ウッディ・ハーマン 1946年
Woody Herman 1946
ビッグ・バンド時代はアレンジャーの時代と言われるが、そのバンドがどのようなカラーを持つバンドになるかは、アレンジャーのアレンジ次第ということを考えれば、当然のことであろう。スイング時代の名バンドを振り返ってみれば、名バンドには必ず名アレンジャーがついていた、というかバンド・リーダーは名アレンジャーを確保しようと必死だったのである。ベニー・グッドマンの楽団にはフレッチャー・ヘンダーソンがいたし、トミー・ドーシーは、ボブ・クロスビー楽団からディーン・キンケイドを引っこ抜き、ジミー・ランスフォード楽団からサイ・オリヴァーを引っこ抜いた。例外はデューク・エリントン楽団で、それはエリントン自身が名作・編曲家だったためであるが、その右腕としてビリー・ストレイホーンが加入してきたことはどれほど心強かったか分からない。
さてでは、このウディ・ハーマン楽団はどうであったのかと言えば、勿論極め付きの名アレンジャーを二人を擁し、その才を競っていたのである。一人はニール・ヘフティ、もう一人はラルフ・バーンズだった。ニール・ヘフティは、ハイスクール時代かなプロのバンドに雇われたが、読譜に弱く解雇されたという。その割にハイスクール時代からアレンジを書いていたというのだから、よく分からない人だ。ともかくは、Tp奏者としてディジー・ガレスピーに心酔し、バンドにバップ的要素を持ち込んだ。一方のラルフ・バーンズは、ストラヴィンスキーやダリュース・ミヨーなど現代音楽の理論を学び習得し、従来のジャズをリズム・ハーモニー、メロディ全ての面で一層近代的に発展させようと考える作曲者であり編曲者で、しかもデューク・エリントンに深く傾倒していた。こういった二人のアレンジャーに加え、スイングの単調な4ビートに飽き足らず、クロス・リズムや休止符、テンポ・チェンジなどのモダン奏法を導入しながらも強力にスイングするリズムを第一としたベースのチャビー・ジャクソンがリズム隊を引っ張っていたのだから、魅力的でないわけがない。
<Date&Place> … 1946年1月3日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)
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Bass … チャビー・ジャクソン ⇒ アーノルド・フィシュキン
Vibraphone … レッド・ノーヴォ ⇒ In
<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)
record2 B-2.「ウエルカム・トゥ・マイ・ドリーム」(Welcome to my dream)
ベースのジャクソンが不参加だが、一時的なものであろう。ヴァン・ヒューゼン作ラルフ・バーンズのアレンジによるスロウ・バラード。フランシス・ウエインのヴォーカル・ナンバー。ヴォーカル前の一瞬ホッジスを思わせるアルト・ソロはハーマン自身で、ヴォーカル後のTbはビル・ハリス。どことなく格調高いラヴ・ソングである。
<Date & Place> … 1946年1月16日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … デューク・エリントンズ・アンド・ウディ・ハーマンズ・コンバインド・オーケストラ(Duke Ellington's & Woody Herman's combined Orchestra)
Herman's Band |
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Trumpet … ピート・カンドリ、ニール・ヘフティ、アーヴ・ルイス ⇒ アーヴ・マルコヴィッツ、コンラッド・ゴゾー
Bass … アーノルド・フィシュキン ⇒ チャビー・ジャクソン
Vibraphone … レッド・ノーヴォ ⇒ マージー・ヒアムス
この録音は興味深い。資料がなく詳しくは不明だが、「リッツ・シアター」で、デューク・エリントン楽団とファースト・ハードと呼ばれ誉れ高かったウディ・ハーマン楽団の共演が行われた。多分それぞれのバンドの演奏コーナーと、両バンドの合同合奏がおこなれたのだろう。
<Contents> … "The Duke"(History 2041551-302)
CD35-20.「C・ジャム・ブルース」(C Jam blues)
ご存じエリントン作の超有名曲。ブルース・ナンバーなので合同演奏には向いているのだろう。P(多分エリントン)のイントロからテーマに入り、Cl(多分ハーマン)、Tp、Tsから高音ヒットのTpのリードするアンサンブルとなる。以外に短い演奏。
<Date&Place> … 1946年2月17日 ニューヨークにて録音
<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)
Trumpet … アーヴ・マルコヴィッツ ⇒ ピート・カンドリ、カッピー・ルイス
<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)
record2 B-5.「パナシア」(Panacea)
レナード・フェザーの作で編曲はラルフ・バーンズ。ハーマンのヴォーカル・ナンバー。バウアーのGtとノーヴォのVibとジャクソンのBというモダンなイントロで始まるが、ブルースである。ハーマンのヴォーカルにオブリガードを付けるのは、初めはノーヴォ、続いてTs(多分フィリップス)、Tb(多分ハリス)。バーンズのアレンジなので、普通のブルースではないぞという感じが伝わってくる。ソロはハリス、カンドリ。それでもちゃんとスイングしているところが良い。
<Date&Place> … 1946年3月25日 ニューヨーク・カーネギー・ホールにて録音
<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)
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Trumpet … カッピー・ルイス ⇒ アーヴ・マルコヴィッツ
<Contents> … 「ウディ・ハーマン・アット・カーネギー・ホール」(MGM MM 2089)
| A面1. | レッド・トップ | Red top |
| A面2. | スイート・アンド・ラヴリー | Sweet and lovely |
| A面3. | スーパーマン・ウィズ・ア・ホーン | Superman with a horn |
| A面4. | ビジュー | Bijou |
| A面5. | ワイルド・ルート | Wild root |
| A面6. | フォア・メン・オン・ア・ホース | Four men on a horse |
| A面7. | おやじのひげ | Your father's mustache |
| B面1. | ザ・グッド・アース | The good earth |
| B面2. | ミーン・トゥ・ミー | Mean to me |
| B面3. | 私の彼氏 | The man I love |
| B面4. | パナシア | Panacea |
| B面5. | ブロウイン・アップ・ア・ストーム | Blowin' up a storm |
| B面6. | エヴリホエア | Everywhere |
| B面7. | ハレルヤ | Hallelujah |
| B面8. | ヘッズ・アップ | Heads up |
まさに「ファースト・ハード」人気・実力ともNo.1にあった1946年3月末のカーネギー・ホールでのライヴ音源。レコード解説は最も信頼できる粟村政昭氏が書いている。先ず当日のセット・リストは全22曲であったという。そのうち15曲がこのアルバムに収められている。漏れた7曲の内特に残念なのは、3曲。一つは、当日のオープニング・ナンバーの「カルドニア」で、1945年の吹き込まれたレコードでは、他のバンドでは到底無理と言われたTpセクションの難しいユニゾン・プレイ。そしてこの年の9月にスタジオ録音される名曲「サマー・シークエンス」。そして何といっても1945年8月に吹き込んだ「ビジョー」をレコードを聴き、大いに感銘を受けたという現代クラシック音楽の巨匠、ストラヴィンスキーがハーマン楽団にプレゼントした「エボニー・コンチェルト」の初演の欠落が痛い。この曲には他にエピソードがあるので、後述する。
また注目されるのは、粟村氏によるとチャビー・ジャクソンはマイクを仕込んだ5弦ベースを使用していたという。写真右上は、当時ジャクソンが使用していたベースで、確かに5弦ある。マイクの取り付けは確認できなかった。名手は楽器にもこだわっていたことが分かる。
「レッド・トップ」
レコードにおいては、トップを飾るナンバーだが、当日のステージでは第2部の4曲目に演奏された。一聴してすぐファースト・ハードの演奏と分かる野性的なヘッド・アレンジを軸にエキサイティングなソロが次々と登場してくる。ソロはアレス(p)、ハーマン(Cl)、フィリップス(Ts)、ハリス(Tb)、アンサンブルを挟んでノーヴォ(Vib)。最後はリフで大いに盛り上げる。実際のコンサートでもつかみナンバーとして最適である。
「スイート・アンド・ラヴリー」
フリップ・フィリップスのお得意ナンバー。ゆったりとした演奏でフィリップのリリカルでふくよかなソロが堪能できる。
「スーパーマン・ウィズ・ア・ホーン」
当時ハイノート・ヒッターとして鳴らしたカンドリをフューチャーした曲。実際にカンドリはスーパー・マンの格好をして吹いたという。
「ビジュー」
作曲者ラルフ・バーンズとソロイストのビル・ハリスの名を高からしめたナンバー。現代音楽の巨匠イゴール・ストラヴィンスキーをいたく感激させたナンバー。カリブ海の音楽を思い起こさせるような曲。
「ワイルド・ルート」
ニール・ヘフティの名作。スインギーな曲で、テーマの後ソロはノーヴォ、フィリップス、ハリス、ハーマン。ともかく素晴らしい推進力を持った曲。
「フォア・メン・オン・ア・ホース」
リズム・セクションをフューチャーした珍しい曲。特にベースのジャクソンにスポットが当てられた。粟村氏によると、ジャクソンは5弦ベースをアンプにつないで音を出していたという。5弦ベースというのはそれまで聴いたことがない。彼こそは余り目立たないが、バンドの副リーダー格で、強力にバンドをスイングさせたのは彼だという。
「おやじのひげ」
ビル・ハリスがメロディを書き、ヘフティが編曲を取りまとめたという。ハーマン楽団の定番ナンバー。素晴らしいアンサンブルの後、ソロはTp(バーマンか?)、ハリス(Tb)、フィリップス(Ts)、ノーヴォ、ハーマンとにかくTpセクションが見事である。
「ザ・グッド・アース」
こちらもヘフティ作の傑作。頭のアンサンブルが素晴らしい。テナーのフィリップスがフューチャーされる。血沸き肉躍るようなビッグ・バンド・ジャズの魅力が詰まった演奏。
「ミーン・トゥ・ミー」
一転してこちらはスロウなスタンダード・ナンバーで、Tbのハリスをフューチャーしている。
「私の彼氏」
ガーシュイン作の永遠の傑作スタンダード。この曲ではヴァイヴのノーヴォがフューチャーされている。ノーヴォは初めはじっくりとリリカルなプレイを行い、途中からテンポ・アップしてスインギーなマレットさばきで聴かせる。
「パナシア」
レナード・フェザー作ラルフ・バーンズのアレンジのブルース・ナンバー。ハーマンのヴォーカルがフューチャーされる。A-4.「ビジュー」などと共に1945年スタジオ録音しているので、そのライヴ盤として聴き比べると楽しい。ヴォーカルのオブリガードはノーヴォが付け都会的な雰囲気になっていて、スタジオ録音とはかなり趣を変えている。
「ブロウイン・アップ・ア・ストーム」
ヘフティがその中心となっていたファースト・ハードが得意としたヘッド・アレンジによるナンバー。アンサンブルの骨子はヘフティが書き、後はヘッド・アレンジでの演奏したという。イントロはピアノ・トリオで静かに始まる。続いてハーマンのCl、フリップスのTs、ハリスのTb、ノーヴォのVibソロとなる。その後短いGtを挟んで、Tpセクションの出番となる。カンドリのハイ・ノートが効いており、熱気漲る快演である。
「エヴリホエア」
Tbのビル・ハリスの作をヘフティがアレンジしたもの。ハリスのリリカルなプレイが光る。
「ハレルヤ」
再びVibのノーヴォにスポットが当てられる。アップ・テンポのスインギーなナンバーで、ノーヴォの華麗なプレイが聴き処。
「ヘッズ・アップ」
ピックアップ・メンバー、ウッドチョッパーズによる演奏で、リーダーシップはノーヴォが取っている。ウッドチョッパーズについては、次5月16日の録音を参照のこと。
<Date&Place> … 1946年5月16、20、22日 シカゴにて録音
<Personnel> … ウッディ・ハーマン・アンド・ヒズ・ウッドチョッパーズ(Woody Herman and his woodchoppers)
ウッドチョッパーズは、ウッディ・ハーマン楽団のピック・アップ・メンバー。アーティ・ショウのグラマシー・ファイヴやトミー・ドーシーのクランベイク・セヴンのようなもの。ただここでピアノがトニー・アレスからジミー・ロウルズに替わっている。
<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)
| record2 A面1. | ステップス | Steps | 5月16日 |
| record2 A面2. | イゴール | Igor | 5月20日 |
| record2 A面3. | ネロス・コンセプション | Nero's conception | 5月20日 |
| record2 A面4. | パム | Pam | 5月20日 |
| record2 A面5. | ファン・イット | Fan it | 5月20日 |
| record2 A面8. | ロスト・ウィークエンド | Lost weekend | 5月20日 |
| record2 A面7. | アイ・サレンダー・ディア | I surrender , dear | 5月22日 |
「ステップス」
アンサンブルで始まり、ハーマンがテーマを吹く。ノーヴォとハーマン、Tp、ロウルズなどが短いソロが点描のように登場する。
「イゴール」
"Igor"とは、楽曲"Ebony concerto"を提供してくれたストラヴィンスキーのファースト・ネーム。アンサンブルの後ノーヴォ、ハリス、フィリップス、バーマン、ハーマン、ロウルズ、バウアーなどの短いソロが入る。
「ネロス・コンセプション」
「ネロ」とは暴君と言われた古代ローマの皇帝だろうか?ミディアム・スロウの落ち着いた曲。ソロはバーマンのミュートTp、フィリップスが取っている。
「パム」
ゆったりとした曲でアンサンブルの後ハーマンがテーマを吹き、フィリップス、バーマン、ハリスのソロへ繋ぐ。ソロにオブリガードを付けるようにノーヴォがVibを叩いている。
「ファン・イット」
アップ・テンポのスインギーなナンバー。ノーヴォのリードするアンサンブルの後ハーマンのヴォーカルとなる。ソロはノーヴォが先発する。続いてフィリップス、バーマンのミュートTp、ハリスとソロを繋ぎアンサンブルとなる。
「ロスト・ウィークエンド」
アップ・テンポのナンバーで、アンサンブルからフィリップス、ハリス、ロウルズ、ノーヴォ、ハーマン、バーマンとソロをつなぐ。一旦終わり、再び少しだけアンサンブルが登場する。こういう手法がこの時代にも行われたことを意外に感じる。
「アイ・サレンダー・ディア」
「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」の日本盤でも米国盤でも、46年12月10日ロサンゼルス・ハリウッドにおける録音となっている。しかし12月10日は「ウッドチョッパーズ・ボール」「ノン・アルコ―リック」をオーケストラでシカゴにおいてレコーディングした日である。この時代同日にシカゴとロスでレコーディングすることは不可能である。色々調べたところ46年5月22日ウッドチョッパーズによる演奏であることが判明したので、ここに記載した。
スタンダードのバラード・ナンバー。ノーヴォとハーマンがテーマを奏し、テンポを倍に取りソロに入る。バックにアンサンブルを付けエキサイティングに展開する。続いてバウアー、再びノーヴォのソロからアンサンブルとなる。
レコード解説によると、6月にリズム陣のかなめベースのチャビー・ジャクソンとギターのビリー・バウアーが退団する。替わってギターにはチャック・ウエイン、ベースにはジョー・モンドラゴンが入った。
参考
<Date&Place> … 1946年8月19日 ロサンゼルスにて録音
<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)+フレンチ・ホーン&ハープ
5月22日からの移動
Trumpet … アーヴ・マルコヴィッツ ⇒ カッピー・ルイス
ミッキー・フォーラス … Tenor sax ⇒ Bass Clarinet
Guitar … ビリー・バウアー ⇒ チャック・ウエイン
Vibraphone … レッド・ノーヴォ ⇒ Out
Bass … チャビー・ジャクソン ⇒ ジョー・モンドラゴン
+ジョン・ケイヴ(French horn)&スタンリー・チャループカ(harp)
<Contents> … YouTube
「エボニー・コンチェルト」(Ebony concerto)
カーネギー・ホールで初演されたストラヴィンスキーがハーマン楽団にプレゼントした楽曲が、ストラヴィンスキーの住む西海岸のコロンビアのスタジオでレコーディングされた。この曲は12インチSP盤にA面がパート1、B面がパート2として収録され発売された。この曲は「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」には収録されていない。パート1、2合わせて9分弱という長尺ものなので、割愛されたのかもしれない。このレコードは見かけたことが無いが、Youtubeで簡単に聴くことができる。
瀬川昌久氏によると、この曲についてのジャズ評論家たちの評価は芳しくなかったという。ピアニストであり、評論も行うクライド・ハートは「ストラヴィンスキーの作品としては、彼らしい創造性がない」と語っているし、粟村政昭氏も「ジャズ的な香りの全くない失敗作で、書き過ぎの責めを免れない硬直した曲想」と酷評している。僕も聴いて全くジャズではないと感じる。当のハーマンは、「元々ジャズ作品を書くことを意図していないのだ」と述べている。つまりそもそもジャズ作品ではないのだから、ジャズ的な香りがしないとは当然ということなのだろう。しかしではなぜそのような作品を当時最高にスイングするバンド、ウディ・ハーマンのファースト・ハードに演奏させたのかが疑問である。西海岸のスタジオ・ミュージシャンに演奏させても結果は同じだったような気がしてならない。ロシアからやって来た現代音楽の巨匠が、強力なスイング感を売りにするバンドに感激したからと言って、現代音楽風の曲を作り演奏しろと言われたミュージシャン達は面くらったであろう。喜んだのはラルフ・バーンズぐらいだったろうと思う。因みに後の1965年ベニー・グッドマンがこの曲をレコーディングしているが、クラシック好きのBGにとってはうってつけのナンバーであったろう。
<Date&Place> … 1946年9月17〜20日 ロサンゼルス・ハリウッドにて録音
<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)
ピアノがジミー・ロウルズからトニー・アレスに戻る。ロウルズはコンボ要員なのかな?
<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)
| record2 B面3. | サイドウォ―クス・オブ・キューバ | Sidewalks of Cuba | 9月17日 |
| record2 B面4. | 闇のロマンス | Romance in the dark | 9月18日 |
| record2 B面6. | レディ・マクゴーワンズ・ドリーム | Lady McGowan's dream | 9月18日 |
| record3 A面6. | サマー・シークエンス 1〜3部 | Summer sequence | 9月19日 |
| record3 A面1. | エヴリホエア | Everywhere | 9月20日 |
| record3 A面2. | バック・トーク | Back talk | 9月20日 |
| record3 A面3. | ウィズ・サムワン・ニュー | With someone new | 9月20日 |
| record3 A面4. | 苦しみを夢にかくして | Wrap your troubles in dreams | 9月20日 |
「サイドウォ―クス・オブ・キューバ」
アレンジはラルフ・バーンズ。ミディアム・アップ・テンポの快活なナンバー。アンサンブルの後バーマン、続いてウエイン(Gt)、ハーマン(Cl)の後アンサンブルとなって終わる。
「闇のロマンス」
これもアレンジはラルフ・バーンズ。始めのアンサンブル・バックのミュートTpソロはショーティ・ロジャース、これが初めてのソロではないかな?そしてマリー・アン・マッコールによるヴォーカルが入る。中間のソロはハリス(Tb)で、再びヴォーカルに戻る。
「レディ・マクゴーワンズ・ドリーム」
同曲と次曲「サマー・シークエンス」は、バーンズ作・編曲の重要作品。タイトルは、シカゴのアンバサダー・イーストというホテルに住む年配の女性、マクゴーワンに捧げたものだという。彼女はハーマン楽団のファンで、バンドの連中をよく招待してパーティを開いてくれたのだとのこと。組曲仕立てになっている。アンサンブルをバックにAsがテーマを美しく吹き、そこに絡むノーヴォが絡む。テーマが変奏されショーティ・ロジャースのミュートTpがソロを取る。さらにフィリップス(Ts)、ハーマンが美しくテーマを吹き上げる。
「サマー・シークエンス 1〜3部」
ラルフ・バーンズがベースのチャビー・ジャクソンの家で夏を過ごした時に生まれた曲だという。この曲だけ、ピアノはバーンズ自身が弾いています。美しい一遍の詩編のような作品で、第1部は"Slow and peaceful"(ゆったりとのどかに)演奏される。続いて第2部は"Fast and furious"(速く強烈に)演奏され、第3部は"Just happy"(ただ陽気に)と副題がついているように、各部独立した旋律を持ったエリントン風の組曲。
「エヴリホエア」
Tbのビル・ハリスの作をヘフティがアレンジしたもので、カーネギー・コンサートでも演奏された。ハリスのリリカルなプレイが光る。
「バック・トーク」
ノーヴォとショーティ・ロジャースの共作に、新しくアレンジも手掛け出したショーティ・ロジャースがアレンジしたナンバー。ソロはノーヴォ、ハーマン、ハリス、フィリップス、ラモンド(Ds)と続く。
「ウィズ・サムワン・ニュー」
テナーのフィリップス作でアレンジはラルフ・バーンズ。フィリップスがエモーショナルにしかもリリカルに素晴らしいソロを展開していく。
「苦しみを夢にかくして」
マッコールのヴォーカルをフューチャーしたナンバー。ハーマンはマッコールのベスト・シングの一つと称賛しているという。アレンジはラルフ・バーンズ。確かに全体として素晴らしい出来だと思う。
<Date&Place> … 1946年10月12日 ロサンゼルス・ハリウッドにて録音
<Personnel> … ウッディ・ハーマン・アンド・ヒズ・ウッドチョッパーズ(Woody Herman and his woodchoppers)
<Contents> …「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)
record2 A面6.「サムディ・スイートハート」(Someday sweetheart)
スタンダード・ナンバー。テーマをハーマンがノーヴォのオブリガードを受けながら吹いていく。ソロはウエイン(Gt)、ロウルズ(P)、ノーヴォ、フィリップス、バーマン。
ビリーは1946年の秋映画に出演するために、西海岸ハリウッドに向かった。ビリーの最初にして最後の映画出演である。ビリーは自分の役を、ナイト・クラブか何かでビリー・ホリデイとして2、3曲歌うのだと思っていた。しかし彼女の役は、歌はほとんど歌わない<女中>の役だった。ビリーは、こんな役に契約した、マネージャー、ジョー・グレイザーを激しく恨んだ、と『奇妙な果実』に書いている。
今となっては歌っているビリー・ホリデイを見ることができる数少ない映像として貴重である。ビリーは、歌っているシーンがほとんどないと言っているので、期待しないで観ると、意外と歌っているシーンが多いのでうれしくなる。因みに僕はDVDを買って観た。確か500円だった記憶がある。
映画の内容は、史実とは異なるところが多い。ストーリーヴィルが閉鎖されたのが1917年というのは合っているが、その理由が異なる。また、当時全米一人気があるバンドとして最後にウディ・ハーマンのオーケストラが出るが、これは撮影している1946年のことで、設定の1917年ではない。ともかくビリーを初め、キッド・オリィやミード・ラックス・ルイス、ウディ・ハーマン・オーケストラなどが観れて、ビリーには申し訳ないが大変楽しい映画である。
<Date&Place> … 1946年12月10日 シカゴにて録音
<Personnel> … ウッディ・ハーマン楽団(Woody Herman and his orchestra)
Trumpet … ソニー・バーマン、ピート・カンドリ、ショーティ・ロジャース ⇒ ボブ・ペック、チャック・ピーターシュ、アル・ポーシノ
Tpセクションのみ前回9月20日から大きく変わる。
<Contents> … 「ウディ・ハーマン/ザ・サンダリング・ハーズ」(CBS SL-1191〜3-C)&"Woody Herman/The thundering herds"(Columbia C3L-25)
| record2 B面7. | ウッドチョッパーズ・ボール | Woodchopper's ball | |
| record3 A面5. | ノン・アルコ―リック | Non-alcoholic | |
「ウッドチョッパーズ・ボール」
1939年に一度吹き込み大ヒットし、ハーマン楽団のテーマのようになっているナンバー。アレンジはヘフティ。ソロは、ハーマン、ハリス、フィリップス、ルイス(Tp)、ロウルズ(P)と廻していく。
「ノン・アルコ―リック」
Asのジョン・ラポータが作・編曲したバップ臭の濃い作品。解説によると全音階スケールに基づいたモダンな曲とのこと。ソロはフィリップス、ハリス、ハーマンと続き、最後はアル・ポーチノが高音をヒットして終わる。
この曲を吹き込んだ後の1947年1月実力、人気とも頂点にあったウディ・ハーマンの楽団はリーダーの解散宣言によって、解散する。この曲がファースト・ハード最後の吹込みとなった。
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