この年から始められた「メトロノーム」誌による39年度のポール・ウィナーズ選出に、たった2人だけ黒人、ピアノ部門のテディ・ウィルソンとヴォーカル部門のエラ・フィッツジェラルドが選出されます。しかしそのポール・ウィナーによるレコーディングには黒人を理由に呼ばれませんでした。テディの忸怩たる思いが想像されます。
僕の持っているテディの音源は激減し、1月30日のブランズウィック・セッション最後の録音のみです。
| Band leader & Piano | … | テディ・ウィルソン | Teddy Wilson |
| Trumpet | … | ロイ・エルドリッジ | Roy Eldridge |
| Clarinet & Alto sax | … | ベニー・カーター | Benny Carter |
| Tenor sax | … | アーニー・パウエル | Ernie Powell |
| Guitar | … | ダニー・バーカー | Danny Barker |
| Bass | … | ミルト・ヒントン | Milt Hinton |
| Drums | … | コジ―・コール | Cozy Cole |
| Vocal | … | ビリー・ホリディ | Billie Holiday |
このセッションにおける担当楽器については色々説があるというが、ここでは上記レコード解説の大和明氏の説を記載しておく。
| Record2 A-1. | 何て言ったらいいの | What shall I say ? |
| Record2 A-2. | お天気のせいなのよ | It's easy to blame the weather |
| Record2 A-3. | 貴方が考える以上に | More than you know |
| Record2 A-4. | シュガー | Sugar |
ジョン・ハモンド監修によるテディ・ウィルソンとビリー・ホリディのコンビによるブランズウィック・セッション最後の録音。前年度の録音では、テディは他のメンバーに余りソロを取らせていない。サックスを中心としたアンサンブルなどをバックにテディのピアノを浮き上がらせていると、解説では書かれているがここではメンバーにも十分ソロ・スペースを与えている。テディに心境の変化があったのだろうか。ともかくこの後テディは自分のオーケストラを率いてレコーディングを始める。その吹込みは当初ブランズウィックに行われるが、その都度都度の顔合わせではなく、レギュラー・バンドによるものなので、「ブランズウィック・セッション」とは呼ばないのだろう。残念ながらそれらの吹込みは保有していない。
アーニー・パウエルは当時ベニー・カーターの楽団にいたTs奏者だという。このパウエルが頑張ったことでこのセッションは素晴らしいものになった。テディ、エルドリッジ、カーターと名人が揃えばいいセッションになるという当たり前と言えば当たり前のことをこのセッションからは感じることができる。このセッションでのビリーは好きだなぁ。