ジミー・ランスフォード楽団を取り上げるのは2回目で、前回は1930年の録音を取り上げた。その間約3年間のブランクがあるが、その間このバンドは録音をしていなかったのかというとどうもそうではないらしい。しかし僕は彼らの詳細なディスコグラフィーを持っていないので何ともいえない。1929年秋から巻き起こる大不況の波にのまれ、やはり録音は少なかったのかもしれない。
今回取り上げるのが僕の持っている1933年の録音のすべてである。2曲のアレンジャーはピアノのエドウィン・ウィルコックスであることは粟村師とStanley Dance氏も変わりはない。粟村師の説ではこの時期はまだオリヴァーが加入していないかもしれないので、アレンジを担当することはないのだろうが、Stanley Dance氏の書くようにすでに加入していたとすれば、まだアレンジを担当させるには時期尚早とランスフォードが判断したのかもしれない。
| Band leader & Alto sax | … | ジミー・ランスフォード | Jimmy Lunceford | ||||||
| Trumpet | … | エディー・トンプキンス | Eddie Tompkins | 、 | トミー・スティーヴンソン | Tommy Stevenson | 、 | ウィリアム・トムリン | William Tomlin |
| Trombone | … | ラッセル・ボウルズ | Russell Bowles | 、 | ヘンリー・ウエルズ(多分) | Henry Wells(Perhaps) | |||
| Clarinet & Alto Sax & Baritone sax | … | ウィリー・スミス | Willie Smith | ||||||
| Clarinet & Tenor Sax | … | ジョー・トーマス | Joe Thomas | 、 | アール・カルザーズ | Earl Carruthers | |||
| Piano | … | エド・ウィルコックス | Ed Wilcox | ||||||
| Guitar | … | アル・ノリス | Al Norris | ||||||
| Bass | … | モーゼズ・アレン | Moses Allen | ||||||
| Drums , Vibraphone & Bells | … | ジミー・クロフォード | Jimmy Crawford |
上記に掲げたパーソネルは日本盤付属の解説に掲載されているもので、解説を担当している粟村政昭氏によるものだ。粟村師は小生が最も信頼している評論家なので、誤りはないと思うが少々気になるところがあるので書いておきたい。要は英文の解説があり”Stanley Dance”氏という方が書いている。その違いを次にあげる。
Trumpet ⇒ William Tomlin(粟村師) × Sy Oliver(Stanley Dance)
粟村師は、ランスフォード楽団は一言でいえばアレンジャーのバンドであると述べている。そしてそのバンド・カラーに重要な影響を及ぼしたのが、Tpのサイ・オリヴァーであることは衆知の事実と述べる。そのオリヴァーは1933年に加入する。オリヴァーの加入時期が1933年のいつかはどこにも記載がないので、上記パーソネルについて僕には判断のしようがないので二つの説を挙げておこう。
| A面1曲目 | フレイミング・リーヅ・アンド・スクリーミング・ブラス | Flaming reeds and screaming brass |
| A面2曲目 | ホワイル・ラヴ・ラスツ | While love lasts |
粟村師によれば、この2曲は33年にオーディション用にテスト・プレスされたものだという。また粟村師によれば、両曲のソロイストに関してはアルトのウィリー・スミス以外は定説がないという。ともかく僕はどちらも立派な演奏だと思う。これが「ランスフォード・ビート」と言われるものかどうか自信がないが、確かにズンチャズンチャという2ビートに乗って曲が展開される。
A-1.[フレイミング・リーヅ・アンド・スクリーミング・ブラス]
エリントンの”Daybreak express”(1933)のような汽車のリズムを連想させる。軽快でスインギーなナンバーである。アンサンブルも見事。ソロはスミス(As)、Tb、Tpと続く。
A-2.[ホワイル・ラヴ・ラスツ]
ミディアム・スロウにテンポを取ってメロウな柔らかいアンサンブルを聴かせてくれる。ソロはスミス(As)、Tb、ウィルコックス(P)アンサンブルを挟んでTpからアンサンブルに戻りエンディングに向かう。。
こういうスイング時代の名盤なども一ノ関ベイシーの轟音システムで聴いてみたいと思うのは僕だけでしょうか?