マグシー・スパニア 1940年

Muggsy Spanier 1940

マグシー・スパニアの1940年の録音を聴いていこう。僕が持っているのは3つのセッションで、どちらも興味深い内容である。

<Date&Place> … 1940年3月24日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … エディー・コンドン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Eddie Condon and his orchestra)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetマックス・カミンスキーMax Kaminskyマグシー・スパニアMuggsy Spanier
Tromboneミフ・モールMiff Mole
Valve-Tromboneブラッド・ゴーワンズBrad Gowans
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Clarinet & Alto saxジョー・マーサラJoe Marsala
Tenor saxバド・フリーマンBud Freeman
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Bassアーティー・シャピロArtie Shapiro
Drumsジョージ・ウェットリングGeorge Wettling

メンバーで興味を惹かれるのは久しぶり登場のミフ・モール。そしてCDではClarinet & Alto saxの"Joe Marsalw"となっているがこれは"Joe Marsala"の誤り。Corにカミンスキーとスパニアという2人の名人クラスが入っているが、僕にはその聴き分けができないのが残念。

<Contents> … "Eddie Condon/That's a serious thing"(History 20.3008-HI)

CD2-15.ア・グッド・マン・イズ・ハード・トゥ・ファインド パート1A good man is hard to find part1
CD2-16.ア・グッド・マン・イズ・ハード・トゥ・ファインド パート2A good man is hard to find part2
CD2-15,16.「ア・グッド・マン・イズ・ハード・トゥ・ファインド パート1&パート2」
実際はパート4まであるようだが、このCDにはパート2まで収録されている。ゆったりとしたテンポで、ステイシーのピアノで始まるブルース。続いてAsがソロを取る。そしてラッセルのClへとバトンが回され、ディキシー風の合奏が入る。ここではTbがリードし、Tpが少しだけソロを取ってパート1は終わる。続くパート2はTpのリードする合奏で始まる。始めのソロはTb。これは多分ミフ・モールではないかと思うが自信はない。そしてClソロへ移り、コルネットのリードする合奏へ移る。短いPソロが入り合奏で終わる。

「Muggsy Spanier/Pee Wee speaks」CD・ジャケット

<Date&Place> … 1940年3月24日〜4月6日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ベシエ・スパニア・ビッグ・フォー(Bechet-Spanier Big Four)

Cornetマグシー・スパニアMuggsy Spanier
Clarinet & Soprano saxシドニー・ベシエSidney Bechet
Guitarカーメン・マストレンCarmen Mastren
Bassウェルマン・ブロウドWellman Braud

<Contents> … "Muggsy Spanier / Pee Wee speaks"(History 20.30051-HI)

CD1-9.スイート・ロレインSweet Lorraine
CD1-10.フォー・オア・ファイヴ・タイムスFour or five times
CD1-11.ザッツ・ア・プレンティThat’s a plenty
CD1-12.スイート・スー・ジャスト・ユーSweet Sue , just you

先ず大変興味深い組み合わせによる録音である。白人ディキシー系硬派コルネット奏者であるマグシー・スパニアにソプラノ・サックス、クラリネット巨人シドニー・ベシエという取り合わせ、そしてこれもギターの名手白人のカーメン・マストレン、そしてエリントン楽団出身のベース・マンウェルマン・ブラウドによる白黒混合カルテット演奏である。これだけ名手が揃うと音が薄くならないものである。演奏はディキシーではなくスイングのコンボの演奏である。

「Muggsy Spanier/Pee Wee speaks」1枚目CD
CD1-9.「スイート・ロレイン」
有名なスタンダード・ナンバー。ここではベシエはソプラノを吹いていると思われる。ブロウドはアルコでプレイしている。スパニアとベシエのフロント・ラインはアドリブというよりメロディーを崩して吹く程度で一人がメロディーを吹くと片方がオブリガードを付けている。
CD1-10.「フォー・オア・ファイヴ・タイムス」
BGなども録音しているスイング時代によく演奏された曲である。まずソロはベシエ(Ss)、そしてスパニアのミュートCorに引き継ぐ。その後はスパニアとベシエの掛け合いになる。マストレンの和音によるソロが入り、合奏に戻る。
CD1-11.「ザッツ・ア・プレンティ」
これもスタンダード的なナンバーである。アップ・テンポのナンバーで、スパニアとベシエの息がよく合っている。ソロはまずはベシエから、ここでもソプラノを吹いているようだ。そしてスパニアはミュートでソロを取る。続いてブロウドのピチカットによるソロ、そして再びベシエがソロを取り、ディキシー風の合奏になり、短いベシエのソロが入って終わる。
CD1-12.「スイート・スー・ジャスト・ユー」
ミディアム・アップ・テンポの曲で楽し気な演奏が繰り広げられる。ここでも最初のソロはベシエ(Ss)、そしてスパニアはオープンでソロを取る。マストレンの和音ソロにベシエが絡み、そしてスパニアとベシエが絡む合奏となって終わる。全曲ともお互いの妙技が発揮されたいいセッションである。

「ボビー・アンド・マグシー/ホーン・ア・プレンティ」レコード・ジャケット

<Date&Place> … 1940年 6月10日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … マグシー・スパニア・ウィズ・リー・ワイリー(Muggsy Spanier with Lee Wiley)

Cornetマグシー・スパニアMuggsy Spanier
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Vocalリー・ワイリーLee Wiley

<Contents> … "Bobby & Muggsy/Horn a plenty"(Commodore K23P-6622)

A面1.ダウン・トゥ・スティームボート・テネシーDown to steamboat Tennessee
A面2.シュガーSugar

まずこのレコードから簡単に紹介すると、同じディキシー系の白人コルネット奏者マグシー・スパニアとボビー・ハケットのコモドア・レーベルへの吹込みを片面ずつに収めたものである。スパニアはコモドアに4セッション計16曲を吹き込んでいるそうだが、そこから8曲が選ばれてA面に収められている。
その最初のセッションは、美人シンガーの誉れ高きリー・ワイリーとの録音。ピアノはBG楽団で活躍したジェス・ステイシー。ワイリーとステイシーは恋仲で、この年二人は結婚している。その二人に割って入るような役割をになったスパニアは少し気の毒な役回りだったろうと思う。

A面1.「ダウン・トゥ・スティームボート・テネシー」
ワイリーとステイシーの共作のスロウ・ブルース。出だしからワイリーは実に色っぽい声で迫ってくる。全篇ほとんどワイリーのヴォーカルでスパニアはオブリガードを付けている。
A面2.「シュガー」
1926年に出版された古いポピュラー・ソングだというが、その後も永くスタンダード・ナンバーとして愛されたナンバー。ワイリーの情感に満ちた実に素晴らしい。スパニアはミュートでソロを取るが、全体に抑え気味で情感たっぷりだ。素晴らしい。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。