アート・ブレイキー 1947年

Art Blakey 1947

「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1」CD・ジャケット

<Date&Place> … 1947年10月15日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … セロニアス・モンク・セクステット(Thelonious Monk sextet)

Band leader & Pianoセロニアス・モンクThelonious Monk
Trumpetアイドリース・シュリーマンIdrees Suliman
Alto Saxダニー・ケベック・ウエストDanny Quebec West
Tenor Saxビリー・スミスBilly Smith
Bassジーン・ラミーGene Ramey
Drumsアート・ブレイキーArt Blakey

モンクは初めての録音をセクステットにすることにし、ミントンズやそのほかで知っているメンバーを選んだ。アイドリース・シュリーマン、ジーン・ラミー、アート・ブレイキーは既に拙HPで登場済み。ホーンの2人はレコーディング・スタジオに一度足を踏み入れたことのない若者。アルトのウエストはアイク・ケベックの従弟で、テナーのビリー・スミスは「ブルックリンの若者」とだけ書いてある。ものすごく一般的過ぎる名前なので、後にディヴ・ブルーベックのグループに参加する人物と同一かどうかは分からない。ただスミスは当時ニューヨークのジュリアード音楽院に通っていた時期なので、ニューヨークに、ブルックリンにいた可能性はある。バンドのリハーサルは、モンクの家というひどく狭いところだった。

<Contents> … 「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1」(Bluenote 1510)&「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2」(Bluenote 1511)

Vol.1 CD-12.ハンフHumph
Vol.2 CD-6.イヴォンスEvonce
Vol.2 CD-5.サバーバン・アイズSuburban eyes
Vol.1 CD-7.セロニアスThelonious

ロビン・ケリー著「セロニアス・モンク/独創のジャズ物語」によれば、10月15日スタジオに集合した時誰一人として演奏するナンバーをマスターしていなかったという。

「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1」CD

このセクステットによる演奏は、どの曲もモンクらしさ満載であり、モンク臭がプンプン匂ってくる実に迫力があるもの。「ライオン夫妻とウルフはその出来栄えに興奮した」と書かれているが、本当にそうだったのだろうと思う。ここで演られているパフォーマンスは間違いなくこれまでどこでも演られたことのないパフォーマンスだと思う。ジャズはジャズだが、スイングでは毛頭ない、と言ってビ・バップでもない。正にモンクス・ミュージックとしか言いようのないものだと思う。

「ハンフ」 … モンクの作で、一度しか録音しなかった数少ない曲の一つ。「アイ・ガット・リズム」と似ているが、異なる点は普通のコード・チェンジを下降する半音階コード進行に置き換えている点だという。風変りなテーマに続いて、As、Tp、Tsそしてモンクとソロが廻る。モンクのソロは「ミントンズ」以来ずっと演奏し、それ以降も使い続けているストック・フレーズが満載だという。基準に達するレベルになるまで3テイクを要したという。
「イヴォンス」 … これも一風変わったメロディのテーマである。これもソロはAs、Tp、Ts、モンクから合奏となる。
「サバーバン・アイズ」 … PとDsの短いイントロから、変わったメロディ・ラインのテーマとなる。最初のソロはAs続いてTp、モンク、Bとつないでテーマに戻る。
「セロニアス」 … 唯一ワン・テイクで済んだ曲だという。ソロはモンクだけが取るが、これぞ正しくモンク節という感じのソロである。いわゆる普通のバップ・ナンバーではない。

ライオン夫妻とウルフは、余りに興奮したために9日後にもう一度モンクの演奏を録音することにするのであるが、これは尋常のことではない。通常ブルーノートのようなマイナー・レーベルはまず数曲録音し、SP盤を発売して売れ行きが良ければ、それを資金に次の吹込みをするのが一般的である。それがレコードが出る前に、3回も吹込みを行い、14曲を完成させるのである。

「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2」CD・ジャケット

<Date&Place> … 1947年10月24日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … セロニアス・モンク・トリオ(Thelonious Monk trio)

Band leader & Pianoセロニアス・モンクThelonious Monk
Bassジーン・ラミーGene Ramey
Drumsアート・ブレイキーArt Blakey

<Contents> … 「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1」(Bluenote 1510)&「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2」(Bluenote 1511)

Vol.2 CD-9.ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イットNice work if you can get it
Vol.1 CD-3.ルビー・マイ・ディアRuby my dear
Vol.1 CD-10.ウェル・ユー・ニー・ドントWell you needn't
Vol.1 CD-5.4月のパリApril in Paris
Vol.1 CD-2.オフ・マイナーOff minor
Vol.1 CD-11.イントロスペクションIntrospection
「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2」CD

6曲中4曲がモンクのオリジナル。カヴァー曲は最初の「ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット」と「4月のパリ」。
「ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット」 … ガーシュイン作の有名なナンバー。モンクはこの曲を好み長年演奏し続けた。1941年ジェリー・ニューマンが録音した"Harlem Odyssey"でも演奏していた。多分モンクはこういう愛奏曲を心から楽しんで演奏していただろうことが伝わってくる。
「ルビー・マイ・ディア」 … 有名なオリジナル曲。この後何度も録音している。多分モンクにとってとても大事な曲なのだろう。
「ウェル・ユー・ニー・ドント」 … これも有名なオリジナル曲。弾き慣れた曲をスインギーなリズムに乗って楽しそうに演奏している。
「4月のパリ」 … ヴァーノン・デュークの作で、後にカウント・ベイシー楽団の演奏が有名になる。
「オフ・マイナー」 … かなり前に作った曲で、「ワット・ナウ」いうタイトルだったという。バド・パウエルがこの年の1月にトリオで吹き込んでいる。「バド・パウエル 1947年」を参照。モンクの演奏はどこか楽し気に弾いている感じがする。
「イントロスペクション」 … ロビン・ケリーはこのセッション中最も想像力に富む挑戦的なナンバーだという。満足する仕上がりまで、4テイク録ったという。この曲は一連の47年の吹込みがLP化される時初めて世に出た。多分時代的に難しすぎるというのが原因ではないかという。

ここまで10面分を録音しているが、まだ1曲もレコードとして発売はされていないどころか発売する準備もなされていない状態であった。しかしライオンはまたもやレコーディングを行うのである。ライオンは後に「モンクが余りに素晴らしいので、彼の持っているすべてを吐き出させたいと考えたのだ」と語っている。

「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1」CD・ジャケット

<Date&Place> … 1947年11月21日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … セロニアス・モンク・クインテット(Thelonious Monk quintet)

Band leader & Pianoセロニアス・モンクThelonious Monk
Trumpetジョージ・テイトGeorge Taitt
Alto Saxサヒブ・シハブSahib Shihab
Bassロバート・ペイジRobert Paige
Drumsアート・ブレイキーArt Blakey

前回のトリオの後には、クインテットで録音しようとモンクは決めていたという。続けて参加したのはブレイキーだけである。サヒブ・シハブは拙HPでも以前登場しているが、ジョージ・テイトとロバート・ペイジは全く無名のミュージシャン。ただモンクとは仕事をした経験があり、モンクの音楽をよく知っていたという。

<Contents> … 「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1」(Bluenote 1510)&「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2」(Bluenote 1511)

「セロニアス・モンク/ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.2」CD・ジャケット
Vol.1 CD-6.イン・ウォークド・バドIn walked Bud
Vol.2 CD-10.モンクス・ムードMonk's mood
Vol.2 CD-11.フー・ノウズWho knows
Vol.1 CD-1.ラウンド・ミッドナイト'Round midnight
「イン・ウォークド・バド」」 … バド・パウエルがモンクに捧げた曲。4回目でやっとOKテイクにたどり着いたという。モンクの短いイントロからテーマ合奏となり、ソロはモンク、テイト(Tp)、シハブ(As)からテーマ合奏に戻る。
「モンクス・ムード」
モンク作のバラード。ゆったりとしたテンポでテーマが奏され、ほんの短いモンクのソロが入るのみである。 「フー・ノウズ」
モンク特有の下降する半音階コード進行に載って速いスピードで演奏される。使えるテイクにたどり着くまで7テイク録ったという。サヒブ・シハブはこんな難しい曲に取り組んだことは無いという。Tpのテイトは結局最後までまともに吹けなかったという。 「ラウンド・ミッドナイト」
ご存じ非常に有名なモンクのオリジナル。モンク自身がレコーディングするのは初めてであった。実は非常な難曲だという。ソロはモンク。

<Date&Place> … 1947年12月11日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … デクスター・ゴードン・クインテット(Dexter Gordon Quintet)

Band Leader & Tenor saxデクスター・ゴードンDexter Gordon
Baritone Saxレオ・パーカーLeo Parker
Pianoタッド・ダメロンTadd Dameron
Bassカーリー・ラッセルCurley Russell
Drumsアート・ブレイキーArt Blakey

テナー・バトルに飽き足らなくなったのか今度はバリトン・サックスのレオ・パーカーとのバトルを試みている。

<Contents> … "Dexter Gordon/Dexter rides again(Savoy MG 12130)&"Dexter Gordon/Kind of Gordon"(House of jazz 220156)

CD-1.&CD8-1.デクスターズ・リフDexter's riff
CD-2.セッティン・ザ・ペイス・パート1&2Settin' the pace part1&2
CD-3.ソー・イージーSo easy
「デクスターズ・リフ」
デックスのイントロ吹奏で始まる。アップ・テンポのナンバーで、テーマの後まずはデックスがソロを取り、パーカーが続き、テーマに戻って終わる。
「セッティン・ザ・ペイス・パート1&2」
これもアップ・テンポのナンバーで、合奏によるテーマの後、デックスが先発し、パーカーが続く。一旦デックスに戻り、再びパーカーが出て、ドラム・ソロを挟んでデックス、パーカーが再びソロを取り、間隔が短くなり4小節のソロ交換となる。
「ソー・イージー」
ミディアム・アップ・テンポの曲。テーマ合奏の後デックスがまずソロを取り、パーカーのソロとなり、テーマ合奏に戻る。

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