チャーリー・クリスチャン 1941年
Charlie Christian 1941
チャーリー・クリスチャンはこの年数多くの吹込みがある。クリスチャンはベニー・グッドマンのバンドに雇われたギタリストだったので正規の録音は全てBGのバンドに加わってのものとなるはずだが、唯一ブルーノートの吹込みに参加している。他はジェリー・ニューマンが行った非正規録音があり全て歴史的重要録音と言われている。ともかく録音の多さは彼の才能を知った人々が録音をしようと思ったことの証ともいえるが、残念なことに彼のプレイはこの年限りになってしまうのである。
<Date&Place> … 1941年1月15日 ニューヨークにて録音
<Personnenl> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・セクステット(Benny Goodman and his sextet)
前回1940年12月19日からの移動
Piano … ケニー・カーシ― ⇒ カウント・ベイシー
Drums … ハリー・ジーガー ⇒ ジョー・ジョーンズ
ピアノのベイシーは自分のバンドのドラマーであるジョー・ジョーンズを連れての客演。僕は音源を持っていないが、ディスコグラフィーによれば前日1月14日オーケストラによる録音を行っており、そこでは
ピアノにテディ・ウィルソン、ドラムにデイヴ・タフといった名手が加わっている。この二人は翌日は都合が悪かったのであろうか?
<Contents> … 「チャーリー・クリスチャン/メモリアル・アルバム」(CBS 56AP 674〜6)
| record3 A-4. | ブレックファースト・フュード | Breakfast feud |
| record3 A-5. | ブレックファースト・フュード | Breakfast feud |
| record3 A-6. | ブレックファースト・フュード | Breakfast feud |
| record3 A-7. | オン・ジ・アラモ | On the Alamo |
| record3 A-8. | いい娘をみつけた | I've found a new baby |
| record3 A-9. | いい娘をみつけた | I've found a new baby |
| record3 A-10. | ゴーン・ウィズ・ホワット・ドラフト | Gone with what draft |
A-4〜6. 「ブレックファースト・フュード」
この曲はA-1と同曲であるが、ちょっと複雑な成り立ちをしている。大和明氏の解説によれば、まず最初に発表されたのはA-4であった。しかしこの演奏は実際の演奏にクリスチャンのソロの部分を継ぎ足したものだという。<イ>=2度目のアンサンブル・リフ 4小節、<ロ>=Gtソロ 20小節とし、曲の構造をまとめると
| テーマ・アンサンブル 24小節 | … | Aメロ8小節+Bメロ4小節 | × | 2回 |
| Tpソロ | … | 24小節 | | |
| Clソロ | … | 24小節 | | |
| Pソロ | … | 24小節 | | |
| アンサンブル・リフ | … | 4小節 | イ | |
| Gtソロ | … | 20小節 | ロ | |
| アンサンブル・リフ | … | 4小節 | | |
| Tsソロ | … | 20小節 | | |
| テーマ・アンサンブル 12小節 | … | Aメロ8小節+Bメロ4小節 | × | 1回 |
| テーマ・アンサンブル 4小節 | … | Bメロ4小節 | × | 1回 |
まず、A-4、5、6は構造は同じだが、長さが違う。A-4が最も長いがそれは下の表の(イ+ロ)ユニットが4回繰り返されるからである。A-5は(イ+ロ)ユニットが1度だけであり、A-6は3回である。そしてA-4でのクリスチャンのソロ4回は、この日に録音された4つのテイクを演奏順に接合したものであるという。
つまりはこういうことだ。この通りに演奏されているのはA-5だけなので、A-5はまともな録音ということになる。
続いて最初発表のA-4であるが、(イ+ロ)というユニットを4回繰り返している。ということはこの日A-5を含めて4回のテイクが録られていて、そのうちの3回については(イ+ロ)ユニットだけ抜き取って他の部分は捨てられたということだ。因みにA-5のクリスチャンのソロは全4回の内の3回目に出てくる。大和氏の言うように「録音順に繋いだ」という言葉が正しければ、A-5の前に2つのテイクが録られていたが、(イ+ロ)ユニットを残して捨てられたことになる。さらにA-4には、4回目があるのでそれが最後のテイクでのソロである。(イ+ロ)ユニット以外の部分はどのテイクを使ったかは不明であるが、多分そう変わらなかったのであろう。
しかし問題はA-6である。A-6は(イ+ロ)ユニットが3回繰り返される。この内2度目と3度目はA-4と同じである。しかし最初のユニットは、1940年12月19日に行われた録音のユニットが使われているのである。この時とはピアノとドラムが異なるのである。違うメンバーで録音したものをつなぐというのはいかがなものであろうか?著作隣接権のうるさくなった現在このようなことをしたら大問題となることは間違いない。それにしてもオウルドのプレイはベン・ウエブスターを彷彿とさせるなぁ、憧れていたのかな?
A-7. 「オン・ジ・アラモ」
アイシャム・ジョーンズの作ったメロウなナンバー。センチメンタルに情緒豊かにテーマを吹くBG、オープンで線の太い堂々たるソロを繰り広げるクーティー、エモーショナルに歌い上げるオールド、リリカルな味を出すクリスチャンというように、それぞれの個性が活きていて実に聴き応えがある。ソロイストに名人クラスを集めるとやはり強力なバンドが出来上がるということを見せつけるような作品だと思う。
A-8、9.「いい娘をみつけた」
メディアム・テンポで全体に洒落たムードの溢れるソロの連続が楽しめる。先ず最初にソロを取るクリスチャンがいいし、続くベイシーもバッキングと絡んだり、BGのクラリネットとの絡みも楽しい。もちろんクーティー、オールドもいい味を出しており、短いがジョーンズの叩きっぷりも時代を先取りしている感じがする。
なお、A-8が従来発表されていたテイクで、A-9は新たに発見されたテイクであるという。僕はどちらと言えばやはりA-8の方がいいと思う。
A-10.「ゴーン・ウィズ・ホワット・ドラフト」
A-3“Gilly”と同じ曲だが、A-3の時に述べたようにもともと“Gone with what draft”というタイトルだったものをBGの希望で彼の後妻の娘ジリーにこの曲を捧げるために改題したということであった。しかしここではまた元に戻している。なぜであろう?ともかく後半の構成はA-3とは全く異なっている。とにかく手の込んだ作品に仕上がっている。複雑さが増した感じだ。
「メトロノーム・オールスター・バンド」の1941年の録音を取り上げよう。この録音は同バンドの第3回目録音に当たる。第1回目は「ヴィクター」に、2回目は「コロンビア」というように2大メジャー・レコード会社がレコーディングを分け合うことになっていて、第3回目はヴィクターに戻ってきたということである。
さてこの年の読者投票も相変わらず白人プレイヤーに票が集まり、ポール・ウィナーに輝いた黒人プレイヤーはチャーリー・クリスチャンだけだったという。同誌の編集部で指導的役割を果たしていたジョージ・サイモンは、第2回(1940年2月7日コロンビアに録音)から、黒人プレイヤーも加える決心をし、上位に進出していたベニー・カーターとチャーリー・クリスチャンを起用した。そしてこの第3回では6人(クーティー・ウィリアムス、J.C.ヒギンバサム、ベニー・カーター、コールマン・ホーキンス、カウント・ベイシー、チャーリー・クリスチャン)を加えたのであった。いずれ劣らぬ名手揃いである。
なお録音された2曲ともベニー・グッドマンが指揮を執り、アレンジも当時BG楽団で使っていたもの、「ビューグル・コール・ラグ」はディーン・キンケイド、「ワン・オクロック・ジャンプ」はカウント・ベイシーのものを使用したという。
<Date&Place> … 1941年1月16日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … メトロノーム・オールスター・バンド(Metronome all-star band)
前年1940年からの移動
Trumpet … チャーリー・スピヴァク ⇒ クーティー・ウィリアムス
Trombone … ジャック・ティーガーデン、ジャック・ジェニー ⇒ J.C.ヒギンバサム、トミー・ドーシー
Tenor sax … エディ・ミラー、チャーリー・バーネット ⇒ コールマン・ホーキンス、テックス・ベネキー
Piano … ジェス・ステイシー ⇒ カウント・ベイシー
Bass … ボブ・ハガート ⇒ アーティー・バーンスタイン
Drums … ジーン・クルーパ ⇒ バディ・リッチ
<Contents> … 「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ第17巻/スイングからバップへ」(RCA RA96〜100)
| record2. A面4 | ビューグル・コール・ラグ | Bugle call rag |
| record2. A面5 | ワン・オクロック・ジャンプ | One O'clock jump |
「ビューグル・コール・ラグ」
快調なアップテンポで演奏は展開する。リズムの歯切れの良さ、アンサンブルの厚味、次々と繰り出されるアドリブの競演、まさにオール・スター・セッションの醍醐味である。ソロ・オーダーは、BG⇒ヒギンバサム⇒モンデロ⇒ベイシー⇒ホーク⇒ウィリアムス⇒ジェイムズ⇒エルマン。最後にTp3人を並べるところが面白い。
「ワン・オクロック・ジャンプ」
正にジャム・セッション向きのナンバー。リッチのDsのイントロで始まるが、ここから黒人6名が続けてソロを取る。ベイシー⇒クリスチャン⇒ヒギンバサム⇒ホーキンス⇒ウィリアムス⇒カーターときて、白人のジェイムズ、グッドマンのソロ、そしてアンサンブルで締め括る。ホーキンスがソロをリフしか吹いていないのが気にかかる。何か面白くないことでもあったのだろうか?
<Date&Place> … 1941年2月2日(2月5日という説) ニューヨークにて録音
<Personnenl> … エドモンド・ホール・カルテット(Edmond Hall Quartet)
<Contents> … 「チャーリー・クリスチャン&エドモンド・ホール/メモラブル・セッションズ」(Blue Note NR-8101)&「ブルーノートSP時代 1939−1952」(TOCJ-5231〜38)
| A面1.&CD3-1. | ジャミン・イン・フォア | Jammin' in four) |
| A面2.&CD3-2. | エドモンド・ホール・ブルース | Edmond Hall blues) |
| A面3.&CD3-3. | プロファンドリー・ブルー | Profoundly blue) |
| A面4.&CD4-7. | プロファンドリー・ブルー | Profoundly blue) |
| A面5.&CD3-4. | セレスチャル・エクスプレス | Celestial express |
このアルバムはどういう経緯で録音されたのであろうか?実に意外な組み合わせである。エドモンド・ホールは生粋のニューオリンズ生まれのクラリネット奏者でありながら、そのプレイはいわゆる「ニューオリンズ臭」が極めて希薄で、1927年ころにニューオリンズを出て各地を渡り歩き、ニューヨークに進出する。そこで様々な楽団でプレイをしていたが、なかなかリーダー作を作る機会には恵まれなかった。そんな彼に着目したのがブルーノート創始者アルフレッド・ライオン氏で、本吹込みがホールの初リーダー作となるのである。
吹込みの人選に当たっては、ライオン氏とホールで行ったのであろう。ホールとクリスチャンは一度共演歴がある。BGが坐骨神経痛の手術で休暇中の1940年10月エディ・ハワードというポピュラー歌手の伴奏を務めたビル・コールマンのバンドで顔を合わせている。ライオン氏とジョン・ハモンド氏は知人の間柄なので、ハモンド氏が間を取り持ったのかもしれない。ともかくエレキ・ギターで売ったクリスチャンがアンプなしのギターを弾いており、クリスチャンがアコースティック・ギターを弾いた録音はこれしか存在しないという。もしかするとホールの要望だったのかもしれない。
また意外なのは、ブギ・ウギ・ピアノで鳴らしたミード・ルクス・ルイスがチェレスタを弾いているとこである。粟村政昭氏などは「珍盤」と評し、瀬上保男氏は「ジャズ・レコード史上最もユニークな楽器編成の傑作」と評している。僕は全篇を通して「このチェレスタがなかったら傑作度が上がったろうに」と思ってしまう。どうしてもブルースとチェレスタの音の響きは合わないと思うのである。
「ジャミン・イン・フォア」
ルイスのイントロで始まるアップ・テンポのブルース。ソロはルイスからホール、クリスチャン、クロスビーからホールがリードするアンサンブルで終わる。
「エドモンド・ホール・ブルース」
ゆったりとしたブルース。情感のこもったホールのプレイが素晴らしい。バックを付けるチェレスタがうるさい。クリスチャンに付けてほしいと思う。
「プロファンドリー・ブルー」
粟村政昭氏がその名著『ジャズ・レコード・ブック』で「名演」と評している。実にゆったりとしたナンバーで、初めにソロを取るのはクリスチャン、そして徐にホールが音数を減らしたソロを展開し、ルイスのチェレスタがソロの後、全員で合奏となる。
「セレスチャル・エクスプレス」
少しテンポを上げた演奏。多分ブギー・ウギー調だと思うが、チェレスタだとそう聴こえない。エンディングはリフで盛り上げをはかっている。
この一連の録音はエドの初リーダー作で、クリスチャンがアコースティック・ギターをプレイし、ルイスのチェレスタを弾くという多分実験作なのだろう。実験するなとは言わない。しかしこの実験が成功か失敗かと言えば自ずと答えは見えているのではないか?2度とこの種の編成でブルーノートも、エドも録音していないことからも明らかである。歴史的価値はあるかもしれないが、愛聴盤とはならないレコードである。
<Date&Place> … 1941年2月19日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)
1940年12月18日からの移動
Saxes … スキッピー・マーチン、ジャック・ヘンダーソン ⇒ レス・ロビンソン、ピート・モンデロ
Piano … バーニー・ライトン ⇒ ジョニー・ガルニエリ
Drums … ハリー・ジーガー ⇒ デイヴ・タフ
<Contents> … "Giants of Jazz/Benny Goodman"(Time-Life)
Record3 A-6.「スケアクロウ」(Scarecrow)
名ドラマー、デイヴ・タフが復帰しての録音で、元気よくスタートしてよくスイングしている。ソロはまずBGが取り、オウルドのベン・ウエブスター張りのテナー・ソロ、マクガリティのTbソロが続く。とても軽快で快活でダイナミックなアンサンブルが生かされたナンバー。
<Date&Place> … 1941年3月4日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)
Alto sax … レス・ロビンソン ⇒ スキッピー・マーチン(Skippy Martin)
Guitar … マイク・ブライアン ⇒ チャーリー・クリスチャン
以外2月19日と同じ。
<Contents> … 「チャーリー・クリスチャン/メモリアル・アルバム」(CBS 56AP 674〜6)&"Charlie Christian with Benny Goodman"(Columbia CL 652)
Record3 B-1&2.「ソロ・フライト(Solo flight)」
クリスチャンのオリジナル・ブルースをBGが取り上げ、ジミー・マンデイにアレンジを依頼したナンバー。take2にBGの短いソロが入る他は全面的にクリスチャンをフューチャーしている。クリスチャンはフル・オーケストラをバックに、メロディックで豊かなフレイズを次々と繰り出し、堂々たるソロを展開している。オーケストラをバックにギター・ソロを全面的にフューチャーした演奏はまさに画期的なもの。B-1がオリジナル・テイクで、B-2はLP時代になって初めて発表されたもの。
但し録音日について「チャーリー・クリスチャン/メモリアル・アルバム」では3月4日としているのに対し、コロンビア盤の"Charlie Christian with Benny Goodman"は2月19日としている。Web上で検索すると3月4日とあるので、3月4日説を採用した。
<Date&Place> … 1941年3月10日 WJZラジオ放送
<Personnel> … ベニー・グッドマン・セクステット(Benny Goodman Sextet)
1月15日からの移動。
Piano … カウント・ベイシー ⇒ ジョニー・グアルニエリ(Johnny Guarnieri)
Drums … ジョー・ジョーンズ ⇒ ジーン・クルーパ(Gene Krupa)
<Contents> … "Charlie Christian/LIVE"(Jazz Archives JA-23)
「フライング・ホーム」(Flying home)
ラジオ局WJZの番組"What's new - The old gold show"の放送音源だという。ジーン・クルーパの客演が珍しい。ソロはまずクリスチャン、続いてクーティのミュートTp、オウルドのTs、短いクーティのTpが入り、ゲストのクルーパが如何にもらしいドラミングを披露して終わる。
<Date&Place> … 1941年3月13日 ニューヨークにて録音
<Personnenl> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・セクステット(Benny Goodman and his sextet)
前回1941年1月15日からの移動
Piano … カウント・ベイシー ⇒ ジョニー・ガルニエリ(Johnny Guarnieri)
Drums … ジョー・ジョーンズ ⇒ デイヴ・タフ(Dave Tough)
本来のセクステットに戻った形である。
<Contents> … 「チャーリー・クリスチャン/メモリアル・アルバム」(CBS 56AP 674〜6)&"Charlie Christian with Benny Goodman"(Columbia CL 652)&"Giants of Jazz/Benny Goodman"(Time-Life)
| 邦題 | 原題 | 収録 | 箇所 | 収録 | 箇所 |
| ブルース・イン・B | Blues in B | 「メモリアル・アルバム」 | Record3 B面3. | "with BG" | B面1. |
| ウェイティン・フォー・ベニー | Waitin' for Benny | 「メモリアル・アルバム」 | Record3 B面4. | "with BG" | A面1. |
| ア・スムース・ワン take2 | A smo-o-o-oth one | 「メモリアル・アルバム」 | Record3 B面5. | "with BG" | A面2. |
| ア・スムース・ワン take1 | A smo-o-o-oth one | 「メモリアル・アルバム」 | Record3 B面6. |
| エアメイル・スペシャル | Air mail special | 「メモリアル・アルバム」 | Record3 B面7. | "with BG" | B面1. |
| エアメイル・スペシャル | Air mail special | 「メモリアル・アルバム」 | Record3 B面8. |
| エアメイル・スペシャル テイク1 | Air mail special take1 | "Time-Life" | Record3 B面7. |
「ブルース・イン・B」
これは大変珍しい録音。メンバー全員が参加しているわけではなく、参加しているのはオウルド、クリスチャン、グアルニエリ、タフの4人。BG、クーティ、バーンスタインが未だ到着していない時、録音技師が録音機の調子を見るために何か演奏してくれと頼んだのだろうという。誰かが"Let's play the blues"と声をかけるところから始まっている。"Charlie , Charlie , Let's play the blues in B"(チャーリー、Bのキーでブルースをやろうぜ)と声をかけた後ピアノが始まるので、声の主はグアルニエリではないかという。こんな調子でリラックスしたブルース演奏が繰り広げられるが、5コーラス目に突然中断する。技師から録音機の調子がつかめたのでストップがかかったのだろうという。
「ウェイティン・フォー・ベニー」
上記の4人にクーティが加わる。タイトル通り大将のベニーを待ちながら、ウォーミング・アップをしている時の記録。クリスチャンがリフを基にアドリブを展開し、タフがそれに合わせる。続いてオウルドが加わり、本日の録音曲「ア・スムース・ワン」のリフに入ったところからクーティ、グアルニエリも加わってフリー・ブロウイング風にジャムっていく。正にこれがジャズの醍醐味である。
「ア・スムース・ワン」
前のウォーミング・アップとは異なり、テンポを落とし抑え気味の演奏になっているとこが面白い。アンサンブルで始まり、最初のサビはクーティーが吹き、2コーラス目はオウルドが吹き、サビはBGが取る。3コーラス目はクーティとBGがリフを吹きサビをクリスチャンがソロを取っている。構成的にはtake1、2とも同じだが、6曲目のtake1ではクリスチャンの後合唱が入るところが異なる。"Charlie Christian with Benny Goodman"に収められているのは、take2の方である。
「エア・メイル・スペシャル」(Air mail special)
元々のタイトルは"Good enough to keep"というタイトルだったという。この曲は後にライオネル・ハンプトンの看板曲となった。ところでこの曲も1月15日録音の「ブレックファースト・フュード」同様複雑な成り立ちになっている。大和昭氏の詳細な分析を以下簡単にまとめてみよう。
先ず「メモリアル・アルバム」7曲目をB-7、8曲目をB-8とする。実際のレコーディングはtake1とtake2の2種類が録音されたが、take1=B-7、take2=B-8というわけではないという。この曲は32小節1コーラスの構成で、実際の演奏はアンサンブル・Gtソロ・Clソロ・Tpソロ・Tsソロ・アンサンブルという6コーラスを演奏している。実に単純で分かりやすい構成で、覚えやすい快適なメロディの曲なので、そのアンサンブル演奏の合間にソロイストとして定評の高い4人が、強力なリズム陣をバックにソロを取るのだからそのままで素晴らしい価値の高いパフォーマンスが期待できると思うのだが、なぜかコロンビアはそう考えなかったようだ。
初めにB-7をみていこう。B-7はアンサンブル・Gtソロ・Clソロ・Tpソロ・Tsソロ・アンサンブルと6コーラス目まで進むが、次にGtソロ1コーラス、Clがサビまでの24小節ソロ、その後8小節のアンサンブルが入って終わる。この2度目のGtソロはB-8と同じで、2度目のClソロもB-8と同じであり、最後のアンサンブル8小節は6コーラス目の最後の8小節と同じだという。
次にB-8。最初のアンサンブル・Gtソロの2コーラスはB-7と同じ。しかし3コーラス目はClソロではなくGtソロが続くが、これがB-7の7コーラス目の最初の8小節をカットした24小節のソロである。そしてこの後はClソロ・Tpソロ・Tsソロ・アンサンブルとなって終わる。
Gtソロ・Clソロ・Tpソロ・Tsソロ、アンサンブルがB-7、B-8で異なることから、最初に述べたように2つのテイクがあることが分かる。これらをまとめると次のようになる。大和氏はB-7はtake1を、B-8はtake2を基にしていると考えているようだが、Matrix no.CO-29943-1をtake1、CO-29943-2をtake2とするならば、B-7はtake2を、B-8はtake1を基にしているようだ。それは"Giants of Jazz/Benny Goodman"(Time-Life)に収められているのがMatrix no.CO-29943-1であり、クーティ、オウルドの各ソロはB-8と同じだからである。"En"はアンサンブル(Ensemble)の略。
| | Chorus1 | Chorus2 | Chorus3 | Chorus4 | Chorus5 | Chorus6 | Chorus7 | Chorus8 |
| B-7 | = | Take2 En1 | Take2 Gtソロ | Take2 Clソロ | Take2 Tpソロ | Take2 Tsソロ | Take2 En2 | Take1 Gtソロ | Take1 Clソロ24小節+Take2 En2 8小節 |
| B-8 | = | Take2 En1 | Take2 Gtソロ | Take1 Gtソロ−8小節 | Take1 Clソロ | Take1 Tpソロ | Take1 Tsソロ | Take1 En2 | |
"Charlie Christian with Benny Goodman"はB-7と同じであるが、"Giants of Jazz/Benny Goodman"(Time-Life)にはtake1がそのまま加工されずに収められている。コロンビア社が「チャーリー・クリスチャン/メモリアル・アルバム」に収録するに当たってなぜこのような加工を施したのか不明だが、少なくともtake1はマスターが存在することはTime-Life社のレコードで明らかである。加工の件は以上だが、各人のソロはそれぞれ聴き応えがあり、素晴らしいものだ。オウルドはここでもウエブスターっぽいプレイを展開している。ともかく何という豪華なリレーだろうか。
<Date&Place> … 1941年3月17日 WJZラジオ放送
<Personnel> … ベニー・グッドマン・セクステット(Benny Goodman Sextet)
前回3月13日と同じ。
<Contents> … "Charlie Christian/LIVE"(Jazz Archives JA-23)
B面4.「エアメイル・スペシャル」(Airmail special)
これもラジオ局WJZの番組"What's new - The old gold show"の放送音源だという。アンサンブルの後ここでもファースト・ソロはクリスチャン、BG、クーティが1コーラスずつ取り、オウルドがサビまでの半コーラスでアンサンブルに移って終わる。
<Date&Place> … 1941年3月27日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)
下記以外は2月19日と同じ。
Trumpet … クーティー・ウィリアムス、アレック・フィラ ⇒ ビリー・バターフィールド(Billy Butterfield)
Baritone Sax … ボブ・スナイダー ⇒ Out
<Contents> … "Benny Goodman presents Eddie Sauter"(Philips B 07010 L)
B-3.インター・メッツォ(Intermezzo)
エディー・ソーターがアレンジを行うと曲の雰囲気がガラっと変わる。テンポをミディアム・スロウに取りじっくりと聴かせる。ソロはASとBGのClのみで、精緻に組み立てられたアンサンブルが中心のナンバー。
<Date&Place> … 1941年4月7、17日 WJZラジオ放送
<Personnel> … ベニー・グッドマン・セクステット(Benny Goodman Sextet)
3月17日と同じ。
<Contents> … "Charlie Christian/LIVE"(Jazz Archives JA-23)
| B面5. | ホリー・キャッツ | Wholly cats | 4月7日 |
| B面6. | アイダ、スイート・アズ・アップル・サイダー | Ida , sweet as apple cider | 4月17日 |
どちらもラジオ局WJZの番組"What's new - The old gold show"の放送音源だという。
B面5.「ホリー・キャッツ」
この時期よく演奏していたナンバー。クーティのリードするアンサンブルから珍しくオウルド、グアルニエリがソロを取り、クリスチャンに渡す。その後アンサンブルに移りクーティがリードする。
B面6.「アイダ、スイート・アズ・アップル・サイダー」
「アイダ、アップル・サイダーのようにスイートだよ」というタイトルが付いている。ピアノのイントロからBGがリードするアンサンブルとなる。ソロはクーティのオープンによるプレイ、そしてクリスチャンへと続き、アンサンブルとなってエンディングを迎える。
<Date&Place> … 1941年5月5日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)
下記以外は3月27日と同じ。
Trumpet … クーティー・ウィリアムス ⇒ In
Baritone Sax … スキッピー・マーチン(Skippy Martin) ⇒ In
Piano … ジョニー・ガルニエリ ⇒ テディ・ウィルソン(Teddy Wilson)
この3人はWeb上でのディスコグラフィーと一致するが、Alto saxとDrumsについては異なる。
Alto Saxのガス・ビノヴァが抜け、Webではジーン・キンゼイ(Gene Kinsey)が加わったとしているが、
レコード解説では、ジミー・フォーバスとしている。ジミー・フォーバスの英語表記は"Jimmy Forbes"だと思うが、こういうジャズマンはいない。
Drumsのデイヴ・タフが抜け、WebではJ・C・ハード(J C Heard)が加わったとしているが、
レコード解説では、ジョー・ジョーンズ(Jo Jones)が加わったとしている。
<Contents> … 「新たなる宝庫 黄金時代のベニーグッドマン」(Nostalgia records CSM 890〜891)
Record2 B-4.「サムシング・ニュー」(Something new)
この曲はエディー・ソーターがアレンジを担当しているが、ソーターのアレンジ集ではなく「新たなる宝庫 黄金時代のベニーグッドマン」に収められている。前録音から1か月半でのレコーディングだが、メンバーがかなり替わっている。クーティーが復帰し、久しぶりのテディ・ウィルソンがピアノを担当している。ドラムスのタフが今回も短期間で退いている。
BGがリードするアンサンブルで始まる。ソロはまずはBG、続いてマックスウェル(Tp)、ロビンソン(As)、再度BG、バターフィールド(Tp)、オウルド(Ts)、クーティー(Tp)とそれぞれ短いソロが入る。
師粟村政昭氏はその著『モダン・ジャズの歴史』の中でこう語っている。
「ビ・バップは、ミントンズ・プレイハウスを中心とするアフター・アワーのジャム・セッションの中から生まれた」。そしてその「ミントンズ・プレイハウス(以下ミントンズと略)におけるアフター・アワーのジャム・セッション」をヴィヴィットに捉えた数少ない音源の記録が収録されているのである。
また粟村氏はその著『ジャズ・レコード・ブック』の中でこうも語っている。
ジャズ史上最大のギタリスト、チャーリー・クリスチャンの偉大さについては余りにもしばしば語られているが、もしもジェリー・ニューマン(Jerry Newman)氏によって録音された「ミントン・ハウスのクリスチャン」(本盤)という貴重なLPが世に出なかったとしたら、今日彼の評価はどうなっていただろうか。彼がジャズ・ギター史上の巨人であったことを否定する人はいなくても、モダン・ジャズのパイオニアとしての彼の名は伝説の中にのみ留まることになったに違いない。あくまでもシンプルなプレイに終始しながら、疑うことなくモダンの香りを一杯にたたえたこれら一連の演奏を聴くとき、ギターという楽器を初めてソロ楽器として全面的に採り上げたばかりでなく、一歩進んでジャズ界全体をリードするに至ったクリスチャンの偉業に改めて敬意を表さずにはいられない。
しかもこれらの演奏を通じて、ある意味でソロの内容以上に注目されて良いと思えるのは、クリスチャン〜モンク〜フェントン〜クラークの4人からなるリズム・セクションが、ユニットとして演じて見せた新しいリズム・セクションの在り方である。ベースがステディな4ビートをキープすることによって、ドラムは従来の四分の4拍子の足かせを解かれ、一方ギターは完全な自由の下に、ソロとリズムの両面に渡って最も理想的な形で演奏全体をリードしているという点であった。このミントンズにおけるジェリー・ニューマン氏の録音は、クリスチャンの最もモダンな演奏を記録すると同時に、今一人の巨人ケニー・クラークの極めて興味深い初期のドラミングをも紹介している。1914年生まれのクラークは、この録音が行われた当時、クリスチャンに2歳先立つ青年であったが、クリスチャンの場合とは対照的にこの時のプレイが、モダン・ドラマーとしての彼を評価するべきおそらくは最初の作品となった。
一方、クラークとともに夜毎ミントンズのステージに上がっていたモンクは、この当時より彼自身の手になる新しいコードの創作に専念しており、数年後にバッパーたちが盛んにやったような、既成のコードに新しいメロディーをつけるという仕事には、全くと言っていいほど関心がなかった。従って、従来のハーモニーに依存しないという一点において、彼はまさしく重要な方向を指し示していたにもかかわらず、バップがジャズの新しい語り口として完成された時、本質的にバッパーとは言えなかったモンクは、いともあっさりと時流の外に取り残されてしまった。50年代の後半に至ってようやくモンクは彼の業績に対する時ならぬ再認識ブームを享受することができたが、40年代の初めに特異であった彼の音楽概念が、40年代の後期においても依然として特異であったというところに、商業ベースから眺めた場合の、長い年月にわたる彼の不運があったものと言える。
もう一人ジョー・ガイは、かつてテディ・ヒルのバンドにおいて、ガレスピーと席を並べたこともある有能なトランぺッターで、モンクやクラークと共にミントンズのハウス・バンドの一員として、アフター・アワーのセッションには常に加わることのできる有利な立場にあった。しかも今でこそガイは、モダン初期に活躍した一寸腕の立つトランぺッターで、スタイルとしてはロイ・エルドリッジの亜流くらいの評価しか受けていないが、クリスチャンの在世当時には、トランぺッターとしての総合点において、明らかにガレスピーを抑える存在であった。なぜならその頃のガレスピーは、新しいハーモニーの習得に熱中するあまり、楽器を十分に鳴らすという能力については難点があり、しかもスタイル的にもジョー・ガイ同様未だロイ・エルドリッジの殻を背中にくっつけたようなフレージングで吹いていたからである。
しかしジョー・ガイはいち早く新しいジャズの息吹に触れはしたものの、結局はそれ以上の域には進むことが無く、いつしかビリー・ホリデイの夫君であったという事実によってのみ記憶されるような、ささやかな存在となってジャズ界から消えていった。
因みにベースのニック・フェントンについては油井正一氏によるレコード解説、粟村氏の著作などにおいても全く言及されていない。
<Date&Place> … 1941年5月6日 ニューヨーク・「クラーク・モンローズ・アップタウン・ハウス」にてジェリー・ニューマンが録音
<Personnel> … ジャム・セッション(Jam session)
<Contents> … 「チャーリー・クリスチャン・アット・ミントンズ」(Columbia SL-5001-EV)
| B面4. | ガイズ・ゴット・トゥ・ゴー | Guy's got to go |
| B面5. | リップス・フリップス | Lips flips |
まず録音場所はミントンズではなくモンローズ・アップタウン・ハウスで行われたもの。B-4.とB-5.ではメンバーが若干入れ替わる。ジャム・セッションではよくあることだ。
「ガイズ・ゴット・トゥ・ゴー」
クリスチャンのソロからスタートする。合奏のリフが入り短いTpソロが入り、唐突に終わる。
「リップス・フリップス」
Tsソロから始まる。油井正一氏はカーミットではないかという。続いてTpとなるが、これはジョー・ガイではないかという。そしてクリスチャンのGtとソロをつなぎ、合奏となって終わる。
<Date&Place> … 1941年5月 ニューヨーク・「ミントンズ・プレイハウス」にてジェリー・ニューマンが録音
<Personnel> … ジャム・セッション(Jam session)
レコード解説の油井正一氏はA面の面子は上記であると書いておられるが、Web上では3曲とも面子、演奏日ともに異なるという。この辺りのデータは新資料の発見などで新しいものが正解のことがある。ともかく僕には判定できないので、油井正一氏のものを記載しておく。
<Contents> … 「チャーリー・クリスチャン・アット・ミントンズ」(Columbia SL-5001-EV)
| A面1. | スイング・トゥ・バップ | Swing to bop |
| A面2. | サヴォイでストンプ | Stompin' at the Savoy |
| A面3. | アップ・オン・テディーズ・ヒル | Up on the Teddy's hill |
「スイング・トゥ・バップ」
LP中最も価値が高い演奏。録音は演奏の途中で始まり、途中で終わるのはディスク・レコーダーの機能の限界を示すものだが、音は良くないがSP盤の3分前後を前提とした演奏ではなく、9分近い演奏(途中であるが)を捉えている点で極めて貴重といえる。
もともと"Swing to bap"という曲があるわけではなく、後からニューマン氏が付けたと思われる。しかしニューマン氏に敬意を表してかカウント・ベイシー作の“Topsy”のコード進行に基づいていると書かれていることから、油井氏ははっきり“Topsy”そのものであると述べている。
まずクリスチャンのギター・ソロは今聴いても全く古臭さなど感じさせないモダンでクールなソロである。8分音符のシングル・トーンが中心だが時折16分音符3連符、トリル、ダブル・トーン、チョーキングなども交え極めてエモーショナルでありながら抑えの利いたソロを展開する。
続くジョー・ガイのTpソロはスイング時代を感じさせるもので、油井氏は次のモンクのソロをテディ・ウィルソンやクライド・ハート的だと評しているが、確かに後年の独特の<間>を活かしたプレイではない。最後にもう一度クリスチャンのソロが出てくるが、一番聴きどころが多いのはクリスチャンのソロということを改めて感じる。
「サヴォイでストンプ」
チック・ウエッブ、ベニー・グッドマンなどスイング時代のビッグ・バンドが得意としたスタンダードなジャンプ・ナンバー。ガイがメロディーを吹きクリスチャンがバックを受け持つ。続いてガイ、モンクのソロになるが、まだまだスイング時代を抜けていないように感じる。やはりモダンなクリスチャンのソロが際立っている。クリスチャンの後もう一度Tpのソロになり、再びクリスチャンのソロの後Tpがリードする合奏で終わる。
A面3.「アップ・オン・テディーズ・ヒル」(Up on the Teddy's hill)
ミントンズのマネージャー、テディ・ヒル氏に因んだ曲名だが、油井氏によればこれも後からジェリー・ニューマンが勝手につけたものではないかと書いている。客席がエキサイトしている様子が伝わってくる。ハウス・バンドの4人にテナー・サックスともう一人のトランペットがアンサンブルに参加している。
クリスチャンのソロでスタートする。クリスチャンに続くTsソロは、油井氏はドン・バイアスに似ていると思うが、ジョージ・ホーファー氏はカーミット・スコットだと言っているそうである。続いてアンサンブルをバックにしたTpソロから全員による合奏となり、急なフェイド・アウトで終了する。
<Date&Place> … 1941年5月28日 ニューヨーク マディソン・スクエア・ガーデンからのラジオ放送
<Personnel> … ベニー・グッドマン・セクステット(Benny Goodman Sextet)
Bass … アーティー・バーンスタイン ⇒ ウォルター・ルース(Walter Looss)
Drums … デイヴ・タフ ⇒ ニック・ファトゥール(Nick Fatool)
以外4月17日と同じ。
<Contents> … "Charlie Christian/LIVE"(Jazz Archives JA-23)
B面7.「ベニーズ・ビューグル」(Benny's bugle)
マディソン・スクエア・ガーデンで行われた"Monte proser dance carnival"からのラジオ中継。多分BGがメンバー紹介を行い、クーティのイントロ、短い合奏からクリスチャン、BG、グアルニエリ合奏を挟んでオウルドからリフをバックにBGが吹きまくり大いに盛り上げる。
<Date&Place> … 1941年6月
<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)
Bass … アーティー・バーンスタイン ⇒ ウォルター・ルース(Walter Looss)
Drums … デイヴ・タフ ⇒ ニック・ファトゥール(Nick Fatool)
以外5月5日と同じ。
<Contents> … "Charlie Christian/LIVE"(Jazz Archives JA-23)
B面8.「チョンク、チャーリー、チョンク」(Chonk , Charlie , chonk)
5月28日と同じ、マディソン・スクエア・ガーデンで行われた"Monte proser dance carnival"からのラジオ中継で、曲は"Solo flight"。レコードと同様にクリスチャンがフューチャーされ、オーケストラをバックに堂々たるソロを繰り広げる。この曲のライヴ録音は貴重だと思う。最後は大将のBGが盛り上げる。
<Date&Place> … 1941年6月11日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and his orchestra)
5月5日から大幅な移動がある。まとめると
Piano … テディ・ウィルソン ⇒ メル・パウエル
Guitar … マイク・ブライアン ⇒ チャーリー・クリスチャン
Bass … アーティー・バーンスタイン ⇒ ウォルター・ルース
Drums … ジョー・ジョーンズ ⇒ シドニー・カトレット
<Contents> … "Benny Goodman presents Eddie Sauter"(Philips B 07010 L)
| A-6. | ラ・ロシータ | La Rosita |
| B-5. | ソフト・アズ・スプリング | Soft as Spring |
この録音からピアノにメル・パウエルが入り、ドラムにはシドニー・カトレットが入っている。またチャーリー・クリスチャンが加わっているのが意外である。
「ラ・ロシータ」
エキゾチックなナンバー。ソロはBG。そしてTpソロが入るがこれは不明。どうもクーティーっぽくはない感じがする。
「ソフト・アズ・スプリング」
ヴォーカルにヘレン・フォレストが入る。フォレストはこの後BG楽団を退団するので、この録音が僕の持っている最後のBG楽団におけるフォレストである。僕は可憐なフォレストの歌が好きなのだが…。
天才逝く
上記1941年6月11日の録音が天才チャーリー・クリスチャンの最期の録音となる。1940年ごろに罹ったとされる肺結核が徐々に彼の体を蝕んでいたのである。彼は医師から摂生をするよう言われていたにもかかわらず、女遊びとマリファナそして寝る間を惜しんでの深夜のジャム・セッションを控えることはなかったという。1941年の暮れごろから入院し、年が明けてしばらくした3月2日ついに帰らぬ人となった。25歳という若さであった。
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