Fletcher Henderson 1937

ベニー・グッドマン楽団のアレンジなどサポート役として活躍していたフレッチャー・ヘンダーソンだが、自身のバンドも活発な活動ぶりであったようだ。

<Date & Place> … 1937年3月2日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his Orchestra)

Band leaderフレッチャー・ヘンダーソンFletcher Henderson
Trumpetディック・ヴァンスDick Vanceラッセル・スミスRussell Smithエメット・ベリーEmmett Berry
Tromboneエド・クッフィーEd Cuffeeジョージ・ワシントンGeorge WashingtonJ.C.ヒギンボッサムJ.C.Higginbotham
Clarinet & Alto saxジェリー・ブレイクJerry Blake
Alto saxヒルトン・ジェファーソンHilton Jefferson
Tenor saxエルマー・ウィリアムスElmer Williamsチュー・ベリーChu Berry
Pianoホレス・ヘンダーソンHorace Henderson
Guitarローレンス・ルーシーLawrence Lucie
Bassイスラエル・クロスビーIsrael Crosby
Drumsウォルター・ジョンソンWalter Johnson
Vocalドロシー・デリックDorothy Derrick

<Contents> … "Classic jazz archive / Fletcher Henderson 1897-1952"(Membran 221998-306)&"A study in frustration"(Essential・JAZZ・Classics EJC55511)

「クラシック・ジャズ・アーカイヴ」CD1枚目
CD1-23.ホワット・ウィル・アイ・テル・マイ・ハート?What will I tell my heart ?
CD2-1.サラミング・オン・パーク・アヴェニューSlumming on park avenue
CD2-2.イッツ・ウエアリン・ミー・ダウンIt's wearin’me down
CD2-3、CD3-12.リズム・オブ・ザ・タンバリンRhythm of the tambourine
CD1-23.[ホワット・ウィル・アイ・テル・マイ・ハート?]
スロウなナンバーでメロウなアンサンブルが聴かれる。歌手のドロシー・デリックのことはよく分からないが、声から白人と思われる。エンディングはハワイアン風だ。
CD2-1.[サラミング・オン・パーク・アヴェニュー]
クラリネットとアルト・サックスのジェリー・ブレイクがヴォーカルを取っている。うまいものだ。アレンジもブレイクが担当している。
CD2-2.[イッツ・ウエアリン・ミー・ダウン]
ドロシーのヴォーカル入りのメロウ・ナンバー。
CD2-3、CD3-12.[リズム・オブ・ザ・タンバリン]
因みに“A study in frustration”には、この曲のみがこの日のセッションからは収録されている。アレンジはベニー・カーターが担当したようだ。この日唯一のインスト・ナンバー。なかなか手の込んだアレンジで聴き応えがある。ソロはやはりチューのTsが聴き応えがある。

「フレッチャー・ヘンダーソンの肖像」レコード・ジャケット

<Date & Place> … 1937年3月22日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his Orchestra)

この日録音した「バック・イン・ユア・オウン・バックヤード」は、2種のCDの他に右のレコードにも収録されているので、ヘンダーソン楽団の代表作の一つなのであろう。しかしパーソネルが異なる。
まず"Classic jazz archive / Fletcher Henderson"と"A study in frustration"は上記3月2日と同じとしている。
しかしレコード「フレッチャー・ヘンダーソンの肖像」(CBS 20AP-1428)の記載はかなり異なる。
Trombone … J.C.ヒギンボッサム ⇒ OUT
Clarinet … ジェリー・ブレイク ⇒ バスター・ベイリー(Buster Bailey)
Alto sax … ヒルトン・ジェファーソン ⇒ スクープス・キャリー(Scoops Carry)
というのである。これまた僕には判断のしようがないので、双方記載しておく。
ただレコードの解説は油井正一氏が担当しているが、曲解説の文中で、「最初にソロで出るジェリー・ブレイクは〜」と書いたりしている。自分でブレイクはバスター・ベイリーに代わったとしておきながら、このちぐはぐさは何だろう。全く信用できないのはこういうことがあるからである。

<Contents> … "Classic jazz archive / Fletcher Henderson 1897-1952"(Membran 221998-306)&"A study in frustration"(Essential・JAZZ・Classics EJC55511)

CD2-4、CD3-13.バック・イン・ユア・オウン・バックヤードBack in your own backyard
CD2-5.スタンピードStampede
CD2-6.ローズ・ルームRose room
CD2-7.グレート・シーザーズ・ゴーストGreat Caesar’s ghost
CD2-4、CD3-13..[バック・イン・ユア・オウン・バックヤード]
“A study in frustration”、「フレッチャー・ヘンダーソンの肖像」にも、この曲のみがこの日のセッションからは収録されている。フレッチャーのアレンジ。チュー・ベリーのソロはやはり聴き応えがある。
CD2-5.[スタンピード]
1926年録音の再録だが、かなり形を変えている。26年の方は、粟村政昭氏がこのジョー・スミスのTpソロを聴いて感動せぬ奴は人間ではないとまで言った傑作だったが、こちらはかなり軽快な仕上がりでアンサンブルが中心になっている。スミスのソロをアンサンブルでなぞるようなプレイも聴きとれる。アレンジはフレッチャー。
CD2-6.[ローズ・ルーム]
後にチャーリー・クリスチャンを加えたBGバンドの名演が有名になる曲。ここではやはりチューのソロが良いと思う。これもアレンジはフレッチャー。
CD2-7.[グレート・シーザーズ・ゴースト]
偉大なシーザーの幽霊ということだろうか?ディック・ヴァンスのアレンジがなかなか良い。

「スタディ・イン・フラストレイション」CDセット

<Date & Place> … 1937年6月3or30日 ニューヨークにて録音

セッションの日付だが、“A study in frustration”では6月3日としているが、“Classic jazz archive”は6月30日としている。ここでも僕には決め手がないので、並記しておくことにする。

<Personnel> … フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his Orchestra)

これまでは、“A study in frustration”、“Classic jazz archive”が食い違っていないのだが、この録音については大分データが異なる。
各記載3月22日からのパーソネル移動は、
"Study in frustration"
Trombone … ジョージ・ワシントン ⇒ Out
Trombone … ジョージ・ハント George Hunt ⇒ In
Trombone … ミルト・ロビンソン Milt Robinson ⇒ In
"Classic jazz archive"
Tenor sax … チュー・ベリー ⇒ ベン・ウエブスター Ben Websterのみ
それぞれ不確定のプロフィールは割愛する。

<Contents> … "Classic jazz archive / Fletcher Henderson 1897-1952"(Membran 221998-306)&"A study in frustration"(Essential・JAZZ・Classics EJC55511)

CD2-8.イフ・ユー・エヴァー・シュド・リーヴIf you ever should leave
CD2-9.ポージンPosin’
CD2-10.オール・ガッヅ・チラン・ガット・リズムAll god’s chillum got rhythm
CD2-11、CD3-14.クリス・アンド・ヒズ・ギャングChris and his gang
CD2-8.[イフ・ユー・エヴァー・シュド・リーヴ]
チャック・リチャーズ(Chuck Richards)のヴォーカル入り。チャック・リチャーズは白人の経営するラジオ局で初めてパーソナリティとなった黒人らしい。しかし歌手を退きサーカスのライオン使いになったという変わり種。声を聞く限り白人ぽいのだが…。
CD2-9.[ポージン]
これもチャック・リチャーズのヴォーカル入り。
CD2-10.[オール・ガッヅ・チラン・ガット・リズム]
こちらはジェリー・ブレイクがヴォーカルとる。
CD2-11.[クリス・アンド・ヒズ・ギャング]
“A study in frustration”には、この曲のみがこの日のセッションからは収録されている。この日唯一のインスト・ナンバー。テナー・ソロを聴く限りもしかするとチューではなく、ベン・ウエブスターかもしれないという気がしてくる。

「スタディ・イン・フラストレイション」CD3枚目

<Date & Place> … 1937年9月22日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his Orchestra)

この日のセッションは“A study in frustration”には収録されていない。ということで“Classic jazz archive”における6月3日或いは30日との変更点を挙げてみる。 Trombone … ジョージ・ワシントン ⇒ Out
Trombone … ジョン・マコンネル(John McConnell) ⇒ In
Trombone … アルバート・ウィン(Albert Wynn) ⇒ In
Tenor sax … ベン・ウエブスター ⇒ チュー・ベリー Chu Berry(前録音から変更)
Drums … ウォルター・ジョンソン ⇒ ピート・サッグス(Pete Suggs)

<Contents> … "Classic jazz archive / Fletcher Henderson 1897-1952"(Membran 221998-306)

CD2-12.レット・エル・ゴーLet‘el go
CD2-13.ウォリード・オーヴァー・ユーWorried over you
CD2-14.ホワッツ・ユア・ストーリーWhat's your story (What's your jive)
CD2-15.トゥリーズTrees
CD2-12.[レット・エル・ゴー]
アップ・テンポでスインギーなナンバー。ジェリー・ブレイクのヴォーカルが入る。ブレークでのTb、BそしてAs、Tp、Clの短いソロが入る程度でアンサンブルが中心。
CD2-13.[ウォリード・オーヴァー・ユー]
一転してスロウなナンバー。チャック・リチャーズのヴォーカル入り。聴けば聴くほど、黒人とは思えない歌声である。ヴァイブのソロが入るが叩いているのは、ドラムスのサッグスである。短いTsソロはチューであろう。
CD2-14.[ホワッツ・ユア・ストーリー]
ミディアム・テンポのスインギーなナンバー。こういう曲ではジェリー・ブレイクがヴォーカルを取っている。ソロはClのみ、しかも実に短い。アンサンブル中心。
CD2-15.[トゥリーズ]
この曲はミディアム・テンポだがチャック・リチャーズがヴォーカルを取っている。ブレイクと2曲ずつヴォーカルを分け合った形だ。

「クラシック・ジャズ・アーカイヴ」CD2枚目

<Date & Place> … 1937年10月25日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his Orchestra)

“A study in frustration” と“Classic jazz archive”では、・トロンボーンとサックス・セクションのパーソネルが異なる。
見にくいと思うがまとめると以下のようになる。

“A study in frustration”  “Classic jazz archive”
TromboneEd Cuffee、Al Wynn、John McConnell  Ed Cuffee、Al Wynn、George Hunt or Fred Robinson
ReedsHilton Jefferson、Jerry Blake、Elmer Williams、Ben Webster  Eddie Barefield、Bud Johnson 、Elmer Williams、Chu Berry
それ以外のセクションは
Band leaderフレッチャー・ヘンダーソンFletcher Henderson
Trumpetディック・ヴァンスDick Vanceラッセル・スミスRussell Smithエメット・ベリーEmmett Berry
Pianoホレス・ヘンダーソンHorace Henderson
Guitarローレンス・ルーシーLawrence Lucie
Bassイスラエル・クロスビーIsrael Crosby
Drumsピート・サッグスPete Suggs
Vocalチャック・リチャーズChuck Richards

<Contents> … "Classic jazz archive / Fletcher Henderson 1897-1952"(Membran 221998-306)&"A study in frustration"(Essential・JAZZ・Classics EJC55511)

CD2-16.イフ・イッツ・ザ・ラスト・シング・アイ・ドゥIf it's the last thing I do
CD2-17、CD3-15.シング・ユー・ジナーズSing you sinners
CD2-18.ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ラヴYou're in love with love
CD2-19.スティーリン・アップルズStealin’apples
CD2-16.[イフ・イッツ・ザ・ラスト・シング・アイ・ドゥ]
チャック・リチャーズのヴォーカル入りの当時のポップス・チューンと思われる。テンポはミディアム・スロウ。ソロはない。
CD2-17、CD3-15.[シング・ユー・ジナーズ]
“A study in frustration”には、この曲のみがこの日のセッションからは収録されている。フレッチャーがアレンジを担当したインスト・ナンバー。ミディアム・アップ・テンポのスインギーなナンバーで、ソロはTp、Cl、Ts。
CD2-18.[ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ラヴ]
これもリチャーズの歌うポップ・ナンバー。ゆったりとしたテンポで歌われる。ソロはなくアンサンブルのみである。
CD2-19.[スティーリン・アップルズ]
前年録音の再録。イントロでは珍しくフレッチャーの少し長めのピアノ・ソロが聴ける。ファッツ・ウォーラーの影響を感じるのだが自信はない。続いてTsのソロが出るがチューではないのではないかと思う。そしてTp、Clとソロが続く。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。