ライオネル・ハンプトン 1947年
Lionel Hampton 1947
1948年に公開されたMGM映画"A song is born"のために集められたメンバーによる録音が行われた。ものすごく豪華なメンバーである。このパーソネル・メンバーはそのまま映画にも出演した。しかし映画のタイトルが"A song is born"なのに、曲名が"A song was born"と過去形になっているんだろう?
映画のストーリーは、フォーク・ミュージックの研究家である教授(ダニー・ケイ)が、7人の学者と共に総合的な音楽百科事典を執筆し録音していた。そして学者達は、10年近くラジオも聴かず世の中とは断絶された生活を送っていた。たまたま教授たちの研究室の、2人の窓拭きが教授たちに質問をしたことをきっかけに、教授たちはスウィング、ジャイブ、ブルース、ブギウギ、ビ・バップなど、ポピュラー音楽にはさまざまなスタイルがあることに気づかされる。そこで教授は早速様々なタイプのジャズを求めて、夜の街に繰り出し、ナイトクラブを探索して回る。そこで教授はメル・パウエル、トミー・ドーシー、ゴールデン・ゲイト・カルテット、チャーリー・バーネット、ライオネル・ハンプトン、ルイ・アームストロング、ベニー・カーターといったミュージシャンに出会う。そしてそこで出会ったナイト・クラブの歌手(ヴァージニア・メイヨ)に恋心を持つに至る。そして色々紆余曲折を学者仲間やジャズ・ミュージシャン達の協力で乗り越えて結ばれるというお話です。
その映画の挿入歌が「ア・ソング・ウォズ・ボーン」です。右はその映画内での演奏シーン。左からベニー・グッドマン、ルイ・アームストロング、ライオネル・ハンプトン、チャーリー・バーネット、トミー・ドーシーが映っています。
<Date&Place> … 1947年8月9日 多分ロスアンゼルスにて録音
<Personnel> … ジャイアンツ・オブ・ジャズ(Giants of Jazz)
<Contents> … 「キャピトル・コレクターズ・アイテム」(ECJ-50077)
B面1.「ア・ソング・ウォズ・ボーン」
レコードの解説によると、映画のサウンド・トラックとは別にキャピトルのスタジオにおいて録音されたという。癌研究基金への寄付を目的として製作されたSPアルバムに組み込まれて発売されたため、RCAとの契約下にあったサッチモやトミー・ドーシーの参加が可能になったという。
曲はどことなくドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」第2楽章(家路)に似ているが細かいことは気にせずに楽しもう。ゴールデン・ゲイト・カルテットのアカペラ・コーラスで始まり、アンサンブルが入り、ジェリ・サリヴァン、続いてルイのヴォーカル、ドーシーのTbソロ、ルイのTpソロ、バーネットのTsソロ、グッドマンのClソロからアンサンブルを挟んでパウエルのPの後2小節のソロ交換があって終わる。
<Date&Place> … 1947年8月4日 パサディナにて録音
<Personnel> … ライオネル・ハンプトン・オールスターズ (Lionel Hampton All Stars)
<Contents> … 「ライオネル・ハンプトン・オール・スターズ/スターダスト」(Decca VIM-5505)&"Lionel Hmpton/Hampton"(Master of Jazz R2CD 8017)
A面1.&CD2-19.「スターダスト」(Stardust)
ホーギー・カーマイケルの永遠に残るだろう名作「スターダスト」の名演は数あれど、その最右翼に位置する名演として名高い1作。15分を越える力演。ハンプトンのイントロで始まり、ウィリー・スミス(As)、シェイヴァース、コーコラン(Ts)、スチュアート(B)、トッド(P)、ケッセル(Gt)、ハンプトン(Vb)とソロを繋ぐ。それぞれ素晴らしいが、何といっても有名なのは冒頭のウィリー・スミスで、リリカルで情緒あふれるプレイは、彼独自の華麗な音色と相俟って正にワン・アンド・オンリーの名演である。そしてもう一人ハンプトンも正に入神の力演である。ハンプトンのCDに収録されているのは、このハンプトンのソロのみである。また各人のソロのバックも出来るだけ抑えての演奏で、ソロを浮き立たせているのも素晴らしい。
<Date&Place> … 1947年11月10日 ロスアンゼルスにて録音
<Personnel> … ライオネル・ハンプトン・オーケストラ (Lionel Hampton Orchestra)
<Contents> … "Lionel Hmpton/Hampton"(Master of Jazz R2CD 8017)&"Charlie Mingus/The Young Rebel"(Properbox 77)
| CD2-15. | ホウクズ・ネスト | Hawk's nest |
| CD2-16.&CD1-21. | ミンガス・フィンガーズ | Mingus fingers |
| CD2-17. | ムーチャチョ・アズール | Muchacho azul |
| CD2-18. | ミッドナイト・サン | Midnight sun |
ライオネル・ハンプトンという人は、かつてチャーリー・クリスチャンに最初の吹込みの機会を作ったように、その若者に才能があると見込めば、その才能を伸ばすべく努力を惜しまないという気質に富んだ人だったように思える。そして今回彼の目が留まったのが、チャールズ・ミンガスという辺りは、如何に彼の目が確かだったかがうかがい知れるのである。
「ホウクズ・ネスト」
ハンプトンのイントロ・ソロから、アンサンブルとなる。最初のソロはウッドマン(Tb)、続いてレイン(Ts)からアンサンブルに戻る。
「ミンガス・フィンガーズ」
タイトル通りベースのミンガスをフューチャーしている。アンサンブルと絡み合い、ハンプトンのソロも挟みながらミンガスのベース・プレイが縦横に展開される。
「ムーチャチョ・アズール」
アンサンブルで始まる。メキシカン的に要素を持った雰囲気の曲。ソロはジャック・ケルソン(Cl)、ハンプトン、レイン(Ts)。アンサンブルに戻って、ハンプとバンドのコール・アンド・レスポンスなどが入りエンディングに向かう。
「ミッドナイト・サン」
ハンプトンの作だという。ビッグ・バンドバックにハンプのヴァイブがフューチャーされる。
<Date&Place> … 1947年11月14日 ロスアンゼルスにて録音
<Personnel> … ライオネル・ハンプトン・アンド・ヒズ・セクステット (Lionel Hampton And His Sextet)
<Contents> … "Charlie Mingus/The Young Rebel"(Properbox 77)
CD1-17.「ズー・ババ・ダ・ウー・イー」(Zoo-Baba-Da-Oo-Ee)
ハンプのイントロからアンサンブルが入る。ソロはベイリー(Tp)からで、絡むようにマーマロサ(P)の短いソロが入る。続いてガレスピー楽団の「ウープ・パップ・ア・ダー」のようなハンプとバンド・メンバーによるスキャット・コーラスが入り、ハンプのスキャット・ソロ・ヴォーカル、レイン(ts)、ハンプ(Vb)からアンサンブルに戻る。
このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。
お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。