ミシシッピ・ジョン・ハート 1928年

Mississippi John Hurt 1928

ジョン・ハートは、1892年ミシシッピ州アヴァロン(Avalon)で生まれ育った、黎明期を代表するブルース・マン。9歳でギターを学び、1920年代に入るまで、地元のアヴァロンで、農作業の傍ら友人たちの集まりや、ダンス・パーティ―などで演奏していた。たまたまパートナーであるフィドル奏者のウィリー・ナムル(Willie Namour)がフィドル・コンテストで優勝し、レコーディングをすることになり、ナムルはハートを推薦し、Okeh Recordsにレコーディングをすることになった。"Mississippi"は、レコード販売に当たってオーケー社が付けたものであるが、残念ながらこのれらのレコードは商業的には失敗で売れなかったらしい。また大不況以後オーケーが倒産したことで、ハートは地元アヴァロンに戻り、小作人として農作業を行い、友人たちの集まりや、ダンス・パーティ―などで演奏するというかつての生活に戻った。
1963年民俗音楽学者、トム・ホスキンスに再発見され、同年ニューポート・フォーク・フェスティバルに出演、「フォーク・リバイバル」のスターとして脚光を浴び、大学、コンサートホール、コーヒーハウスやテレビ出演など活躍するが、1966年11月心臓発作を起こし、74歳でこの世を去った。

<Date & Place> … 1928年2月14日 メンフィスにて録音、12月21日、28日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ミシシッピ・ジョン・ハート (Mississippi John Hurt)

Vocal & Guitarミシシッピ・ジョン・ハートMississippi John Hurt

<Contents> … "Mississippi John Hurt/Avalon blues"(Columbia CK 64986)

CD-1.フランキーFrankie2月14日メンフィス録音
CD-2.ノーバディ・ダーティ・ビジネスNobody's dirty business2月14日メンフィス録音
CD-3.エイント・ノー・テリンAin't no tellin'12月21日ニューヨーク録音
CD-4.ルイ・コリンズLouis Collins12月21日ニューヨーク録音
CD-5.アヴァロン・ブルースAvalon blues12月21日ニューヨーク録音
CD-6.ビッグ・レッグ・ブルースBig leg blues12月21日ニューヨーク録音
CD-7.スタック・オー・リーStack O' Lee12月28日ニューヨーク録音
CD-8.キャンディ・マン・ブルースCandy man blues12月28日ニューヨーク録音
CD-9.ガット・ザ・ブルースGot the blues12月28日ニューヨーク録音
CD-10.ブレスド・ビー・ザ・ネイムBlessed be the name12月28日ニューヨーク録音
CD-11.プレイング・オン・ザ・オールド・キャンプ・グラウンドPraying on the old camp ground12月28日ニューヨーク録音
CD-12.ブルー・ハーヴェスト・ブルースBlue harvest blues12月28日ニューヨーク録音
CD-13.スパイク・ドライヴァー・ブルースSpike driver blues12月28日ニューヨーク録音

彼の音楽は「カントリー・ブルース」に分類されることが多いが、いわゆる「ブルース」ナンバーは数が少ない。「〇〇ブルース」とタイトルがついていてもブルースではないものが多い。本国アメリカでは、"Old time music"と言われるらしい。つまりはフォーク・ミュージックである。
ギターはいわゆる「スリー・フィンガー」タイプでつま弾かれ、ヴォーカルもしわがれ声でシャウトするブルースとは異なり、温和で人の心を和ませるような歌い方である。日本でいえば、時代は大分下るが「高田渡」に近い感じである。実際高田渡は一時期ミシシッピ・ジョン・ハートに入れ込んでいたというから、あの彼の芸風の源泉はここにあるのであろう。黒人=ブルースではないということを示す生きた証人であった。

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