ジーン・ギフォード 1935年

Gene Gifford 1935

この録音の注目は何といってもジーン・ギフォード。ギフォードはご存知のようにカサ・ロマ楽団のアレンジャーとして名を上げた鬼才で、その精緻極まるアレンジメントは他の追随を許さないものがあった。そんなギフォードはどのような理由からか1934年にカサ・ロマ楽団を去る。そしてここでこのような録音を行っている。レコード裏面のライナーノートで油井正一氏はこの件に関してはそれほど深く追求していない。油井氏によれば、「ジーン・ギフォード楽団という名前で吹き込まれたものだが、もちろんレコーディングのためのオールスター編成であると述べ、、端からBGやエリントンのようにレギュラー・バンド化を狙ったものではないが、集められた面子は超一流で、それもギフォードの名声ゆえであると述べている。
まず聴いて感じることは、サウンドがビッグ・バンドっぽい分厚い音なので、これはギフォードのアレンジの妙なのであろう。
不思議なのは、ヴォーカルのウィンギー・マノンで、彼はトランペット奏者としても一流なのだが、ここではヴォーカルに徹し、Tpは吹いていないとなっていることである。左のSP盤にはマノンがTpとしてもクレジットされているが、解説の油井氏は吹いていないとしているので、どうなのだろう?聴くと確かに2Tpという個所は無いように感じる。2トランペットでもよさそうなものだが、なぜに彼には吹かせなかったのだろうか?

<Date&Place> … 1935年5月13日 録音

<Personnel> … ジーン・ギフォードと彼の楽団(Gene Gifford and his Orchestra)

Bandleader & Arrangementジーン・ギフォードGene Gifford
trumpetバニー・ベリガンBunny Berigan
Tromboneモーレイ・サミュエルMorey Samuel
Clarinetマッティ・マトロックMatty Matlock
Tenor saxバド・フリーマンBud Freeman
Pianoクロード・ソーンヒルClaude Thornhill
Guitarディック・マクダナフDick McDonough
Bassピート・ピーターソンPete Peterson
Drumsレイ・ボデュークRay Bauduc
Vocalウィンギー・マノンWingy Manone

<Contents> … 「Swing Sessions in the 30's」(Victor RA-5325)

B面1.ニューオリンズ・ツイストNewOrleans twist
B面2.ナッシン・バット・ザ・ブルースNothin’but the blues
B面3.スクエア―フェイスSquareface
B面4.ディジー・グライドDizzy glide
B-1.[ニューオリンズ・ツイスト]
ヴォーカル無しのインスト・ナンバー。ミディアム・アップ・テンポの曲。ギフォードらしい編曲の妙が随所にうかがえる。ソーンヒルのピアノのトレモロ・プレイは時代を追って聴いてきた耳には、実に目新しく聴こえる。
ソロはマトロック(Cl)、ベリガン(Tp)、マクダナフ((Gt)、フリーマン(Ts)などが矢継ぎ早に飛び出してくる。
B-2.[ナッシン・バット・ザ・ブルース]
ブルースで、マトロック、ベリガンが素晴らしいプレイを披露する。特にベリガンが素晴らしく僕としては、初めてこのベリガンという人はスゴイなという感想を抱いた次第である。マノンのヴォーカル入り。フリーマンのオブリガートもいい感じである。
B-3.[スクエア―フェイス]
これもブルース・ナンバー。ギフォードとブルースというのは何となく結びつかないが、2曲も演っている。マノンはヴォーカルというより語りのようである。ここでもマトロックとベリガンがいい。
B-4.[ディジー・グライド]
Gtとピアノのみにマノンのバックを務めさせるなど意表を突いた編曲である。ここでもソーンヒルのトレモロ・プレイが聴かれる。

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