ウッディ・ハーマン 1945年

Woody Herman 1945

ウッディ・ハーマンが、1936年アイシャム・ジョーンズの大半のメンバーを引き連れて、自分のバンドを組織してから、既にそのバンドは、「ハーマン・ハード」(Herman herd)と呼ばれていた。そして1944年末デッカ・レコードとの契約が切れ、コロンビアに移ってからの楽団は、全く内容を一新したレパートリーを持ったバンドになっており、ジャズ史上最初のモダン・ビッグ・バンドとして「ファースト・ハード」(First herd)と呼ばれるようになったと「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」の解説氏は書いているが、実際には1944年の末頃から「ファースト・ハード」は芽吹いており、実際にデッカへの最期の録音とコロンビアへの最初の録音でのメンバーは同じである。ともかくジャズ史上名高いウディ・ハーマンの「ファースト・ハード」が活動を開始する。

<Date&Place> … 1945年1月24日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)

Band , Alto sax & Clarinetウッディ・ハーマンWoody Herman
Trumpetレイ・ウェッツェルRay Wetzelソニー・バーマンSonny Bermanピート・カンドリPete Candoliチャールズ・フランクハウザーCharles Frankhauserカール・ワーウィックCarl Warwick
Tromboneラルフ・ヘフナーRalph Pfeffnerビル・ハリスBill Harrisエド・キーファーEd Kiefer
Alto saxサム・マロヴィッツSam Marowitzジョン・ラポータJohn LaPorta
Tenor saxフリップ・フィリップスFlipPhillipsピート・モンデロPete Mondello
Baritone saxスキッピー・ド・サイアSkippy De Sair
Pianoラルフ・バーンズRalph Burns
Guitarビリー・バウアーBilly Bauer
Bassチャビー・ジャクソンChubby Jackson
Drumsディヴ・タフDave Tough
Vibraphoneマージー・ヒアムスMargie Hyams

1944年12月12日と同じメンバー。

<Contents> … "Woody Herman/The V-disc years Vol.1"(Hep 34)

B-1.「ビリー・バウアーズ・チューン」(Billy Bauer's tune)

ギターのビリー・バウアーが作曲し、ラルフ・バーンズがアレンジしたスロウでリリカルなナンバー。ピアノのイントロで始まり、ハーマンのアルト・サックス、バーマンのTp、フィリップスのTs、ハリスのTbソロがアンサンブルを挟んで奏でられる。意外にバウアーのギターは、ソロがないどころか音もほとんど聴こえない。後の1946年「パム」(Pam)とタイトルを変えて、再録音される。

<Date&Place> … 1945年2月 ニューヨークにて録音

このセッションについて、ディスコグラフィー研究者の間で異論が多いという。

<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)

1月24日と同じ。

<Contents> … "Woody Herman/The V-disc years Vol.1"(Hep 34)

B-2.ゴールデン・ウエディングGolden wedding
B-3.世界は我がものI' got the world on a string
B-4.イエー・マンYeah man
「ゴールデン・ウエディング」
"Golden wedding"とは「金婚式」という意味らしい。タフ(Ds)とハーマン(Cl)のデュオからアンサンブルが入る。続いてフィリップスのTsソロ、アンサンブルを挟んでタフとハーマンが入れ替わりソロを取る。何となくグッドマンの「シング、シング、シング」を思わせる。
「世界は我がもの」
商業用録音が「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」に収録されている。アンサンブルからハーマンのヴォーカルとなる。ソロはフィリップス(Ts)、ハーマン(Cl)。フィリップスのソロがなかなかいい。最後はアンサンブルで盛り上げ、ヴォーカルが入って終わる。
「イエー・マン」
1942年のデッカへの録音が大ヒットしたナンバーだという。ハーマンとバンド・メンバーとの掛け合いが楽しい。"Yeah man"とは"Amen"のもじりらしい。

「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」LPレコード3枚組について

僕は、「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」LPレコード3枚組をジャズを聴き始めたころからずーっと欲しかった。ジャズ・ファン必衰の名盤だと思っていた。ずいぶん前になるが、このセットを見つけた時には、本当にうれしかった。僕が最初に購入したのはアメリカ盤で、オリジナルではないとは思うが、シリアル・ナンバーが付いている。僕のは「7042」。しかしアメリカ盤だと解説が英語なので、日本盤が欲しかった。これもその後入手できた。瀬川昌久氏の懇切丁寧な解説がありがたい。因みに白地が米盤で、黒いのが日本盤。収録曲、曲順は双方同じである。

<Date&Place> … 1945年2月19日〜3月1日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)

1月24日と同じ。

<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)

record1 A-1.アップル・ハニーApple honey2月19日
record1 A-2.ロウラLaura2月19日
record1 A-6.アイ・ワンダーI wonder2月19日
record1 A-3.カルドニアCaldonia2月26日
record1 A-4.我が幸はジョーHappiness is a thing called Joe2月26日
record1 A-5.グーシー・ガンダーGoosey gander3月1日
record1 A-7.ア・キス・グッドナイトA kiss goodnight3月1日
record1 A-8.ノースウエスト・パッセージNorthwest passage3月1日
record1 B-2.世界は我がものI' got the world on a string3月1日

「アップル・ハニー」
ジャンプ・ナンバーで、ヘフティとバーンズがヘッド・アレンジメントした作品という。1944年9月10日のV-discでも一度録音している。ステディなジャクソンのベースがいい。ソロはフィリップス(Ts)、ハリス(Tb)、ヒアムス(Vib)、ハーマン、再びフィリップス、ピート・カンドリ(Tp)。ソロの順等がV-discとは大幅に異なる。アンサンブルの響きが新しい感じがする。
「ロウラ」
テンポを落としたバラード。ウディ・ハーマンのヴォーカル入り。ヒアムス(Vib)とハリス(Tb)が掛け合いのような短いソロを取る。
「アイ・ワンダー」
ハーマンのヴォーカル・ナンバー。ソロはフィリップス(Ts)、ハリス(Tb)、ハーマン(As)。
「カルドニア」
アップ・テンポのナンバー。これもハーマンのクラリネットがリードするアンサンブルからハーマンのヴォーカルとなる。バンド・メンバーとの掛け合いが楽しい。ソロはフィリップス(Ts)、ハリス(Tb)、バーンズ(P)。アンサンブルはブラスのソリが見事である。

「我が幸はジョー」
フランセス・ウエインのヴォーカル・ナンバー。ゆったりとしたバラード・ナンバー。
「グーシー・ガンダー」
アンサンブルとハーマンの掛け合いで始まるどことなくユーモラスなナンバー。ソロはアンサンブルを挟んでフィリップス(Ts)、ハリス(Tb)、ピート・カンドリ(Tp)。ソロで盛り上げて何となくのんびりとしたアンサンブルテーマで締め括る。
「ア・キス・グッドナイト」
ハーマンのヴォーカル・ナンバー。ソロはバーマン(Tp)、ハーマン(Cl)。アンサンブルに戻って、ハーマンのヴォーカルからエンディングに向かう。
「ノースウエスト・パッセージ」
アップ・テンポのインスト・ナンバー。アンサンブルの後、ソロはバーンズ(P)、ヒアムス(Vib)、ハーマン(Cl)、アンサンブルを挟んでフィリップス(Ts)、ハリス(Tb)。ここでもベースのジャクソンのランニング・ベースが良い。
「世界は我がもの」
V-discでも取り上げていた。構成は同じである。アンサンブルからハーマンのヴォーカルとなる。ソロはフィリップス(Ts)、ハーマン(Cl)。フィリップスのソロがなかなかいい。

<Date&Place> … 1945年8月10、20日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)

Trumpet … レイ・ウェッツェル、チャールズ・フランクハウザー、カール・ワーウィック ⇒ コンテ・カンドリ(Conte Candoli)ニール・ヘフティ(Neal Hefti)レイ・リン(RayLinn)
Piano … ラルフ・バーンズ ⇒ トニー・アレス(Tony Aless)

<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)

record1 B-1.ザ・グッド・ニュースThe good earth8月10日
record1 B-5.指輪をはめてPut that ring on my finger8月10日
record1 B-3.ビジョーBijou8月20日
「ザ・グッド・ニュース」
作・編曲ともニール・ヘフティ。元気のよいアンサンブルが飛び出してくる。ソロはハーマン(Cl)、フィリップス(Ts)。
「指輪をはめて」
ハーマンのヴォーカル・ナンバー。中間のソロはコンテ・カンドリ(Tp)、ハリス(Tb)。もう一度ヴォーカルが戻りアンサンブルで終わりを告げる。
「ビジョー」
ピアノとベースのデュオが見事なイントロ。何となくラテン・フレイヴァ―を感じる。短いハーマンのアルト・ソロ、続いてハリス(Tb)。その後手の込んだアンサンブルからエンディングに向かう。

<Date&Place> … 1945年8月22日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)

Band , Alto sax & Clarinetウッディ・ハーマンWoody Herman
Trumpetソニー・バーマンSonny Bermanピート・カンドリPete Candoliコンテ・カンドリConte Candoliニール・ヘフティNeal Heftiレイ・リンRayLinn
Tromboneラルフ・ヘフナーRalph Pfeffnerビル・ハリスBill Harrisエド・キーファーEd Kiefer
Alto saxサム・マロヴィッツSam Marowitzジョン・ラポータJohn LaPorta
Tenor saxフリップ・フィリップスFlipPhillipsピート・モンデロPete Mondello
Baritone saxスキッピー・ド・サイアSkippy De Sair
Pianoトニー・アレスTony Aless
Guitarビリー・バウアーBilly Bauer
Bassチャビー・ジャクソンChubby Jackson
Drumsディヴ・タフDave Tough
Vocalフランセス・ウエインFrances Wayne

<Contents> … "Woody Herman/The V-disc years Vol.1"(Hep 34)

B-5.ラヴァー・マンLover man
B-6.親父の髭Your father's Moustache
「ラヴァー・マン」
フランセス・ウエインのヴォーカル・ナンバー。ソロはハーマンのアルト・サックス。何となくジョニー・ホッジスを真似たような吹奏ぶりだと思う。
「親父の髭」
商業用録音が「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」に収録されている。アンサンブルとハーマン(Cl)の掛け合いからソニー・バーマンのTpソロ、ビル・ハリスのTbソロ、フィリップスのTsソロ、再びハーマンのClソロからアンサンブルとなり、短いバーンズ(P)を挟み、バンドのヴォーカル、アンサンブルとなってエンディングに向かう。

<Date&Place> … 1945年9月5、8日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)

<9月5日>
Trumpet … アーヴ・ルイス(Irv Lewis) ⇒ In
Vibraphone … レッド・ノーヴォ(Red Norvo) ⇒ In
Drums … ディヴ・タフ ⇒ バディ・リッチ(Buddy Rich)
<9月8日>
Trumpet … レイ・リン ⇒ Out
Vibraphone … レッド・ノーヴォ ⇒ Out
Drums … バディ・リッチ ⇒ ディヴ・タフ
レッド・ノーヴォとバディ・リッチは9月5日だけのワン・ポイント

<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)

record1 B-4.抱くのは素敵Gee , It's good to hold you9月5日
record1 B-7.親父の髭Your father's Moustache9月5日
record1 B-8.ワイルド・ルートWild root9月8日
「抱くのは素敵」
フランセス・ウエインのバラード・ヴォーカル・ナンバー。ソロはフィリップス(Ts)。
「親父の髭」
V-discでも演奏していた。快適なスイング・ナンバー。構成も同じだが、2度目のハーマンのソロがレッド・ノーヴォのVibソロに替わる。
「ワイルド・ルート」
こちらも快適なスイング・ナンバー。ソロはフィリップス(Ts)、ビル・ハリス(Tb)、ハーマン(Cl)、カンドリ(Tp)と続き、激しいアンサンブルとなって終わる。

<Date&Place> … 1945年12月10日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)

Trumpet … コンテ・カンドリ ⇒ ショーティ・ロジャース(Shorty Rogers)
Tenor sax … ピート・モンデロ ⇒ ミッキー・フォーラス(Mickey Folus)
Drums … バディ・リッチ ⇒ ドン・ラモンド(Don Lamond)

<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)

record1 B-6.嵐を巻き上げBlowin' up a storm
record2 B-1.雪よ降れ降れLet it snow ! let it snow !
「嵐を巻き上げ」
イントロはピアノ・トリオで、ジャクソンのウォーキング・ベースがスインギーである。ソロはハーマン(Cl)、アレス(P)そしてバウアー(Gt)、アレス(P)、ジャクソン(B)の絡みが素晴らしい。
「雪よ降れ降れ」
ハーマンのヴォーカル入りのクリスマス・ソングである。時節柄をうかがわせるが、レコード販売を考えるとちょっと遅い感じがする。ソロはバーマン(Tp)、ハリス(Tb)。

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