エディ・ラング 1929年
Eddie Lang 1929
<Date & Place> … 1929年3月5日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ルイ・アームストロング・アンド・ヒズ・オーケストラ(Louis Armstrong and his orchestra)
<Contents> … 「黄金時代のルイ・アームストロング」(TOCJ-5221〜28)&ブルー・ギターズ(P-vine BGO CD327)
CD3-20.&CD-1-8.壺を叩いて(Knockin' a jug)
ジャズの革命児、ルイ・アームストロングとの共演である。しかもジャズ史上に残る重要セッションにラングも参加することになった。詳しくは「ルイ・アームストロング1929年」に譲るが、ラングが呼ばれた理由として、もちろん当時最高のギタリストだったということと人種に拘りなく黒人ミュージシャンと共演していることなどが挙げられるだろう。
演奏内容は、まずラングのアルペジオのイントロから始まるがここは余りブルースらしくない。そしてティーガーデンが2コーラスのソロを吹く。最初に1コーラスが主旋なのかどうか原曲を知らないので分からない。2コーラス目はアドリブであろう。そしてラングが1コーラスのソロ、続くのはコールドウェルのテナーが1コーラス、そしてサリヴァンが1コーラスのソロを取るがこれがドラムの音が大きくてよく聴こえない。そしてトリは主役ルイが2コーラスのソロを取る。1コーラス目の出だしは抑えて吹き出し、2コーラス目は高音部を主体に吹くが派手さを抑えたソロでそのまま短いカデンツァからエンディングに入る。さすがの貫禄で締めくくる。要は各人のソロ回し、顔見世興行的だが、友好に満ちたいい雰囲気が漂う各人の名人芸を楽しむというトラックである。
<Date&Place> … 1929年4月30日 ニュー・ヨークにて録音
<Personnel> … ブラインド・ウィリー・ダン・アンド・ヒズ・ジン・ボトル・フォー(Blind Willie Dunn & his gin bottle four)
これは貴重な音源である。「ブラインド・ウィリー・ダン・アンド・ヒズ・ジン・ボトル・フォー」というイカした名前のグループだが、リーダー格の「ブラインド・ウィリー・ダン」とはエディ・ラングの変名であることは、前回「エディ・ラング 1928年」で触れた。この名前はいかにも黒人らしい名前で、黒人の名ギタリスト、ロニー・ジョンソンとのコラボの際に使われたというがここでも登場している。
そして何よりも注目はジョー・キング・オリヴァーが参加していることで、オリヴァーについては1928年9月のディキシー・シンコペイターズの録音が僕の持っている最後の録音と記したが、ここで再登場してくるとは思わなかった。この時オリヴァーは素晴らしいプレイを披露しているのでこの録音は期待大である。
そうしてもう一人注目はホーギー・カーマイケルの参加である。彼はご存じの通り白人の作曲家兼ピアニストでこれまでビックス・バイダーベックやフランク・トラウンバウアー達と交流で登場していた。J.C.ジョンソンは『ジャズ・人名辞典』にも記載のない黒人ピアニストで、作曲家としても幅広く活躍した人物である。要は白人2人+黒人2人という混合セッションである。当時として極めて異例と言わねばならないであろう。
<Contents> … 「ブルー・ギターズ」(P-vine BGO CD327)
| CD2-15. | ジェット・ブラック・ブルース | Jet black blues |
| CD2-16. | ブルー・ブラッド・ブルース | Blue black blues |
CD2-15.ジェット・ブラック・ブルース
ゆったりとしたテンポのブルースで、イントロはラングが弾き、続いてオリヴァーがテーマを吹き、ジョンソンのソロとなるがラグタイムっぽい奏法である。カーマイケルのスキャット・ヴォーカルの後オリヴァーのソロ、そこにラングが絡んでいく。
CD2-16.ブルー・ブラッド・ブルース
イントロの後テーマはオリヴァー。まずラングが素晴らしいソロを2コーラス取り、カーマイケルの1コーラスのスキャット続いてオリヴァーが2コーラス・ソロをとる。こう言っては何だが約2か月前のルイのソロと比べると聴き落ちしてしまう。
<Date&Place> … 1929年5月7、8日 ニュー・ヨークにて録音
<Personnel> … ロニー・ジョンソンとブラインド・ウィリー・ダン(Lonnie Johnson & Blind Willie Dunn)
<Contents> …「ブルー・ギターズ」(P-vine BGO CD327)
| CD2-10. | ギター・ブルース | Guitar blues | 5月7日 |
| CD2-11. | ブル・フロッグ・モーン | Bull frog moan | 5月7日 |
| CD1-12. | ブルー・ギターズ | Blue guitars | 5月8日 |
| CD2-12. | ア・ハンドフル・オブ・リフズ | A handful of riffs | 5月8日 |
CD2-10.ギター・ブルース
素晴らしいギター・コラボレイションを聴かせてくれる。現代ならステレオで左ロニー、右エディのような振り分けでより楽しめるのにと思ってしまう。
CD2-11.ブル・フロッグ・モーン
少しテンポを落とした演奏でそれぞれが聴き応えのあるソロを展開する。
CD1-12.ブルー・ギターズ
ゆったりとしたテンポの曲。双方とも憂いを含んだブルーなプレイを聴かせる。
CD2-12.ア・ハンドフル・オブ・リフズ
こちらはグッとテンポを上げて、これでもかと高度なテクニックを駆使して弾きまくる。これも聴き応えがある。
<Date & Place> … 1929年5月8日 ニュー・ヨークにて録音
<Personnel>
<Contents> … 「ベッシー・スミス物語第3集/エンプティ・ベッド・ブルース」(CBS SOPB 55032)
| レコード2 A-1. | アイム・ワイルド・ザット・シング | I'm wild about that thing |
| レコード2 A-2. | 少し頂だい | You've got to give me some |
| レコード2 A-3. | キッチン・マン | Kitchen man |
ベッシーが約9か月の間を置いての久々に録音に復帰した作品にラングが起用されたことは注目していい。共に伴奏を務めるのは、クラレンス・ウィリアムス(黒人)でそこに白人のラングが加わるのは稀なことである。しかしラングはこの日黒人の名ギタリスト、ロニー・ジョンソンと録音を行っているように、そんなことはまったく気にしていなかったのであろう。
この日レコーディングを行った3曲は共に飛んでもないエロ・ソングということである。ただし演奏はウィリアムスのピアノはほとんど目立たず、ラングがオブリガード、ソロと活躍する。ベッシーがこういったギター伴奏で歌うのは珍しく、それだけラングの腕前が評価されてのことであろう。聴くだけでは歌詞の分からない僕には聴きごたえのある作品である。
<Date&Place> … 1929年10月5日録音
<Personnel> … エディ・ラングズ・オーケストラ(Eddie Lang's orchestra)
<Contents> … "Mildred Bai;ey/Her greatest performances"(Columbia JC3L-22)
| Record1 A-7. | ホワット・カインド・オブ・マン・イズ・ユー? | “What kind of man is you ?” |
「スイングの女王」と呼ばれるミルドレッド・ベイリーの初レコディング。当時はイギリスでしか発売されず、ベイリーの名前のクレジットはなかったという。
まずラング名義のオーケストラがあったというのが意外ではあるが、当時かなり幅広い活躍していたことが分かる。メンバーはポール・ホワイトマンのオーケストラゆかりの人物が多いが、それは彼女が当時在団していたからであろう。Tpのアンディ・セクレストはビックス・バイダーベックのフォロワーとして日本での評価は芳しくない人物である。
アンサンブル主体で歌のは短いが当時の楽器演奏者が率いるバンドの歌物は大体そういう傾向にあるので、意外ではない。ちょっとデキシー・フレイヴァ―を感じさせるのは時代のせいか?またこころなしか緊張した硬い歌声のように聞こえる。
<Date&Place> … 1929年10月9日 ニュー・ヨークにて録音
<Personnel> … ロニー・ジョンソンとブラインド・ウィリー・ダン(Lonnie Johnson & Blind Willie Dunn)
<Contents> …「ブルー・ギターズ」(P-vine BGO CD327)
| CD1-1. | ホット・フィンガーズ | Hot fingers |
| CD1-7. | ミッドナイト・コール・ブルース | Midnight call blues |
| CD1-15. | ディープ・マイナー・リズム | Deep minor rhythm |
CD1-1.ホット・フィンガーズ
アップ・テンポのホットなナンバー。次から次へと高度な技を繰り出してくるがこの二人であれば、驚くには当たらないのだろう。
CD1-7.ミッドナイト・コール・ブルース
少しテンポを落としたナンバー。
CD1-15.ディープ・マイナー・リズム
ミディアム・テンポのナンバーで、これも聴きどころ満載の演奏である。
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