レッド・ニコルスの1928年の録音を聴いていこう。レッド・ニコルスとファイヴ・ぺニーズは以前書いたように固定的なバンドではないが、ベニー・グッドマンがレッド・ニコルスに呼ばれたら行くしかないと述べているように、この時代の重要バンドであり、そのレコーディングは重要セッションの一つであった。しかし現在レコード・ショップなどでもほとんどレコード、CDを見かけることはないのは、残念なことである。
僕自身も1928年の「レッド・ニコルスとファイヴ・ぺニーズ」の録音は、2月と5月の3セッション、3曲だけである。
| Cornet & Band leader | … | レッド・ニコルス | Red Nichols |
| Trombone | … | ミフ・モール | Miff Mole |
| Clarinet | … | ピー・ウィー・ラッセル | Pee Wee Russell |
| Clarinet and Alto sax | … | ファド・リヴィングストン | Fud Livingston |
| Mellophone | … | ダドリー・フォスディック | Dudley Fosdick |
| Piano & Celesta | … | レニー・ヘイトン | Lennie Hayton |
| Guitar | … | カール・クレス | Carl Kress |
| Drums | … | ヴィック・バートン | Vic Berton |
| A-2. | アヴァロン | Avalon | 2月25日 |
| A-1. | 恋人が無いとね | Nobody's sweetheart | 2月27日 |
A-2.アヴァロン
解説の大和明氏は当時としては異色の楽器編成というが、現在でも十分に珍しい編成である。チェレスタは勿論エンディング直前に吹かれるメロフォーン(写真右)のソロは大変珍しいというが、まさにその通りで実際僕は初めて聴いた。大和明氏によれば、奏者のフォスディックはこの楽器のパイオニアであるという。
アンサンブルの後ラッセルかリヴィングストンのCl、モールのTbと聴き応えのあるソロが続き、チェレスタの後に件のメロフォンの短いソロが入る。僕はずーっとニコルスのコルネットとばかり思っていた。
A-1.恋人が無いとね
初期白人ジャズバンドN.O.R.K.(ニュー・オリンズ・リズム・キングス)のレパートリーだという。大和氏によれば、ファド・リヴィングストンが非常に良いアンサンブル・アレンジを施すことにより洗練された色彩豊かな演奏に仕立て上げているという。フランク・テッシュメーカー張りのリヴィングストンのClソロと多分ニコルスと思われるコルネット・ソロが聴かれると大和氏。
| Trumpet & Band leader | … | レッド・ニコルス | Red Nichols | |||
| Trumpet | … | レオ・マッコンヴィル | Leo McConville | 、 | マニー・クライン | Manny Klein |
| Trombone | … | ミフ・モール | Miff Mole | |||
| Clarinet and Tenor sax | … | ファド・リヴィングストン | Fud Livingston | |||
| Mellophone | … | ダドリー・フォスディック | Dudley Fosdick | |||
| Violin | … | マレイ・ケルナー | Murray Kellner | |||
| Piano | … | アーサー・シャット | Arthur Schutt | |||
| Guitar | … | カール・クレス | Carl Kress | |||
| Bass | … | アーティー・ミラー | Artie Miller | |||
| Drums | … | ヴィック・バートン | Vic Berton |
A-6.ゼアル・カム・ア・タイム(There'll come a time)
これもディキシー色が濃いが、こういう大人数でディキシーというのは珍しい。モールとリヴィングストンのソロの掛け合いが楽しい。<メロフォーン>という楽器はフレンチ・ホルンの代わりなどに使われたらしいが、僕は「レッド・ニコルス物語」収録の「アヴァロン」を聴いて解説を読むまで、コルネットと思っていたソロが<メロフォーン>だったので、聴いていてはっきりとどの音がそうか判別できない。