ジェイムズ・P・ジョンソン 1938年

James P Johnson 1938

<Date&Place> … 1938年11月21日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … メズ・メズロウ楽団(Mezz Mezzrow and his orchestra)

Bandleader & Clarinetメズ・メズロウMezz Mezzrow
Trumpetトミー・ラドニアTommy Ladnierシドニー・ド・パリスSidney De Paris
Pianoジェイムズ・P・ジョンソンJames P Johnson
Guitarテディ・バンTeddy Bunn
Bassエルマー・ジェイムスElmer James
Drumsズッティ・シングルトンZutty Singleton
Produceユーグ・パナシェHugues Panassie

<Contents> … 「ザ・パナシェ・セッションズ」(Victor VRA-5015)&「メズ・メズロウとトミー・ラドニア」(RCA RA-5324)

A-5.&B-3.レヴォリューショナリー・ブルースRevolutionary blues
A-6.&B-1.さあ、はじめよう パート1Comin’on with the come on in part1
A-7.&B-2.さあ、はじめよう パート2Comin’on with the come on in part2

この3曲は右の「メズ・メズロウとトミー・ラドニア」にも収録されている。

A-5.「レヴォリューショナリー・ブルース」
先ずはパナシェ氏自身は解説で、「32小節のブルース。ラドニアが第1、3コーラスの、ド・パリスが第2コーラスのアンサンブルのリードを取った。この対照は面白い。ラドニアは順ニューオリンズ・ビートで演奏し、ド・パリスは純粋ではなく、ニューオリンズ・ビートに似たビートで演奏しているからである。
この演奏には、昔の有名なキング・オリヴァーのクレオール・ジャズ・バンドの演奏に非常に似ているところがある。この曲とオリヴァーの『スイート・ラヴィング・マン』を交互に欠ければわかっていただけるだろう」と書いている。
何度か聴いたのだが、僕は正直ラドニアとド・パリスのビートの違いがよく分からない。『32小節のブルース』とあるが、16小節×2ではないかと思える。出だしと随所に出てくるバンのギターがブルージーでカッコいいのだが、これがニュー・オリンズ的かというとそうではないのではないかと思う。
A-6,7.「さあ、はじめよう」
{ザ・パナシェ・セッションズ」(Victor VRA-5015)と「メズ・メズロウとトミー・ラドニア」(RCA RA-5324)のどちらもレコード解説は油井正一氏であるが、「メズ・メズロウとトミー・ラドニア」でこの演奏について詳しく書いている。それによると、
メズロウはダンス・ホールやジャズ・スポットでニュー・オリンズ伝来のスロウ・ブルースを演奏したがさっぱり受けなかった。彼は一計を案じ、同じブルースをアップ・テンポで演奏したところ大いに受けたのだという。それを再現したのがこれで、パート1とパート2は連続した演奏であるという。当時は長時間録音できるテープが無かったので、録音用ターンテーブルを2台置き1台目が終わるともう1台を回し始めたという。しかし僕にはパート1とパート2ではテンポが違う感じがするのだが。
パート1ではイントロでソロを弾くバンがブルージーでカッコいいのだが、これもプリミティヴなニューオリンズ風なのだろうか?それにリフも出てくるし極めてカンサスっぽいのである。
パート2は、合奏で始まり、始めの2コーラスがラドニアのリードで、第3コーラス及びグロウルをド・パリスが吹き出す。この辺りもエリントン風に感じてしまうのだが。因みにド・パリスがグロウルを始めると怒ったラドニアは吹くのを辞めてしまったという。そもそもこの演奏は「キング・オリヴァー・スタイルの再現」ということだったのに、パリスはグロウルなどスイング・スタイルで吹いたのでラドニアは怒ってしまったのだった。

[From Spirituals to Swing complete legendary 1938-1939 Carnegie hall concert](Definitive records DRCD 11182)ジャケット

<Date&Place> … 1938年12月23日 ニューヨーク・カーネギー・ホールにて録音

<Peronnel> … ニュー・オリンズ・フィートウォーマーズ(New Orleans feetwarmers)

Trumpetトミー・ラドニアTommy Ladnier
Tromboneダン・マイナーDan Minor
Soprano saxシドニーベシェSidney Bechet
Pianoジェイムズ・P・ジョンソンJames P Johnson
Bassウォルター・ペイジWalter Page
Drumsジョー・ジョーンズJo Jones

1938年も押し詰まった12月23日ニューヨークのカーネギー・ホールにて、ジョン・ハモンド氏が企画する画期的なコンサート、「フロム・スピリチュアルス・トゥ・スイング」コンサートが開催された。このコンサートの詳細については、「フロム・スピリチュアルス・トゥ・スイング 1938年」を参照。
このコンサートでは、ジャズの原点とも言うべきニュー・オリンズ・ジャズの紹介コーナーにおいて、生粋のニューオリンズ・ジャズメン、トミー・ラドニアとシドニー・ベシェを中心としてバンドが組まれた。そこに、ハーレム・スタイルの代表的ピアニスト、ジェイムズ・P・ジョンソン、ベイシー楽団からTbのマイナー、Bのペイジ、Dsのジョーンズが加わった。こういう場合フロントの二人は問題ないとして、サイドメンがどれほどしっかりとバックを務めるかに成否はかかっていると思う。しかしこの時代の一流ジャズメンというのは、ニュー・オリンズの伝統をしっかりと学んでいるのだろうか?素晴らしいバックアップを行っている。

<Contents> … <legendary><Definitive><Original>

CD2-1.&CD1-16.&CD1-15.ウェアリー・ブルースWeary blues
CD2-2.&CD1-17.ミレンバーグ・ジョイズMilenberg joys
CD2-3.&CD1-18.&CD1-16.シスター・ケイトI wish I could shimmy like my sister Kate

そもそも「フロム・スピリチュアルス・トゥ・スイング」の音源は面倒くさい。どう面倒なのかも「フロム・スピリチュアルス・トゥ・スイング 1938年」を参照。
<Contents>の略称は、
<legendary>="From Spirituals to Swing-the legendary 1938&1939 Carnegie hall concerts produced by John Hammond"(Vanguard -169/71-2)
<Definitive>="From Spirituals to Swing complete legendary 1938-1939 Carnegie hall concert"(Definitive records DRCD 11182)
<Original>=「フロム・スピリチュアルス・トゥ・スイング」(ヴァンガード・ジャズシリーズ キング・レコード LAX-3076-7)

「ウェアリー・ブルース」
この曲は古くからあるニュー・オリンズ伝統のナンバーで、約1か月前にもラドニアとベシェは<パナシェ・セッション>でレコーディングを行っている。アップ・テンポの演奏でソロはベシェ⇒ラドニア⇒ジョンソン。さすがに堂に入った演奏である。
「ミレンバーグ・ジョイズ」
<オリジナル・ヴァンガード盤>未収録。ジェリー・ロール・モートンの作。これもアップ・テンポの演奏で、先ずはラドニアがソロを取る。
「シスター・ケイト」
ミディアム・テンポのナンバー。ソロはまずラドニア、張りきった演奏で約半年後心臓病でなくなるとは思えない熱演である。

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