スタン・ケントン 1942年

Stan Kenton 1942

「ワン・ナイト・スタンド・ウィズ・スタン・ケントン」アルバム・タイトル

前年1941年にバンド・デビューしたスタン・ケントンの翌1942年の演奏を取り上げる。その音源は"Joyce music"なるところから出ているアルバム"One night stand with Stan Kenton"(Joyce 1140)である。そのタイトルを拡大したものが右である。
オハイオ州クリーヴランドの"Town casino"で、1942年6月17日に行われたコンサートと"The meadowbrook"で1942年7月7日で行われたコンサートを録音したもの(多分ラジオ放送用)を収録してあると書いてある。裏面のデータにもそう表記してある。結果から言うとこれは大間違いである。

「ワン・ナイト・スタンド・ウィズ・スタン・ケントン」裏面パーソネル

まず「?」と思ったきっかけは、わずか20日の違いでパーソネルが、1人を除いて総入れ替えになっていることと次に"Town casino"での出演メンバーの「若さ」である。Tpセクションだけを見ても当時の年齢は、バディ・チルダーズの16歳、クライド・リージンガーは15歳、コンテ・カンドリは14歳、リューベン・マクフォールなどは11歳、ドン・デニスも14か15歳である。ケントンは同地の中学生を主体とした音楽クラブに指導に行った時の録音かと思うような若さである。そこでググってみると、NBCの”Stan Kenton show/Concert in miniature”に"Town casino , Cleveland , Ohio"があり、日付は1952年6月17日となっている。つまりレコード会社”Joyce music”が10年間違え、1952年を1942年と記載してしまったとしか思えないのである。
しかし同資料から”The meadowbrook”で行われたコンサートは1942年7月7日で間違いなさそうなので、今回はこちらだけを取り上げることにした。

「ワン・ナイト・スタンド・ウィズ・スタン・ケントン」レコード・ジャケット

<Date & Place> … 1942年7月7日ニュージャージー州シダー・グローヴ ザ・メドウブルックにてラジオ放送用実況録音

<Personnel> … スタン・ケントン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Stan Kenton and his Orchestra)

Band leader & Pianoスタン・ケントンStan Kenton
Trumpetフランク・ビーチFrank Beachチコ・アルヴァレスChico Alvarezアール・コリア―Earl Collier
Tromboneジョー・ハワードJoe Howardハリー・フォーブスHarry Forbesボブ・バーバーBob Barber
Alto Saxジャック・オーディーンJack Ordeanビル・ラヘイBill Lahey
Tenor saxテド・ロマーサTed Romersaレッド・ドリスRed Dorris
Baritone saxボブ・ジオガBob Gioga
Guitarアル・コスティAl Costi
Bassラリ―・グランジャーLarry Granger
Drumsマーヴィン・ピー・ウィー・ジョージMarvin "Pee Wee" George
メドウブルックでのケントン楽団

前回1941年8月中旬〜9月19日ロサンゼルスで行われたラジオ放送用スタジオ実況録音からの移動。
Trombone … ディック・コール ⇒ ジョー・ハワード、ボブ・バーバー
Bass … ハワード・ラムゼイ ⇒ ラリ―・グランジャー
あまり大きな移動は無い。

<Contents> … "One night stand with Stan Kenton"(Joyce 1140)

B面4.アーティストリー・イン・リズムArtistry in rhythm
B面5.ミュージック・イン・リズムMusic in rhythm
B面6.ヒア・ユー・アーHere you are
B面7.ギャンブラーズ・ブルースGambler's blues
「ワン・ナイト・スタンド・ウィズ・スタン・ケントン」B面ラベル

B面4.「アーティストリー・イン・リズム」
先ずはこの当時テーマ曲だった「アーティストリー・イン・リズム」でスタートする。よく言えば厳粛、で荘厳な感じの曲だが、ともすれば暗く重たいのでさぁこれから楽しく踊ろうぜという雰囲気にはなれないのだが、それでいいのだろう。
B面5.「ミュージック・イン・リズム」
アンサンブルのイントロの後ケントンが4小節くらい弾いてテーマに入る。ケントン自身のアレンジのようだ。最初にソロを取るのはTp、アンサンブルを挟んでTsがソロを取る。ソロの比重は低くアンサンブル中心のダンサブルな演奏である。
B面6.「ヒア・ユー・アー」
アンサンブルのイントロの後ヴォーカルが入る。歌っているのはTsのレッド・ドリス。歌いっぷりはプロのシンガーのようである。アンサンブル中心だが間にTpソロが入る。見事なアンサンブルである。
B面7.「ギャンブラーズ・ブルース」
MCによる曲紹介があり、イントロが入り、ジョニー・ホッジス張りのAsが入ったところでブチっと録音が終了する。何てこったい!「ギャンブラーズ・ブルース」というタイトルが付いているが、曲は「セント・ジェームズ病院」である。こういったことはASCAPとBMIの対立問題が影響しているのであろう。

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