| Bandleader , Trombone & Vocal | … | ジャック・ティーガーデン | Jack Teagarden | |||
| Trumpet | … | クロード・ホワイトマン | Claude Whiteman | 、 | チャーリー・ティーガーデン | Charlie Teagarden |
| Trombone | … | トミー・ムーア | Tommy Moore | |||
| Clarinet & Alto sax | … | バド・フィスク | Bud Fisk | 、 | ロッド・クレス | Rod Cless |
| Tenor sax | … | デイル・スキナー | DaleSkinner | 、 | バド・フリーマン | Bud Freeman |
| Piano | … | チャールス・ラヴェレ | Charles Lavere | |||
| Guitar | … | ディック・マクパートランド | Dick McPartland | |||
| Bass | … | 不明 | Unknown | |||
| Drums | … | ボブ・コンゼルマン | Bob Conzelman |
| Record2A面2曲目 | アイヴ・ガット・イット | I've got it |
軽快なスイング・ナンバー。アンサンブルの後ソロはフリーマンのTs⇒ジャックのTb⇒チャーリーのTp⇒ラヴェレのPと続く。実力者をソロイストに起用しており、さすがに聴き応えのあるソロそして見事なアンサンブルが楽しめる。
| Band leader & Clarinet | … | ベニー・グッドマン | Benny Goodman | |||
| Trumpet | … | マニー・クライン | Manny Klein | 、 | チャーリー・ティーガーデン | Charlie Teagarden |
| Trombone & Vocal | … | ジャック・ティーガーデン | Jack Teagarden | |||
| Violin | … | ジョー・ヴェヌーティ | Joe Venuti | |||
| Tenor sax | … | バド・フリーマン | Bud Freeman | |||
| Bass sax | … | エイドリアン・ロリーニ | Adrian Rollini | |||
| Piano A2,4 | … | ジョー・サリヴァン | Joe Sullivan | |||
| Piano A1,3 | … | フランク・フロエバ | Frank Froeba | |||
| Guitar | … | ディック・マクドノフ | Dick McDonough | |||
| Bass | … | アーティー・バーンスタイン | Artie Bernstein | |||
| Drums | … | ジーン・クルーパ | Gene Krupa |
同セッションはPrestigeから出た"Benny Goodman and the giants of swing"(Prestige 7644)に4曲、Epicから出たこの"Jack Teagarden/King of the blues trombone"に3曲収録されている。そしてまず双方ではパーソネルが異なる点が2点ある。因みに上記はPrestige盤記載のパーソネル。
第1は、Prestige盤にはヴァイオリンにジョー・ヴェヌーティと記載があるが、Epic盤には記載がない。確かに聴いてみるとヴァイオリンの音は聴こえない。
第2は、Prestige盤ではテナー・サックスをバド・フリーマンとしているが、Epic盤ではアート・カールArt Karleとしている点である。こちらは僕には決め手がない。
| A-2、Record2 A-3. | エイント・チャ・グラッド | Ain't cha glad | 10月18日 |
| A-4. | アイ・ガッタ・ライト・トゥ・シング・ザ・ブルース | I gotta right to sing the blues | 10月18日 |
| A-3、Record2 A-4. | ドクター・ヘックル・アンド・ミスター・ジャイブ | Dr. Heckle and Mr. Jibe | 10月27日 |
| A-1、Record2 A-5. | テキサス・ティー・パーティー | Texas tea party | 10月27日 |
この4曲はグッと「スイング」時代を感じさせる。BG名義の録音であるがジャック・ティーガーデンが一番フューチャーされている。
A-2、Record2 A-3.[エイント・チャ・グラッド]
実に楽し気なナンバー。ジャック・ティーガーデンがヴォーカル、Tbソロと活躍するが、BGのソロ、Tpのソロ、ジョー・サリヴァンのソロもいい感じである。
A-3、Record2 A-4.[ドクター・ヘックル・アンド・ミスター・ジャイブ]
2人の会話で始まるが、一人はジャック・ティーガーデンで相方は弟のチャーリーである。BGのクラリネットが大きくフューチャーされている。ジャック・ティーガーデンのヴォーカルというのも味のある声で僕は好きである。実に楽しいナンバーである。
A-1、Record2 A-5.[テキサス・ティー・パーティー]
ブルース・ナンバー。BGのイントロ・ソロで始まる。まずはBGのソロ、バッキングが変わっている。ジャック・ティガーデンのヴォーカル、1コーラス目テナー・サックス、2コーラス目BGのオブリガードと変化をつけ、Tbソロとなる。BG、ティーガーデンとも熱のこもった素晴らしいソロを取る。その後は音数の少ないコレクティヴ・インプロヴィゼイションとなりエンディングに向かう。これがシカゴ・スタイルというものだろうか?
A-4.[アイ・ガッタ・ライト・トゥ・シング・ザ・ブルース]
タイトルにブルースが付くがブルースではない。ジャック・ティガーデンのヴォーカル、BGのClがフューチャーされた曲である。
| Bandleader , Trombone & Vocal | … | ジャック・ティーガーデン | Jack Teagarden | |||
| Trumpet | … | フランク・ギャレンテ | Frank Guarente | 、 | スターリング・ボーズ | Sterling Bose |
| Clarinet & Alto sax | … | チェスター・ヘイズレット | Chester Hazlitt | 、 | ジミー・ドーシー | Jimmy Dorsey |
| Tenor sax | … | マット・ヘイズ | Mutt Hayes | |||
| Violin | … | ウォルト・エデルスタイン | Walt Edelstein | |||
| Piano | … | ジョー・モレスコ | Joe Moresco | |||
| Guitar | … | ペリー・ボトキン | Perry Botkin | |||
| Bass | … | アーティー・バーンスタイン | Artie Bernstein | |||
| Drums | … | ラリー・ゴマー | Larry Gomar |
| Record2A面6曲目 | ア・ハンドレッド・イヤーズ・フロム・トゥディ | A hundred years from today |
| Record2A面7曲目 | アイ・ジャスト・クドント・テイク・イット・ベイビー | I just uldn’t take it baby |
この2曲はヴァイオリンも入って、スイートなラヴ・ソングでジャックのヴォーカルを活かした作品。不況の時代を反映してのポップなナンバー。
| Trumpet | … | フランキー・ニュートン | Frankie Newton |
| Trombone | … | ジャック・ティーガーデン | Jack Teagarden |
| Clarinet | … | ベニー・グッドマン | Benny Goodman |
| Tenor sax | … | チュー・ベリー | Chu Berry |
| Piano | … | バック・ワシントン | Buck Washington |
| Guitar | … | ボビー・ジョンソン | Bobby Johnson |
| Bass | … | ビリー・テイラー | BillyTaylor |
何といっても目を惹くのは売り出し中の2人の白人ミュージシャン、ベニーグッドマンとジャック・ティーガーデンの参加である。またテナーのチュー・ベリーの最も早い時期のレコード吹込みの一つとしても貴重である。
BGについてはビリー・ホリデイの自伝によると、1930年代前半ラジオなどの仕事が終わると、ジャズ・クラブに現れ黒人たちとのジャム・セッションに参加していたというので、分からないでもないが、ティーガーデンという人はほとんどプライヴェートの記述がないのでよくわからない。ただ1929年サッチモと共演するなど黒人ミュージシャン達にもその実力は伝わっていたのではないかと思われる。それにしても大胆な布陣ではある。
| 15. | ドゥ・ユア・デューティ | Do your duty |
| 16. | ギミ・ア・ピッグフット | Gimme a pigfoot |
15.[ドゥ・ユア・デューティ]
ブルースではない。スミスのヴォーカルの後Tp、P、チュー(Tp)、ティーガーデン(Tb)と8小節ずつソロを繋ぎ、再びスミスのヴォーカルとなって終わる。ただニュートンのソロが始まったところでBG突然吹き出し、次のワシントンのPソロのスタートの部分がソロらしくないので誰かが間違えたのかもしれない。
16.[ギミ・ア・ピッグフット]
これもブルースではない。ピアノのイントロからスミスのヴォーカルとなる。ソロはTpくらいで、スミスの圧倒的なヴォーカルが前曲同様聴き処である。
| Band leader & Clarinet | … | ベニー・グッドマン | Benny Goodman | |||
| Trumpet | … | チャーリー・ティーガーデン | Charlie Teagarden | 、 | シャーリー・クレイ | Shirley Clay |
| Trombone | … | ジャック・ティーガーデン | ||||
| Tenor sax | … | アート・カール | Art Karle | |||
| Piano | … | ジョー・サリヴァン | Joe Sullivan | |||
| Guitar | … | ディック・マクドノフ | Dick McDonough | |||
| Bass | … | アーティー・バーンスタイン | Artie Bernstein | |||
| Drums | … | ジーン・クルーパ | Gene Krupa | |||
| Vocal | … | ビリー・ホリディ | Billie Holiday |
| record1 A-1. | ママの息子になって | Your mother's son-in-low |
ジャズ史上最も重要な女性シンガー、ビリー・ホリデイの初レコーディングである。
ビリー自身が「半分死ぬほどの恐怖だった」と述懐している初録音。正に無我夢中で歌っている様子が目に見えるようであるという。
ここでのビリーは1920年代後期におけるエセル・ウォーターズをはじめとする、いわゆるホット・シンガーの唱法の幾つかを用いているが、そう行った中にもオフ・ビートで持って巧みにリズミックな歌い方をしているところなどに、後半におけるリズムへの絶妙なノリを早くも示しており、既に彼女独自のスタイルの兆候を見せているという。
ジャック・ティーガーデンの後に出る短いトランペット・ソロ、および最後のコーダの部分のトランペットは弟のチャーリー・ティーガーデンによるもの。
曲目解説の大橋巨泉氏は、彼女の悲惨な人生を考えるとこの若々しさは痛いほどだと書いている。
まさにプロの解説である。付け加えることなど及びもつかない。これがあのビリー・ホリディの18歳時の初録音と知って聴くと若さに意味を感じるが、知らずに聴けば単に若手の、若さに頼った力いっぱいの歌だと思う。そしてこの若手シンガーがあのビリー・ホリデーになっていくのだと思うと本当に感慨深い。
Bass sax … エイドリアン・ロリーニ(Adrian Rollini) ⇒ In
以外は11月27日と同じ。
| Record2A面8曲目 | タッピン・ザ・バレル | Tappin’the Barrel |
この曲はベニー・グッドマン名義のものだが、これまで取り上げてきたBGのどのレコード・CDにも収録されていなかったもの。ティーガーデンのヴォーカルがフューチャーされているが、BGのClソロもスムーズでいい感じである。
Bass sax … エイドリアン・ロリーニ ⇒ Out
つまりは11月27日と同じ。
| record1 A-2. | リフィン・ザ・スコッチ | Riffin’the scotch |
A-2.[リフィン・ザ・スコッチ]
初レコーディングから3週間後のビリーのセカンド・セッションとして吹き込まれた。2曲ともディーン・キンケイドが編曲を担当しているが、キンケイドのアレンジは当時年は一流でここではスコットランド風のアレンジが効果を上げている。
なお、イントロ及びヴォーカルの前に出るトランペットはチャーリー・ティーガーデン、ヴォーカルの後のTpソロはシャーリー・クレイによる数少ないソロの一つである。トロンボーン・ソロはもちろんジャック・ティーガーデンで、巨泉氏はさすがにうまいとしている。
大和明氏、巨泉氏とも2曲とも選ばれたナンバーが大したものでなかっただけに全く反響はなかったとし、ビリー本人も何の反響もなかったと言っている。
ジャック・ティーガーデンは僕などのような入門者が言うのもなんだが、本当にトロンボーンの巨人だと思う。しかし現在の日本ではほとんど評価されず、聴く人も少ないと思われる。一体なぜであろう?このような破綻のない名人というのは意外に「面白みに欠ける」などという訳の分からぬ言われ方をし、人気を落とす傾向にあるのではないかと思う。