ジョージ・ルイス 1944年
George Lewis 1944
バンク・ジョンソンの復活レコーディングで名を知られるようになったジョージ・ルイスは、1943年初めて自己の名を冠したバンドで、レコーディングを行った。当のバンクが西海岸に出かかていて、留守だったこともあり、ウィリアム・ラッセル氏が実施したのであろう。その後は本業の波止場人夫に戻っていたのだろうか?この辺りの消息を伝えるものはない。
<Date & Place> … 1944年7月27日 ニューオリンズ・ジョージ・ルイスの自宅にて録音
<Personnel> … ジョージ・ルイス(George Lewis)
<Contents> … 「ジョージ・ルイス・アット・ホーム」(VC-4006)
| 91 | A面2. | ジョージ・ルイス・プレイズ・フルート | George Lewis plays Flute |
| 92a,b | A面1. | ライフ・ウィル・ビー・スイーター・サムデイ | Life will be sweeter someday |
1944年7月27日ルイスの自宅の居間でちょっとした録音が行われた。録音というより「試し録り」である。解説によると病院から退院してきたルイスが、再びクラリネットが吹けるかどうか案じながら、吹き出す姿を捉えたものだという。どんな病気でどのくらい入院していたの記載はない。その姿をウィリアム・ラッセルや僚友たちが見守っていた。そのドキュメントである。
<Personnel> … ジョージ・ルイス・トリオ・アンド・カルテット(George Lewis Trio & Quartet)
<Contents> … 「ジョージ・ルイス・アット・ホーム」(VC-4006)、「ジョージ・ルイス」(VC-4005)&"George Lewis 1943-45"(Storyville 670 201)
| 92c | AH-A面3. | ライフ・ウィル・ビー・スイーター・サムデイ | Life will be sweeter someday |
| 93 | AH-A面5. | アイス・クリーム | Ice Cream |
| 94 | B面5. | アイス・クリーム | Ice Cream |
| 95 | SV-A面5. | バーガンディ・ストリート・ブルース | Burgundy street blues |
| 96 | AH-A面6. | ジャスト・ア・クローザー・ウォーク・ウィズ・シー | Just a closer walk with thee |
| 97,98 | AH-A面4. | サ・ジャシント・ストンプ | San Jacinto stomp |
上記の試し吹きを終えて、「どうだい?」(ラッセル氏と僚友たち)、「大丈夫、行けるよ」(ルイス)ということになって早速、そのままトリオとカルテットの録音が行われることになる。番号順に聞いていくことにしよう。
92c「ライフ・ウィル・ビー・スイーター・サムデイ」
一人で試し吹きをし、ルイスは大丈夫ということで、トリオによる演奏が行われる。ルイスの音色はあくまで澄んで美しい。
93,94「アイス・クリーム」
[93]ルイスは快調に飛ばしていくが、途中完全によれるところがある。[94]は完全版で、ルイスは低音から高音まで縦横に駆使してその卓抜たるテクニックを披露している。
95「バーガンディ・ストリート・ブルース」
Storyville盤に収録されている。ルイス自作の名曲。
96「ジャスト・ア・クローザー・ウォーク・ウィズ・シー」
この曲のみトロンボーンのジム・ロビンソンが加わる。ルイスのプレイは実に快調である。いささかのよどみも無く音色も美しい。
97,98「サ・ジャシント・ストンプ」
ちょっとテンポ・アップした演奏。[97]は途中で止まる。[98]も途中で止まってしまう。演奏は快調のように聴こえるが、何かトラブルがあったのだろう。
1944年7月29日までに、西海岸に行っていたバンク・ジョンソンがニューオリンズに帰ってきます。
<Date & Place> … 1944年7月29日 ニューオリンズ・ジャシント・ホールにて録音
<Personnel> … バンク・ジョンソンズ・ニューオリンズ・バンド(Bunk Johnson's New Orleans band)
<Contents> … 「バンク・ジョンソン・1944・第3集」(VC-4008)
[110]第3集B面2.「ロウダウン・ブルース」(Lowdown blues)
解説の河野隆次氏は、ロウダウンの味をいかんなく発揮したブルースと述べているが、この「ロウダウンの味」が分からない。長く尾を引くチューバ、メロディ・リズム各楽器のきめ細かい動き、すきのない完璧なブルースの傑作と評価している。
<Date & Place> … 1944年7月31日 ニューオリンズ・ジャシント・ホールにて録音
<Personnel> … ジム・ロビンソンズ・ニューオリンズ・バンド(Jim Robinson's New Orleans band)
<Contents> … 「ジョージ・ルイス」(VC-4005)
[201]B面2.「サン・ジャシント・ストンプ」(San Jacinto stomp)
ミディアム・テンポで、マレロの刻むバンジョーが心地よいスイング感を創り出している。そのため他のメンバーも良い感じでスイングしている。
同日にバンク・ジョンソンの録音も行われた。
<Date & Place> … 1944年7月31日 ニューオリンズ・ジャシント・ホールにて録音
<Personnel> … バンク・ジョンソンズ・ニューオリンズ・バンド(Bunk Johnson's New Orleans band)
7月29日のメンバーに
Vocal … マートル・ジョーンズ(Myrtle Jones)が加わる。
<Contents> … 「バンク・ジョンソン・1944・第1集」(VC-4006)、「バンク・ジョンソン・1944・第2集」(VC-4007)、「バンク・ジョンソン・1944・第3集」(VC-4008)、「バンク・ジョンソン・1944・第4集」(VC-4016)、"Bunk Johnson 1944 Vol.2"(Storyville 670 205)
| 7月31日 | 202 | 第4集 | B面1. | シスター・ケイト | Sister Kate |
| 7月31日 | 206 | 第3集 | B面4. | ブルース・アズ・アイ・キャン・ビー | Blues as I can be | A-2. |
| 7月31日 | 207 | 第2集 | B面2. | シー・シー・ライダー | See see rider | B-2. |
| 7月31日 | 208 | 第2集 | B面3. | プレシャス・ロード | Precious road | B-3. |
| 7月31日 | 210 | 第3集 | B面5. | マイ・ライフ・ウィル・ビー・スイーター・サムデイ | My life will be sweeter someday |
| 7月31日 | 211 | 第1集 | A面3. | セント・ルイス・ブルース | St.Louis Blues |
| 7月31日 | 212 | 第4集 | A面3. | タイガー・ラグ | Tiger rag |
| 7月31日 | 213 | 第1集 | A面1. | タイガー・ラグ | Tiger rag |
| 7月31日 | 214 | 第2集 | B面5. | ニュー・イベリア・ブルース | New Iberia blues | B-4. |
| 7月31日 | 215 | 第1集 | B面2. | ニュー・イベリア・ブルース | New Iberia blues |
「シスター・ケイト」
この曲も[202]と[513]と2ヴァージョンある。Tpのリードする合奏、Tpの加わらない合奏など様々な展開を見せる。僕にはどうしてもバンクのTpはたどたどしくて、本当に名手なのかと疑ってしまう。ベイビー・ドッズが盛り上げようと頑張っているのが分かる。[202]と[513]の違いはあまり感じられない。
「ブルース・アズ・アイ・キャン・ビー」
女性ブルース歌手のマートル・ジョーンズを迎えての録音。ゆったりとしたブルース。ジョーンズのヴォーカルは力強く、マイクが壊れそうな勢いだ。
「シー・シー・ライダー」
[207]と[415]の2ヴァージョンある。河野氏によれば、非常に古いブルースで、"See see"とは"Easy"と同じだという。なので"See see rider"は"Easy rider"ということになる。"rider"は色々な意味があるという。裸のままぶら下げられるギターを指したり、商売女が寂しさを紛らわすために弾くギターが本来の意味でそこから派生して、商売女に寄生するヒモを指したりするという。何となく"ヒモ"のような気がする。[207]はジョーンズのヴォーカル入りで、[415]はインストのみである。
「プレシャス・ロード」
古くからある黒人霊歌だという。マートル・ジョーンズのヴォーカル入り。力のこもった歌いっぷりである。
「マイ・ライフ・ウィル・ビー・スイーター・サムデイ」
これも女性ブルース歌手のマートル・ジョーンズを迎えての録音。力のこもった歌唱である。伴奏が押され気味のような感じがする。この曲にはチューバのシドニー・ブラウンも加わっている。
「セント・ルイス・ブルース」
W.C.ハンディ作の超有名曲。通常聴きなれた「セント・ルイス・ブルース」とは異なり、淡々と進行するがこれがニューオリンズ・スタイルというものなのかもしれない。ソロで先行するジョージ・ルイスがいい感じである。集団合奏がいかにもニューオリンズである。
「タイガー・ラグ」
[212]と[213]の2ヴァージョンある。[212]は音がメチャ悪い。1917年にO.D.J.B.のニック・ラロッカによって著作権登録されたが、1900年ごろからニューオリンズではよく演奏されていた曲という。河野氏によれば、第1テーマは、フランスのカリドール、第2テーマはワルツ、第3テーマはクラリネットの通奏、第4テーマが虎の咆哮の4テーマから成り立っているという。この「虎の咆哮」から「タイガー・ラグ」というのだという。これを感じられる人を尊敬する。
「ニュー・イベリア・ブルース」
[214]と[215]の2ヴァージョンがある。バンクが住んでいた場所がタイトルなので、バンクの作なのだろう。このメンバーの本領を発揮した演奏という。バンクのちょっと憂いを含んだ演奏が良い。ルイスも低音部を中心にソロを展開し、沈鬱な気分を出している。
<Date & Place> … 1944年8月1日 ニューオリンズにて録音
399.第4集B面4.「ブルース」(Blues)
[399]と[416]の2ヴァージョン。8月1日の演奏はこの[399]だけが収録されている。河野氏は、この時代LPというものがようやく開発され始めたとし、それに因んでオリジナル・タイトルは"331/3 blues"というものだったという。また別名を"Long blues"というように、演奏時間が8分30秒もある。特に後半の集団即興を行うアンサンブルが力強くニューオリンズ・ブルースの神髄だという。
<Date & Place> … 1944年8月2日 ニューオリンズ・ジャシント・ホールにて録音
<Personnel> … バンク・ジョンソンズ・ニューオリンズ・バンド(Bunk Johnson's New Orleans band)
<Contents> … 「バンク・ジョンソン・1944・第1集」(VC-4006)、「バンク・ジョンソン・1944・第2集」(VC-4007)、「バンク・ジョンソン・1944・第3集」(VC-4008)、「バンク・ジョンソン・1944・第4集」(VC-4016)、"Bunk Johnson 1944 Vol.2"(Storyville 670 205)
| 8月2日 | 402 | 第1集 | A面4. | 聖者の行進 | When the saints go marchin' in |
| 8月2日 | 403 | 第4集 | B面3. | ボーリン・ザ・ジャック | Ballin' the Jack |
| 8月2日 | 404 | 第2集 | A面1. | ボーリン・ザ・ジャック | Ballin' the Jack | A-1. |
| 8月2日 | 405 | AM | A面6. | ハイ・ソサイエティ | High society | |
| 8月2日 | 407 | 第1集 | B面3. | ダークタウン・ストラッターズ・ボール | Darktown strutters ball |
| 8月2日 | 408 | 第4集 | A面4. | ロード・ロード・ユー・サーテンリー・グッド・トゥ・ミー | Lord,Lord,you certainly good to me |
| 8月2日 | 409 | 第3集 | A面4. | ロード・ロード・ユーヴ・シュア・ビーン・グッド・トゥ・ミー | Lord,Lord,you've sure been good to me |
| 8月2日 | 410 | 第4集 | A面2. | ケアレス・ラヴ | Careless love |
| 8月2日 | 411 | 第3集 | A面5. | ケアレス・ラヴ | Careless love |
| 8月2日 | 412 | 第4集 | B面2. | パナマ | Panama |
| 8月2日 | 414 | 第3集 | A面1. | パナマ | Panama |
| 8月2日 | 415 | 第1集 | A面2. | シー・シー・ライダー | See see rider |
| 8月2日 | 416 | 第2集 | A面3. | ブルース | Blues | A-4. |
「聖者の行進」
ニューオリンズ・ジャズを代表する超有名曲。これもソロで先行するジョージ・ルイスがいい。続くバンクはどうもたどたどしくて心配である。再びルイスに戻ると安心感が増す。最後の集団即興ではバンクも頑張っている。
「ボーリン・ザ・ジャック」
[403]と[404]の2ヴァージョン。1913年クリス・スミスが作ったダンス・ナンバーという。どこかで聴いたことのあるメロディである。[404]の方が演奏としてはまともだと思う。
「ハイ・ソサイエティ」
収録アルバム「アメリカン・ミュージック・バイ・バンク・ジョンソン」(VB-1004)は、「バンク・ジョンソン・1944・第1集」(VC-4006)、「バンク・ジョンソン・1944・第2集」(VC-4007)、「バンク・ジョンソン・1944・第3集」(VC-4008)、「バンク・ジョンソン・1944・第4集」(VC-4016)から選曲されたアルバムということになっているが、1944年に関して言えば、1曲だけこの4枚には収録されていない曲がある。それがこの「ハイ・ソサイエティ」である。原盤の故障によって、途中から収録されている。それも音が割れていて聴きづらい。この曲はCl奏者の流麗な音の流れであるがそれには卓抜したキー操作が必要とされる。ここではルイスのこれ以上は望めない高いレベルでの、卓越したプレイが堪能できる。
「ダークタウン・ストラッターズ・ボール」
O.D.J.B.も1917年に録音しているので古くからあるナンバーだろう。しまりのないバンクのソロに比べてルイスのClは聴き応えがある。ドラムのドッズの張り切りぶりもすごい。
「ロード・ロード・ユー・サーテンリー・グッド・トゥ・ミー」と「ロード・ロード・ユーヴ・シュア・ビーン・グッド・トゥ・ミー」
これは不思議なトラック。「ロード・ロード・ユー・サーテンリー・グッド・トゥ・ミー」が収められた第4集の解説には、ウィリアム・ラッセル氏のノートには、"Lord,Lord,you've sure been good to me"と書いてあるという。それを何故に第4集では"Sure"を"certainly"に変えたのか?ともかく河野氏によれば、古くからある宗教歌だそうである。
先ず[408 certain]の方は音が悪い。[409 sure]の方が音はまともである。この曲に限らずベイビー・ドッズのドラムがマーチング・バンドのスイングするブレークとビートを作り快いと河野氏は書くが、僕には新しいオフビート・プレイのように聴こえる。
「ケアレス・ラヴ」
[410]と[411]の2ヴァージョン。非常に古いニグロ・フォークであるという。先ず[410]は音が悪い。演奏自体は双方あまり変わりはないが、[411]の方がバンクのプレイが良いように感じる。
「パナマ」
"Panama"は、[412]と[414]があるので、何となく[413]もありそうな感じを醸し出している。ディスコグラフィーを見るとやはりある。しかし[412]と[414]は同じ曲に取り組んだ別ヴァージョンという意味合いだと思うので、別々のレコードに収録するのは不親切だと思う。演奏的にはそう変わらないので、振り分けたということなんだろうか?
ニューオリンズ・ジャズの古いスタンダード・ナンバー。典型的なマーチ曲という。この曲でもどことなくたどたどしいバンクに比べて、ルイスの鋭いアタックが耳に響く。
「シー・シー・ライダー」
[207]と[415]の2ヴァージョンある。こちらの[415]はヴォーカルが入らず、インストのみである。
「ブルース」
[399]と[416]の2ヴァージョン。8月1日の[399]は8分25秒に対して、こちらの[416]は9分31分と1分以上長い。河野氏は後半の集団即興が聴き処というが、僕にはルイス、ロビンソン、バンクが2コーラスずつソロを取るところが聴き処に感じる。後半の集団即興はバンクのプレイに締まりがなくぼやけた感じになっている。
<Date & Place> … 1944年8月3日 ニューオリンズ・ジャシント・ホールにて録音
| 8月3日 | 502 | 第4集 | A面1. | ウェアリー・ブルース | Weary blues |
| 8月3日 | 514 | 第1集 | B面4. | ウェアリー・ブルース | Weary blues |
| 8月3日 | 505 | 第3集 | A面3. | クラリネット・マーマレイド | Clarinet marmalade |
| 8月3日 | 506 | 第2集 | B面1. | ゼアズ・イエス・イエス・イン・ユア・アイズ | There's Yes , Yes in your eyes | B-1. |
| 8月3日 | 508 | 第4集 | A面5. | ロイヤル・ガーデン・ブルース | Royal garden blues |
| 8月3日 | 509 | 第2集 | B面4. | ウィ・ウィル・ウォーク・スルー・ザ・ストリート・オブ・ザ・シティ・ナンバー・1 | We will walk through the street of the city No.1 |
| 8月3日 | 510 | 第3集 | A面2. | ウィ・ウィル・ウォーク・スルー・ザ・ストリート・オブ・ザ・シティ | We will walk through the street of the city |
| 8月3日 | 513 | 第3集 | B面3. | シスター・ケイト | Sister Kate |
| 8月3日 | 517 | 第2集 | A面2. | アイム・アラバマ・バウンド | I'm Arabama bound | A-3. |
「ウェアリー・ブルース」
[502]と[514]の2ヴァージョン。これまで2ヴァージョンある場合には、たいてい番号が隣接していたが、ここでは離れている。ディスコグラフィーを調べると、[501]、[503]も存在する。これは想像だが、録音はやはり番号順に行っていて、[501]、[502]、[503]と録音したが余りうまく行かず、ちょっと間を置いて[514]として取り組んだのではないか?
Eのキーで演奏される2つのブルースとB♭に転調される16小節が組み合わされた典型的なニューオリンズ・チューンだという。ここでも冴えているのはルイスのClである。
「クラリネット・マーマレイド」
タイトル通りジョージ・ルイスをフューチャーしたナンバー。
「ゼアズ・イエス・イエス・イン・ユア・アイズ」
1924年の大ヒット・ナンバーだという。軽やかなナンバー。
「ロイヤル・ガーデン・ブルース」
1919年に作られた超有名曲。「ロイヤル・ガーデン」はシカゴにあったダンス・ホールで、キング・オリヴァーが出演したことでも有名だという。
「ウィ・ウィル・ウォーク・スルー・ザ・ストリート・オブ・ザ・シティ」
[509]と[510]は同じ曲のヴァージョン違い。なぜ[509]を「ナンバー・1」としたのだろうか?これまでヴァージョン違いで、「ナンバー・1」と付けたことはなかった。よく見直すとジャケットには、「ナンバー・1」と付いているが、中面解説には付いていない。ディスコグラフィーを見ると[509]と[510]は同じタイトルで、"Steets of the city"となっている。
古い曲で"Red river valley"と同じ曲という。どこかで聴いたことがあると思った。演奏はほとんど変わらない。
「シスター・ケイト」
Tpのリードする合奏、Tpの加わらない合奏など様々な展開を見せる。僕にはどうしてもバンクのTpはたどたどしくて、本当に名手なのかと疑ってしまう。この曲も[202]と[513]と2ヴァージョンある。ベイビー・ドッズが盛り上げようと頑張っているのが分かる。[202]と[513]の違いはあまり感じられない。
「アイム・アラバマ・バウンド」
とても古い歌で、覚えやすいシンプルなメロディで広く大衆に歌われた曲だという。メロディをバンクがリードし、ルイスとロビンソンが絡むといういつものニューオリンズのパターンが踏襲される。
<Date & Place> … 1944年8月4日 ニューオリンズ・ジャシント・ホールにて録音
| 8月4日 | 605 | 第1集 | B面1. | ホエン・ユー・ウォー・ア・チューリップ | When you wore a tulip |
| 8月4日 | 606 | 第3集 | B面1. | シュガー・フット・ストンプ | Sugar foot stomp |
「ホエン・ユー・ウォー・ア・チューリップ」
第1集は曲の解説が無い。理由は全曲有名だからという。この曲のタイトルは初めて聴いた。曲を聴くと「リパブリック賛歌」だと思う。「リパブリック賛歌」は、日本では「オタマジャクシはカエルの子、ナマズの子ではありません」と歌われる超有名童謡です。」
「シュガー・フット・ストンプ」
ルイ・アームストロングの作で、ルイ自身1923年に、キング・オリヴァーと共にレコーディングしている。さらに1925年にはフレッチャー・ヘンダーソンがルイを加えたバンドで録音している。ジョージ・ルイスはソロこそとっていないが、オブリガードが強烈で印象に残る。
<Date & Place> … 1944年8月5日 ニューオリンズ・ジャシント・ホールにて録音
<Personnel> … キッズ・ショッツ・ニューオリンズ・バンド(Kid Shots' New Orleans band)
<Contents> … 「ジョージ・ルイス」(VC-4005)&"George Lewis 1943-45"(Storyville 670 201)
| 703 | SV-B面3. | ハイ・ソサイエティ | High society |
| 704 | A面5. | グローリー・ランド | Gloryland |
| 706 | A面3. | バケッツ・ガット・ア・ホール・イン・イット | Bucket's got a hole in it |
| 709 | A面4. | デュマイン・ストリート・ドラッグ | Dumaine street drag |
| 710 | A面2. | ホエン・ユー・アンド・アイ・ワー・ヤング・マギー | When you and I were young , Maggie |
| 711 | A面1. | アラビアの酋長 | Sheik of Araby |
| 712 | SV-B面2. | サ・ジャシント・ブルース・No.1 | San Jacinto blues No.1 |
| 713 | SV-B面1. | アイス・クリーム | Ice Cream |
| 714 | B面1. | サ・ジャシント・ブルース・No.2 | San Jacinto blues No.2 |
703「ハイ・ソサイエティ」
Tpのキッズ・ショッツを加えたフル・メンバーによる録音。ニューオリンズ・ジャズのスタンダード・ナンバー。ルイスはソロを低音部で取っている。
704「グローリー・ランド」
古い黒人スピリチュアルだという。ブラス・バンドで街頭の行進や葬式でよく演奏されるという。全てそれぞれがリードを取る合奏である。
706「バケッツ・ガット・ア・ホール・イン・イット」
伝説のTp奏者バディ・ボールデンの作と伝えられる。少しゆっくり目の演奏で、合奏に際し、Tp、Cl、Tbが交替でリードを取るところが面白い。
709「デュマイン・ストリート・ドラッグ」
オリジナルのブルースなので全員でヘッド・アレンジしたものであろうという。ここでの圧巻は5コーラス目に聴かれるルイスのソロである。低・中・高音を駆使したエモーショナルなソロがすごい。
710「ホエン・ユー・アンド・アイ・ワー・ヤング・マギー」
1866年にヒットした曲だという。覚えやすいメロディで確かにニューオリンズ・ジャズに向いている曲という感じがする。実に楽しい演奏である。
711「アラビアの酋長」
Tpのキッズ・ショッツを加えたフル・メンバーによる録音。スイング時代ベニー・グッドマンなど様々なスイング・バンドが演奏したナンバー。元は1920年のミュージカル・ナンバーだという。ショッツのTpプレイは力強い。
[712]「サ・ジャシント・ブルース・No.1」
これもTpのキッズ・ショッツは参加していない。ルイスのソロにロビンソンが絡み、ロビンソンがリードを取る時にはルイスが絡むというパターンで、やはりTpが入った方がいいなと思う。
713「アイス・クリーム」
7月27日にトリオで録音しているが、今回はキッズ・ショッツを除くバンドで録音を行っている。ルイスのクラリネットが時としてヴァイオリンのようにも聴こえる。
[714]B面1.「サン・ジャシント・ブルース・ナンバー・2」(San Jacinto blues No.2)
ゆったりとしたブルース。楽器編成上からもソロを取るのは、ルイスである。[712]を演奏した後、気分を変えて「アイス・クリーム」を挟んで演奏したのだろう。
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