ジョン・ハートは、1892年ミシシッピ州アヴァロン(Avalon)で生まれ育った、黎明期を代表するブルース・マン。9歳でギターを学び、1920年代に入るまで、地元のアヴァロンで、農作業の傍ら友人たちの集まりや、ダンス・パーティ―などで演奏していた。たまたまパートナーであるフィドル奏者のウィリー・ナムル(Willie Namour)がフィドル・コンテストで優勝し、レコーディングをすることになり、ナムルはハートを推薦し、Okeh Recordsにレコーディングをすることになった。"Mississippi"は、レコード販売に当たってオーケー社が付けたものであるが、残念ながらこのれらのレコードは商業的には失敗で売れなかったらしい。また大不況以後オーケーが倒産したことで、ハートは地元アヴァロンに戻り、小作人として農作業を行い、友人たちの集まりや、ダンス・パーティ―などで演奏するというかつての生活に戻った。
1963年民俗音楽学者、トム・ホスキンスに再発見され、同年ニューポート・フォーク・フェスティバルに出演、「フォーク・リバイバル」のスターとして脚光を浴び、大学、コンサートホール、コーヒーハウスやテレビ出演など活躍するが、1966年11月心臓発作を起こし、74歳でこの世を去った。
| Vocal & Guitar | … | ミシシッピ・ジョン・ハート | Mississippi John Hurt |
| CD-1. | フランキー | Frankie | 2月14日 | メンフィス録音 |
| CD-2. | ノーバディ・ダーティ・ビジネス | Nobody's dirty business | 2月14日 | メンフィス録音 |
| CD-3. | エイント・ノー・テリン | Ain't no tellin' | 12月21日 | ニューヨーク録音 |
| CD-4. | ルイ・コリンズ | Louis Collins | 12月21日 | ニューヨーク録音 |
| CD-5. | アヴァロン・ブルース | Avalon blues | 12月21日 | ニューヨーク録音 |
| CD-6. | ビッグ・レッグ・ブルース | Big leg blues | 12月21日 | ニューヨーク録音 |
| CD-7. | スタック・オー・リー | Stack O' Lee | 12月28日 | ニューヨーク録音 |
| CD-8. | キャンディ・マン・ブルース | Candy man blues | 12月28日 | ニューヨーク録音 |
| CD-9. | ガット・ザ・ブルース | Got the blues | 12月28日 | ニューヨーク録音 |
| CD-10. | ブレスド・ビー・ザ・ネイム | Blessed be the name | 12月28日 | ニューヨーク録音 |
| CD-11. | プレイング・オン・ザ・オールド・キャンプ・グラウンド | Praying on the old camp ground | 12月28日 | ニューヨーク録音 |
| CD-12. | ブルー・ハーヴェスト・ブルース | Blue harvest blues | 12月28日 | ニューヨーク録音 |
| CD-13. | スパイク・ドライヴァー・ブルース | Spike driver blues | 12月28日 | ニューヨーク録音 |
彼の音楽は「カントリー・ブルース」に分類されることが多いが、いわゆる「ブルース」ナンバーは数が少ない。「〇〇ブルース」とタイトルがついていてもブルースではないものが多い。本国アメリカでは、"Old time music"と言われるらしい。つまりはフォーク・ミュージックである。
ギターはいわゆる「スリー・フィンガー」タイプでつま弾かれ、ヴォーカルもしわがれ声でシャウトするブルースとは異なり、温和で人の心を和ませるような歌い方である。日本でいえば、時代は大分下るが「高田渡」に近い感じである。実際高田渡は一時期ミシシッピ・ジョン・ハートに入れ込んでいたというから、あの彼の芸風の源泉はここにあるのであろう。黒人=ブルースではないということを示す生きた証人であった。