ウィリアム・オルブライト「ザ・コンプリート・ラグズ・オブ・スコット・ジョプリン」

William Albright“The complete rags of Scott Joplin”

「ザ・コンプリート・ラグズ・オブ・スコット・ジョプリン」CD・ジャケット

<Date & Place> … 1989年12月16〜19日 テネシー州マーフレスボロ、中テネシー州立大学にて録音

<Personnel>

Pianoウィリアム・オルブライトWilliam Albright

<Contents> … William Albright“The complete rags of Scott Joplin”(BMG 7061-2-C)

CD1
CD2
1メイプル・リーフ・ラグMaple leaf rag1ア・ラグタイム・ダンスA ragtime dance
2オリジナル・ラグスOriginal rags2ノンパレイルNonpareil
3ザ・フェヴァリットThe favorite3リフレクション・ラグReflection rag
4ジ・イージー・ウィナーズThe easy winners4グラジオラス・ラグGladiolus rag
5ピーチライン・ラグPeacherine rag5サーチライト・ラグSearchlight rag
6ジ・エンターティナーThe entertainer6ローズ・リーフ・ラグRose leaf
7ザ・ストレニュアス・ライフThe strenuous life7パイン・アップル・ラグPine apple rag
8エリート・シンコペイションズElite syncopations8フィグ・リーフ・ラグFig leaf rag
9ア・ブリーズ・フロム・アラバマA breeze fron Alabama9シュガー・ケインSugar cane
10パーム・リーフ・ラグPalm leaf rag10カントリー・クラブCountry club
11ウィーピング・ウィロゥWeeping willow11パラゴン・ラグParagon rag
12ザ・カスケイズThe cascades12ウォール・ストリート・ラグWall street rag
13ザ・サイカモアThe sycamore13ユーフォニック・サウンズEuphonic sounds
14ザ・クライサンシ−マムThe chrysanthemum14ソレイスSolace
15レオラLeola15ストップタイム・ラグStoptime rag
16ユージニアEugenia16スコット・ジョプリンズ・ニュー・ラグScott Joplin’s new rag
17シルヴァー・スワン・ラグSilver swan rag
18マグネティック・ラグMagnetic rag

さて以下は2014年にこのCDを取り上げた時の記事を一部残しておこう。
「読書百遍、意自ずから通ず」という言葉があるが、僕は「聴取百篇、意自ずから通ず」ると思っているところがあって、先ずは数多く、何回も聴けば自ずとわかると思い、数多く聴くことから始めることにしたい。
では、何を聴くか?「ラグタイム・ミュージック」と言えば日本で一番有名なのは、スコット・ジョプリンであろう。なぜ日本でスコット・ジョプリンが有名かと言えば、1973年公開のアカデミー作品賞受賞映画『スティング』(“The sting”)の主題曲として使われた「ジ・エンターティナー」(“The entertainer”)が日本でもヒットし、一時日本でもラグタイムというジャンルが注目され、作曲したスコット・ジョプリンの名前も一般に知られるようになったからである。
僕の記憶なので、どこまで正確かわからないが、映画『スティング』は、1936年のシカゴを舞台にした映画で、監督はアメリカン・ニュー・シネマの代表作と言われる『明日に向かって撃て』で大ヒットを飛ばし巨匠と言われ出したジョージ・ロイ・ヒル、彼は作品の主題歌にちょっと古めかしい曲をと思い、自分で見つけたのか推薦があったのかは忘れたが、ラグタイムのこの曲を使おうとしたところ、音楽担当のマーヴィン・ハムリッシュは大反対したという。なぜかというと、1936年当時ラグタイムの時代はとうに終わっており時代を反映していない、この曲を使うと1936年当時シカゴの街にはラグタイムが流れていたと誤解される恐れがある、史実に反するというものだったという。しかしヒルは「この映画は史劇ではないんだ、娯楽作(entertaiment)なんだ!」と言って推し切ったという。僕も封切館ではなく少し後大学に入ってからリヴァイヴァルで見たが、映画はとても面白く、音楽も見事にマッチしていると思ったが、後でこのラグという音楽は映画の時代には実は廃れていたということを聞き驚いた覚えがある。
話がそれたが、僕がこの2枚組CDを購入したのは、2枚組で曲がたくさん入っているからである。たっぷり聴けるそう思い今から6、7年前に購入したのだった。僕は平日会社に行く朝はご飯とお味噌汁を中心とした和食の朝食を摂っているが、休日はパンと紅茶を中心としたこざっぱりとした朝食を自分で作って食べている。そんな時のBGMに最もふさわしい音楽だと思うのである。土曜日はCD1、翌日曜はCD2とかけっぱなしにしている。全然違うかもしれないが、ちょっとばかり格調があり、アメリカ南部の初夏から夏のころのあまり早くない朝にリビング・ルームのカーテンを揺らせて入ってくるそよ風が似合う。僕は2杯目の紅茶を飲みながら、食後の一服を吸うと実際の金銭的には貧しいのだが、豊かな心持になれたりする。
という訳でよく聴くことは聴くのだが、では“ragtaime”の何たるかが分かったかと言えばさっぱり分からんということになる。
さて、演奏者のウィリアム・オルブライト氏についてはあまり詳しいことは分からない。1944年10月20日インディアナ州で生まれた音楽家でどちらといえばクラシック畑での活躍が多いようだ。1998年9月17日53歳という若さで亡くなられたようだ。
スコット・ジョプリンの作品集CDは何種か出ているが、定評があるのはジョシュア・リフキンによる録音のようだ。僕はその時は今よりもっと知識がなくただ単に2枚組で収録曲が多いということでこのCDを購入したのだった。ジョプリンは多作家で全作品数は600曲にも上るという。しかしラグタイムはその内約30曲ちょっとというからここに収められた全34曲はほとんどを網羅しているのではないだろうか。そのため”The complete”と謳っているのだろう。
曲によって、”A ragtime two-step”のような表記がある。これはダンスのステップだという。ラグタイムはダンスの伴奏の音楽だったのだろうか?この時代はピアノ伴奏でダンスをしたのだろうか?最近ではあまり想像できないことであるが。

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