ジャック・ティーガーデン 1944年

Jack Teagarden 1944

ジャック・ティーガーデンは、ポツリポツリとサイドマンとしては登場していたが、自己名義の吹込みは久しぶりである。1939年から46年にかけては、自己のグループを率いて全米中をツアーをして回っていたようだ。1943年にはそのバンドに若きスタン・ゲッツが在団していたことで有名である。全米中をツアーとなると、基本的にニューヨークに本拠地を構えて活動をしているような楽団と比べれば、吹込みのチャンスは少なくなるのだろう。ともかく1944年の演奏を聴いていこう。

<Date & Place> … 1944年1月18日 ニューヨーク録音

<Personnel> … ライオネル・ハンプトンとVディスク・オール・スターズ(Lionel Hampton and The V-disc allstars)

Band leader & Vibraphoneライオネル・ハンプトンLionel Hamton
Trumpetルイ・アームストロングLouis Armstrongロイ・エルドリッジRoy Eldridge
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Pianoアート・ティタムArt Tatum
Guitarアル・ケイシーAl Casey
Bassオスカー・ペティフォードOscar Pettiford
Drumsシドニー・カトレットSidney Catlett

<Contents> … "Lionel Hmpton/Hampton"(Master of Jazz R2CD 8017)

CD2-9.フライング・オン・ア・ディスク(Flying on a disc)

1944年11月末までAFMのストにより、正式な録音はかなり減りますが、戦地にいる兵士慰問用のレコード(V-disc)は、多数録音されました。ライオネル・ハンプトンの音楽は陽気で元気がよく、ダンスにもぴったりということでV-discにはうってつけだったのではないでしょうか?それにしてもメンバーがスゴイ、これぞオールスター・バンドといった陣容です。
演奏するのは、ライオネル・ハンプトン・バンドの十八番中の十八番、「フライング・ホーム」。イントロからハンプのVbがリードし、そのままソロに突入します。続いてTpソロ、これはサッチモです。続いてClとなりますが、ディスコグラフィーにはClの記載はありません。CDには、バーニー・ビガードとありますが。続いてホークのTs、続くTpソロはエルドリッジ、ビッグ・シドの短いソロがありリフが入って一旦終了したように聴こえますが、その後ドラムに移動したハンプとビッグ・シドのドラム合戦となり、最後はリフで大いに盛り上げて終了します。12分弱の長尺録音で、これぞV-discならではと言ったところでしょう。

<Date&Place> … 1944年12月2日 ニューヨーク・リッツ・シアターにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyウィンギー・マノンWingy Mannone
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoノーマ・ティーガーデンNorma Teagardenクリフ・ジャクソンCliff Jackson
Bassジャック・レスバーグJack Lesberg
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling

<Contents> … 「エディ・コンドン・オール・スターズ 1944」(UPS-2255〜59-B)

record4 B面1.いい娘を見つけたI found a new baby
record4 B面2.ベイビー・ウォント・ユー・プリーズ・カム・ホームBaby won't you please come home
record4 B面3.アラビアの酋長The shiek of Araby
record4 B面4.リトル・ロック・ゲタウェイLittle rock geta-way
record4 B面5.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble
「いい娘を見つけた」このナンバーは2度目となる。キャサレスに続いていよいよティーガーデンの登場となる。ティーガーデンのソロは悠揚迫らざる王者の貫禄があるとは、油井氏。
「ベイビー・ウォント・ユー・プリーズ・カム・ホーム」では、ティーガーデンのヴォーカルが聴ける。続いてラッセル、ハケット、ノーマ(女性とは思えぬ力強さだ)、キャサレスからアンサンブルとなる。
「アラビアの酋長」も2度目の演目となる。ソロはノーマ、キャサレス、マノンと来て、真打登場ティーガーデンのソロとなる。その後集団合奏のアンサンブルとなって締め括る。
「リトル・ロック・ゲタウェイ」この曲でもノーマ(ジャックの妹)がフューチャーされる。これだけ力強ければ、兄貴のバンドでも使ってもらえるであろう。
「インプロンプツ・アンサンブル」さて恒例のジャム大会。10分近い長尺で、まずティーガーデンとマノンの掛け合いヴォーカルが聴かせる。インストのソロに移って、マノン、キャサレス、カミンスキー、ジャクソン(P)、ラッセル、ノーマ、ハケット、ティーガーデン、ウエットリング、ジャクソン、ウエットリング、ハケットが締めるというが、どうも締まらない終わり方である。

<Date&Place> … 1944年12月11日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ジャック・ティーガーデン・アンド・ヒズ・スインギン・ゲイツ(Jack Teagarden and his swingin' gates)

Bandleader & Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminsky
Clarinetアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoノーマ・ティーガーデンNorma Teagarden
Bassポップス・フォスターPops Foster
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling

<Contents> … 「コモドア・ショウ・ケース」(London GSW 3007〜8)

record1 B-1.ビッグ・T・ブルースBig "T" blues
record1 B-2.ロッキン・チェアRockin' chair
record1 B-3.ピッチン・ア・ショートPitchin' a short
「ビッグ・T・ブルース」
妹のノーマのイントロから始まって、そのノーマの伴奏でジャックがヴォーカルを取る。ソロはジャックからカミンスキー、それに絡むキャサレスのクラリネットもいい。
「ロッキン・チェア」
ホーギー・カーマイケル作のスタンダード・ナンバー。ミルドレッド・ベイリーのヴォーカルでヒットした。ソロはキャサレスからノーマ、アンサンブルを挟んでジャックのヴォーカルとなるが、それにウィンギー・マノンが掛け合いのヴォーカルで絡む。そしてジャックがTbでソロを取り、ディキシー風のアンサンブルで締め括る。
「ピッチン・ア・ショート」
弾むようなノーマのイントロで始まる。ソロはまずジャック、カミンスキー、キャサレスのCl、再びジャックからディキシー風のアンサンブルを挟んでキャサレスのソロが入り、アンサンブルで締め括る。

<Date&Place> … 1944年12月13日 ニューヨーク

<Personnel> … エディ・コンドン・オーケストラ(Eddie Condon orchestra)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyビリー・バターフィールドBilly Butterfield
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Clarinet & Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroeder
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling

<Contents> … "Eddie Condon/That's a serious thing"(History 20.3008-HI)

CD1-20.「ホエン・ユア・ラヴァー・ハズ・ゴーン」(When your lover has gone)

少しテンポを落としたバラード・ナンバー。アンサンブルからBsソロ、CorかTpのソロと続く。これに続くティーガーデンのソロはさすがに聴かせる。そして再びCorかTpのソロが入り、Tbがリードするアンサンブルで締め括る。

<Date&Place> … 1944年12月16日 ニューヨーク・リッツ・シアターにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyビリー・バターフィールドBilly Butterfieldディック・キャリーDick Cary
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Soprano saxシドニー・ベシェSidney Bechet
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroeder
Bassシド・ワイスSid Weiss
Drumsジョニー・ブロワーズJohnny Blowers
Vocalリー・ワイリーLee Wiley

この日はティーガーデンに匹敵する大物、シドニー・ベシェの参加が目につく。超豪華なメンバーとなった。

<Contents>

record5 A面1.オープニングOpening
record5 A面2.ボーリン・ザ・ジャックBallin' the Jack
record5 A面3.アラビアの酋長The shiek of Araby
record5 A面4.チャイナ・ボーイChina boy
record5 A面5.小さなホテルThere's a small hotel
record5 A面6.ロイヤル・ガーデン・ブルースRoyal garden blues
record5 A面7.ホエアエヴァー・ゼアーズ・ラヴWherever there's love
record5 A面8.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble
「ボーリン・ザ・ジャック」は、1913年に作られたという古い曲。ソロはシュレーダー、キャサレス、カミンスキー、ティーガーデン、ラッセルと続く。ただしこの日の録音は概して音が悪い。
「アラビアの酋長」は3度目となる演目。ティーガーデンのヴォーカルが入る。その後ソロを取り、ラッセルに渡す。その後アンサンブル、Pブレイクを挟んで再びティーガーデンのヴォーカルで締める。
「チャイナ・ボーイ」は、力強いベシェのソプラノ・サックスで始まり、短いPソロを挟み再びベシェのソロとなる。
「小さなホテル」天衣無縫のベシェのフューチャー曲の後に端正なハケットをフューチャーした曲を配するとは、演出ができている。ハケットの歌心溢れるソロが心に沁みる。ここまでこれほどハケットをフューチャーした曲はなかったのではないかと思う。
「ロイヤル・ガーデン・ブルース」も2回目の登場である。ソロはシュレーダー、キャサレス、バターフィールド、ティーガーデン、ラッセルと続く。
「ホエアエヴァー・ゼアーズ・ラヴ」は、歌手のワイリーがフューチャーされる。夫君のジェス・ステイシーは約2週間前にトミー・ドーシーのバンドに入ったので、参加していない。ここでも抑えたヴォーカルがいい味を出している。ソロはティーガーデンも抑えたいいソロを取る。
「インプロンプツ・アンサンブル」今回のジャム大会は、シュレーダー、キャサレス、ハケット、ベシェ、カミンスキー、ティーガーデン、バターフィールド、ラッセルそしてDsのブロワーズである。最後は音が割れ割れである。惜しい!

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