コールマン・ホーキンス 1926年

Coleman Hawkins 1926

「スタディ・イン・フラストレイション」CD・ジャケット

ホークが在団していたヘンダーソン楽団は、ルイの去った後どうなったのであろう。ルイが去った後ヘンダーソン楽団はどうしていたか?コルネットにラッセル・スミスを加え、盛んに活動していたのである。吹込みも多く行っていたようである。ヘンダーソンのディスコグラフィーを見ると1926年には27面分の録音を行ったようだが、CD“A study in frustratin”に収録されているのは2セッション4曲だけである。
そしてこの4曲の吹込みの日付について触れておきたい。まずその4曲と記載について、
曲名CD収録位置CD記載録音日ディスコグラフィー記載録音日
ザ・スタンピードCD1-12.5月14日5月14日
ジャッカス・ブルースCD1-13.5月14日5月14日
ヘンダーソン・ストンプCD1-14.3月11日11月3日
ザ・チャントCD1-15.3月11日11月3日
「スタンピード」、「ジャッカス・ブルース」の2曲は、CD“A study in frustratin”、ディスコグラフィーとも日付、パーソネルとも同じ記載なので問題ないであろう。問題はCD-14,15で、まず記載されたパーソネルは同じで、日付だけが異なる。日本語で書くと「11月3日」と「3月11日」を間違えたのだろうと思われるかもしれないが、このCDは輸入盤なので実際には”March 11,1926”と記載されているのである。
11月3日か3月11日か?こういった食い違いのどれが正しいかの判定は僕にはできないが、このCD“A study in frustratin”はほぼ録音順に曲を収録しているが、もし「3月11日」録音が正しいとすればなぜここだけ順番を変えたのだろう。後に触れるようにファッツ・ウォーラーのPとOrgの記載のこともあり、僕はこのCDの記載についてちょっと怪しいなと思っているので、ここではWebディスコグラフィーに従うことにした。またガンサー・シュラー氏も「ヘンダーソン・ストンプ」を1926年の終わりころに録音されたとしている。
シュラー氏は、また1926年初頭にルイ以外の重要な人物の加入について触れているが、そちらについては「フレッチャー・ヘンダーソン 1926年」を参照のこと。

「フレッチャー・ヘンダーソン/ア・スタディ・イン・フラストレイション」CD1枚目

<Date & Place> … 1926年5月14日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel>…フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his orchestra)

Piano & Band readerフレッチャー・ヘンダーソンFletcher Henderson
Trumpetジョー・スミスJoe Smithラッセル・スミスRussell Smith
Cornetレックス・スチュワートRex Stewart
Tromboneベニー・モートンBenny Morton
Clarinetバスター・ベイリ―Buster Bailey
Clarinet ,Alto sax & Oboe , arrangerドン・レッドマンDon Redman
Clarinet & Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Banjoチャーリー・ディクソンCharlie Dixon
Tubaラルフ・エスクデロRalph Escudero
Drumsカイザー・マーシャルKaiser Marshall

<Contents> … "Fletcher Henderson/A study in frustration"(Essential・JAZZ・Classics EJC55511)

CD1-12.ザ・スタンピードThe stampede
CD1-13.ジャッカス・ブルースJackass blues

CD1-12.ザ・スタンピード
まずこの演奏はジョー・スミス(Tp)の名演が聴かれることで有名なトラックだが、それについては先述の「フレッチャー・ヘンダーソン 1926年」に詳述しているのでここでは省く。
ピアノ等によるイントロの後レックス・スチュワートが演奏全体の活発な雰囲気を刻印する鋭角的で元気あふれる導入のソロで口火を切る。そしてホークのソロとなる。このソロについて油井氏は「バド・フリーマンに似ている。初期のフリーマンがこのことのホークを出発点としていることを示すようだ」と変な解説をしている。一方シュラー氏は、「ホーキンスが、ルイのスタイルの旋律で作られた、長くて、構造のしっかりしたソロを提示する。」とする。ともかくここでのホークは、スラップ・タンギング奏法を取らず、現在聴かれるようなソロになっていることに注目したい。シュラー氏はそれこそがルイの影響であると述べているのである。
ジャッカス・ブルース(Jackass blues)
CD1-15.The chantと同じメル・ステッツェルの作品。出だしはゆったりしたアンニュイな感じのブルース。覚えやすいメロディを持っている。まずソロはモートンのTbの後、ブレイクを活かしたアンサンブルがあり、Clソロとなる。そしてTp或いはCorのソロの後テーマの合奏で終わる。これも質の高い演奏だと思うがホークのソロはない。

「フレッチャー・ヘンダーソン/ア・スタディ・イン・フラストレイション」CD1枚目

<Date & Place> … 1926年11月3日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel>…フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his orchestra)

Piano & Band readerフレッチャー・ヘンダーソンFletcher Henderson
Trumpetジョー・スミスJoe Smithラッセル・スミスRussell Smithトミー・ラドニアTommy Ladnier
Tromboneベニー・モートンBenny Morton
Clarinetバスター・ベイリ―Buster Bailey
Clarinet ,Alto sax & Oboe , arrangerドン・レッドマンDon Redman
Clarinet & Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Piano & Organファッツ・ウォーラーFats Waller
Banjoチャーリー・ディクソンCharlie Dixon
Tubaジューン・コールJun Cole
Drumsカイザー・マーシャルKaiser Marshall

<Contents> … "Fletcher Henderson/A study in frustration"(Essential・JAZZ・Classics EJC55511)

CD1-14.ヘンダーソン・ストンプHenderson stomp
CD1-15.ザ・チャントThe chant

まず意外なのは、この日の2面分の録音には何とファッツ・ウォーラーが参加していることである。シュラー氏は、ウォーラーは店で平らげた12個のハンバーガーの代金が支払えずここでピアノを弾くことなったという面白いエピソードを紹介している。
さらにウォーラーに関して、CDでは“Henderson stomp”がオルガン、次曲“The chant”がピアノと記されているが、ディスコグラフィーでは逆で、“Henderson stomp”がピアノ、次曲“The chant”がオルガンと記されている。シュラー氏もこちらでPを弾いているのはウォーラーとしている。
どうもCDの記載に誤りがあるような気がする。というのもCD1-14ではどう聞いてもオルガンの音が聞こえないのである。
CD1-14.ヘンダーソン・ストンプ、CD1-15.ザ・チャント
両曲とも聴き処の多い名演であるが、両曲ともホークのソロはない。こちらも「フレッチャー・ヘンダーソン 1926年」に詳述しているのでそちらを参照してください。

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