ハーラン・レナード 1940年
Harlan Leonard 1940
今回の主人公ハーラン・レナードは生粋のカンサス・シティ・ジャズマンと言われ、かつてカウント・ベイシーの楽団に一時在籍し、また自身が率いたバンドにはかのチャーリー・パーカーが在団していたことで有名である。しかし残念ながらパーカーが在団時の録音は存在しないようであるが。
解説に拠れば、ハーラン・レナードのバンドは、1940年1月〜11月まで4回のセッションで計24曲を吹き込んでいるそうで、その内の16曲が『ジャズ栄光の遺産シリーズ』とRCAのヴィンティジ・シリーズに収録されている。そして11月のセッションが彼のバンドの最後の録音ということなので、彼のバンドの録音は1940年のものしかなく、このシリーズの選に漏れた8曲以外にはないということになる。
また今回レナードを含めると17人のミュージシャンが登場するが、リーダーのレナード以外全員が初登場である。しかしテナーのジミー・キースやTpのジェイムズ・ロスそしてドラムのジェシー・プライスなどはよくチャーリー・パーカー関連の本、カンサス・シティー時代に登場する名前で、「ああ録音があったんだ」と感慨深いものがある。しかしこういっては失礼だが、パーカーにかかわる以外ジャズ史的には登場する機会がないプレイヤーたちとも言えるだろう。
<Date&Place> … 1940年1月11日 シカゴにて録音
<Personnel> … ハーラン・レナードと彼のロケッツ(Harlan Leonard and his rockets)
<Contents> … "Harlan Leonard and his Rockets"(RCA LPV-531)&「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ10/ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」(RA-58)
| B-1、A-1. | ロッキン・ウィズ・ザ・ロケッツ | Rockin’ with the Rockets |
| B-2、A面2. | ヘアリー・ジョー・ジャンプ | Hairy Joe jump |
| B-8、A面3. | マイ・ギャル・サル | My gal Sal |
| A-3、A面4. | スキー | Skee |
この日のセッションは、ヴィンティジ・シリーズ共に4曲収録されている。
「ロッキン・ウィズ・ザ・ロケッツ」
エファージ・ウェアのエレキ・ギターのイントロで始まる。解説氏はメカニックな美しさ(?)を強調した演奏という。当時これほどメカニカルな演奏を行う黒人バンドは珍しかったろうという。アンサンブルの後は短いソロが繰り出される。
「ヘアリー・ジョー・ジャンプ」
RCA盤では"Southern fried"(Hairy Joe jump)となっている。当時この曲はヒットしたという。前曲同様ミディアム・テンポのスインギーなナンバー。こちらもアンサンブルの後、短いソロが展開される。スインギーなアンサンブルが心地よい。
「マイ・ギャル・サル」
こちらもミディアム・テンポのスインギーなナンバー。この曲ではブリッジス(Ts)がこれまでに比べれば長めのソロを取る。
「スキー」
ちょっと速めのミディアム・テンポのスインギーなナンバー。Pソロはリズムだけに落として、抑え気味のアンサンブル・リフからだんだん盛り上げていく。最後はカンサス・シティらしくリフで盛り上げる。
<Date&Place> … 1940年3月11日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ハーラン・レナードと彼のロケッツ(Harlan Leonard and his rockets)
Guitar … エフェジ―・ウェア ⇒ スタン・モーガン(Stan Mogan)
Vocal … マイラ・テイラー(Myra Taylor)、アーニー・ウィリアムズ(Ernie Williams) ⇒ In
以外は1月11日と同じ。
<Contents> … "Harlan Leonard and his Rockets"(RCA LPV-531)&「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ10/ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」(RA-58)
| A-8、A面5. | ザ・ワールド・オン・ファイアー | I don't want to set the world on fire |
| A-7、A面6. | ライド・マイ・ブルース・アウェイ | Ride my blues away |
| B-3、A面7. | パレード・オブ・ザ・ストンパーズ | Parade of the stompers |
この日のセッションは『ジャズ栄光の遺産シリーズ』、ヴィンティジ・シリーズ共に3曲収録されている。
「ザ・ワールド・オン・ファイアー」
ミディアム・テンポのスインギーなナンバーで、マイラ・テイラーのヴォーカルが入る。これはバップ時代に作曲家、編曲家として大いに名を馳せたタッド・ダメロンがアレンジしている。
「ライド・マイ・ブルース・アウェイ」
実にスインギーなナンバー。これもちょっとベイシー風。ホーンとブラスの掛け合いが大いに盛り上げる。アーニー・ウィリアムスのヴォーカル・ナンバー。
「パレード・オブ・ザ・ストンパーズ」
これもスインギーなナンバーで、ブリッジスのテナーソロが良い。確かにハーシャル・エヴァンスを思わせる吹奏である。
<Date&Place> … 1940年7月15日 シカゴにて録音
<Personnel> … ハーラン・レナードと彼のロケッツ(Harlan Leonard and his rockets)
Bass … ウィンストン・ウィリアムズ ⇒ ビル・ハッドノット(Bill Hadnott)
以外は前回3月11日と同じ。
<Contents> … "Harlan Leonard and his Rockets"(RCA LPV-531)&「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ10/ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」(RA-58)
| A-1、B面1. | ロック・アンド・ライド | Rock and ride |
| B-6、B面2. | フォー・ハンドレッド・スイング | “400”swing |
| B-7、B面3. | プリーズ・ドント・スクウォブル | Please don't squabble |
| A-4、B面4. | ア・ラ・ブリッジェズ | A-la-bridges |
この日のセッションは『ジャズ栄光の遺産シリーズ』、ヴィンティジ・シリーズ共に4曲収録されている。
「ロック・アンド・ライド」
ダメロンのアレンジ。アンサンブルの後スミスとロスのTpの8小節ずつバトル風の掛け合いが行われる。アンサンブルとドラムとの掛け合いも面白い。ダメロンのアレンジはジミー・ランスフォードとグレン・ミラーの影響がみられるという。
「フォー・ハンドレッド・スイング」
これもダメロンのアレンジでバップ時代を予知させるという。ここでもスミスとロスのフォー・ヴァ―スが聴かれる。
「プリーズ・ドント・スクウォブル」
これもミディアム・テンポのナンバーでアーニー・ウィリアムスのヴォーカル入り。
「ア・ラ・ブリッジェズ」
ここで初めてスロウ・ナンバーが登場する。タイトル通りブリッジェスの美しいテナーをフューチャーしたナンバー。若くして夭折したトロンボーンの名手ベケットの美しいトーンも聴き応えがある。解説氏もこういう演奏がもう少し多ければ人気も上がったに違いないとしている。
<Date&Place> … 1940年11月13日 シカゴにて録音
<Personnel> … ハーラン・レナードと彼のロケッツ(Harlan Leonard and his rockets)
Trombone … フレッド・ベケット ⇒ ウォルター・モンロー(Walter Monroe)
Bass … ビル・ハッドノット ⇒ ウィンストン・ウィリアムズ(Winston Williams)
以外は前回7月15日と同じ。
<Contents> … "Harlan Leonard and his Rockets"(RCA LPV-531)&「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ10/ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」(RA-58)
| A-2、B面5. | ダメロン・ストンプ | Dameron stomp |
| B-4、B面6. | ミストリーテッド | Mistreated |
| A-5、B面7. | トゥ・マッチ | Too much |
| B-5、B面8. | キープ・ロッキン | Keep rockin’ |
| A-6、B面9. | テイク・エム | Take ‘em |
レナード楽団最後のレコーディング・セッションで、『ジャズ栄光の遺産シリーズ』、ヴィンティジ・シリーズ共に5曲収録されている。
「ダメロン・ストンプ」
タイトル通りダメロンの個性を前面に押し出した斬新なナンバー。
「ミストリーテッド」
ウィリアムスのブルース・ヴォーカルをフューチャーしたナンバー。ちょっと遅めのミディアム・テンポのナンバー。
「トゥ・マッチ」
ミディアム・テンポのナンバーで、サックスのソリの厚みのあるハーモニーが心地よい。ラストのベース・ソロも見事だ。
「キープ・ロッキン」
ダメロンのアレンジ。色々ソロが繰り出されるがTpのスミスをフューチャーしている。
「テイク・エム」
これもダメロンのアレンジ。ミディアム・アップにテンポを取りブリッじぇすの力強いテナーをフューチャーしている。ベイシー風のリフで大いに盛り上げて、最後はテンポ・ダウンして終わる。
演奏自体は一定の水準を越えていると思うが、なにせテンポに変化がなさすぎる。LPで続けて聴くと飽きてしまう。CDで前曲通してかけ、最後まで眠らない人がいたら褒めたいくらいだ。ただこの当時はSP盤で1曲ずつしか聴かないので、これで問題なかったのかもしれない。
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