エディ・コンドン 1944年

Eddie Condon 1944

この年のエディ・コンドンの録音数は膨大なものに上る。それは偏に5月21日から始まるタウンホール・コンサートの音源が、LPレコード5枚に収録されて発売されていることによる。それらは全てラジオ放送(ブルー・ネットワーク)のための公開番組を収録したものだ。その他にも少数ながらスタジオ録音も持っている。ともかく音源を聴いていこう。

<Date&Place> … 1944年4月15日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … マグシー・スパニアと彼のラグタイマーズ(Muggsy Spanier and his ragtimers)

Bandleader & Cornetマグシー・スパニアMuggsy Spanier
Tromboneミフ・モールMiff Mole
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Pianoディック・キャリーDick Cary
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Bassボブ・ケイシーBob Casey
Drumsジョー・グラウソJoe Grauso

<Contents> … "Muggsy Spanier/Pee Wee speaks"(History 20.3005-HI)&「ボビー・アンド・マグシー/ホーン・ア・プレンティ」(Commodore K23P-6632)

CD2-1.アングリーAngry
CD2-2.record A-3.ウェアリー・ブルースWeary blues
CD2-3.スナッグ・イットSnag it
CD2-4.record A-4.アリス・ブルー・ガウンAlice blue gown

Commodore Recordsへの録音である。Pのディック・キャリーはトランペットも吹くという多芸な人。この時期は兵役についていたはずだが、休みを取れた日にはレコーディングなどに参加していたようだ。

「アングリー」
マグシーのリードするアンサンブルで始まり、最初のソロはラッセルが取る。続いてモールが取り、マグシーのリードするアンサンブルとなり、短いグラウソのソロが入り終わる。マグシーのソロはない。
「ウェアリー・ブルース」
この曲もマグシーのリードするアンサンブルで始まり、最初のソロはキャリー、続いてラッセル。再びマグシーのリードするアンサンブルとなり、短いグラウソのソロが入り終わる。この曲でもマグシーのソロはない。
「スナッグ・イット」
ブルース・ナンバーである。アンサンブルの後最初のソロはモール、続いてマグシーのソロとなる。ここではミュートを付けて吹いている。続いてラッセル、再びマグシーがリードするアンサンブルとなる。リフ風のバックにラッセルが短いソロを吹いてエンディングに向かう。
「アリス・ブルー・ガウン」
この曲もマグシーのリードするアンサンブルで始まり、最初のソロはキャリー、続いてマグシーのソロとなる。ここでもミュートを付けて吹いている。そしてラッセルからマグシーがリードするアンサンブルとなって終わる。全体を通してマグシーが元気なのがうれしい。

<Date&Place> … 1944年4月22日 ニューヨーク

<Personnel> … マグシー・スパニアと彼のラグタイマーズ(Muggsy Spanier and his ragtimers)

Bandleader & Cornetマグシー・スパニアMuggsy Spanier
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoディック・キャリーDick Cary
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Bassシド・ワイスSid Weiss
Drumsジョー・グラウソJoe Grauso

<Contents> … "Muggsy Spanier/Pee Wee speaks"(History 20.3005-HI)&「栄光のコンドン・ジャズ」(XM-34-MSD)

CD2-5.スイート・ロレインSweet Lorraine
CD2-6.&CD1-13.B面4.オー・レディ・ビー・グッドOh, lady be good
CD2-7.シュガーSugar
CD2-8.9月の雨September in rain

低音部にトロンボーンではなくバリトン・サックスを加えているところが異色である。

「スイート・ロレイン」
マグシーのリードするアンサンブルで始まり、最初のソロはキャサレスのBs、そしてキャリー、ラッセルと続き、マグシーがリードするアンサンブルとなって終わる。キャリーのソロがいい。
「オー・レディ・ビー・グッド」
何故かCDでは、1枚目と2枚目と同じものが入っている。まずソロを取るのはラッセル(Cl)で、続いて大将のマグシーに渡し、そしてキャサレス(Bs)のソロとなる。マグシーはアンサンブルはオープンで吹き、ソロはミュートをかけている。マグシーの演奏は活気があり、輝かしい音色を響かせている。それに釣られてかラッセル、キャサレス共に聴き応えのあるプレイをしている。
「シュガー」
キャサレスがイントロを吹く。テンポを落としたメロウなナンバー。アンサンブルの後のソロも最初にキャサレスが取る。アンサンブルを挟んで、ラッセルが取るが変化球過ぎて余り好きになれない。キャサレスのリードするアンサンブルで終わる。
「9月の雨」
マグシーのリードするアンサンブルで始まる。最初のソロはラッセル、続くマグシーはオープンでソロを取っている。このソロは歌心がある。続くキャリーもメロディアスでなかなか良い。そしてマグシーがリードするアンサンブルとなり、短いキャサレスのソロを挟んで終わる。

<Date&Place> … 1944年4月28日 ニューヨーク

<Personnel> … ボビー・ハケット・ウィズ・ミフ・モール・アンド・ヒズ・ニクシーランド・バンド(Bobby Hackett with Miff Mole and his Nicksieland band)orエディ・コンドン・オーケストラ(Eddie Condon orchestra)

Bandleader & Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Tromboneミフ・モールMiff Mole
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Clarinet & Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroeder
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Bassボブ・ケイシーBob Casey
Drumsジョー・グラウソJoe Grauso

<Contents> … 「ボビー・アンド・マグシー/ホーン・ア・プレンティ」(Commodore K23P-6632)&"Eddie Condon/That's a serious thing"(History 20.3008-HI)

この音源は、「ボビー・アンド・マグシー/ホーン・ア・プレンティ」(レコード)と"Eddie Condon/That's a serious thing"(CD)に収められているが、記載されている録音日、バンド名が異なる。コモドア・レコードのディスコグラフィーから、レコードに記載された方が正しいと判断した。

CD1-19.「アイ・マスト・ハヴ・ザット・マン」(I must have that man)
ゆったりとしたバラード。ビリー・ホリデイも吹き込んでいるナンバーで、ゆったりとしたバラード。ハケットがリードするアンサンブルからPソロとなる。このソロはしっとりとして実にいい。続いてハケットのソロから、アンサンブルに戻る。

エディ・コンドン … タウン・ホール・コンサート

さてここからはいわゆる「タウン・ホール・コンサート」になる。これを収録されたレコードは、「エディ・コンドン・オール・スターズ 1944」と題され、日本では、ベイブリッジ・レコード(テイチク・レコードの洋楽レーベル)から、LP5枚組として発売されている。一アーティストの1年間のある一部の演奏を記録したものとしては異例のヴォリュームである。果たしてエディ・コンドン・バンドのコンサートの実況録音にLP5枚も必要かどうか訊かれたら、即座に”Yes”と答えられる人は少ないと思う。
しかし我々は聴衆である。聴かなくてもいいと判断すれば、聴かなければいいのである。エディ・コンドン・ファン、シカゴ・ジャズ・ファンが喜々として聴けばいいのである。さて、では僕はどうするか?まずは折角レコードを買ってみたのだから、全篇を通して聴いてみて、気に入れば、気に入った箇所をこれからも聴いていこうと普通に思っている(一度は通して聴いているので、全篇通して聴くのは2度目だが)。
そして僕が思うのは、この時期は第二次世界大戦中で、アメリカはヨーロッパでナチス・ドイツと、太平洋で日本と2方面で戦っていたのである。そんな時期によくこのようなジャズ・コンサートが定期的に行われたものだと思う。
さてではこのコンサートはどのような経緯で行われるようになったのであろうか?発端は1938年のベニー・グッドマンのカーネギー・ホール・コンサートとジョン・ハモンドが主催してカーネギー・ホール・コンサートで行われた、「フロム・スピリチュアルス・トゥ・スイング」コンサートだという。そしてコンドンの親友、アーニー・アンダーソンという男が登場する。アーニー・アンダーソンはラジオやテレビのパーソナリティとして大変有名だが、それと同一人物かどうかは分からない。ともかくそのあんだーそんとこんどんは、次のことで考えが一致していたという。「カーネギー・ホールで行われたいくつかのジャズ・コンサートは、ビッグ・バンドによるもので、他人が書いた譜面を基に演奏するものだ。だが我々の演っているリアル・ジャズはそんなものではない。アレンジした譜面などは一切使わないインプロヴァイズド・ミュージックだ。そのリアル・ジャズのコンサートをカーネギー・ホールで開き、リアル・ジャズを世間に示さねばならない。」こうして人気のスター、ファッツ・ウォーラーを中心に据え、1942年1月14日にカーネギー・ホールでコンサートが開催された。そしてこのコンサートは大盛況で終わったのだった。この大成功を受けて、こうしたコンサートをタウン・ホールに場所を移し、継続して実施することになるのである。
タウンホール・コンサート(後にリッツ・シアターに移り、リッツ・シアターの方が回数が多くなるのですが、慣例的にタウンホール・コンサートと呼ばれる)は、毎週土曜日5時30分から行われ、チケットは、1.10ドルと1.6ドルの2種で、全席指定だったそうです。1944年からはブルーネット・ワークを通じ全米中にラジオ放送されると同時にAFRS(Armed Forces Radio Service)が片面30分のトランスクリプションに取り、海外に派遣された米軍にV-discとして配られることになる。そのトランスクリプションの中から、演奏の出来栄え、録音状態、保存状態を見て選択してまとめたものがこのレコード・ボックスである。
バンドのメンバーは、シカゴアン達を中心に集められたが、当然毎週欠かさずというわけにはいかず、その都度都度で移動がある。戦地の兵士たちに元気を付けるという目的のために、元気のよい、気分を高揚させるディキシーランド・ジャズが求められた。また何故かはわからないが、ピアニストは2人出演させることが条件になっていたという。音源は全て「エディ・コンドン・オール・スターズ 1944」(UPS-2255〜59-B)なので、各日毎の記載は省く。また固定したバンドをそもそも想定していないので、メンバーの移動の記載も省略する。コンサートの構成は、人気のDJ、フレッド・ロビンスがコンドンを紹介して引っ込み、あとの進行はコンドンが行うというものだったという。この時期放送用トランスクリプションのレコード化をよく見かけるが、大概はボールルームからの放送で、ダンス音楽だが、コンサート会場から、つまり鑑賞をしている観客の音楽をレコード化したのは貴重である。

<Date&Place> … 1944年5月27日 ニューヨーク・タウンホールにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackettレックス・スチュアートRex Stewart
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyホット・リップス・ペイジHot Lips Page
Tromboneミフ・モールMiff Mole
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Clarinet & Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroeder
Bassジョン・カービーJohn Kirby
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalライザ・モロウLiza Morrow

<Contents>

record1 A面1.オープニングOpening
record1 A面2.アット・ザ・ジャズ・バンド・ボールAt the jazz band ball
record1 A面3.アイ・マスト・ハヴ・ザット・マンI must have that man
record1 A面4.アラビアの酋長The shiek of Araby
record1 A面5.ザ・ザZa-Za
record1 A面6.タイム・オン・マイ・ハンズTime on my hands
record1 A面7.アイル・ゲット・バイI'll get by
record1 A面8.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble

放送としては2回目だが、AFRS録音はこの日が最初という。コルネット2本、トランペット2本、トロンボーン1本と金管が多く、それだけきらびやかにしたいということであろう。デューク・エリントン楽団からレックス・スチュアート、ソニー・グリアが特別出演している。シカゴ・スタイルというのはディキシーランド・ジャズのシカゴ盤なので、元はニューオリンズ・ジャズである。そしてニューオリンズ・ジャズはマーチから派生したものと考えれば、戦地に送る音楽としては最適だったわけである。
「アット・ザ・ジャズ・バンド・ボール」は、ニューオリンズ・ジャズの古くから演奏されていたナンバーで、オープニングとしてふさわしい軽快なアンサンブルを縫って、フロント・ラインのソロがスポットされる。
「アイ・マスト・ハヴ・ザット・マン」は、4月25日にコンドンがスタジオ録音したばかりのナンバー。
「アラビアの酋長」は、ホット・リップス・ペイジがフューチャーされる。得意のグロウル・スタイルで熱演し、ヴォーカルでも活躍する。ヴォーカルの後はオープンでカデンツァまで吹き切るが、ここでのペイジのプレイは素晴らしい。
「ザ・ザ」はレックス・スチュアートのオリジナル。今度はペイジに負けじとばかりにスチュアートが素晴らしいプレイを聴かせる。
「タイム・オン・マイ・ハンズ」においては、キャサレスのバリトン・サックスがフューチャーされる。実にリリカルに、しかも朗々と歌い上げるプレイは素晴らしいとしか言いようがない。
「アイル・ゲット・バイ」は、ライザ・モロウのヴォーカル入り。ビリー・ホリデイの愛唱歌で、モロウも情感豊かに歌う。「私は何とかやっていくわ」という歌なので、戦地の兵士の故郷への思いを募らせるであろう。中間のClはキャサレスの持ち替え。どう聴いてもスイング・スタイルである。
「インプロンプツ・アンサンブル」は毎回フィナーレを飾る曲として奏される。ジャム・セッション風のセッティングでソロをつなげて盛り上げる。アンサンブルは当然ディキシー風である。

<Date&Place> … 1944年6月10日 ニューヨーク・タウンホールにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyホット・リップス・ペイジHot Lips Page
Tromboneビル・ハリスBill Harris
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Clarinet & Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoクライド・ハートClyde Hart
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsジョー・グラウソJoe Grauso
Vocalライザ・モロウLiza Morrow

<Contents>

record1 B面1.オープニングOpening
record1 B面2.マスクラット・ランブルMuskrat ramble
record1 B面3.ミーン・トゥ・ミーMean to me
record1 B面4.ホエン・マイ・シュガー・ウォークス・ダウン・ザ・ストリートWhen my sugar walks down the street
record1 B面5.身も心もbody and soul
record1 B面6.ジャ・ダJa-Da
record1 B面7.バック・イン・ユア・オウン・バックヤードBack in your own backyard
record1 B面8.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズYou don't know what love is
record1 B面9.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble

ビル・ハリスがウディ・ハーマン楽団に加わる直前だが、既に注目されていたことが分かるという。
「マスクラット・ランブル」は、キッド・オリィ作のディキシー・ナンバー。Pソロはディキシーを意識したものだという。ラッセルは意外にダーティ・トーンも交えたソロを取る。
「ミーン・トゥ・ミー」は、ハリスの十八番のナンバーで、そのハリスをフューチャーしている。どう聴いてもディキシーではなく、スイング時代を彷彿させる演奏である。
「ホエン・マイ・シュガー・ウォークス・ダウン・ザ・ストリート」で、イントロを吹くのはハケットで、ヴォーカルはペイジ、Pソロを挟んで、続くメインのソロはペイジで、このソロは圧巻である。
「身も心も」は、超有名曲。フューチャーされるのはキャサレス。何故かこのレコードではキャサレスが優遇され、見せ場を作ってもらっている。
「ジャ・ダ」は1918年に作られたディキシーの古典。少しテンポを緩めてハケットが端正なソロを取っている。
「バック・イン・ユア・オウン・バックヤード」では、やっとカミンスキーがフューチャーされる。身内なのでコンドンは控えさせたのだろうか?
「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」は、ライザ・モロウのヴォーカル・ナンバー。
「インプロンプツ・アンサンブル」はお決まりのジャム風盛り上げタイム。フィナーレを迎える。

<Date&Place> … 1944年6月24日 ニューヨーク・タウンホールにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyホット・リップス・ペイジHot Lips Page
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Clarinet & Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroederウィリー・ザ・ライオン・スミスWillie "theLion" Smith
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsジョー・グラウソJoe Grauso

ここで注目なのは、ピアノに大御所、ウィリー・ザ・ライオン・スミスが入っているところであろう。

<Contents>

record2 A面1.いい娘を見つけたI found a new baby
record2 A面2.ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイWhat is there to say
record2 A面3.セント・ルイス・ブルースSt. Louis blues
record2 A面4.ジャズ・ミー・ブルースJazz me blues
record2 A面5.チャイナタウン・マイ・チャイナタウンChinatown , my chinatown
record2 A面6.チェリーCherie
record2 A面7.キーピン・アウト・オブ・ミスチーフ・ナウKeepin' out of mischief now

「いい娘を見つけた」は、この時代よく取り上げられていた曲。ギター奏者としては極めて低評価のコンドンで、そのプレイはほとんど聴こえないくらいに小さく録音されるのが常だが、ここではそのプレイぶりがはっきりと聴き取れる。フレディー・グリーンを思わせるようなカッティング・プレイで全体を盛り上げている。演奏自体も素晴らしい。終わり近くにハガートのベースも聴かれる。
「ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ」は、ピアノのゲスト、ライオン・スミスのリリカルなソロ。スミスがヴァーノン・デュークの小唄を取り上げること自体が極めて異例と油井正一氏も書いている。
「セント・ルイス・ブルース」は、W.C,ハンディ作のスタンダード・ナンバー。これもスミスがフューチャーされる。バックはリズム隊のみである。初めは静かに始まるが、後半は一転して激しい演奏で、本領を発揮する。
「ジャズ・ミー・ブルース」は、Cor(多分カミンスキー)、Cl、Bsの3管とリズム隊で演奏される。ソロはP、Bs、Cor、Clの順。カミンスキーのソロは、ビックスを想起させるような爽快感がある。
「チャイナタウン・マイ・チャイナタウン」は、Tpのペイジのフューチャー曲。ペイジのソロは急テンポのすさまじいソロで、支えるハガートのベースも素晴らしい。
「チェリー」は、Corのハケットのフューチャー・ナンバー。キャサレスのBsソロ、ラッセルのCl、そしてハケットのソロとなる。支えるハガートのベースが心地良く響く。
「キーピン・アウト・オブ・ミスチーフ・ナウ」はファッツ・ウォーラー作の名曲。ペイジはヴォーカルだけの参加で、2度あるCorソロはいずれもハケット。寛いだ雰囲気の良いソロである。なお、通常ある「インプロンプツ・アンサンブル」は不完全なので割愛したとのこと。

<Date&Place> … 1944年7月12日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ボビー・ハケット・ウィズ・バド・フリーマン・アンド・ヒズ・ギャング(Bobby Hackett with Bud Freeman and his gang)

Bandleader & Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Alto Saxディヴ・マシューズDave Matthews
Tenor Saxバド・フリーマンBud Freeman
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Bassアーティー・シャピロArtie Shapiro
Drums B-1.ディヴ・タフDave Tough
Drums B-2.マーティ・マーサラMarty Marsala

<Contents> … 「ボビー・アンド・マグシー/ホーン・ア・プレンティ」(Commodore K23P-6632)

B-1.あなたの思い出Memories of you
B-2.ホワッツ・ザ・ユースWhat's the use ?
「あなたの思い出」
ベニー・グッドマンで有名なナンバー。最初メロディーをハケットが吹き、Bメロからフリーマンとなる。最初にソロを取るのは、ラッセルで、フリーマン、ハケットと続く。それぞれ白人らしい洗練された上品な演奏を披露する。
「ホワッツ・ザ・ユース」
ここでも最初にメロディを吹くのは、ハケット。それをフリーマンが引き継ぎ、またハケットに戻す。ソロはラッセルからそしてフリーマン、ステイシーと続き、ハケットのリードするアンサンブルとなりエンディングを迎える。

<Date&Place> … 1944年7月15日 ニューヨーク・タウンホールにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyジョナ・ジョーンズJonah Jones
Tromboneベニー・モートンBenny Morton
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russellエドモンド・ホールEdmond Hall
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroederウィリー・ザ・ライオン・スミスWillie "theLion" Smith
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling

<Contents>

record2 B面1.ザッツ・ア・プレンティThat's a plenty
record2 B面2.はりきり親父I'm a ding dong daddy
record2 B面3.エコーズ・オブ・スプリングEchoes of spring
record2 B面4.ポロネーズPolonaise
record2 B面5.キャラヴァンCaravan
record2 B面6.ニュー・オリンズNew Orleans
record2 B面7.ウォルヴェリン・ブルースWolverine blues
record2 B面8.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble

「ザッツ・ア・プレンティ」は、途中から始まる。ディキーランド・ジャズの大定番ナンバー。最初のPソロはシュレーダー、キャサレス、カミンスキー、ラッセルと続く。大変熱気にあふれた演奏である。
「はりきり親父」は、ベニー・グッドマンのレパートリーで、ステージで演奏されるのは珍しい。ここではジョナ・ジョーンズのヴォーカルがフューチャーされる。Clソロはラッセル、Tpソロはジョーンズ。
「エコーズ・オブ・スプリング」は、ライオン・スミスのオリジナルという。スミスのPソロで、春の息吹を感じさせるような暖かく清らかな小品。
「ポロネーズ」もスミスのPソロで、クラシック風に格調高くイントロを奏でてスタートし、途中からテンポ・アップし、熱情がほとばしるようなストライド・ピアノ・プレイとなる。
「キャラヴァン」は余りにも有名なエリントン・ナンバー。ホール(Cl)とリズム隊のカルテットで演奏される。ホールのソロはエキゾチックなムードの中にスリルを感じさせる。
「ニュー・オリンズ」は、キャサレスのBsをフューチャーしている。この1944年時点では、Bsをプレイする奏者は決して多くなかったが、キャサレスのプレイはなかなかこなれていてグッドである。 「ウォルヴェリン・ブルース」はジェリー・ロール・モートンの作。ソロはシュレーダー、ハケット、ラッセル。各人ともよいソロである。
「インプロンプツ・アンサンブル」は、恒例のジャム大会。ソロはシュレーダー、キャサレス、カミンスキー、ホール、モートン、ハケット、ラッセル、ジョーンズ、ウエットリング(Ds)と繋いでいく。ソロのバックはカンサス風リフで盛り上げる。

<Date&Place> … 1944年8月26日 ニューヨーク・タウンホールにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackettマグシー・スパニアMuggsy Spanier
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminsky
Tromboneビル・ハリスBill Harris
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russellジョー・マーサラJoe Marsala
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroederアート・ホーデスArt Hodes
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsジーン・クルーパGene Krupa

マグシー・スパニア、ジョー・マーサラ、アート・ホーデス、ジーン・クルーパと新顔が加わり、オール白人で行われる。

<Contents>

record3 A面1.カリフォルニア・ヒア・アイ・カムCalifornia here I come
record3 A面2.アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウI know that you know
record3 A面3.ビール・ストリート・ブルースBeale street blues
record3 A面4.ダイナDinah
record3 A面5.クラリネット・ジャムClarinet jam
record3 A面6.スーンSoon
record3 A面7.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble

「カリフォルニア・ヒア・アイ・カム」も、途中から始まる。カミンスキーがリードするアンサンブルからキャサレス、ラッセル、ハリスとソロをつなぐ。
「アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウ」は、ヴィンセント・ユーマンスの傑作。Ciのマーサラをフューチャーしている。クルーパも実にらしいはりきったプレイで盛り上げる。
「ビール・ストリート・ブルース」は、ホーデスのソロ・ナンバー。しっかりと大地に根を下ろしたような本物のブールスだという。所々ブギ・ウギを盛り込みながら黒っぽく弾きこなしている。
「ダイナ」は、日本ではディック・ミネの持ち歌。古いミュージカル・ナンバーで、軽快なテンポから一旦スロウに落とし、渋いスパニアがミュート・プレイを聴かせ、テンポを戻し、ラッセル、キャサレス、ハリス、スパニアとソロを回す。
「クラリネット・ジャム」は、BsからClに持ち替えたキャサレス、ラッセル、マーサラという3本のClの競演作。どう演者を聴き分けるかというと、油井氏によれば、一番ひねくれているのがラッセルで、一番素直なのがキャサレス、中間がマーサラなのだという。
「スーン」は、ガーシュインの作。ハケットがメロディをやさしくしみじみと歌い上げる。続くPソロはシュレーダーか?再びハケットに戻って締め括る。
「インプロンプツ・アンサンブル」は、恒例のジャム大会。シュレーダー、キャサレス、マーサラ、ハケット、ハリス、カミンスキー、ラッセル、スパニアと続き再度シュレーダー、キャサレス、マーサラ、ハケット、ハリス、ハガート(B)、カミンスキー、マーサラ、リフによるアンサンブル、クルーパからアンサンブルで終わる。これだけのメンツが揃えたソロ競演はここでしか聴けない。

<Date&Place> … 1944年9月23日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ボビー・ハケット・アンド・ヒズ・オーケストラ(Bobby Hackett and his orchestra)

Bandleader & Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Tromboneルー・マクガリティLou McGarity
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Bassボブ・ケイシーBob Casey
Drumsジョージ・ウェットリングGeorege Wettling

<Contents> … 「ボビー・アンド・マグシー/ホーン・ア・プレンティ」(Commodore K23P-6632)

B-4.アット・サンダウンAt Sundown
B-5.ニュー・オリンズNew Orleans
B-6.スケルトン・ジャングルSkelton jungle
B-7.ホエン・デイ・イズ・ダンWhen day is done
B-8.スーンSoon
「アット・サンダウン」
は、完全にディキシーランド・スタイルの演奏。短いアンサンブルからラッセル、マクガリティ、ハケット、キャサレスとソロが続き、ディキシー風のアンサンブルで終了する。聴き応えのあるソロは、ハケットとキャサレスかな。
「ニュー・オリンズ」
スロウな曲で、ハケットの憂いを含んだ音色と演奏が印象的である。ステイシーも曲調に合わせ抑えた演奏しているが、続くキャサレスのソロでテンポ・アップする。しかし再びハケットが登場するとグッとテンポを落として、アンニュイな雰囲気を醸し出すというドラマティックな展開を行っている。
「スケルトン・ジャングル」
、一転して明るいディキシーランド・ジャズである。アンサンブルの後、ラッセル、マクガリティ、ステイシーとソロが続き、ハケットのリードするアンサンブルとなってエンディングに向かう。
「ホエン・デイ・イズ・ダン」
憂いを含んだステイシーのイントロで始まり、マクガリティがテーマを奏でる。続くキャサレスはBsの高音部を使ってリリカルにソロを吹き、ハケットのソロにつなぐ。
「スーン」
ピアノのイントロからハケットがアンサンブルをリードし、ソロはまずステイシーが取るが、全体的にシングル・トーンを活かしたプレイを披露している。続くハケットのソロは実に端正な感じで、これが彼の持ち味なのであろう。

<Date&Place> … 1944年9月27日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … マグシー・スパニアと彼のラグタイマーズ(Muggsy Spanier and his ragtimers)

Bandleader & Cornetマグシー・スパニアMuggsy Spanier
Tromboneミフ・モールMiff Mole
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Tenor saxブーミー・リッチモンドBoomie Richmond
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroeder
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsジョージ・ウェットリングGeorege Wettling

<Contents> … "Muggsy Spanier/Pee Wee speaks"(History 20.3005-HI)&「ボビー・アンド・マグシー/ホーン・ア・プレンティ」(Commodore K23P-6632)

CD1-14.record A-6.メンフィス・ブルースMemphis blues
CD2-9.record A-5.スイート・スー・ジャスト・ユーSweet Sue , just you
CD2-10.record A-7.リヴァーサイド・ブルースriverside blues
CD2-11.ロゼッタRosetta

このセッションでのマグシーのコルネットの音色がこれまでとは異なるような気がする。ちょっと荒くなったような気がする。

「メンフィス・ブルース」
同一セッションの1曲だけ1枚目のCDに入っている。どうしてこういうトラップを仕掛けるのか不思議である。高らかに吹き上げるマグシーのイントロから始まるブルース。声を交えたような不思議な音でソロを取っているのはラッセルであろう。こういう変化球は好ましくないと思う。続くマグシーはオープンでいいつも以上にエモーショナルに吹き上げ、端正なシュレーダー、モールのソロからマグシーのリードするアンサンブルとなる。
「スイート・スー・ジャスト・ユー」
マグシーのリードするアンサンブルで始まり、シュレーダー、リッチモンド、ラッセル、マグシー、モールとソロが続き、マグシーのリードするアンサンブルとなる。
「リヴァーサイド・ブルース」
アンサンブルからラッセルのソロとなる。続いてマグシーのミュート・ソロ、リッチモンド、シュレーダーと1コーラスずつ取りアンサンブルとなる。
「ロゼッタ」
アール・ハインズの作。アンサンブルの後最初にラッセル、続いてマグシー(オープン)、モール、アンサンブルを挟んでリッチモンドがソロを取りアンサンブルとなる。

<Date&Place> … 1944年10月14日 ニューヨーク・リッツ・シアターにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyビリー・バターフィールドBilly Butterfield
Tromboneベニー・モートンBenny Morton
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russellエドモンド・ホールEdmond Hall
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Bassボブ・ケイシーBob Casey
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling
Vocalレッド・マッケンジーRed McKenzieリー・ワイリーLee Wiley

リッツ・シアターに移って2回目の開催。ビリー・バターフィールド、ジェス・ステイシーとリー・ワイリーの夫婦、Bのボブ・ケイシー、コンドンゆかりの歌手レッド・マッケンジーが初登場である。コルネット奏者が参加していないのが珍しい。

<Contents>

record3 B面1.オープニングOpening
record3 B面2.マスクラット・ランブルMuskrat ramble
record3 B面3.スイート・ロレインSweet Lorraine
record3 B面4.スイート・ジョージア・ブラウンSweet Georgia brown
record3 B面5.シュガーSugar
record3 B面6.ドント・ブレイム・ミーDon't blame me
record3 B面7.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble
「オープニング」は、短い紹介のみ。
「マスクラット・ランブル」は、6月10日以来2度目となる。ディキシー特有のハッピーなムードからシュレーダー、キャサレス、バターフィールド、モートン、ラッセルとソロが続く。
「スイート・ロレイン」で、歌手レッド・マッケンジーが登場する。マッケンジーは騎手上がりという珍しい経歴で、コンドンに初レコーディングの機会を与えた人物。この曲はナット・キング・コールなどで有名。マッケンジーもここでは歌手としての実力を発揮している。
「スイート・ジョージア・ブラウン」では、Pのジェス・ステイシーがDsのウエットリングのサポートを得てフューチャーされる。油井氏いわく「アール・ハインズを漂白したような演奏」という。白人らしく小気味よいスイングということかな?
本来はここで「ハニーサックル・ローズ」が入るが、「連合軍が台湾を爆撃」とニュースが流れ、中断するので外したという。やはり戦時下なのだ。
「シュガー」では、カミンスキーがアンサンブルをリードし、ステイシー、キャサレス、ラッセル(音が荒れている)、アンサンブルを挟んでモートンからアンサンブルとなる。
「ドント・ブレイム・ミー」は、夫君のステイシーが優しくオブリガードを付け、ワイリーが都会的で洒脱なバラード歌唱を聴かせてくれる。
「インプロンプツ・アンサンブル」は、恒例のジャム大会なのだが、臨時ニュースが入ったため時間の関係かステイシー、バタフィールド、ラッセルのソロで打ち止めとなる。

<Date&Place> … 1944年10月21日 ニューヨーク・リッツ・シアターにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyビリー・バターフィールドBilly Butterfieldディック・キャリーDick Cary
Tromboneミフ・モールMiff Mole
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジェス・ステイシーJess Stacyジーン・シュレーダーGene Schroeder
Bassボブ・ケイシーBob Casey
Drumsジョー・グラウソJoe Grauso
Vocalレッド・マッケンジーRed McKenzieリー・ワイリーLee Wiley

Tpのディック・キャリーは兵役中であるが、外出を認められて参加したという。日本では考えられないことである。

<Contents>

record4 A面1.オープニングOpening
record4 A面2.ロイヤル・ガーデン・ブルースRoyal garden blues
record4 A面3.リトル・ハイ・チェアマンLittle high chairman
record4 A面4.スリー・リトル・ワーズThree little words
record4 A面5.イエスタディズYesterdays
record4 A面6.ストラッティン・ウィズ・サム・バーベキューStruttin' with some barbeque
record4 A面7.オールド・フォークスOld folks
record4 A面8.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble
「ロイヤル・ガーデン・ブルース」は、ディキシーの定番ナンバー。ソロはシュレーダー、カミンスキー、モール、キャサレス、ラッセルと繋ぎリフのアンサンブルからコレクティヴ・インプロヴィゼイション風の合奏となって終わる。
「リトル・ハイ・チェアマン」は、マッケンジーのヴォーカルをフューチャーしている。
「スリー・リトル・ワーズ」では、Clに持ち替えたキャサレスとステイシーがソロを交換しながら軽快にスイングする。
「イエスタディズ」はジェローム・カーン作の名作。シュレーダーのバック・アップを受けながらバターフィールドが歌い上げる。双方とも表現にオーヴァーなところが無く、抑え気味のプレイが好ましい。
「ストラッティン・ウィズ・サム・バーベキュー」は、ルイ・アームストロングの十八番。ここでもフューチャーされるのはバターフィールド。この人のプレイがこれほど取り上げられるのは珍しい気がする。続いてシュレーダー、キャサレス(Bs)、再びバターフィールド、ラッセルとソロが続く。
「オールド・フォークス」これもスタンダード・ナンバー。ここでも夫君のピアノ・オブリガードを得て、ワイリーがリリカルに歌い上げている。
「インプロンプツ・アンサンブル」恒例のジャム大会。ここでは、ステイシー、キャサレス、バターフィールド、モール、カミンスキー、ラッセル、シュレーダー、グラウソ(Ds)と繋いでいく。バックのリフ・アンサンブルも迫力がある。バターフィールドの若々しいソロがひと際光る。

<Date&Place> … 1944年12月2日 ニューヨーク・リッツ・シアターにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyウィンギー・マノンWingy Mannone
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoノーマ・ティーガーデンNorma Teagardenクリフ・ジャクソンCliff Jackson
Bassジャック・レスバーグJack Lesberg
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling

<Contents>

record4 B面1.いい娘を見つけたI found a new baby
record4 B面2.ベイビー・ウォント・ユー・プリーズ・カム・ホームBaby won't you please come home
record4 B面3.アラビアの酋長The shiek of Araby
record4 B面4.リトル・ロック・ゲタウェイLittle rock geta-way
record4 B面5.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble
「いい娘を見つけた」このナンバーは2度目となる。キャサレスに続いていよいよティーガーデンの登場となる。ティーガーデンのソロは悠揚迫らざる王者の貫禄があるとは、油井氏。
「ベイビー・ウォント・ユー・プリーズ・カム・ホーム」では、ティーガーデンのヴォーカルが聴ける。続いてラッセル、ハケット、ノーマ(女性とは思えぬ力強さだ)、キャサレスからアンサンブルとなる。
「アラビアの酋長」も2度目の演目となる。ソロはノーマ、キャサレス、マノンと来て、真打登場ティーガーデンのソロとなる。その後集団合奏のアンサンブルとなって締め括る。
「リトル・ロック・ゲタウェイ」この曲でもノーマ(ジャックの妹)がフューチャーされる。これだけ力強ければ、兄貴のバンドでも使ってもらえるであろう。
「インプロンプツ・アンサンブル」さて恒例のジャム大会。10分近い長尺で、まずティーガーデンとマノンの掛け合いヴォーカルが聴かせる。インストのソロに移って、マノン、キャサレス、カミンスキー、ジャクソン(P)、ラッセル、ノーマ、ハケット、ティーガーデン、ウエットリング、ジャクソン、ウエットリング、ハケットが締めるというが、どうも締まらない終わり方である。

<Date&Place> … 1944年12月7日 ニュー・ヨークにて録音

<Personnel> … マグシー・スパニアと彼のラグタイマーズ(Muggsy Spanier and his ragtimers)

Bandleader & Cornetマグシー・スパニアMuggsy Spanier
Tromboneルー・マクガリティLou McGarity
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroeder
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsジョージ・ウェットリングGeorege Wettling

<Contents> … "Muggsy Spanier/Pee Wee speaks"(History 20.3005-HI)&「ボビー・アンド・マグシー/ホーン・ア・プレンティ」(Commodore K23P-6632)

CD1-15.&record A-8.「ホイッスリン・ザ・ブルース」(Whistlin' the blues)
ピアノのイントロから口笛がメロディを吹く。これは前セッションでも口笛を披露しているハガートであろう。そしてマグシーのリードするアンサンブルからまずソロを先発するのは、ラッセル、続いてマクガリティ、ブレークが入り、アンサンブルを挟んで再び口笛が入り、エンディングとなる。

<Date&Place> … 1944年12月13日 ニューヨーク

<Personnel> … エディ・コンドン・オーケストラ(Eddie Condon orchestra)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyビリー・バターフィールドBilly Butterfield
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Clarinet & Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroeder
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling

<Contents> … "Eddie Condon/That's a serious thing"(History 20.3008-HI)

CD1-20.「ホエン・ユア・ラヴァー・ハズ・ゴーン」(When your lover has gone)

少しテンポを落としたバラード・ナンバー。アンサンブルからBsソロ、CorかTpのソロと続く。これに続くティーガーデンのソロはさすがに聴かせる。そして再びCorかTpのソロが入り、Tbがリードするアンサンブルで締め括る。

<Date&Place> … 1944年12月16日 ニューヨーク・リッツ・シアターにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyビリー・バターフィールドBilly Butterfieldディック・キャリーDick Cary
Cornetボビー・ハケットBobby Hackett
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Soprano saxシドニー・ベシェSidney Bechet
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジーン・シュレーダーGene Schroeder
Bassシド・ワイスSid Weiss
Drumsジョニー・ブロワーズJohnny Blowers
Vocalリー・ワイリーLee Wiley

この日はティーガーデンに匹敵する大物、シドニー・ベシェの参加が目につく。超豪華なメンバーとなった。

<Contents>

record5 A面1.オープニングOpening
record5 A面2.ボーリン・ザ・ジャックBallin' the Jack
record5 A面3.アラビアの酋長The shiek of Araby
record5 A面4.チャイナ・ボーイChina boy
record5 A面5.小さなホテルThere's a small hotel
record5 A面6.ロイヤル・ガーデン・ブルースRoyal garden blues
record5 A面7.ホエアエヴァー・ゼアーズ・ラヴWherever there's love
record5 A面8.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble
「ボーリン・ザ・ジャック」は、1913年に作られたという古い曲。ソロはシュレーダー、キャサレス、カミンスキー、ティーガーデン、ラッセルと続く。ただしこの日の録音は概して音が悪い。
「アラビアの酋長」は3度目となる演目。ティーガーデンのヴォーカルが入る。その後ソロを取り、ラッセルに渡す。その後アンサンブル、Pブレイクを挟んで再びティーガーデンのヴォーカルで締める。
「チャイナ・ボーイ」は、力強いベシェのソプラノ・サックスで始まり、短いPソロを挟み再びベシェのソロとなる。
「小さなホテル」天衣無縫のベシェのフューチャー曲の後に端正なハケットをフューチャーした曲を配するとは、演出ができている。ハケットの歌心溢れるソロが心に沁みる。ここまでこれほどハケットをフューチャーした曲はなかったのではないかと思う。
「ロイヤル・ガーデン・ブルース」も2回目の登場である。ソロはシュレーダー、キャサレス、バターフィールド、ティーガーデン、ラッセルと続く。
「ホエアエヴァー・ゼアーズ・ラヴ」は、歌手のワイリーがフューチャーされる。夫君のジェス・ステイシーは約2週間前にトミー・ドーシーのバンドに入ったので、参加していない。ここでも抑えたヴォーカルがいい味を出している。ソロはティーガーデンも抑えたいいソロを取る。
「インプロンプツ・アンサンブル」今回のジャム大会は、シュレーダー、キャサレス、ハケット、ベシェ、カミンスキー、ティーガーデン、バターフィールド、ラッセルそしてDsのブロワーズである。最後は音が割れ割れである。惜しい!

<Date&Place> … 1944年12月30日 ニューヨーク・リッツ・シアターにて録音

<Personnel> … エディ・コンドン・オールスターズ(Eddie Condon Allstars)

Bandleader & Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminsky
Tromboneベニー・モートンBenny Morton
Clarinetピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Alto saxシドニー・ベシェSidney Bechet
Baritone Saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Bassジャック・レスバーグJack Lesberg
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling
Vocalリー・ワイリーLee Wiley

<Contents>

record5 B面1.オープニングOpening
record5 B面2.ウォーキン・ザ・ドッグWalkin' the dog
record5 B面3.アイ・エイント・ガット・ノーバディI ain't got nobody
record5 B面4.ストラット・ミス・リジ―Strutt miss lizzie
record5 B面5.アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウI know that you know
record5 B面6.スイート・ジョージア・ブラウンSweet Georgia brown
record5 B面7.ホエン・ユア・ラヴァーズ・ハズ・ゴーンWhen your lover has gone
record5 B面8.インプロンプツ・アンサンブルImpronptu ensemble
「ウォーキン・ザ・ドッグ」は1916年に作られた古い曲。ソロはステイシー、キャサレス、モートン、ラッセルと続く。モートンの音色がディキシーらしくないとは解説氏。
「アイ・エイント・ガット・ノーバディ」は、Pトリオで演奏される。ステイシーのプレイは、飾り気がなくそれでいて芯が通っている感じで好ましいとは解説氏の評。
「ストラット・ミス・リジ―」は、一転して元気のよいディキシー・ナンバー。ソロはキャサレス、モートン、カミンスキー、ラッセル。
「アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウ」は、2回目の登場。ジミー・ヌーンの十八番で、ベシェがヌーンに思いを馳せように吹くが、テンポは速めに取り、一気に吹き切っている。
「スイート・ジョージア・ブラウン」この曲も2度目の登場。完全にディキシー風に演奏している。ソロは、まずステイシーからキャサレス、モートン、ラッセル、ベシェ。続いているのでラッセルのClとベシェのSsを比べると、ベシェの方がストレートで、ナチュラルにスイングしていて躍動感も勝るとは解説氏。
「ホエン・ユア・ラヴァーズ・ハズ・ゴーン」は、ワイリーのヴォーカルフューチャー・ナンバー。溢れるような情感が素晴らしい。やはり伴奏は夫君がいい感じを出している。
「インプロンプツ・アンサンブル」は、恒例のジャム大会。ソロはステイシー、ベシェ、キャサレス、ラッセル、モートン、ウエットリング。何故かこの日はカミンスキーの出番がない。何故か常にキャサレスが優遇されている。

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