グレン・ミラー 1926年

Glenn Miller 1926

グレン・ミラー

野口久光氏の解説によると、ブライアン・ラスト(Brian Rust)氏の作成したディスコグラフィー”Jazz records”のグレン・ミラーの項には、1935年〜1939年までの24曲が記載されているだけで、決定的な人気を得た1939年以降の作品は1曲も載っていないそうだ。これはどういうことだろうか?グレン・ミラー楽団はダンス・オーケストラとして物凄い人気を誇っていたが、ポピュラー・ソングを扱ったスィートなナンバーが多く、ジャズの名にふさわしいソロも少なく、ミラー自身のトロンボーン・ソロも少ないことがその原因とされているという。つまりムーンライト・セレナーデ以降のグレン・ミラーの音楽はジャズではないという見方だ。現在の多くの若い方にも同様の見方が広がっているようだ。しかし、少なくとも日本の僕より年上の方たち取っては、グレン・ミラーこそがジャズの代名詞としてとらえられている時代があったように思われる。このことは、ジャズとは何か、何をジャズと思うかということに関わってくる大きな問題であるが、このことについては別機会に考えてみたい。

「ベニー・グッドマン秘蔵名演集」CDジャケット

<Date&Place> … 1926年12月17日 シカゴにて録音

<Personnel> … ベン・ポラック・アンド・ヒズ・カリフォルニアンズ(Ben Pollack and his Californians)

Drums & Band leaderベン・ポラックBen Pollack
Cornetハリー・グリーンバーグHarry Greenbergアル・ハリスAl Harris
Tromboneグレン・ミラーGlenn Miller
Clarinetベニー・グッドマンBenny Goodman
Alto saxギル・ロディンGil Rodin
Tenor saxファド・リビングストンFud Livingston
Pianoウェイン・アレンWayne Allen
BanjoクルツェンクナーベJohn Kurzenknabe
Bassハリー・グッドマンHarry Goodman
Vocalsホーメイ・ベイリーHomay Baileyザ・ウィリアムズ・シスターズThe Williams Sisters

<Contents> … 「ベニー・グッドマン秘蔵名演集」(BMG RDTD-1046)

CD-1.ヒーズ・ザ・ラスト・ワード(He's the last word)
ベニー・グッドマンの初吹込みとして有名なナンバーであるが、初かどうかは不明だがグレン・ミラーにとってももっとも初期の吹込みであることは間違いない。
趣味の音楽で身を立てる決心をしたミラーは、デンヴァーのマックス・フィッシャー楽団に加わり、ロスに巡業した時にベン・ポラックに見いだされてトロンボーン奏者兼アレンジャーとして迎えられた。1926年のことである。そしてどちらが先かも不明だが、後に盟友ともいうべき存在となるベニー・グッドマンも入団してきたのである。
さてこの曲は、「私の青空」など多くのヒット・ソングを生んだウォルター・ドナルドソンの作で、前半古風なアンサンブル・アレンジとウィリアム・シスターズのヴォーカルが時代を感じさせるが、後半一転してBGのクラリネット、ハリー・グリーンバーグと思われるTpがジャズを感じさせるソロを取る。また短いがアルトと終わり近くにトロンボーンのソロもある。特にミラーは一瞬ながらBGとの絡みもあって興味深い。
CDには、ハリー・グッドマンがベースとなっているが、僕にはチューバのように聞こえる。
BGは自伝の中でこのデビュー吹込みの前夜は興奮のあまり眠れなかったと記しているというが、それはミラーも同じで会ったろう。

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