1940年第2回目のメトロノーム・オールスターズは2月7日に行われる。今回は"Metronome All Star Band"名義のオーケストラ演奏で1曲<キング・ポーター・ストンプ>、そのピックアップ・メンバー9名による"Metronome All Star Band"名義で1曲<オールスター・ストラット>(多分ヘッド・アレンジによるもの)の2曲が録音された。画期的なことはいずれにもチャーリー・クリスチャンが参加していることである。なぜ画期的かというと、前年1939年はポール・ウィナーにエラ・フィッツジェラルドとテディ・ウィルソンが選出されえているが黒人のためレコーディングには呼ばれなかった。しかしこの年は、オーケストラ、9重奏団ともにクリスチャン、オーケストラにベニー・カーターが参加しているのである。この実現の経緯なども知りたいところではあるが、記載した記事を見たことがない。
また注目は1938年3月にほとんど喧嘩状態にBGの楽団を退団したジーン・クルーパがドラムに加わっていることである。「コンプリート・ベニー・グッドマン‐RCA全曲集』のモート・グッド氏によれば、「不和は明らかに存在した。しかしふた月もせぬうちに再開する機会が巡ってくると、二人は心から再会を喜んでいるように見えた」と。
実はこの音源は未所有であるが、YouTubeで簡単に聴くことができる。
因みに同じ日にBGはオーケストラで3曲を録音し、さらにセクステットで2曲を録音している。もう一方の人気バンマスで影響力のあり、BGとは犬猿の仲のトミー・ドーシーが参加していないためにできた技かもしれない。
| Trumpet | … | ハリー・ジェイムズ | Harry James | 、 | ジギー・エルマン | Ziggy Elman | 、 | チャーリー・スピヴァク | Charlie Spivak |
| Trombone | … | ジャック・ティーガーデン | Jack Teagarden | 、 | ジャック・ジェニー | Jack Jenny | |||
| Clarinet | … | ベニー・グッドマン | BennyGoodman | ||||||
| Alto sax | … | トゥーツ・モンデロ | Toots Mondello | 、 | ベニー・カーター | Benny Carter | |||
| Tenor sax | … | エディ・ミラー | Eddie Miller | 、 | チャーリー・バーネット | Charlie Barnet | |||
| Piano | … | ジェス・ステイシー | Jess Stacy | ||||||
| Electric guitar | … | チャーリー・クリスチャン | Charlie Christian | ||||||
| Bass | … | ボブ・ハガート | Bob Haggart | ||||||
| Drums | … | ジーン・クルーパ | Gene Krupa | ||||||
| Arrangement | … | フレッチャー・ヘンダーソン | Fletcher Henderson |
TpがリードするアンサンブルからBGのCl、ミラーのTs、ティーガーデンのTs、カーター(多分)のAs、ステイシーのP、Tpと短いソロ回しが行われる。最後はカンサス風のリフのアンサンブルとなる。顔見世的演奏だがこれだけ役者が揃うと聴き応えはある。
| Trumpet | … | ハリー・ジェイムズ | Harry James | ||||
| Trombone | … | ジャック・ティーガーデン | Jack Teagarden | ||||
| Clarinet | … | ベニー・グッドマン | BennyGoodman | ||||
| Alto sax | … | ベニー・カーター | Benny Carter | ||||
| Tenor sax | … | エディ・ミラー | Eddie Miller | 、 | チャーリー・バーネット | Charlie Barnet | |
| Piano | … | ジェス・ステイシー | Jess Stacy | ||||
| Electric guitar | … | チャーリー・クリスチャン | Charlie Christian | ||||
| Bass | … | ボブ・ハガート | Bob Haggart | ||||
| Drums | … | ジーン・クルーパ | Gene Krupa |
ヘッド・アレンジによると思われるブルース・ナンバー。ピアノのイントロからディキシー風のコレクティヴ・アンサンブルとなり、カーターと思われるAs、クリスチャンのGt、ティーガーデン、ステイシー、BG、ハガートのB、ジェイムズのTp、ミラーのTs、クルーパと短いソロ回しが行われ、再びディキシー風のコレクティヴ・アンサンブルとなって終わる。完全に顔見世曲。クリスチャンのソロはほぼ8分音符を使って行われる。
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