ジャック・ティーガーデン 1933年

Jack Teagarden 1933

<Date&Place> … 1933年7月29日 シカゴにて録音

<Personnel> … ジャック・ティーガーデン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Jack Teagarden and his Orchestra)

Bandleader , Trombone & Vocalジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Trumpetクロード・ホワイトマンClaude Whitemanチャーリー・ティーガーデンCharlie Teagarden
Tromboneトミー・ムーアTommy Moore
Clarinet & Alto saxバド・フィスクBud Fiskロッド・クレスRod Cless
Tenor saxデイル・スキナーDaleSkinnerバド・フリーマンBud Freeman
Pianoチャールス・ラヴェレCharles Lavere
Guitarディック・マクパートランドDick McPartland
Bass不明Unknown
Drumsボブ・コンゼルマンBob Conzelman

<Contents> … "Jack Teagarden/King of the blues trombone"(Epic JSN 6044)

Record2A面2曲目アイヴ・ガット・イットI've got it

軽快なスイング・ナンバー。アンサンブルの後ソロはフリーマンのTs⇒ジャックのTb⇒チャーリーのTp⇒ラヴェレのPと続く。実力者をソロイストに起用しており、さすがに聴き応えのあるソロそして見事なアンサンブルが楽しめる。

”Benny Goodman and the giants of swing”ジャケット

<Date&Place> … 1933年10月18、27日録音

<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)

Band leader & Clarinetベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetマニー・クラインManny Kleinチャーリー・ティーガーデンCharlie Teagarden
Trombone & Vocalジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Violinジョー・ヴェヌーティJoe Venuti
Tenor saxバド・フリーマンBud Freeman
Bass saxエイドリアン・ロリーニAdrian Rollini
Piano A2,4ジョー・サリヴァンJoe Sullivan
Piano A1,3フランク・フロエバFrank Froeba
Guitarディック・マクドノフDick McDonough
Bassアーティー・バーンスタインArtie Bernstein
Drumsジーン・クルーパGene Krupa

同セッションはPrestigeから出た"Benny Goodman and the giants of swing"(Prestige 7644)に4曲、Epicから出たこの"Jack Teagarden/King of the blues trombone"に3曲収録されている。そしてまず双方ではパーソネルが異なる点が2点ある。因みに上記はPrestige盤記載のパーソネル。
第1は、Prestige盤にはヴァイオリンにジョー・ヴェヌーティと記載があるが、Epic盤には記載がない。確かに聴いてみるとヴァイオリンの音は聴こえない。
第2は、Prestige盤ではテナー・サックスをバド・フリーマンとしているが、Epic盤ではアート・カールArt Karleとしている点である。こちらは僕には決め手がない。

<Contents> … "Benny Goodman and the giants of swing"(Prestige 7644)&"Jack Teagarden/King of the blues trombone"(Epic JSN 6044)

A-2、Record2 A-3.エイント・チャ・グラッドAin't cha glad10月18日
A-4.アイ・ガッタ・ライト・トゥ・シング・ザ・ブルースI gotta right to sing the blues10月18日
A-3、Record2 A-4.ドクター・ヘックル・アンド・ミスター・ジャイブDr. Heckle and Mr. Jibe10月27日
A-1、Record2 A-5.テキサス・ティー・パーティーTexas tea party10月27日

この4曲はグッと「スイング」時代を感じさせる。BG名義の録音であるがジャック・ティーガーデンが一番フューチャーされている。
A-2、Record2 A-3.[エイント・チャ・グラッド]
実に楽し気なナンバー。ジャック・ティーガーデンがヴォーカル、Tbソロと活躍するが、BGのソロ、Tpのソロ、ジョー・サリヴァンのソロもいい感じである。
A-3、Record2 A-4.[ドクター・ヘックル・アンド・ミスター・ジャイブ]
2人の会話で始まるが、一人はジャック・ティーガーデンで相方は弟のチャーリーである。BGのクラリネットが大きくフューチャーされている。ジャック・ティーガーデンのヴォーカルというのも味のある声で僕は好きである。実に楽しいナンバーである。
A-1、Record2 A-5.[テキサス・ティー・パーティー]
ブルース・ナンバー。BGのイントロ・ソロで始まる。まずはBGのソロ、バッキングが変わっている。ジャック・ティガーデンのヴォーカル、1コーラス目テナー・サックス、2コーラス目BGのオブリガードと変化をつけ、Tbソロとなる。BG、ティーガーデンとも熱のこもった素晴らしいソロを取る。その後は音数の少ないコレクティヴ・インプロヴィゼイションとなりエンディングに向かう。これがシカゴ・スタイルというものだろうか?
A-4.[アイ・ガッタ・ライト・トゥ・シング・ザ・ブルース]
タイトルにブルースが付くがブルースではない。ジャック・ティガーデンのヴォーカル、BGのClがフューチャーされた曲である。

<Date & Place> … 1933年11月11日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … ジャック・ティーガーデン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Jack Teagarden and his Orchestra)

Bandleader , Trombone & Vocalジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Trumpetフランク・ギャレンテFrank Guarenteスターリング・ボーズSterling Bose
Clarinet & Alto saxチェスター・ヘイズレットChester Hazlittジミー・ドーシーJimmy Dorsey
Tenor saxマット・ヘイズMutt Hayes
Violinウォルト・エデルスタインWalt Edelstein
Pianoジョー・モレスコJoe Moresco
Guitarペリー・ボトキンPerry Botkin
Bassアーティー・バーンスタインArtie Bernstein
Drumsラリー・ゴマーLarry Gomar

<Contents> … “Jack Teagarden/King of the blues trombone”(Epic JSN 6044)

Record2A面6曲目ア・ハンドレッド・イヤーズ・フロム・トゥディA hundred years from today
Record2A面7曲目アイ・ジャスト・クドント・テイク・イット・ベイビーI just uldn’t take it baby

この2曲はヴァイオリンも入って、スイートなラヴ・ソングでジャックのヴォーカルを活かした作品。不況の時代を反映してのポップなナンバー。

[The collection]CD・ジャケット

<Date & Place> … 1933年11月24日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … ベッシー・スミス(Bessie Smith)

Trumpetフランキー・ニュートンFrankie Newton
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Clarinetベニー・グッドマンBenny Goodman
Tenor saxチュー・ベリーChu Berry
Pianoバック・ワシントンBuck Washington
Guitarボビー・ジョンソンBobby Johnson
Bassビリー・テイラーBillyTaylor

何といっても目を惹くのは売り出し中の2人の白人ミュージシャン、ベニーグッドマンとジャック・ティーガーデンの参加である。またテナーのチュー・ベリーの最も早い時期のレコード吹込みの一つとしても貴重である。
BGについてはビリー・ホリデイの自伝によると、1930年代前半ラジオなどの仕事が終わると、ジャズ・クラブに現れ黒人たちとのジャム・セッションに参加していたというので、分からないでもないが、ティーガーデンという人はほとんどプライヴェートの記述がないのでよくわからない。ただ1929年サッチモと共演するなど黒人ミュージシャン達にもその実力は伝わっていたのではないかと思われる。それにしても大胆な布陣ではある。

<Contents> … “Bessie Smith The collection”(Columbia CK44441)

15.ドゥ・ユア・デューティDo your duty
16.ギミ・ア・ピッグフットGimme a pigfoot

15.[ドゥ・ユア・デューティ]
ブルースではない。スミスのヴォーカルの後Tp、P、チュー(Tp)、ティーガーデン(Tb)と8小節ずつソロを繋ぎ、再びスミスのヴォーカルとなって終わる。ただニュートンのソロが始まったところでBG突然吹き出し、次のワシントンのPソロのスタートの部分がソロらしくないので誰かが間違えたのかもしれない。
16.[ギミ・ア・ピッグフット]
これもブルースではない。ピアノのイントロからスミスのヴォーカルとなる。ソロはTpくらいで、スミスの圧倒的なヴォーカルが前曲同様聴き処である。

『ビリー・ホリディ物語 第1集』ジャケット

<Date&Place> … 1933年11月27日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)

Band leader & Clarinetベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetチャーリー・ティーガーデンCharlie Teagardenシャーリー・クレイShirley Clay
Tromboneジャック・ティーガーデン
Tenor saxアート・カールArt Karle
Pianoジョー・サリヴァンJoe Sullivan
Guitarディック・マクドノフDick McDonough
Bassアーティー・バーンスタインArtie Bernstein
Drumsジーン・クルーパGene Krupa
Vocalビリー・ホリディBillie Holiday

<Contents> … 『ビリー・ホリディ物語 第1集』(CBS SOPH 61)

record1 A-1.ママの息子になってYour mother's son-in-low

ジャズ史上最も重要な女性シンガー、ビリー・ホリデイの初レコーディングである。
ビリー自身が「半分死ぬほどの恐怖だった」と述懐している初録音。正に無我夢中で歌っている様子が目に見えるようであるという。
ここでのビリーは1920年代後期におけるエセル・ウォーターズをはじめとする、いわゆるホット・シンガーの唱法の幾つかを用いているが、そう行った中にもオフ・ビートで持って巧みにリズミックな歌い方をしているところなどに、後半におけるリズムへの絶妙なノリを早くも示しており、既に彼女独自のスタイルの兆候を見せているという。
ジャック・ティーガーデンの後に出る短いトランペット・ソロ、および最後のコーダの部分のトランペットは弟のチャーリー・ティーガーデンによるもの。
曲目解説の大橋巨泉氏は、彼女の悲惨な人生を考えるとこの若々しさは痛いほどだと書いている。
まさにプロの解説である。付け加えることなど及びもつかない。これがあのビリー・ホリディの18歳時の初録音と知って聴くと若さに意味を感じるが、知らずに聴けば単に若手の、若さに頼った力いっぱいの歌だと思う。そしてこの若手シンガーがあのビリー・ホリデーになっていくのだと思うと本当に感慨深い。

<Date&Place> … 1933年12月4日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)

Bass sax … エイドリアン・ロリーニ(Adrian Rollini) ⇒ In
以外は11月27日と同じ。

<Contents> … "Jack Teagarden/King of the blues trombone"(Epic JSN 6044)

Record2A面8曲目タッピン・ザ・バレルTappin’the Barrel

この曲はベニー・グッドマン名義のものだが、これまで取り上げてきたBGのどのレコード・CDにも収録されていなかったもの。ティーガーデンのヴォーカルがフューチャーされているが、BGのClソロもスムーズでいい感じである。

『ビリー・ホリディ物語 第1集』1枚目A面ラベル

<Date&Place> … 1933年12月18日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)

Bass sax … エイドリアン・ロリーニ ⇒ Out
つまりは11月27日と同じ。

<Contents> … 『ビリー・ホリディ物語 第1集』(CBS SOPH 61)

record1 A-2.リフィン・ザ・スコッチRiffin’the scotch

A-2.[リフィン・ザ・スコッチ]
初レコーディングから3週間後のビリーのセカンド・セッションとして吹き込まれた。2曲ともディーン・キンケイドが編曲を担当しているが、キンケイドのアレンジは当時年は一流でここではスコットランド風のアレンジが効果を上げている。
なお、イントロ及びヴォーカルの前に出るトランペットはチャーリー・ティーガーデン、ヴォーカルの後のTpソロはシャーリー・クレイによる数少ないソロの一つである。トロンボーン・ソロはもちろんジャック・ティーガーデンで、巨泉氏はさすがにうまいとしている。
大和明氏、巨泉氏とも2曲とも選ばれたナンバーが大したものでなかっただけに全く反響はなかったとし、ビリー本人も何の反響もなかったと言っている。

ジャック・ティーガーデンは僕などのような入門者が言うのもなんだが、本当にトロンボーンの巨人だと思う。しかし現在の日本ではほとんど評価されず、聴く人も少ないと思われる。一体なぜであろう?このような破綻のない名人というのは意外に「面白みに欠ける」などという訳の分からぬ言われ方をし、人気を落とす傾向にあるのではないかと思う。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。