ジョン・カービーは、スイング時代きってのベーシストとしてこれまでも多数の録音に参加しており、拙HPでもよく登場する人物。しかし彼自身は単なるベーシストではなく、サウンド・イノヴェイターであったと言って過言ではない。ビッグ・バンド全盛時代に彼が組織したこの六重奏団こそは真にコンボ・スタイル・ジャズの草分けではなかったかと云われる。そんな彼らのこのナンバーはタイトルからして、「普通のスイング・ナンバー」ではないことを示唆している。
| Bandleader & Bass | … | ジョン・カービー | John Kirby |
| Trumpet | … | チャーリー・シェイヴァース | Charlie Shaversk |
| Clarinet | … | バスター・ベイリー | Buster Bailey |
| Alto sax | … | ラッセル・プロコープ | Russell Procope |
| Piano | … | ビリー・カイル | Billy Kyle |
| Drums | … | オニール・スペンサー | Oneil Spencer |
| Record3 B-5. | 変イ長調からハ長調まで | From A flat to C |
僕の持っている、ジョン・カービー・セクステットの最も古い録音。クラシックのジャズ化はトミー・ドーシーなども取り組んでおり決して当時珍しいものではなかった。しかしドーシー楽団と異なり、コンボで取り組んだところがその特徴と言えるだろう。辛口のジャズ評論家粟村政昭氏をして、「時に軽やかに時に優雅にスイングして室内楽的ジャズの最高のものを想像するのに成功した」とベタ褒めである。
「室内楽的ジャズ」と言っても決して難解ではなく、楽しい演奏になっている。シェイヴァースとプロコープのソロが見事。全体の雰囲気としては後年のジョージ・ラッセル風である。いや逆だ、ラッセルがカービー風なのだ。