ベニー・グッドマン 1947年

Benny Goodman 1947

「ザ・ハリウッド・ハクスターズ」というバンドが正式にあるわけではなく、どうもこのレコーディングのために作られた名前のようだ。"huckster"とは「行商人」とか「呼び込み」と意味のようなので、「ハリウッドの呼び込みや」と言った自虐的な名前を付けたと思われるが、メンバーは実に豪華である。どうも中心人物はテナー・サックスのデイヴ・キャヴァノーで、彼がルーティンを決め、各自がソロを展開していくといった形式でレコーディングだったようである。キャヴァノーはA&Rマンとして実に有能だったようで、後にキャピトル・レコードの社長に就任している。ともかく楽しいスイング・セッションではある。

「キャピトル・コレクターズ・アイテム」ジャケット

<Date&Place> … 1947年5月29日 多分ロスアンゼルスにて録音

<Personnel> … ザ・ハリウッド・ハクスターズ(The Hollywood hucksters)

Trumpetチャーリー・シェイヴァースCharlie Shavers
Cralinet & Vocalベニー・グッドマンBenny Goodman
Alto saxベニー・カーターBenny Carter
Tenor saxデイヴ・キャヴァノーDave Cavanaugh
Baritone saxジョー・コックJoe Kock
Pianoジミー・ロウルズJimmy Rowles
Vibraphone & Xylophoneレッド・ノーヴォRed Norvo
Guitarアーヴィング・アシュビーIrving Ashby
Bassレッド・カレンダーRed Callender
Drumsリー・ヤングLee Young
Vocal A-4.onlyスタン・ケントンStan Kenton
「キャピトル・コレクターズ・アイテム」A面

<Contents> … 「キャピトル・コレクターズ・アイテム」(ECJ-50077)

A面2.アイ・アポロジャイズI Aplogize
A面3.ゼム・ゼア・アイズThem there eyes
A面4.ハッピー・ブルースHappy blues
「アイ・アポロジャイズ」
BGのクラリネット、次にノーヴォのシロフォンがアンサンブルをリードし、BG、ノーヴォ、BG、カーター、シェイヴァース、BGとソロを回す。それぞれ聴き応えがあるソロである。
「ゼム・ゼア・アイズ」
アンサンブルで入り、BG、ロウルズ、BG、カーター、BG、シェイヴァース、ノーヴォ(ヴァイブ)、シェイヴァース、ノーヴォと短いソロを繋ぎアンサンブルを挟んでBGなどの短いソロ交換からエンディングへ向かう。
「ハッピー・ブルース」
何といってもこの吹込みで興味深さでは白眉の作品。当時バンドを解散させていたスタン・ケントンを呼び、BGと一緒に歌わせるというものすごい趣向でこんな事が出来るのはキャヴァノーならではであろう。BGはともかく初めてケントンの声を聴いた。また二人のバンドのテーマ曲"Artistry in rhythm"や"Good-bye"の一節が出てくるのも楽しい。ソロはノーヴォ(シロフォン)、カーター、BG、シェイヴァース。ともかく二人の掛け合いヴォーカルが楽しい。

[A song is born]ポスター

1948年に公開されたMGM映画"A song is born"のために集められたメンバーによる録音が行われた。ものすごく豪華なメンバーである。このパーソネル・メンバーはそのまま映画にも出演した。しかし映画のタイトルが"A song is born"なのに、曲名が"A song was born"と過去形になっているんだろう?
映画のストーリーは、フォーク・ミュージックの研究家である教授(ダニー・ケイ)が、7人の学者と共に総合的な音楽百科事典を執筆し録音していた。そして学者達は、10年近くラジオも聴かず世の中とは断絶された生活を送っていた。たまたま教授たちの研究室の、2人の窓拭きが教授たちに質問をしたことをきっかけに、教授たちはスウィング、ジャイブ、ブルース、ブギウギ、ビ・バップなど、ポピュラー音楽にはさまざまなスタイルがあることに気づかされる。そこで教授は早速様々なタイプのジャズを求めて、夜の街に繰り出し、ナイトクラブを探索して回る。そこで教授はメル・パウエル、トミー・ドーシー、ゴールデン・ゲイト・カルテット、チャーリー・バーネット、ライオネル・ハンプトン、ルイ・アームストロング、ベニー・カーターといったミュージシャンに出会う。そしてそこで出会ったナイト・クラブの歌手(ヴァージニア・メイヨ)に恋心を持つに至る。そして色々紆余曲折を学者仲間やジャズ・ミュージシャン達の協力で乗り越えて結ばれるというお話です。
その映画の挿入歌が「ア・ソング・ウォズ・ボーン」です。右はその映画内での演奏シーン。左からベニー・グッドマン、ルイ・アームストロング、ライオネル・ハンプトン、チャーリー・バーネット、トミー・ドーシーが映っています。

「キャピトル・コレクターズ・アイテム」ジャケット

<Date&Place> … 1947年8月9日 多分ロスアンゼルスにて録音

<Personnel> … ジャイアンツ・オブ・ジャズ(Giants of Jazz)

Trumpet & Vocalルイ・アームストロングLouis Armstrong
Tromboneトミー・ドーシーTommy Dorsey
Cralinetベニー・グッドマンBenny Goodman
Tenor saxチャーリー・バーネットCharlie Barnet
Vibraphoneライオネル・ハンプトンLionel Hampton
Pianoメル・パウエルMel Powell
Guitarアル・ヘンドリクソンAl Hendrickson
Bassハリー・ババシンHarry Babasin
Drumsルイ・ベルソンLouis Bellson
Chorusゴールデン・ゲイト・カルテットGolden gate quartet
Vocalジェリ・サリヴァンJeri Sullivan
[A song is born]1シーン

<Contents> … 「キャピトル・コレクターズ・アイテム」(ECJ-50077)

B面1.「ア・ソング・ウォズ・ボーン」
レコードの解説によると、映画のサウンド・トラックとは別にキャピトルのスタジオにおいて録音されたという。癌研究基金への寄付を目的として製作されたSPアルバムに組み込まれて発売されたため、RCAとの契約下にあったサッチモやトミー・ドーシーの参加が可能になったという。
曲はどことなくドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」第2楽章(家路)に似ているが細かいことは気にせずに楽しもう。ゴールデン・ゲイト・カルテットのアカペラ・コーラスで始まり、アンサンブルが入り、ジェリ・サリヴァン、続いてルイのヴォーカル、ドーシーのTbソロ、ルイのTpソロ、バーネットのTsソロ、グッドマンのClソロからアンサンブルを挟んでパウエルのPの後2小節のソロ交換があって終わる。

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