デューク・エリントン 1947年

Duke Ellington 1947

柴田浩一著『デューク・エリントン』

柴田浩一著『デューク・エリントン』(写真右)によれば、前年1946年末に開幕したミュージカル・ショウ「ベガーズ・ホリデイ」をニュー・ヘヴンを皮切りにボストン、ニューヨークで上演した。当時タブとされていた白人との共演に加え、劇でも主人公と黒人の娘が恋に落ちるという内容にも拘らず、100回を超えるロング・ランを記録したという。エリントンの自伝には、「評論家の評判は大変なものだったけれど、一般大衆はこのショウを真に理解するまでには至っていなかった」と書いている。
またこの年リベリア政府から共和国建設100年を祝う組曲の作曲を依頼された。その「リベリア組曲」は12月26日にカーネギー・ホールで初演された。「リベリア」国に関しては、拙HP「そもそもアメリカと黒人 その5 奴隷制の変化」に詳述しました。「リベリア」問題は実に複雑な問題です。要はアメリカの黒人をアフリカに戻そうとする試みであり、一方アフリカから見れば、黒人による新たな植民の形とも言えるものです。これをデュークはどう考えていたのか?自身は自伝で、「形式的には、この組曲はアル・ヒブラーによって劇的に歌われる『アイ・ライク・ザ・サンライズ』という導入部と、それとは対照的な五つの踊りの部分とからなっている。その踊りの気分とリズムは私(デューク)の知っているリベリアの過去と現在に深い関係を持っている」と述べ、どう考えているかは音楽を聴いてくれと明言を避けている。
またディスコグラフィーを見ると、この年のレコーディングは、コロンビアに行われているようだ。前年まではヴィクターに行われていたので移籍したのだろうか?柴田氏は全く触れていないが。因みに僕は、この年の音源は、5月10日の放送音源と12月27日に行われたカーネギー・ホールでのコンサートの実況録音しか持っていない。

「デューク・エリントン・オン・V・ディスク」レコード・ジャケット

<Date & Place> … 1947年5月10日 ニューヨークのWNEWラジオ放送録音

<Personnel> … デューク・エリントン・グループ(Duke Ellington Group)

この録音については、レコードとWeb(Ellingtonia)の記載のパーソネルが全く異なる。レコード番号と録音日付は一致するので、パーソネルだけがどちらかが誤っていることになる。どう違うかというとレコードではフル・オーケストラなのに対し、Ellingtoniaではピック・アップ・メンバーとなっている。サウンドを聴けばわかるのではないかという方もいると思うが、ピック・アップされたメンバーには、TpもTb、As、Tsがおり、またこの演奏ではあまりアンサンブルが前面に出てくる展開が無く、その厚みからは判断しがたい。ただレコードでは、Tpにエディ・ベアフィールドという人物が記載されているが、通常ベアフィールドはサックスなどリード奏者であり、Tpも吹いたという例は見当たらないし、同名のTp奏者も見当たらない。ここはWeb(Ellingtonia)を信頼して記載することにする。

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Trumpetタフト・ジョーダンTaft Jordan
Tromboneローレンス・ブラウンLawrence Brown
Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Tenor saxアル・シアーズAl Sears
Clarinet & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Bassオスカー・ペティフォードOscar Pettiford
Drumsソニー・グリアSonny Greer
「デューク・エリントン・オン・V・ディスク」レコード・A面

<Contents> … 「デューク・エリントン・オン・V・ディスク」(DAN Records VC-5001)

A面5.ソフィスティケイテド・レディSophisticated lady
A面6.明るい表通りでOn the sunny side of the street
A面7.捧ぐるは愛のみI can't give you anything but love
A面8.スイングしなけりゃ意味ないよIt don't mean a thing

WNEWのラジオ番組「サタディ・ナイト・スイング・ショウ」の実況録音。他にも演奏曲はあったようだが、この4曲が選ばれてV-discに収められた。音は極めて悪い。

「ソフィスティケイテド・レディ」
ご存知エリントン作のスタンダード・ナンバー。ハリー・カーネィのBsを全面的にフューチャーしている。
「明るい表通りで」
これもスタンダード・ナンバー。こちらはジョニー・ホッジスのAs、続いてロウレンス・ブラウンのTbをフューチャーしている。
「捧ぐるは愛のみ」
30年代などによく演奏されたスタンダード曲。イントロにデュークの語りが入り、Pのイントロからタフト・ジョーダンがテーマを吹く。そのままアドリブ・スペースに入る。
「スイングしなけりゃ意味ないよ」
再びデュークのDsのソニー・グリアをいじるMCが客を笑わせ、アンサンブルに入る。Dsの音は聴こえず、何やら語られるがこれはグリアであろう。この曲はアル・シアーズのTsがフューチャーされる。

[DukeEllington_ColumbiaYears]CD・ジャケット

<Date & Place> … 1947年8月14日〜10月6日 ロス・アンゼルスにて録音

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Trumpetシェルトン・ヘンフィルShelton Hemphillダッド・バスコムDud Bascombフランシス・ウィリアムズFrancis Williamsハロルド・ベイカーHarold Baker
trumpet & Violinレイ・ナンスRay Nance
Tromboneローレンス・ブラウンLawrence Brownクロウド・ジョーンズClaude Jones
Trombone & Vibraphoneタイリー・グレンTyree Glenn
Clarinet & Tenor saxジミー・ハミルトンJimmy Hamilton
Clarinet & Alto saxラッセル・プロコープRussell Procope
Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Tenor saxアル・シアーズAl Sears
Clarinet & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Guitarフレッド・ガイFred Guy
Bassオスカー・ペティフォードOscar Pettiford
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalアル・ヒブラーAl Hibblerケイ・ディヴィスKay Davis

Tpのダッド・バスコムは、この年の本の一時期だけ加わったプレイヤーのようだ。

[DukeEllington_ColumbiaYears]2枚目CD

<Contents> … "Duke Ellington /Columbia Years"(Col 517687-2)

CD2-1.ハイ・ヤ・スーH'ya Sue8月14日
CD2-2.レディ・オブ・ザ・ラヴェンダー・ミストLady of the lavender mist8月14日
CD2-4.ゴールデン・クレスGolden cress9月1日
CD2-3.ユーアー・ジャスト・アン・オールド・アンチディスエスタビリッシュメンタリアニズミストYou're just an old Antidisestablishmentarianismist9月30日
CD2-5.サルティ・セレナーデSultry serenade10月6日
CD2-6.メイビー・アイ・シュド・チェンジ・マイ・ウェイズMaybe I Should Change My Ways10月6日
「ハイ・ヤ・スー」
エリントンのピアノのイントロで始まる。テーマ合奏の後ソロはワウワウ・ミュートのグレン(Tb)、ハミルトンが珍しくテナーに持ち替えソロを取る。
「レディ・オブ・ザ・ラヴェンダー・ミスト」
ゆったりとしたメロウなバラード。テーマはClがリードする。ブラウンの柔らかでメロウなソロがいい。
「ゴールデン・クレス」
これもゆったりしたナンバーで、ブラウンの和らな音色のTbをフューチャーしたナンバー。
「ユーアー・ジャスト・アン・オールド・アンチディスエスタビリッシュメンタリアニズミスト」
めちゃくちゃ長いタイトルが付いている。「アンチディスエスタビリッシュメンタリアニズミスト」とは「反国教廃止主義者」という意味で、英国国教会を国家から分離すべきではないと考える人のことだという。ヴォーカルはレイ・ナンス
「サルティ・セレナーデ」
冒頭ホッジスの切り込みで曲がスタートするが、テーマはグレンの茫洋としたTbがリードし、そのままソロに入る。続いてホッジスのソロからアンサンブルに戻る。
「メイビー・アイ・シュド・チェンジ・マイ・ウェイズ」
アンサンブルで始まる。ここでピアノを弾いているのはビリー・ストレイホーンだという。ブラウンのTbソロの後ナンスのVlソロが切ない音色を奏でる。

[DukeEllington_ColumbiaYears]CD・ジャケット

<Date & Place> … 1947年11月10日〜12月24日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Duke Ellington & his Orchestra)

8月14日〜10月6日と同じ

<Contents> … "Duke Ellington /Columbia Years"(Col 517687-2)

CD2-7.ストンプ・ルック・アンド・リッスンStomp , look and listen11月10日
CD2-9.スリー・セント・ストンプThree cent stomp11月10日
CD2-11.プログレス・ガボットProgresive gavotte11月11日
CD2-12.アイ・キャント・ビリーヴ・ザット・ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ミーI Can't Believe That You're In Love With Me11月14日
CD2-10.ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニモアDon't Get Around Much Anymore11月20日
CD2-8.オン・ア・ターコイズ・クラウドOn A Turquoise Cloud12月22日
CD2-13.アイ・ライク・ザ・サンライズI Like The Sunrise12月24日
[DukeEllington_ColumbiaYears]2枚目CD Trombone Wilbur de Paris
「ストンプ・ルック・アンド・リッスン」
エリントンのPイントロで始まり、直ぐにテーマ合奏となる。どことなく楽し気ナンバー。ソロはベイカーとナンスのTpバトルからハミルトン(Cl)、ブラウン(Tb)と続き、ナンス(Tp)のリードする合奏で終わる。この曲からCD2-12.までTbにウィルバー・ド・パリスが入るとCDデータはなっているが、Ellingtoniaには記載がない。
「スリー・セント・ストンプ」
合奏で始まる。テーマを吹くのはベイカーでアンサンブルがバックを務める。ソロはグレン(Tb)、ナンス(ミュートTp)、ペティフォード(B)、F・ウィリアムズ(Tp)。ウィリアムズのソロは珍しい。
「プログレス・ガボット」
ミディアム・スロウのナンバー。ストレイホーンのPイントロで始まり、直ぐにテーマ合奏となる。カーネイのソロにハミルトンが絡むという珍しい展開の後ベイカー(Tp)、ホッジス(As)とソロが続く。この辺りの演奏では、ホッジスの出番が少ないようだ。ストレイホーンのPアウトロで終わる。
「アイ・キャント・ビリーヴ・ザット・ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ミー」
エリントンのPイントロで始まるミディアム・アップ・テンポのナンバー。カーネイ、ベイカー、ナンスのソロが入り乱れ、ハミルトン(Cl)、グレン(Tb)、アンサンブルを挟んでシアーズ(Ts)となる。曲調は明るく楽しげである。
「ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニモア」
頭からホッジスとナンスのソロが出る。アル・ヒブラーのヴォーカルとなり、ホッジス、ナンスのワウワウ・ミュートTp、気持ちよさそうにホッジスが吹き、ヒブラーのヴォーカルで締め括る。
「オン・ア・ターコイズ・クラウド」
Pイントロで始まり、ケイ・ディヴィスのヴォイス・エフェクト的なスキャットが入り、ブラウン(Tb)の柔らかいソロ、再びディヴィスのスキャットと柔らかいアンサンブルで締め括る。
「アイ・ライク・ザ・サンライズ」
アンサンブルで始まる「リベリア組曲」からのナンバーで、ドラマチックな曲調である。ヒブラーのヴォーカル・フューチャー・ナンバー。ヴォーカルの間にカーネイのリードするアンサンブルが入り、ドラマチックに曲は展開する。

[DukeEllington_CarnegieHall]レコード・ジャケット

<Date & Place> … 1947年12月27日 ニューヨーク・カーネギー・ホールにて録音

<Personnel> … デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Trumpetシェルトン・ヘンフィルShelton Hemphillアル・キリアンAl Killianフランシス・ウィリアムズFrancis Williamsハロルド・ベイカーHarold Baker
trumpet & Violinレイ・ナンスRay Nance
Tromboneローレンス・ブラウンLawrence Brownクロウド・ジョーンズClaude Jones
Trombone & Vibraphoneタイリー・グレンTyree Glenn
Clarinet & Tenor saxジミー・ハミルトンJimmy Hamilton
Clarinet & Alto saxラッセル・プロコープRussell Procope
Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Tenor saxアル・シアーズAl Sears
Clarinet & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Guitarフレッド・ガイFred Guy
Bassオスカー・ペティフォードOscar Pettifordジュニア・ラグリンJunior Raglin
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalアル・ヒブラーAl Hibblerドロレス・パーカーDolores Parkerケイ・ディヴィスKay Davis

12月24日のレコーディングからの移動
Trumpet … ダッド・バスコム ⇒ アル・キリアン
Bass … ジュニア・ラグリン ⇒ In

「The Duke」CD20セット目

前年からの移動
Trumpet … タフト・ジョーダン、キャット・アンダーソン ⇒ アル・キリアン
Trombone … ジョー・"トリッキー・サム"・ナントン、ウィルバー・ド・パリス ⇒ タイリー・グレン

<Contents> … "The Duke Ellington Carnegie hall concerts December 1947"(SMJ-9524〜5M)&"The Duke"(History 2041551-302)

先ず音源について。最も多くの演奏曲を収録しているのはPrestigeのレコード2枚組で、CD40枚組の最後の40枚目にPrestigeのレコード2枚組から「リベリア組曲」除いた10曲が収録されている。

record1 A-1.&CD40-1.ザ・ニュー・ルックThe new look
record1 A-2.&CD40-2.ブルー・サージBlue serge
record1 A-3.&CD40-3.トリプル・プレイTriple play
record1 A-4.&CD40-4.ハーレム・エアシャフトHarlem airshaft
record1 A-5.&CD40-5.ジョニー・ホッジス・メドレーJohnny Hodges Medeley
record1 B-1.&CD40-6.メラ・ブラヴァMella Brava
record1 B-2.&CD40-7.キカプー・ジョイ・ジュースKickapoo joy juice
record1 B-3.&CD40-8.オン・ア・ターコイズ・クラウドOn a turquoise cloud
record1 B-4.&CD40-9.バキフBakiff
record1 B-5.リベリア組曲 パート1Liberian suite Part1
[DukeEllington_CarnegieHall]レコードA面
record2 A-1.リベリア組曲 ダンス #1Liberian suite Dance #1
record2 A-2.リベリア組曲 ダンス #2Liberian suite Dance #2
record2 A-3.リベリア組曲 ダンス #3Liberian suite Dance #3
record2 A-4.リベリア組曲 ダンス #4Liberian suite Dance #4
record2 A-5.リベリア組曲 ダンス #5Liberian suite Dance #5
record2 A-6.&CD40-10.コットン・テイルCotton tail
record2 B-1.テーマ・メドレーTheme medley
record2 B-2.バッソ・プロフンドBasso profundo
record2 B-3.ニュー・ヨーク・シティ・ブルースNew York City Blues
record2 B-4.クローズド・ウーマンClothed woman
record2 B-5.トランペッツ・ノー・エンドTrumpets no end

コンサートは12月26日と27日の2日間行われる予定だった。しかし26日ニューヨークは記録的な大雪となり、聴衆の多くが集まることが出来ず、バンドのメンバーでさえ、やっとの思いで、たどり着くようなありさまで、大幅な開始時間の遅れなどで、満足なコンサートにはならなかったという。但し、ラスト・ナンバーの「トランペッツ・ノー・エンド」だけは、27日に録音されておらず、26日のものが収録されている。

「The Duke」CD40枚目
「ザ・ニュー・ルック」
ビリー・ストレイホーンの作。後に"Snibor"と改題されて吹き込まれたという。アンサンブルで始まる。ソロは短いホッジスのAsとナンス(Tp)。
「ブルー・サージ」
デュークの息子、マーサー作の傑作。1941年に吹き込まれたのが最初。重々しいアンサンブルで始まる。ソロはベイカーのミュートTp、エリントン、シアーズ(Ts)からアンサンブルに戻る。。
「トリプル・プレイ」
エリントンの作だが、スタジオ録音が余り無いという。アンサンブルで始まり、ソロはホッジスとロウレンスがアンサンブルを挟みながら交互に取る。

「ハーレム・エアシャフト」
これもエリントンの作。40年7月が最初の録音という。その時のTpは名手クーティ・ウィリアムズで、その役をハロルド・ベイカーが担っている。ベイカーは終始オープンで吹いている。

[DukeEllington_CarnegieHall]レコードB面
「ジョニー・ホッジス・メドレー」
このアルバム最大の聴きものの一つとは解説の粟村政昭氏。ホッジス得意のナンバー5曲が立て続けに演奏される。その5曲とは、「ワンダーラスト」(Wanderlust)、「ジュニア・ホップ」(Junior hop)、「ジープス・ブルース」(Jeep's blues)、「スクアッティ・ルー」(Squatty roo)、「ザ・ムード・トゥ・ビー・ウード」(The mood tobe wooed)。これはとにかくホッジスのユニークなトーンと独特の節回しを楽しむナンバー。ペティフォードの強力なリズムががっしりと足元を支えている。
「メラ・ブラヴァ」
エリントン作。カーネィのBsをフューチャーしたナンバー。アンサンブルで始まるがすぐにスポット・ライトがカーネィに当たる。
「キカプー・ジョイ・ジュース」
これもエリントン作。こちらはジミー・ハミルトン(Cl)をフューチャーするナンバー。
「オン・ア・ターコイズ・クラウド」
エリントンとロウレンス・ブラウンの共作となっている。ケイ・ディヴィスの歌詞のないヴォイス・エフェクトを使い、ハミルトンのClブラウンの柔らかなTbを中心に配する幻想的な作品。
「バキフ」
1954年までスタジオ録音は行われなかった作品だが、コンサートでは度々演奏されていたようだ。ナンスのヴァイオリンとブラウンのTbを起用し、どことなくエキゾチックな雰囲気を醸し出している。

[DukeEllington_CarnegieHall]レコードC面
「リベリア組曲 パート1」
副題として『アイ・ライク・ザ・サンライズ』(I like the sunrise)が付いている。愈々ここからが本コンサートのメインテーマとなる。僕は持っていないが、このコンサートに先立つ2日前の12月24日コロンビアにスタジオ収録している。アル・ヒブラーによって劇的に歌われるこの曲の雰囲気が、デュ―クが「リベリア」について考えることだと言われても正直よく分からない。いわゆる普通のジャズ・ヴォーカル・ナンバーではない。
「リベリア組曲 ダンス #1〜5」
前曲に始まる「リベリア組曲」について、解説の粟村氏は、各々の楽曲の有機的なつながりはあまり感じられず、エリントンが普段書いているスケッチ風の曲を5つ並べただけという印象であると書いているが、僕もそんな風に感じる。冒頭に述べたようにエリントン自身「リベリア」国をどう考え、どう感じているのかこの曲で表現したと言われても、とりとめもない印象しか残らないのである。
#1は冒頭クラリネットがフューチャーされ、次にアル・シアーズがフューチャーされる。時たまティンパニーのような音が聴こえる。#2はハミルトンとグレン(Vib)をフューチャーしている。エリントンのバンドでヴァイヴが聴こえるのは意外性があって面白い。#3がナンスのヴァイオリンがフューチャーされ、#4はグリアのドラム、#5がカーネィ、ナンス(Tp)、グレン(Tb)をフューチャーしている。
「コットン・テイル」
かつてベン・ウエブスターがテナーを吹き、名演といわれた作品で、ここではシアーズががんばっている。

[DukeEllington_CarnegieHall]レコードD面
「テーマ・メドレー」
エリントンのコンサートでは欠かせない名作4曲のメドレー。先ずはごく初期の「イースト・セントルイス・トゥードル・ウー」(East St.Louis toodle-oo)はかなりテンポを落として演奏される。そして「エコーズ・オブ・ハーレム」(Echoes of harlem)、「ブラック・アンド・タン・ファンタジー」(Black and tan fantasy)、「昔は良かったね」(Things ain't what they used to be)、で主役はエンターテイメント性豊かなTpのレイ・ナンスが務める。それぞれが新アレンジで楽しめる構成になっている。
「バッソ・プロフンド」
当時としては非常に珍しい2ベースの競演。どちらも名手であり、極めて高度なプレイの応酬が楽しめる。
「ニュー・ヨーク・シティ・ブルース」
この曲と次の曲は、後にやや編成を縮小した編成でコロンビアに録音され、好評を博したという。短いオーケストラのイントロの後デュークのピアノにホーン、ブラスが重なる。いわゆるブルースではない。ソロはTp、ホッジスのAsと続き、エリントンのPから静かに終わる。
「クローズド・ウーマン」
ちょっと現代音楽風のナンバーである。中心はエリントンのPであろう。
「トランペッツ・ノー・エンド」
この曲のみ26日の演奏で、タイトル通りTp同士の派手な競演が聴きもの。キャット・アンダーソンが抜けた穴を埋めるべく入団した高音ヒッター、アル・キリアンを目立たせているようだ。

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